ベンチャーやスタートアップは、大企業と組織の規模や働き方が異なります。
そのため、活躍する人の特徴にも大企業と共通する部分と重ならない部分があるでしょう。
転職活動の参考になるように、ベンチャーやスタートアップで活躍する人の5つの特徴を紹介します。
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ベンチャーとスタートアップの違い
大企業や大手企業といわれる企業が数千人規模の従業員を抱えているのに対し、ベンチャーやスタートアップでは従業員数が数十人単位の中小企業であることがほとんどです。
さらに、日本では同じように使用されることが多いベンチャーとスタートアップにも、厳密には違いがあります。
ベンチャーとスタートアップがそれぞれどのような企業を意味するのか、最初に確認しておきましょう。
ベンチャーの定義
ベンチャー(企業)とは、「新技術・新事業を開発し、事業として発足させた中小企業」です。
英語で「冒険的な企て」を意味するventureから派生しています。
出典:goo辞書「ベンチャー企業(ベンチャーきぎょう) の意味」
ただし、ベンチャー(企業)は和製英語です。
海外ではventureを用いたVenture Capital(VC)という言葉が使用されます。
VCは「ベンチャービジネスが発行する株式への投資などによって資金を提供する企業または機関」です。
日本のベンチャーと異なり、VCはベンチャーに投資する側を指します。
出典:weblio辞書「ベンチャー‐キャピタル【venture capital】」
スタートアップの定義
スタートアップは「新しいビジネスモデルや市場を開拓することで、短期間のうちに急激な成長と巨額の対価を狙う企業や事業」のことです。
一方、ベンチャーの場合は長期的戦略をとる企業が一部存在します。
出典:コトバンク「スタートアップ(読み)すたーとあっぷ(英語表記)startup」
スタートアップは元々米国のシリコンバレーを中心に使用されていた言葉です。
今や世界を代表する企業であるGoogleやFacebookも元々スタートアップから始まりました。
スタートアップの出資者は、エグジット戦略が重要です。
エグジット戦略とは、投資した金額をいかに最大限に回収するかを計画することで、株式公開(IPO)やM&Aなどが考えられます。
ベンチャーやスタートアップを特徴別に分類
従業員数など規模が小さめで、スピード感のある仕事が求められる点はどのベンチャーやスタートアップにも共通するところですが、誕生経緯は各企業によってさまざまです。
経緯によって、企業の組織風土も異なります。
「大手企業からスピンアウト」「技術革新に強み」「学生起業からスタート」の3パターンに分類し、それぞれの特徴を確認していきましょう。
大手企業からのスピンアウトタイプ
ベンチャーやスタートアップの中には、大手企業で働いていた社員が退職し、新たに小さな会社から立ち上げる(スピンアウト)ケースがあります。
このような「大手企業からのスピンアウトタイプ」では、経営陣はコンサルティングファームや金融業界で経験を積んでいるケースが多いです。
代表者や役員が、大手企業で勤務した際の人脈があるため、各方面の人材が揃っています。
また、上層部が勤務した企業の企業風土を引き継いでいるケースも多いです。
技術革新に強みタイプ
特にスタートアップで多いのが、技術分野が明確で創業者や役員が大手メーカーでの開発経験もあるなど「技術革新に強みをもつタイプ」です。
ドイツ・マンハイムの欧州経済研究センター(ZEW)のマーティン・マーマン氏は、実証分析により「ビジネススキルと技術的スキルを兼ね備えた企業は、一方しか持たない企業よりも、市場に新しいイノベーションをもたらす可能性が大幅に高い」ことを示しています。
出典:Harvard Business Review「「技術に強い創業者」と「ビジネスに強い人材」、両者の協働がスタートアップの成功率を高める」
「技術革新に強みをもつタイプ」では、技術分野の専門家で成り立っていることが多いため、個々の研究を重視する点が特徴です。
収益を上げることはもちろんですが、技術革新による社会貢献を重視する傾向もあります。
学生起業からスタートタイプ
ベンチャーやスタートアップでは、大学生時代に仲間と起業し、成長させた企業が多いです。
「学生起業からスタートタイプ」では、経営陣の強い熱意が感じられる傾向があります。
また、「大手企業からのスピンアウトタイプ」と異なり、経営陣に就業経験がないため社内の雰囲気が学生の雰囲気に近い点も特徴です。
社員同士のつながりも強く、仕事外でのつながりも持つことができます。
なお、日本政策金融公庫の調査で開業時の年齢は1991年に38.9歳だったのに対し、2020年調査時点では43.7歳です。
開業時の年齢割合を見ても、29歳以下の割合が1991年に14.5%であったのに対し、2020年に4.8%なので、学生など若者が起業する割合は減少傾向にあります。
出典:日本政策金融公庫総合研究所「2020年度新規開業実態調査」
ベンチャーなどで活躍する人の5つの特徴
ここまで紹介したように、ベンチャーやスタートアップにはいくつかの違いがあります。
また、各企業によって設立経緯が異なるため、社風にも違いが出ているでしょう。
しかし、どのベンチャーやスタートアップでも共通する活躍できる人の特徴はあります。
今回は、「自ら動き出す」「課題解決力」「新しいことへの追求」「迅速な動き」「変化を恐れない」の5点をみていきましょう。
自ら動き出すことができる
ベンチャーやスタートアップでは、従業員数も多くないため、自分から動き出さなければ何も始まリません。
特に、起業されて間もない「スタートアップ期」には、会社内のルールもまだしっかりと固まっていない状態なので、自分から動き出すことができる人物が重宝されるでしょう。
現在の職場で自分で考えて判断する力を持っている人や、どんな仕事も楽しみながら全力で向かい合うことができる人は自発性も高いので活躍が期待できます。
課題解決力を備えている
ベンチャーやスタートアップでは、困難や課題に直面することが頻繁にあります。
そこで、常に何が問題なのか、どうすれば解決できるのかを意識し、課題を解決する力がある人が現場に必要です。
課題を解決する力を備えている人には、「自分が対応できる範囲を把握している」「焦らず問題を客観的にとらえる」「問題をゲーム感覚で楽しく取り組むことができる」「失敗しても悲観的にならず次にいかすことができる」などといった特徴があります。
新しいことやものを追求する
常に新しいことやものを追求している人はベンチャーやスタートアップで活躍することができます。
ただし、いかにビジネスにつながるかまで考えず、好奇心だけで終わってしまう人は評価されません。
近年、オープンイノベーションという考え方が広まっており、大手企業もベンチャーやスタートアップなどから新たな技術やアイディアを募っています。
新しいことを形にできる人は、さまざまな企業や団体との接点も増え、さらに飛躍することができるでしょう。
迅速に動く
ベンチャーやスタートアップには、大企業のように部署や管理職がいないため、仕事のスピード感が早いです。
また、若いうちから裁量権が与えられ、現場で自分で判断する機会があります。
そこで、迅速に動くことができることが活躍するために重要です。
なかなか自分は迅速に動けないと考えている方は、「仕事の効率を上げること」「優先順位を決めること」「関連業務の知識を増やすこと」などを意識しつつ、まずは悩まずにやってみることで改善できる可能性があります。
変化をおそれない
環境の変化が激しいベンチャーやスタートアップでは、変化をおそれない人が活躍することができます。
年功序列で給料が上がっていく世界ではないので、役職に満足せず常に知識や技術をアップデートしていくことを意識してください。
また、大企業とは異なりリソースが充実していないことも多いため、業務範囲が広くなるでしょう。
前職では営業畑一筋だったとしても、ベンチャーやスタートアップに転職してからは経理・人事・総務・企画などあらゆる分野を経験することになります。
ベンチャーなどで働く際の注意点
ここまで紹介した活躍できる特徴に当てはまる項目がたくさんあった場合、ベンチャーやスタートアップに適した人材である可能性が高く、転職でさらに飛躍することが期待できます。
一方、あてはまる項目が少なかった場合でも、転職後ベンチャーやスタートアップに必要な力を磨くことで活躍できる可能性は充分にあるでしょう。
ただし、働く際に注意しておきたい点がいくつかあるので最後に紹介します。
積極性がない人は向かない可能性もある
ベンチャーやスタートアップで活躍する人の「自ら動き出す」「新しいことを追求する」「変化をおそれない」といった特徴からもわかるように、積極性がない方はベンチャーなどには向かないかもしれません。
ベンチャーやスタートアップでは、競争も激しいです。
もちろん、転職して揉まれることで積極性を養うこともできます。
ただ、人との協調性を最優先にしたいという考えの場合は、急成長を遂げる企業やこれから目指す企業ではなく、地道な成長を目指す企業の方が適しているかもしれません。
クリエイティブな力もあったほうが良い
メディアやグラフィックデザイナーといったクリエイティブ職でなくても、ベンチャーやスタートアップではクリエイティブな力を求められる場面が多々あります。
特にスタートアップは、新しさが常に求められるので、0から1を創れる力がある方が、働きやすいでしょう。
クリエイティブ力を今から身につけるためには、ルーティンワークを変えていくなどの意識改革が大切です。
福利厚生を重視しすぎない
一般的に、大企業の方がベンチャーやスタートアップよりも人事面にコストをかける余裕があるため、福利厚生が充実しています。
そのため、産休や退職金といった福利厚生面を期待するのであれば、大企業からベンチャーなどへの転職に慎重になった方が良いでしょう。
もちろん、企業によって福利厚生内容はさまざまなので、ベンチャーなどでも充実していたり、ユニークな内容があったりするケースもあります。
自分の適性を見極めて転職活動を進める
ベンチャーやスタートアップで活躍する人にはいくつかの特徴があります。
しかし、特徴に該当していなかったとしても、今後の経験や成長次第で活躍できる可能性は充分にあるはずです。
まずは、自分のベンチャーやスタートアップへの適性を見極めてみてください。
その上で、福利厚生面を重視するのか、それともスピード感をもって働ける企業を重視するのかなど、自分が大切にしたいことが何かを考えて転職活動に臨むのが良いのではないでしょうか。