転職コラム

BardとはGoogleの会話型AIツール!ChatGPTとの違いや使い方を紹介

Bardとは、Googleの会話形式のAIツールです。知りたい内容を会話のように記入すれば、AIがGoogle検索を使って答えを提示します。同じく会話形式のAIツールであるChatGPTとの違いや、具体的な使い方、メリットなどを紹介します。

Google社のBardとは会話型AIツール

Bardとは、Google社の会話型AIツールです。Google検索と同じく情報を入手する目的で用いられますが、入手するまでのステップが異なります。

Google検索などの検索エンジンでは、次の手順で情報を入手することが一般的です。

  1. 検索窓に知りたい情報につながるキーワードを入力する
  2. Enterキーをクリックする
  3. 検索結果一覧に表示されたWebサイトから、答えが記載されていそうなサイトを選ぶ
  4. Webサイトを開き、答えを見つける
  5. 答えが見つからないときは、ほかのWebサイトを開く、もしくはキーワードを変える

答えにつながるキーワードが思い浮かばないときや、検索結果に表示されたWebサイトが的外れなときは、知りたい情報を入手できません。

一方、Bardなどの会話型AIツールでは、検索窓に会話のように文章を入力するだけで、AIが答えを見つけてくれます。キーワードを探したり、複数のWebサイトを開いたりする必要がないため、スピーディかつ簡単に答えにたどり着くことが可能です。

大規模言語モデル・PaLM2による柔軟性が特徴

Bardでは、大規模言語モデル・PaLM2を搭載しています。大規模言語モデルとは、妥当性の高い言語を選択するモデルのことで、インターネット上で公開されているさまざまなやり取りを参考に、自然な会話を実現することが可能です。

また、PaLM2では会話例の多いものを「妥当性が高い」と判断し、Bardの回答にも採用します。しかし、ただ妥当性の高さで選ぶのではなく、ときには妥当性の低い言葉も選び、クリエイティビティや面白さも柔軟に表現することがあります。

Bardの意味

Bardとは英語で「吟遊詩人」を意味する単語です。名前の由来について、Bard自身に尋ねてみました。

Bardで作成

創造性を刺激し、コミュニティを結びつける存在を目指しているようです。Bardの言語性の高さは、自由に言葉を紡ぎ出す吟遊詩人のイメージと重なります。

2023年5月、GoogleはBardの日本語対応を発表

2023年3月にBardは誕生しました。最初は英語などの言語に限られていましたが、同年5月11日には日本語対応を発表しました。

質問も答えもすべて日本語で対応できるため、日本語を母国語としている方も、よりスムーズに利用できます。対応している言語について、Bardに尋ねてみました。

Bardで作成

英語と日本語以外にも、フランス語・ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語・イタリア語・ロシア語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・韓国語に対応しています。今後はさらに対応言語が増える見込みのため、より多くの方が利用しやすくなります。

※ 2023年5月28日時点

Google Bardの使い方

Google Bardは、Googleアカウントを持っている方ならだれでも利用できます。以下の手順で使い始めてください。

  • 1.Googleアカウントに登録、ログイン
  • 2.https://bard.google.com/にアクセス
  • 3.プロンプトを入れれば、使用可能

プロンプトとは検索窓に入れる言葉のことです。「今日の天気は?」「食欲がない。おすすめのメニューは?」など、自由に記入しましょう。

なお、Google Bardは試験運用中のサービスです。そのため、利用方法が変わる可能性もある点には注意が必要です。将来的に利用が制限される、あるいはGoogleアカウントなしでも利用できるようになるかもしれません。

※ 2023年5月28日時点

Google Bardでできること

Google Bardは対話型で回答を得られるサービスです。たとえば「大阪駅で映画を見たい。どこに行けばよい?」と尋ねてみました。

Bardで作成

右上を見ると「他の回答案を表示」と記載されています。クリックすると、次のようになりました。

Bardで作成

回答は3つから選べるようです。

Bardのクリエイティビティも気になります。「Twitterに投稿する記事を作ってください。できればライフハック的なものをお願いします」と、文章の作成を依頼してみました。

Bardで作成

Twitterに投稿するライフハックのようです。少し意図が違う気もしますが、プロンプトを変えることで、希望する答えを見つけられるかもしれません。

また、Bardは画像の生成ができるのでしょうか。「しっぽが長めの猫のイラストを描いてください」と依頼してみました。

Bardで作成

イラストは表示されませんでしたが、Bard側では何か見えているかのようなコメントが記載されています。将来的には、ユーザーにも見えるようなイラストが描かれるのかもしれません。

Google BardとほかのAIツールの違い

Google社のBard以外にも、会話型で情報を入手できるAIツールがあります。代表的な会話型AIツールとしては、OpenAI社のChatGPTとMicrosoft社のBing(Bing AI)が挙げられます。それぞれのツールとBardの違いについて見ていきましょう。

ChatGPTとの違いを比較

BardとChatGPTの違いは主に次の3点です。

  • Bardは無料、ChatGPTは無料版と有料版がある
  • BardよりChatGPTのほうが会話は長め
  • Bardはリアルタイムの情報に対応、ChatGPTは2021年9月までの情報に対応

無料で利用できるBardとは異なり、ChatGPTは無料版と有料版があります。

また、ChatGPTは言語能力に優れ、会話が長めの傾向があるといわれています。一方、Bardは答えだけを端的に表現することが多いです。同じ質問をすることで、両者の違いを比較してみましょう。まずはBardに「京都から東京宝塚劇場への行き方を教えてください」と依頼してみました。

Bardで作成

端的な回答で役立ちそうです。ただし京都駅からは飛行機が出ていないため、使えない回答もあります。次はChatGPTに尋ねてみました。

ChatGPTで作成

こちらも京都から飛行機に乗るための手段について記載されていません。実際のところ、京都には飛行場がないため、東京に飛行機で行くときは大阪空港(伊丹空港)にバスやJR+モノレールで移動することが一般的です。

BardとChatGPTの違いとして、リアルタイムの情報が得られるかという点も挙げられます。BardはGoogle検索を利用するため、リアルタイムに情報入手が可能ですが、ChatGPTはすでに入力された情報のみを参考にするため、リアルタイムの情報は得られません。「2023年5月28日のエンゼルスの試合結果を教えて」とBardに尋ねてみました。

Bardで作成

なお、実際は6安打2失点、10奪三振でした。とはいえ5対8で敗れたのは事実です。次はChatGPTに尋ねてみました。

ChatGPTで作成

リアルタイムの情報が必要なときは、Bardを利用しましょう(※)。

※ 2023年5月28日時点

Bingとの違いを比較

BardとBingの違いは主に次の2つです。

  • Bardは出典を明らかにするとは限らない、Bingは明らかにする
  • Bardは画像生成ができない、Bingはできる

「父の日におすすめのプレゼントを教えて」とBardに尋ねてみました。

豊富な情報を教えてくれますが、出典については記載されていません。同じ質問をBingにしてみました。

Bingで作成

「詳細情報」としてリンクが貼られています。情報元がわかるため、真偽を確かめられます。また、具体的な商品のリンクもあり、使い勝手がよさそうです。

次に画像生成について見ていきましょう。先程も紹介しましたが、Bardでは画像生成に対応していません(※)。Bingに同じ質問をしてみました。

Bingで作成

イラストなどの画像生成は、Bingを活用するようにしましょう。

※ 2023年5月28日時点

Google Bardを使用するメリット

Bardを使うメリットとしては、次の点が挙げられます。

  • 仕事の生産性が向上する
  • アイデアを発見できる
  • 知的満足度を高められる
  • 複数の選択肢から意図に近い回答を選べる
  • プラグインにより活用範囲を広げられる

それぞれのメリットについて説明します。

仕事の生産性が向上する

Bardで調べものや表作成など、幅広い用途に活用できるAIツールです。

文章や資料の作成などのクリエイティビティな作業をするときは、単純作業はBard、クリエイティブな作業は人間というように役割分担できます。作業に専念しやすく、生産性の向上も期待できます。

アイデアを発見できる

Bardは、文書作成やアイデア出しなどのクリエイティブな作業も得意としています。

「ブログのテーマが浮かばない」「新商品のキャッチコピーが思いつかない」などの悩みがあるときは、Bardに意見を聞いてみてはいかがでしょうか。参考になるアイデアを発見できるかもしれません。

知的満足度を高められる

Bardは、難しい概念を噛み砕いて表現することが得意です。知らないことがあったときは、Bardにわかりやすく教えてもらいましょう。

また、会話形式で理解を進められるため、自分にあうペースで教えてもらうことも可能です。ただし、すべての情報が正しいとは限らないため、Google検索なども使って真偽を確かめる必要があります。

複数の選択肢から意図に近い回答を選べる

Bardでは回答を3つの選択肢として表示します。意図に近い回答を選べるため、検索し直す手間が省けるでしょう。

また、いずれの選択肢も意図に沿わないときは、再検索ボタンをクリックする、あるいは別のプロンプトを入力することで回答を変えられます。期待する回答に早くたどり着きたい方にも、Bardがおすすめです。

プラグインにより活用範囲を広げられる

Bardは、Googleのサービスや他社サービスとの連携が可能です。たとえばBardだけでは画像生成できませんが、Adobe Fireflyなどの画像生成サービスと連携させることで可能になります。

今後もさらにプラグインできるサービスが増えると予想されます。上手に活用すれば、さらに役立つAIツールに育成できるでしょう。

Google Bardの注意点

Google Bardの注意点としては、次のものが挙げられます。

  • すべてのサービスが日本語に対応しているわけではない
  • 回答が正しいとは限らない

Google Bardで利用できるサービスは、すべて日本語に対応しているわけではありません。基本的には英語でサービスが誕生し、その後、日本語などの外国語に対応することになるため、すぐに使えないことが多いです。

また、Bardで得られる回答は、常に正しいとは限りません。Google検索や大規模言語モデル・PaLM2を使って「質問に対応する答えと思われるもの」を表示するサービスのため、意図と異なることや、間違った情報をベースにしていることもあります(※)。

Bardは役立つサービスですが、あくまでも回答例のひとつとしてとらえることが大切です。疑わしい内容が含まれているときは、真偽を確認するようにしましょう。

※ 2023年5月28日時点

Bardの特徴を知って適切に使いこなそう

Bardはツールのひとつです。広く、便利なツールですが、頼り切ってしまうのは危険です。あくまでもアイデアや回答のひとつとしてとらえ、賢く使いこなすようにしてください。

Bard以外にもChatGPTやBing AIなど、自然言語処理が可能なツールが増えてきています。将来性の高い仕事への転職を検討している方は、AIツールの開発や応用に携わる企業を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

フォルトナベンチャーズでは、AIツールの開発などにかかわるベンチャー企業などへの転職をサポートしております。相談は無料です。まずは気軽にお問い合わせください。

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