コラム

eVTOL(イーブイトール)とは?特徴やメリット、将来性について

eVTOL(イーブイトール)とは、垂直離着陸が可能な機体のことです。一般的な飛行機や自動車と比べてどのようなメリットがあるのか、詳しく特徴を解説します。また、今後、eVTOLを巡ってどのような動きが予想されるのかについても見ていきましょう。

eVTOLとは?3つの特徴

eVTOL(Electronic Vertical Take-Off and Landing aircraft、イーブイトール)とは、垂直に離着陸ができる電動機体のことです。日本語では「空飛ぶクルマ」と呼ばれることがあります。

例えば、ヘリコプターは地上300m~数千mの上空を飛ぶことが一般的ですが、eVTOLは地上150m~数百m程度の比較的低い場所を飛ぶことが可能です。より身近な移動手段としてeVTOLが注目されるようになってきました。

eVTOLの特徴としては、次の3つが挙げられます。

  1. 垂直方向に離着陸が可能
  2. 騒音が少ない
  3. 操縦士は不要

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1.垂直方向に離着陸が可能

eVTOLは垂直方向に離着陸が可能な乗り物です。例えば飛行機であれば、ある程度の距離の滑走路がなければ飛び立つことはできませんが、eVTOLは滑走路なしで飛び立てます。

また、ビルとビルの間でも離着陸が可能なので、水平方向に余裕がない空間であっても移動できるでしょう。ビルの谷間以外にも、小島や個人の庭などの狭小地での活用が期待されています。

2.騒音が少ない

eVTOLは電気で動くので、騒音が少ない乗り物です。例えばヘリコプターであれば、垂直方向に離着陸が可能という点ではeVTOLと同じですが、エンジン音が大きく、住宅密集地やオフィス街などの人が多い場所での利用は適しているとはいえません。

eVTOLであれば静かに離着陸、飛行ができるので、住宅地やオフィス街、テーマパーク内、屋外駐車場などのさまざまな場所で利用できます。また、電動なので二酸化炭素などを排出しないのも、これからの時代に適した特徴といえるでしょう。

3.操縦士は不要

eVTOLは自動運転が可能なため、操縦士は不要です。例えばドローンはeVTOLと同様、操縦士不要で遠隔操作できます。しかし、基本的には人が乗るものではないので、移動手段として用いることは難しいでしょう。

また、機体が軽く、あまり高度が高い場所では飛ばせません。一般的には地上150m以下での飛行が想定されているので、超高層ビルなどが密集した場所では操作しにくい可能性があります。

eVTOL実用化への流れ

eVTOLはすでに実用化へと進んでいます。まだ日本では事業化は実現していませんが、2023年には開始予定です。国土交通省の「空の移動革命に向けたロードマップ」によれば、以下の流れで実用化が進んでいくと予想されています。

  • 2019年~ 実証実験の開始
  • 2023年~ 事業化スタート
  • 2030年~ 事業化拡大

それぞれの段階で具体的にどのような動きが想定されているのか、詳しく見ていきましょう。

参考:国土交通省「空飛ぶクルマについて 空の移動革命に向けたロードマップ」

2019年~実証実験の開始

実証実験は官民の協力体制の下、実施されます。大まかな流れは以下の通りです。

  • ヘリコプターやドローンを利活用している事業者が、eVTOLを用いたビジネスモデルを実用化協議会に提出する
  • 事業者の提案や既存事業のフィードバックから、利用者の利便性確保に向けた課題を実用化協議会で検討する
  • 機体の安全性の確保、事業実施に必要な制度整備について実用化協議会で検討する
  • 試験飛行のための場所、空域を整備する
  • 民間企業と協議会が協力し、試作機を開発する

なお、試作機は、飛行機と同レベルの安全性や静粛性の確保を目指して開発されます。

2023年~事業化スタート

2023年を目標に、実証実験から事業化に移行することが計画されています。まずは新たなビジネスモデルに応じた運送事業関連の法制度の見直しが実施され、法施行後の事業開始となるでしょう。

また、法制度の見直しは安全性の確保と機体や事業の審査基準の策定はもちろんのこと、国際的な議論を踏まえて行われることが予定されています。

物の移動から人の移動へ

実証実験で十分に安全性について確認されますが、まずは物の移動から事業化を開始することが予定されています。その後、地方での人の移動、最後に都市部での人の移動に用いられる計画です。

なお、最初は日常的な移動手段というよりは、災害対応などの緊急時の移動に用いられるでしょう。また、観光地やテーマパークなどでのエンターテインメントとしての利用も計画されています。

2030年~事業化拡大

2030年以降を目途に、事業化拡大が計画されています。災害対応やエンターテインメントだけでなく、都市部の移動手段としての利用も実現するでしょう。

しかし、事業化が拡大するにつれ、衝突などのリスクも増えると想定されます。航続距離の向上や静粛性の向上といった機能面だけでなく、運行管理やより高度な自動操縦の実現も必要になるでしょう。

eVTOLの4つのメリット

eVTOLが持つ3つの特徴(垂直離着陸が可能、騒音が少ない、自動操縦可能)は、優れたメリットを生み出します。主なメリットとしては、次の4つが挙げられるでしょう。

  1. 目的地まで直線的に移動できる
  2. 移動手段が多様化する
  3. 災害支援にも活用できる
  4. 物流手段としても活用できる

それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

1.目的地まで直線的に移動できる

eVTOLは上空を飛ぶ乗り物です。自動車やバイク、自転車のように道路の上を走るわけではないので、目的地まで直線的に移動できます。移動時間を短縮できるだけでなく、移動に必要なエネルギーを抑えることも可能です。

地球環境を守るためにも、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーを用いること、また、クリーンなエネルギーは供給量が安定しないことが多いため、可能な限り省エネルギーの実現が求められます。

eVTOLは電気で動くため二酸化炭素を排出しにくいという条件を満たすだけでなく、直線的に移動するためエネルギー消費量が少ないという条件も満たします。まさに次世代型の移動手段といえるでしょう。

2.移動手段が多様化する

移動手段のひとつとしてeVTOLが利用できれば、移動方法の多様化が実現されます。道路の渋滞が緩和される、交通事故が減る、速さや料金など、そのときに応じた移動手段が選べるといったメリットも派生するでしょう。

また、空の旅が身近になる点もeVTOLのメリットといえます。現在、空の旅といえば飛行機が一般的ですが、長い滑走路を必要とするため、基本的には特定の飛行場以外からは発着できません。そのため、長距離を移動するときなどに利用が限られています。

eVTOLであれば滑走路が必要ないため、狭小地でも離着陸が可能です。電車で一駅分程度の短距離の飛行など、より身近な交通手段として活用できるでしょう。

3.災害支援にも活用できる

狭小地でも離着陸が可能という特徴から、eVTOLは離着陸の場所を確保しにくい被災地の支援にも利用できると考えられます。迅速に必要物資を届けることで、復興までの時間も短縮できるでしょう。

4.物流手段としても活用できる

eVTOLは物流の手段としても検討されています。インターネットショッピングが普及したことで、宅配サービスを頻繁に利用する人も増えてきました。

eVTOLで配送拠点まで自動で運ぶことができれば、スピーディな配送が可能になるだけでなく、運送業界の人手不足解消にも繋がるかもしれません。

eVTOL実用までに解消すべきポイント

メリットの多いeVTOLですが、実用化までにはいくつか解消すべき課題もあります。主な課題として次の4つが挙げられるでしょう。

  • 安全性と軽量化の両立
  • 空中道路の整備
  • 航空法の改正
  • バッテリー技術の向上

安全性と軽量化の両立

空中かつ自動運転という点に不安を覚える人もまだ多いと考えられます。安全性を実現することは、実用化に不可欠なポイントでしょう。また、軽量化することも、エネルギー効率を高めるために欠かせないポイントです。

空中道路の整備

無制限にeVTOLを利用すると、衝突事故が起こる可能性があります。空中道路を整備し、安全性の高い飛行を実現する必要があるでしょう。また、eVTOLは電気で動くため、充電ステーションなどの整備も必要になります。

航空法の改正

eVTOLは航空法の規制対象になると考えられます。航空法で定める耐空証明がeVTOLに適用されると、飛行機などと同水準の規制がかけられ、研究だけでなく実用化も阻まれる恐れがあるでしょう。eVTOLの特性を反映した航空法の改正も必要です。

バッテリー技術の向上

eVTOLは電気で動くので、長距離飛行などの長時間の稼働を実現するためにはバッテリー技術の向上が求められます。また、大勢の人や荷物を載せて飛行する場合は、短時間であっても大量のエネルギーを消費するかもしれません。

大容量かつ小型のバッテリーの開発は、eVTOL実用化に不可欠なポイントといえるでしょう。

新技術についての知識も身に着けると便利

近い将来、身近な移動手段としてeVTOLを選択できるようになるかもしれません。また、法律や研究、技術開発関連の業界に携わっている方であれば、何らかの形でeVTOLと関わる可能性もあります。ぜひ新技術についても興味を持ち、教養として身につけておくと役に立つケースがあるでしょう。

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