メタバースとは、近年大きな注目を集めている仮想空間のことです。Meta(旧Facebook)をはじめ、今後は企業の参入が加速し、市場も大きく拡大していく可能性が高いでしょう。
本記事では、メタバースの意味を解説するとともに、将来性や代表的な事例などを紹介します。
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メタバースとは?
新型コロナウイルスの影響で外出自粛が長引く中、オンライン上で世界中のさまざまな人と交流できるメタバースが注目を集めています。すでに大企業がメタバースの開発に乗り出しており、ビジネス界でも動きが活発化しています。メタバースは将来、人々の生活に欠かせないものになっていくかもしれません。
そもそもメタバースとは一体どのようなものなのか、概要をここで確認しておきましょう
インターネット上に作られた3Dの仮想空間
メタバースは、インターネット上で広がる三次元の仮想空間のことです。メタバース内では、ユーザーが自分の分身であるアバターを操作して他のユーザーとのコミュニケーションを楽しんだり、コンテンツで遊んだりするといった別世界での生活が楽しめます。
メタバースには現実世界のような国境がありません。世界各国のユーザーが、同一空間にいつでもアクセスできます。2020年に発売されて大人気となった任天堂のゲーム「あつまれ どうぶつの森」も、メタバースの一つです。
Meta(旧Facebook)が社名変更して注力している
2021年10月にFacebookがMetaに社名を変更したことは、世界中で大きな注目を集めました。このニュースはメタバースの存在が広く知られるきっかけだったといえるでしょう。
Metaは2021年8月からすでに、世界20カ国ほどで「Horizon Workrooms」と呼ばれるメタバースを活用した会議システムをサービス展開しています。今後はFacebookやInstagramなどのSNSサービスを継続しながら、メタバース分野の開発に多額の資金を投資する予定です。
メタバースが注目される4つの理由
メタバースが大きく注目されるようになった背景には、時代の変化や技術の進歩、仮想空間内における経済活動の発展などがあります。
世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大して外出自粛期間が長引いたことも、メタバースの流行や発展に大きく影響したといえるでしょう。
ここでは、メタバースが注目されるようになった主な4つの理由を紹介します。
1.コミュニケーションのデジタル化が加速している
新型コロナウイルスの影響で、大規模なイベントが開催延期または中止に追い込まれるなど、人々が交流する機会が大きく減りました。そのような状況の中、現実に近いイベントなどを開催する手段として大きな注目を集めたのがメタバースです。
仮想空間内なら対面でなくても人々との交流を楽しめます。Web会議システムなどを利用したコミュニケーションのデジタル化も進行しており、今後はさらにメタバースの活用が広まっていくでしょう。
2.VRデバイスが進歩している
VRコンテンツの開発技術の進展やVRゴーグルの軽量化、ワイヤレス化などが急速に進んだことで、メタバース内でも現実世界に近い自然なコミュニケーションを行えるようになりました。
VRデバイスを使用すれば、仮想空間内にいるような視覚体験をすることや、アバターを自由に操作することも可能です。仮想空間そのものを充実させるVR技術の進化も、メタバースの注目要因といえるでしょう。
3.NFTを活用して経済活動ができる
NFTとは、ブロックチェーン技術を活用して生み出されたデジタル資産のことです。メタバースとNFTを組み合わせることで、ゲーム内のアイテムや武器、土地などを売買することが可能になり、ユーザーの収につながります。
NFTの活用がさらに加速すれば、今後はメタバース内でより大規模な経済活動が行われていくでしょう。
4.メタバース関連の仮想通貨バブルが起きた
メタバース内では仮想通貨を用いて自由な経済活動ができます。メタバースを利用したゲームでNFTの活用が盛んになったことで、トレードに興味がなかったユーザーも多く参入するようになりました。
近年は一般ユーザーがNFTを作成するなど注目が高まり、仮想通貨のバブル状態が続いています。仮想通貨とNFT業界のバブルの影響も、メタバースが注目される理由の一つです。
メタバースの代表的な事例4選
近年、ブロックチェーンを基盤にしたメタバースが次々に開発されています。仮想空間内ではゲームで遊ぶだけでなく、土地やアイテムを取引するなど経済活動も活発化しています。各メタバースゲームで使える仮想通貨を準備すれば、収益化することも可能です。
ここでは、人気の高いメタバースの代表的なプラットフォームを4つご紹介します。
1.Decentraland
Decentraland(ディセントラランド)はイーサリアムブロックチェーン上のメタバースです。キャラクターや建物を作ったり、ゲームで遊んだり探検したりするだけでなく、仮想空間内の土地やアバター、装飾品などを仮想通貨(MANA)で購入できます。
Decentraland上の土地やアイテムを外部のNFTマーケットに持ち出して仮想通貨で売買するなど、収益化を図ることも可能です。
2.The Sandbox
The Sandbox(ザ・サンドボックス)は、イーサリアムブロックチェーン技術を活用したNFTゲームです。ゲーム内で使用するキャラクターや建物、アイテムを自作することができ、さらに作成したものをNFTマーケットプレイスで販売して収益を上げられます。ゲームの世界観はマインクラフトに近いイメージです。
国内の仮想通貨取引所「Coincheck」と提携しているほか、スクウェア・エニックスから出資を受けているため、日本での需要拡大も期待されています。
3.Axie Infinity
Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)は、空想のモンスター「Axie(アクシー)」を育てて戦わせる対戦ゲームです。Axieを育てて繁殖し、戦闘、取引することで収益化できるため、海外ではAxie Infinityで得た収益で生計を立てる人も現れています。
ゲームのワールド内でLANDを保有すれば、ワールド内で使える素材を集めるなど、遊びの幅を広げられます。ゲームを始めるには初期投資が必要ですが、Axieを借りて稼ぐことも可能です。
4.EnjinCraft
EnjinCraft(エンジンクラフト)は、Enjinのブロックチェーン上で人気ゲーム「マインクラフト」が遊べるサービスです。 マインクラフトのアイテムをNFTで作れるだけでなく、EnjinのNFTマーケットプレイス「EnjinX」で売買してマネタイズすることも可能です。
マインクラフトは世界中に1億人以上のユーザーを抱えており、すでに莫大な顧客がいることから、EnjinCraftや仮想通貨の普及にも大きな期待が持たれています。
メタバースの今後の動向と将来性
メタバースはそう遠くない未来に、数兆ドル規模の巨大産業となる可能性があるとされています。そのような明るい将来性を見据えて、すでにさまざまな業種の企業が参入を始めており、新たなサービスも続々登場しています。メタバースは今後、日常生活の一部になるかもしれません。
ここでは、メタバースが今後どのように発展していくのか、その将来性について解説します。
IT・ソフトウェア業界を中心に企業の参入が進む
Meta以外の有名企業もメタバース事業に続々参入しています。グリーは2021年8月にメタバースへの本格参入を発表。グリーの子会社である「REALITY」は、すでにスマホ向けバーチャルライブ配信アプリを提供しており、今後は総額約100億円の投資を行う予定です。
ソニーもPlayStation VRなどのVR機器やシステムの開発を行っているほか、メタバース関連のゲームを提供するEpic Gamesに多額の出資をしています。また、アメリカの大手ソフトウェア企業マイクロソフトも家庭用ゲーム機「Xbox」にメタバースの導入を進めるなど、大企業の参入が加速。今後はより多くの企業の参入が予想されます。
投資対象として人気が出る
ブロックチェーンやNFTを活用したメタバースは、新しい投資対象としてすでに多くの投資家から注目を集めています。ブロックチェーンの基軸通貨やNFTに対する投資だけでなく、メタバースを開発する企業やプロジェクトに投資するファンドも立ち上げられています。
大企業などの投資が進めば、メタバースはより発展し、関連銘柄への投資も加熱していくでしょう。
現実世界と同等の活動が可能になる
メタバースの技術の発展により、今後は仮想空間内でも現実世界と同じような人々との交流や経済活動が行えるようになります。これまでゲームや映画でしか体験できなかった世界が、より身近な存在になっていくでしょう。
仮想空間内なら空を飛ぶことも可能です。現実世界にない体験ができるメタバースは、無限の可能性を秘めています。
今後発展していくメタバースをビジネスに積極活用しよう
メタバースはただの仮想空間ではなく、コミュニケーションや経済活動ができる空間として活気に満ちています。今後は発展が加速し、メタバースがビジネスや日常生活に欠かせないものになっていくでしょう。
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