市場の成長が著しくキャリアアップしやすい点から、SaaS企業への転職が注目されています。
本記事では、SaaS企業への転職が注目される理由やメリット・職種・求められるスキルについて解説します。
SaaS業界や企業の理解を深めて、将来のキャリア形成につなげてください。
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SaaS系企業への転職が注目されている理由
昨今、SaaS系企業への転職が注目されています。
理由は、利便性の高いSaaS商品の需要が増しており、成長性が著しいためです。
さらに、リモートワークができる企業が多く、働き方の柔軟性がある点も理由の一つです。
ベンチャー企業の参入も多く、積極的な採用を行っていることから、SaaS企業への転職が注目されています。
本項では、SaaS系企業への転職が注目されている理由を4つ解説します。
SaaS業界の成長が著しいから
SaaS系企業への転職が注目されている理由は、成長が著しいためです。
総務省によると、SaaSが含まれるクラウドコンピューティングサービスを導入している企業の割合は7割を超えています。
機器を選ばない点や操作のしやすさにより、人気が拡大しています。
さらに、新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークが進み、SaaS商品の一部であるWeb会議システムを利用する会社が増加しました。
SaaS商品は、場所を問わずにアクセスできるため、リモートワークとの相性がよいことが理由です。
今後もSaaS商品を導入する企業の増加が予想されるため、将来性のある業界だといえるでしょう。
リモートワークが可能な企業が多いから
SaaS業界は、リモートワークが可能な企業が多いため、注目が集まっています。
株式会社エムエム総研によると、7割近くのSaaS企業では、リモートワークやハイブリッドワーク(リモートワークと出社を組み合わせたスタイル)を導入していることが報告されました。
SaaS業界は、出勤しなくても仕事が可能なため、働き方の多様性を実現できます。
子育てや介護といった家庭の事情がある方でも、働きやすい環境があります。
参考:株式会社エムエム総研「SaaS営業職の働き方に関する調査」
キャリアアップしやすいから
SaaS業界が注目されている理由は、キャリアアップがしやすいためです。
成長市場であるSaaS業界は、新たなビジネスチャンスや市場に参入できる機会が豊富に存在します。
たとえば、近年ではハードウェアからクラウドへの移行が進んでいるため、多くの業界にSaaS商品を販売できるでしょう。
結果として、SaaS業界に身をおくと、ほかの業界にはない経験を積めます。
また、ベンチャー企業が多く、役職や部署の垣根を越えて多種多様な業務を経験できます。
例を挙げると、営業でもマーケティングやマネージャーの仕事ができるといった点です。
そのほかにも、SaaS企業の営業では、メリットをロジカルに説明して、購買につなげる営業スタイルが求められます。
論理的な思考力が身につくため、市場から求められる存在となりキャリアアップしやすいでしょう。
ベンチャー企業の参入も多いから
SaaS企業への転職が注目されている理由は、ベンチャー企業の参入が多いためです。
新規事業の立ち上げを予定しているSaaSのベンチャー企業が、営業職を募集しているケースが多くあります。
そのほかにも、既存事業の人員を拡大する企業もあります。
自身の能力をアピールできれば未経験でも挑戦できるため、SaaS企業は転職先としておすすめです。
そして、ベンチャー企業でも、メガベンチャーに成長を遂げることもあります。
自身の活躍で企業の成長に貢献できる点も期待を集める理由です。
SaaS企業に転職するメリット
SaaS企業に転職すると、多様な仕事が経験できます。
したがって、幅広いスキルを習得でき、市場価値の向上につながるでしょう。
また、SaaS企業では論理的思考力が求められるため、「戦略を立ててから実行に移す」というビジネスにおいて、役立つスキルを身につけられます。
本項では、SaaS企業に転職するメリットを解説します。
幅広いスキルを習得できる
SaaS企業に転職すると、幅広いスキルを習得できます。
たとえば、営業だけでなく、マーケティングやカスタマーサクセスなどの部署を数年ごとに異動するため、幅広い業務や職種を経験できるでしょう。
一つの部署で働き続けるよりも、複合的なスキルを身につけられるため、キャリアアップや市場価値の向上が期待できます。
自分のライフスタイルに合わせた働き方ができる
SaaS業界は、フレックスタイム制やリモートワークが導入がされている企業が多く、自身のライフスタイルに合わせた自由な働き方が可能です。
株式会社エムエム総研による「SaaS営業職の働き方に関する調査」によると、6割以上の企業がリモートワークを採用していると判明しました。
働き方の自由度が高いのがSaaS企業の特徴です。
ほかにも、SaaS営業職の方の残業状況は、月平均10〜15時間未満が最多でした。
残業時間が短い傾向にあり、長時間労働を防げます。
仕事に熱心に取り組みながらも、プライベートを充実させたい方に、SaaS企業への転職を推奨します。
参考:株式会社エムエム総研「SaaS営業職の働き方に関する調査」
将来の選択肢が広がる
SaaS業界に転職すると、豊富なキャリアを期待できます。
例を挙げると、SaaSの営業職であれば以下のような職種に就ける可能性があります。
- ITコンサルタント
- マーケター
- プロジェクトマネージャー
部署の垣根を越えて仕事ができるため、ほかの職種の仕事も経験できます。
また、年収の高い外資系のSaaS企業に転職する方法もあります。
希少価値の高いSaaS企業での経験をほかの企業でも活かせるでしょう。
SaaS業界には多様な職種がある
SaaS業界には、多様な職種があります。
たとえば、案件の進捗管理や商品の品質管理を行うプロダクトマネージャーや、顧客の成約見込みを高めるインサイドセールスなどの職種です。
多様な職種が連携を取りながら、SaaS商品の開発・提案・フォローをしています。
本項では、SaaS業界の職種について詳しく解説します。
プロダクトマネージャー
プロダクトマネージャーとは、プロダクトの成長を推進する職種です。
経営方針や経営戦略に沿って、進捗管理や品質管理などの調整を担います。
人を動かす能力が必要であり、コミュニケーション力が求められます。
さらに、状況を客観的に分析する論理的思考力も必要です。
SaaS業界において、営業やエンジニアで現場経験を積んでからプロダクトマネージャーになるのがよいでしょう。
フロントエンジニア
フロントエンジニアとは、デザインといった顧客から直接見える部分を開発する職種です。
Webサービスの使いやすさや視認性を高めて、新規顧客の獲得や継続顧客の維持につなげることが欠かせません。
とくに、SaaSは顧客の継続率が高い業界であるため、顧客からのフィードバックを分析しながら商品に反映し、改善していくスキルが必要です。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、サーバーのような顧客が直接見えない部分の管理を担当する職種です。
日常的に目に触れることはありませんが、サービス全般の基礎となるシステムを開発するため、重要な仕事です。
具体的な仕事内容として、データベースの管理やシステムの要件定義などを行います。
SaaS企業においては、インターネット上にサービスを提供するクラウドサービスに精通していることが求められます。
インフラエンジニア
インフラエンジニアとは、システム運用やネットワークの管理などを行う職種です。
SaaS業界においてのインフラエンジニアの役割は、提供するサービスを安定させることです。
具体的には、WindowsやLinux、UNIXなどのOSを担当します。
障害発生時でも、システムダウンせず高いパフォーマンスを発揮する構成を組む設計スキルが求められるでしょう。
マーケティング
SaaS業界においてマーケティングとは、マーケティング戦略の立案や実行などを担当する職種です。
SaaS業界では、自社のサービスと類似した商品が存在するケースも多く、他社との差別化が必要です。
具体的には、競合他社の長所や弱みを分析したり市場のニーズ分析をしたりして、施策の立案を行います。
さらに、Web上の広告運用やSNSの集客に携わることもあります。
データを見ながら新たな仕掛けを生み出していく姿勢が求められるでしょう。
競合との差別化を行いながら、自社の強みをアピールしていくスキルが求められます。
インサイドセールス(内勤営業)
インサイドセールスとは、顧客と対面せずに営業する職種です。
フィールドセールスよりも先に顧客との接点をもつポジションであり、関係構築を行い商品への理解を深めてもらいます。
顧客の受注確度を上げた後にフィールドセールスに引き継ぎ、商品やサービスの購入につなげます。
顧客が抱えている課題を明確にすることで、商品の検討段階を上げられるでしょう。
サービスの購入につなげる重要な仕事です。
フィールドセールス(外勤営業)
フィールドセールスとは、インサイドセールスが確度を高めた状態の顧客に商談する職種です。
インサイドセールスが獲得した見込み顧客に対して、より詳細にサービス内容を説明しながら、受注へとつなげます。
フィールドセールスは顧客と直接会って商談を進められるため、信頼関係を構築しやすいのがメリットです。
商談スキルを高めることで、受注率を上げやすくなります。
カスタマーサクセス
SaaS業界においては、商品購入後に顧客の満足度を上げるように働きかけるカスタマーサクセスが必要です。
具体的には、商品を購入してもらった顧客へフォローの連絡を行ったり、不明点のサポートを行ったりして、リピート率を高めます。
SaaS業界では、継続率が売上に関わってくるため、重要な職種といえるでしょう。
SaaS業界の年収の目安
SaaS業界の年収は、職種によって大きく異なります。
たとえば、インサイドセールスの年収相場は約300万円~700万円、カスタマーサクセスであれば約300万円~800万円です。
一方でSaaS業界は、自身のスキルや企業によって平均年収が異なるため、年収1,000万円を目指すことも可能です。
そのため、後述する「SaaS企業に転職する際に求められるスキル」を参考にして能力を高め、伸びる企業へ転職しましょう。
SaaS企業に転職する際に求められるスキル
SaaS企業に転職する際には、さまざまなスキルが求められます。
具体的には、顧客への提案を的確に行うためのITの基礎知識や、案件においてチームを導くリーダーシップなどのスキルです。
商品のメリットを的確に伝える必要のあるSaaS商品を販売するため、高いスキルを身につけて売上を上げる姿勢が求められます。
本項では、SaaS企業に転職する際に求められるスキルを解説します。
ITの基礎知識
SaaS企業に転職する際には、エンジニアでなくてもITの知識が必要です。
なぜなら、営業として顧客と直接対面する際に、専門的な知識が必要になるためです。
ITの基礎知識があれば、顧客の課題をヒアリングして適切な提案ができるうえ、自社商品を魅力的にアピールできます。
ITの基礎知識をつけるためには、以下のような資格の取得をおすすめします。
- ITパスポート試験(ITに関する幅広い知識を証明する国家試験)
- 基本情報技術者試験(ITを活用した製品に関する基本的知識を証明する国家試験)
そのほかにも、常に知識を高めるためにITに関わるニュースを見ておきましょう。
具体的には、ITや電子機械など、さまざまな産業分野とデジタルをつなげる情報を提供しているサイトである「ITmedia」を推奨します。
SaaS企業に転職したい方は、常に最新のIT情報を取り入れておきましょう。
参考:ITmedia
問題解決能力
SaaS企業においては、顧客の課題を聞いて最適な解決策を提案する問題解決能力が求められます。
理由は、サービスを問題なく運用することで、既存顧客の継続率を上げて収益を安定させる必要があるためです。
不満を聞いたら解決につながる提案を行い、顧客満足度を上げることが重要です。
そのため、SaaS企業が未経験でも課題解決を行える人材は重宝されます。
大きな問題に直面したら、細分化して考え解決に導くスキルを身につけておきましょう。
協調性
SaaS企業への転職においては、部署間の連携が必要なため、協調性が求められます。
株式会社エムエム総研の調査によると、営業人材に必要なスキルは協調性に活かせる「コミュニケーション能力が高い」が、41.9%でした。
フィールドセールスであれば、エンジニアやインサイドセールスと連携を組み、商品の開発・提案の成功につなげられるでしょう。
参考:ITmedia
リーダーシップ
SaaS企業に転職する際には、リーダーシップも必要です。
社内のエンジニアやカスタマーサクセスとのコミュニケーションが必要になるためです。
とくに、さまざまな立場や職種のスタッフを適切に動かすスキルが求められます。
チームのモチベーションを高めながらも案件をスムーズに進行できる能力が重要です。
SaaS企業に転職した際には、チームを俯瞰的に観察して仕事を進めるようにしてください。
SaaS企業への転職に関するよくある疑問
SaaS企業へは未経験でも転職できます。
なぜなら、市場の成長が著しく今後も人材採用の推進が予想されるためです。
実際に未経験でSaaS企業に転職した方も数多くいます。
また、SaaS企業に転職する際には、業界分析や書類・面接対策などをしっかりと行いましょう。
このように本項では、SaaS企業への転職に関する疑問にお答えします。
SaaS企業未経験でも転職できる?
未経験でも、SaaS企業に転職できます。
理由は、SaaS市場の拡大に伴い、企業が自社の発展につながる新たな視点やアイディアをもつ人材を求めているためです。
株式会社スタディストが45人の従業員に聞いたアンケートによると、4割以上がIT企業未経験、7割がSaaS未経験で入社していると回答しました。
そのため、自分が今まで培ってきたスキルを企業で活かせる点を話すと、採用確率が高まるでしょう。
たとえば、マーケティングを行ってきたのであれば、SaaS企業で取り扱い商品の購買につなげられるとアピールできます。
データ分析であれば、顧客の購買行動分析ができ、SaaS商品の販売につながると提案できます。
自分の強みを棚卸しして、SaaS企業への転職活動を進めましょう。
参考:株式会社スタディスト
転職活動にあたってすべきことは?
SaaS企業への転職活動にあたってすべきことは、以下の2点です。
- 業界・企業研究をする
- 書類対策や面接対策をする
SaaS企業への転職活動においては、業界研究を入念に行っておきましょう。
その際には、情報が網羅的に記載されている本を読むことを推奨します。
具体的には、SaaS企業でも採り入れられているビジネスモデルを解説している、書籍「THE MODEL」がおすすめです。
さらに、SaaS企業の主なビジネスモデルであるサブスクリプションへの理解を深められる、書籍「サブスクリプション」も業界研究に役立つでしょう。
業界分析が終わったら、志望する企業の特徴を理解するために、事業内容を把握しておきましょう。
選考を通過するには、書類対策や面接対策も必要です。
SaaS企業はこれから伸びる業界のため、成長意欲をアピールするとよいでしょう。
また、今まで経験してきた業務で得られた成果に対して、どのような工夫をしたのかといった点を深掘りしてください。
SaaS企業へ転職してキャリアアップしよう
SaaS企業は、成長性が著しいことや、キャリアアップがしやすい点から転職先として注目されています。
さらに、自由な働き方ができたり将来の選択肢が広がったりするため、転職におすすめの業界です。
SaaS企業に転職する際には、ITの基礎知識や問題解決能力が求められるため、身につけておきましょう。
SaaS企業は成長している業界のため、積極的に採用活動を行っています。
SaaS企業への転職を検討している方は、フォルトナベンチャーズにご相談ください。
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