NEXTユニコーンとは、上場を果たしていない国内スタートアップ企業の中で企業価値が高いと推算される企業のことです。
NEXTユニコーン2020の結果から、現在、日本全体でどのような企業動向が見られると判断できるのか解説します。
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ユニコーン企業とは
- 創業後10年を超えていないこと
- 企業評価額が10億ドル以上であること
- 未上場であること
これら3つに加え、テクノロジー系の企業かどうかも条件に含めることもあります。
NEXTユニコーンとは
NEXTユニコーンとは、日経新聞社の独自基準で選ばれた企業のことです。上場していない国内スタートアップ企業で、なおかつ企業価値が高いと推計される企業をNEXTユニコーンと呼び、年に一度発表しています。
なお、世界的にユニコーン企業というときは、企業評価額が10億ドル以上であることが目安になりますが、NEXTユニコーンでは企業価値が100億円程度、あるいはそれ以下の企業も含まれているという点に注意が必要です。実際に2020年のNEXTユニコーンには170社が名前を連ねていますが、そのうち、企業価値が100億円以上と推計される企業は80社のみとなっています。
NEXTユニコーン2020一覧から分かる傾向
2020年度のNEXTユニコーンに選ばれた170の企業の顔ぶれから、日本経済がどのような方向性に向かって進んでいるのか、また、世界経済の傾向も読み取ることができます。特に注目すべきポイントとして、次の3つを挙げられるでしょう。
- Eコマース系企業が多い
- 企業向け企業も増えている
- 宇宙開発や海外展開関連企業の成長が著しい
Eコマース系企業が多い
170社のうち、Eコマースやネットワークサービス、ソフトウェア開発に関連する企業は35社ありました。実に2割以上もの企業がEコマースなどに関連しているということが分かるでしょう。
また、これらのEコマース系企業は東京を本拠地としていることが多く、北海道札幌市に本社を構えるいずみホールディングスを除く34社は、いずれも東京都23区内を拠点としています。
企業向け企業も増えている
人事サービスや営業などを行う企業向けの企業も増えています。NEXTユニコーン2020に選出された170社のうち22社が、人事や営業の代行といった企業向けサービスの関連会社でした。
これらの企業向け企業はEコマース系企業と同様、本拠地が東京に集中している点にも注目できるでしょう。実際、3社を除きすべての企業が東京都23区内を拠点としています。
宇宙開発や海外展開関連企業の成長が著しい
企業価値が100億円以上である企業がNEXTユニコーン2020の中には80社含まれていますが、その中でもランキング上位の企業の価値は高く、上位20社の合計価値は1兆円を超えています。
中でも特に宇宙開発関連企業や海外で事業展開をするスタートアップ企業は企業価値を増やし、日本経済の活性化をもたらしているといえるでしょう。
NEXTユニコーン企業・注目の10社を紹介
2020年度のNEXTユニコーン企業に選定された170社のうち、特に注目したい10社を紹介します。
いずれも新しいビジネスモデルを生み出したり、既存の技術やビジネスモデルに新しい視点を加えることで時代に合う事業を開発したりと、成長するだけの確かな理由を持つ企業ばかりです。
採用に注力している企業も多いので、転職先としても注目することができるでしょう。
いずみホールディングス
いずみホールディングスは北海道札幌市に本拠地を置き、外食産業への食品卸売としては道内でトップシェア、また、全国の外食産業への卸売も展開している企業です。北海道を中心とした生産者やメーカーと直接つながり、鮮度や価格、流通スピードを重視して新鮮な海産物や畜産物を飲食店に届ける役割を担っています。
いずみホールディングスならではの特徴としては、水産と畜産、農産のすべての流通を網羅しているという点を挙げられるでしょう。これら3つの流通を網羅することで、レストランなどの外食産業企業はより簡単に仕入れを行うことができ、物流も合理化することができます。
ユニファ
ユニファは、東京と名古屋にオフィスを構える保育関連のテクノロジー開発を行う企業です。核家族化が進み、共働き世帯が増える中、保育に対する問題も増えてきました。
ユニファでは、保育に関わる人々が快適かつ楽しく過ごすことが保育の質の向上につながると考え、快適さと楽しさを実現するためのアプリやサービスを開発しています。
例えば「ルクミー」というブランドを構築し、子どもが園内で遊んでいる状態を親が簡単に写真でチェックできるようにしたり、日々の健康状態や発達に関する保育士のコメントを受け取ったりできるようにしました。
また、IoTを活用して保育者の業務負担を減らし、本来の保育活動に時間を避けるように工夫しています。
スマートニュース
インターネットの進歩により、利用できる情報が多すぎる状態になっています。
そのため、「どう情報を取得するか」よりも「どの情報を選ぶか」という点に注意が必要な時代になってきました。
スマートニュースでは世界中の情報を独自のアルゴリズムで解析し、スマートフォンなどのデバイスに最適化された状態で、必要な情報を必要とする人に届けることを目指しています。
株式会社HataLuck and Person(旧ナレッジ・マーチャントワークス)
HataLuck and Personは、店舗サービスの拡充と店舗で働く人々が生き生きと仕事に取り組める社会を目指し、さまざまな支援サービスを提供する企業です。
実際に現場の声を聞き、必要な人材を届けるヒューマンリソース事業や、雇用や人材管理に活用できるアプリケーション開発事業を手掛けています。
また、HataLuck and Personでは働きやすい環境を提供するだけでなく、率先して働きやすい環境を構築することにも注力してきました。
例えば、フレックス制やフリーアドレス制、また、ライフステージの変化に合わせて在宅ワークを柔軟に取り入れ、社員の働きやすさを追求しています。
アスタミューゼ
アスタミューゼは、80ヶ国にわたる新事業や新技術、投資情報などのデータを分析し、新規事業のアイデアや市場分析、M&A、経営における意思決定などの幅広い分野において企業サポートを実施する企業です。
また、これらのデータをオンラインで公開することで、多くの企業が有益な情報を活用できるようにしてきました。
アスタミューゼでは、研究者などの高度に専門技術を有する人材を企業に紹介する転職支援事業も展開しています。
優れた人材が必要とされる場所で才能を活かすことで、技術の発展、また経済の発展にもつながるでしょう。
スカイマティクス
スカイマティクスは、ドローンを活用して得られたデータを価値ある情報に変え、クライアントに提供することを主な事業とする企業です。
離れた場所から感知するリモートセンシング技術により葉色解析や作付調査などに不可欠なデータを獲得したり、米粒等級をスピーディに分析したりと、主に農業分野において技術やデータを活用しています。
ispace
ispaceは、月を舞台としたビジネスの開発に取り組む企業です。民間企業も月でのビジネスが行えるように、独自の月面探査プログラム、例えば地球・間の輸送経路開発や極域水の探索、月面走行などの実現を目指しています。
最終的には、水資源を含めた月の情報取得と輸送プラットフォームの構築がispaceの目標です。月が一層身近になる未来を想定し、着々と活動の幅を広げています。
スマートドライブ
スマートドライブは、さまざまなセンサーによるデータを収集・解析し、自動運転の普及に取り組む企業です。
車両を使った業務を安全かつ効率的に遂行するために、企業側の「リアルタイムに位置を把握したい」「長時間運転や社用車の私用利用の監視したい」「交通事故に有効な対策を取りたい」などのニーズを満たすサービスを提供しています。
また、個人ドライバーを支援するサービスも提供する企業です。どの程度安全運転に取り組んでいるのか、また、運転においてクセがないのかなどを自動的に診断し、無事故を目指すドライバーをサポートします。
アイリス
アイリスでは、人工知能を活用した医療機器の開発を行っています。例えば感染症を診断する検査機器や、咽喉撮影用の専用カメラ、撮影した画像のAI解析など、幅広い医療機器を開発してきました。
例えばインフルエンザに感染すると咽頭にインフルエンザ濾胞(ろほう、細かな腫物)が生じますが、色や大きさなどによって感染の有無を見分けることは熟練した医師でも困難とされています。しかし、画像解析にAI技術を用いて過去のデータと照合することで、熟練度の低い医師でも感染有無を簡単に判断することができるようになってきました。
クラウドクレジット
クラウドクレジットは、国を超えたさまざまな投資商品を提供する企業です。日本にいながらにして世界中の投資の機会をとらえ、資産を複利運用し、効率よく増やしていきます。
また、最低投資額は10,000円と少額に設定されているため、投資資金が少ない方や分散投資を目指す方が利用しやすい点もクラウドクレジットの特徴です。
NEXTユニコーンに注目
NEXTユニコーンに選定された企業に注目することで、日本経済、世界経済のトレンドをつかむことができます。
進化が著しい業界はどこか、また、新しい業界で注目されている技術は何か、企業が解決しようとしている課題は何かを把握することもでき、転職先あるいは投資先を考える際の参考にすることもできるでしょう。
フォルトナベンチャーズでは、NEXTユニコーンに代表されるような先進的なスタートアップの求人を数多く扱っております。
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