転職コラム

Open AIとは?提供モデルや使い方、ChatGPTの始め方を解説

Open AIとは、アメリカの​人工知能を研究する非営利団体​です。

最先端の言語処理モデル「 ChatGPT」の開発で注目を集めています。

本記事ではOpen AIの概要を説明し、提供モデルや使い方、ChatGPTを始める方法などについて解説します。

Open AIとは

Open AIはアメリカの起業家などが2015年に設立した団体です。

人工知能の分野で最先端の研究を行い、人工知能の開発と普及を推進しています。

GPT-3 やDALL-E など、産業界や学術界などで広く使用されているモデルを開発しています。

ここでは、Open AIの概要や、注目される理由についてみていきましょう。

人工知能を研究するアメリカの非営利団体

Open AIはイーロン・マスク氏などアメリカの起業家・投資家からなる著名人が集まり、2015年に設立された非営利団体です。

人工知能で全人類に利益をもたらすことを使命とし、安全で有益な人工知能の構築を目指しています。

提供しているモデルは、自然言語処理モデルの「ChatGPT」や、自然言語から画像を生成できる「DALL·E」などが有名です。

注目される理由

Open AIが注目されるのは、人工知能をオープンソース(無償で公開されているソフトウェアのソースコード)で提供していることが大きな理由です。

資金的・人材的に個人では利用できなかった技術を、誰もが使えるようにしていることが評価されています。

意欲や知識があるのに資金力のないスタートアップや研究者でも、Open AIの製品を利用して質の高いサービスを作れる可能性を提供しています。

またOpen AIでは、オープン化されたプラットフォーム「OpenAI Gym」も公開しており、強化学習を研究するために利用されています。

AIがIT業界や社会に与える影響と将来の展望

AIとは、人間の知覚や思考といった知能をコンピュータ上に再現する技術です。

AIは自ら経験・学習しながら人のようにタスクを実行します。

近年は広くAIが普及しており、ビジネスの幅広い領域で活用されている状況です。

AIは人が行うよりも早く、しかも休みなく繰り返し作業ができ、単純作業やミスが許されない作業を得意とします。

それらの作業を行う現場に導入することで、人材不足の解消と生産性の向上が期待できるでしょう。

AI技術の進歩により、IT業界も発展すると予想されます。

あらゆる業界において、AIをはじめIoT・ビッグデータなどの活用が進んでおり、IT業界が担う役割は今後も大きくなるといえるでしょう。

AI技術の進化により、AIに関連する仕事の需要はますます上がります。

AIの研究開発に携わるAIエンジニアなどAI関連の人材も多くの企業から求められるでしょう。

IT業界でも、AIに代わる可能性がある職種はあります。

しかし、AIを開発し、管理する側の新しい仕事は増えると予想されています。

今後、IT業界でキャリアを積みたい場合は、これらの新しい仕事で求められるスキルを身につけていくことが必要です。

Open AIが提供するモデル

Open AIはさまざまなモデルを提供していますが、特に有名なのは以下です。

  • DALL-E(ダリ)
  • DALL-E 2
  • GPT-3
  • ChatGPT

DALL-E 2はDALL-Eの後継モデルで、ChatGPTはGPT-3に改良を加えたGPT-3.5モデルをベースにした言語モデルです。

それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

DALL-E

DALL-E(ダリ)は、自然言語処理と画像生成モデルを組み合わせたAIです。

2021年1月に発表されています。「プロンプト」と呼ばれるキーワードを入力し、デジタル画像を生成します。

言葉で指示を与えるだけで、関連する画像を複数生成するのが特徴です。

言葉に関連する既存の画像を提示するのではなく、すべてオリジナルで一から生成されます。

あらゆる描画スタイルに対応し、指示するだけでイラスト風や絵画風、風景画などあらゆるスタイルの画像生成が可能です。

DALL-E 2

DALL-Eの後継モデルで、入力したプロンプトとの関連性や画質を向上させています。

解像度を4倍に高め、よりリアルで正確な画像を生成できるようになりました。

「AIか人間のどちらが作成したかわからないほどのレベルにまでアップデートされた」と評判を呼んでいます。

アップロードした画像は自由に編集をでき、特定の位置にオブジェクトを配置したり削除したりすることも可能です。

GPT-3

深層学習を用いた言語モデルです。

GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略で、その名称は独自にテキストを生成(generate)できることや、Googleが開発したAI技術「Transformer」を利用していることにちなんでいます。

学習対象のテキストデータは約45テラバイトに及び、高い精度の文章を生成できるのが特徴です。

特定の単語に対して次にくる言葉の予測を繰り返し、言語モデルの徹底的な学習を行っています。

そのため、人が書いたように自然な文章を作成できると評判です。

状況に合わせて適切な文章を生成できるため、文章作成の作業効率を上げることもできます。

最新版のGPT-4をリリース

GPTは改良が続けられており、2023年3月には最新版のGPT-4が発表されました。GPT-3.5が大幅にアップグレードされ、ChatGPTの有料版「ChatGPT Plus」を通じて利用できる仕様です。

GPT-4は生成できる文字列が長くなり、画像を読み込ませても応答できるように改良されました。前バージョンの「GPT-3.5」で見受けられたAIの問題点をカバーするように設計されています。

例えば、アメリカで弁護士として働くために必要な試験の模擬試験を受けた場合、GPT-3.5はスコアが下位10%にとどまるのに対し、GPT-4は上位10%に達するようになったということです。

日常会話のようなやり取りではGPT-3.5との差はあまりなく、タスクが複雑になった場合に違いが明確になります。

ChatGPT

入力した質問に対し、人間のように自然な対話形式で答える対話型言語モデルです。

質問への返答や文書作成、テキストの要約などができます。

言語モデルのGPT-3がベースになった仕様です。

人間が答えているかのような自然な会話が可能で、日本語による質問では英語の翻訳を通しながらも、クオリティの高い会話ができると好評です。

ChatGPTはインターネット上にある過去の情報を学習しており、幅広い質問に答えます。

ただし、直近の情報は含まれないため、質問に答えられない場合もあるでしょう。

無料アカウントを作成すればWeb上で利用でき、チャット形式でAIとの会話ができます。

なお、ChatGPTの始め方については、のちほどあらためてご紹介します。

OpenAIの使い方

Open AIの開始は簡単で、アカウントの取得から始めます。有料版・無料版があり、無料版であれば入力項目も少なく簡単にアカウント作成ができます。Webサイトは英語ですが、日本語の入力も可能です。

Open AIのWebサイトで生成できるコンテンツは文章と画像の生成で、ここでは文章生成について手順をご紹介します。

Open AIの使い方の手順をみていきましょう。

アカウント取得

Open AIを始めるには、以下のいずれかでアカウントの作成が必要です。

まず、Open AIの公式サイトを開きましょう。

  • マイクロソフトアカウント
  • Googleアカウント
  • メールアドレス

現在利用しているサービスでアカウントを作成すれば、管理もしやすいでしょう。

登録では「Sign up」をクリックし、メールアドレス・Googleアカウント・マイクロソフトのいずれかを選んでアカウントを取得します。

文章生成

ここからは、文章作成の手順を説明します。

手順は以下のとおりです。

  1. 文章生成の準備をする
  2. テーマとタイトルを決める
  3. 見出しを生成する
  4. 見出しを活用して本文を生成する
  5. 出来上がった文章人間が修正する

順番に解説します。

文章作成の準備をする

文章を作成するため、準備が必要です。

Open AIの「Playground」を開きましょう。

Playgroundとは、テキストを生成するページのことです。

生成モデルの設定を求められるため、「text-dabinci-003」と設定します。

最新版についてはOpen AIのブログで確認しておきましょう。

maximum length(最大の文字数)は500〜1,000に設定し、慣れてきたら増やしていくとよいでしょう。

テーマとタイトルを決める

文章を作成するために、タイトルとテーマを設定します。

より目的に沿った文章を作るためには、作成したい文章に適した具体的な内容に設定することが必要です。

ジャンルや目的など、具体的で明確なタイトルを設定します。

例えば、「ゴールデンウィークに出かけたいスポット6つを紹介します」といった形式のタイトルです。

見出しを生成する

次に、見出しを生成します。

Webサイトなどでみられる目次のような見出しです。

質問形式でもかまいません。

作成したい文章の見出しを書き、AIが続きを生成できるように作ります。

テーマに沿って、「ゴールデンウィークのスポットで体験したいこと」「出かける時に注意したいこと」など、作成したい文脈の見出しを作成していきましょう。

見出しを活用して本文を作る

見出しを作成したら、文章を生成しましょう。

AIは見出しに設定した単語を使い、単語の次に来る単語を高い精度で予測しながら自動的に文章を生成します。

人間によって書かれたものと判断されるような、自然な文章を生成することが可能です。

完成した文章を人間が修正する

完成した文章は、ファクトチェックも兼ねて人間による修正が必要です。

生成された文章は過去の情報を元に単語を並べ、文法的に体裁の整った文章を作っているだけにすぎません。

長い文章を生成すると同じ意味の単語を繰り返したり、結論が矛盾した文章を生成したりする場合もあります。

AIは人間のような常識を持たないため、社会常識から考えておかしい文章を生成することもあるでしょう。

あとは足りない文章を追加したりして調整を行い、文章を完成させましょう。

Open AIが提供するプラットフォーム「OpenAI Gym」

Open AIでは、強化学習用シミュレーションライブラリ「OpenAI Gym」を提供しています。

強化学習とは、AIにデータを与えて学習させる機械学習の手法です。

AIは与えられたデータを手掛かりにして学び、データの価値を最大化します。

OpenAI Gymを使うことで、ゲームなどで開発したAIを学習させられます。

ここではOpenAI Gymの始め方や利用するメリットをご紹介します。

OpenAI Gymの始め方

OpenAI Gymはプログラミング言語Pythonの環境で動作するため、Pythonのインストールと、必要な開発環境のインストールが必要です。

強化学習は一定の環境下において、AIが状況を観察し行動を繰り返しながら最適な行動を学習する手法です。

そのため、環境が少しでも違うと学びの方向が変わってしまいます。

アルゴリズムを試すためには環境が同じであることを確認してください。

OpenAI Gymを使うメリット

OpenAI Gymは強化学習の環境が準備されており、環境名を指定すればすぐに強化学習を始められます。

また、環境のバージョンが厳密に管理されているため、環境が異なるなかでさまざまなアルゴリズムを比較検討できるのがメリットです。

ディープラーニングを組み合わせた深層強化学習を行う際は、ディープラーニングを行うためのフレームワークを利用できるため、深層強化学習が簡単にできるというメリットもあります。

ChatGPTの始め方・使い方

ChatGPTは、2022年11月のリリース直後から無料で利用できる革新的なサービスとして多くの人から注目を集めました。

リリース後わずか2ヶ月で全世界のユーザーが1億人を突破しています。

まるで生身の人間を相手にしているようなリアルな対話ができ、表計算ソフトの関数やプログラミング言語の記述、さまざまな言語へ翻訳なども高い完成度で実行します。

ここでは、ChatGPTの始め方や使い方について解説します。

アカウントでログインする

ChatGPTを始めるには公式サイトにアクセスし、「TRY CHATGPT」からログイン画面に移りましょう。

初めての場合は「Sign up」をクリックし、アカウントを取得します。

アカウント取得にはOpen AIと同じく、メールアドレスかGoogleアカウント、Microsoftアカウントを使用できます。

メールアドレスで登録する場合は、8文字以上のパスワードの設定が必要です。

登録したアドレスにメールが届くため、メール本文の「Verify email address」から登録画面に移りましょう。

名前と電話番号を登録すると6桁の認証コードが記されたショートメールが送信されるため、入力すれば完了です。

まお、ChatGPTはWebサービスで、アプリはありません。

パソコン版とスマホ版のどちらも手順は同じです。

質問を入力する

ChatGPTの使い方は簡単で、画面の下にある枠内に質問を入力するだけです。

なんでも自由に質問してみましょう。

日本語で入力すると、自動的に日本語の返答が返ってきます。

質問だけでなく、独り言のような会話にも返答があります。

返答では人が入力しているように少しずつ文章が出力されるため、考えながら話しているかのような印象を受けます。

ChatGPTは質問の語順が回答に影響することもあるため、回答の精度が良くない場合は語順を変えるなど工夫してみてください。

なお、質問を入力する画面の中央には、質問例や利用上の注意点などが掲載されています。

初めて利用するときは目を通しておきましょう。

ChatGPTでできること

ChatGPTは質疑応答だけでなく、文書生成などさまざまなことが行えます。

ChatGPTでできることをみてみましょう。

文章を生成する

ChatGPTでは質問への短い回答だけでなく、長い文章の生成も可能です。

簡単な設定をしてもかなり具体的な文章を生成できます。

分量や文体など詳細な条件設定をして、そのとおりに生成させることもできます。

ChatGPTの生成する文章は文法上の問題もなく自然な内容で、意味の通った独自の文章を生成できるのが優れた点です。

テキストを要約する

ChatGPTはテキストの要約もできます。

既存のテキストを要約したり、ChatGPTが作成したテキストをさらに要約させたりすることも可能です。

ただし、テキストの要約で必要な部分を抜き出せているかは、人間のチェックが必要です。

テキストの要約は、長い文章の要点をかいつまんで知りたいといったときに役立ちます。

テキストを翻訳する

ChatGPTはテキストの翻訳も可能です。

翻訳ソフトにありがちな怪しい日本語にはならず、人間が翻訳したような自然な日本語に訳されます。

翻訳が機械的だと感じるときは、ChatGPTと対話しながら自然な日本語に近づけていくことも可能です。

ストレートに「もっと自然な翻訳になりませんか」といった質問を、希望の文体になるまで伝えていきます。

質問を重ねるたびに自然な日本語になっていくのが確認できるでしょう。

表計算ソフトの関数を記述する

ChatGPTは、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトの関数を記述することもできます。

ChatGPTに「Excelのリストの中で、数値が3桁のものだけを抜き出す関数を教えてください」といった質問をします。

ChatGPTは回答の関数を提示するため、それをコピペしてExcelにコピペすれば正確な関数の記述が可能です。

小説を書く

ChatGPTは小説を書くこともできます。

登場人物や小説の分量、ストーリーなどの設定をすることで、小説や脚本を生成してくれます。

できあがった小説が面白いかどうかは読み手の判断にもよるため、クオリティを上げたい場合には人間による調整は必要です。

ChatGPTのメリット・デメリット

ChatGPTは漠然とした質問でも回答が得られるため、多角的な観点による回答が集まるのがメリットです。

自分で検索した場合ではなかなか得られない多角的な視点による情報収集が、ChatGPTであれば効率的に行えます。

アイデアが欲しいとき、ヒントになる言葉で質問すれば、いろいろな収穫が得られるかもしれません。

さまざまな使い方ができるChatGPTは、作業効率を高めて時間短縮ができるというメリットもあります。

また、ChatGPTは人と会話しているような自然な回答をします。

質問に回答するだけではなく、聞き手に配慮した気遣いが感じられるような回答もあるでしょう。

そのため、誰にも相談できない悩みがあるときや気持ちが落ち込んでいるときなど、悩み相談として利用する方法もあります。

何かしら得られるものや、助けになる回答があるかもしれません。

ChatGPTにはデメリットな側面もあります。

現段階においては、まだChatGPTの回答が正確ではない部分もあり、回答をすべて信じることはできません。

しかし、ChatGPTの回答は一見どれも信憑性があるようにみえます。

すべてが正しいとは限らないということは把握しておきましょう。

また、ChatGPTは専門性の高い質問への回答には限界があります。

基本的にインターネットの情報を学習しており、一般的な知識です。

少数の人だけが持つ専門的な知識の回答は期待できません。

通常の検索エンジンでも専門的な情報は限られているのと同様です。

明確な正解がない質問にも答えられません。

そのような質問にはいくつかの仮定を設定して回答するか、一般論を回答してくることがあるでしょう。

有料版のChatGPT Plus

ChatGPTは2023年2月に有料版の「ChatGPT Plus」がリリースされました。

月額20ドル(約2,600円)で、回線の混雑時でも優先的にアクセスできるのがメリットです。

レスポンスが速く、新機能の優先的な利用ができるといった有料版だけの優遇措置もあります。

また、新たにリリースされた言語モデルのGPT-4の利用もできます。

有料版の特典となるのは、アクセス性の良さや新機能が追加されたときに利用できることです。

無料版よりデータが新しいか、回答の精度が高いかは不明であり、高い月額料金を支払って利用すべきかは個々の判断によるでしょう。

Open AIを上手に活用しよう

Open AIは革新的なチャットサービスChatGPTをはじめ、人工知能のオープンソース化で注目を集めています。

提供されているサービスは多くの人により活用され、利便性を高めています。

Open AIが提供するAIのサービスは進化を続けており、今後もバージョンをアップして画期的なサービスが提供される可能性もあるでしょう。

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