コラム

D2Cベンチャー市場は右肩上がり!転職におすすめの企業8選

D2Cベンチャーは、商品の企画から製造、販売、マーケティングまで自社で全て行う企業です。

D2Cビジネスはコストを抑えられ、需要が大きくなりつつあるため、多大な利益を得られる領域です。

今回はD2Cビジネスの概要や、転職におすすめのD2Cベンチャーなどを紹介します。

D2Cベンチャーは消費者にダイレクトで商品を届ける

D2Cは「Direct to Consumer」の頭文字を取った言葉で、商品を企画・製造した企業が販売まで手がけることにより、顧客と直接的な接点を持つビジネスモデルです。

インターネットを通じて販売を行い、多くの場合、自社で構築したECサイトを活用してビジネスを展開します。

まずはD2Cの概要や特徴、向いている商材、よく似たビジネスモデルの「SPA」との違いを解説しておきましょう。

企画、製造、販売まで自社で全てこなすことが特徴

商品開発から市場へ流通するまでの大まかな流れは、以下の通りです。

「企画」→「製造」→「販売」→「マーケティング」

製造や販売をはじめ、流れの一部を外部に委託する企業が一般的である中、D2Cベンチャーは全ての業務を自分たちで担います。

D2Cの特徴は、企画・製造以外の部分がデジタル化しており、SEOやSNS、リスティング広告などのWebマーケティングが積極的に使われることです。

また、D2Cベンチャーは大衆向けではなく、特定の層に熱狂的に支持されるような商品作りを行っています。

その企業でしか入手できない商品を生み出すことで、顧客は高単価でも購入するため、価格競争に巻き込まれにくくなるのです。

ただし、自社単体で売れる仕組みを構築するためには、ブランディングや販売促進活動が非常に重要といえます。

D2Cに向いている商材のポイント

D2Cに向いている商材は、人によって好みが分かれるものや使用頻度・購入頻度が高いものです。

個人の趣向によってニーズが変化する商品を提供すれば、大手企業が大量生産したものでは吸い上げられないニッチな需要を満たせます。

また、D2Cには日用品のような頻繁に購入する商材が適しています。

そのため、購入頻度や使用頻度が低い商品を扱っても、ビジネスは成立しにくいでしょう。

特に資本をはじめとするリソースに不安があるベンチャーが、自動車や家電といった市場に参入するのは難しいと思われます。

D2Cに向いている代表的な商材は、ファッション、シャンプー、サプリメント、ペット関連用品などです。

このような領域で独自ブランドの形成に成功し、急速に売上や利益を伸ばしている成長株のベンチャーがいくつも存在します。

「D2C」と「SPA」との違い

SPAとは「Speciality Store Retailer of Private Label Apparel」の略語で、日本語では製造小売業と訳されます。

つまり、卸売りを利用せず、自社の小売店を通じて商品を販売するビジネスモデルがSPAです。

代表的なブランドには「ZARA」や「ユニクロ」などが挙げられます。D2CとSPAは似ている部分が多いですが、大きな違いの一つは、主な販売場所がネットかリアルの店舗かという点です。

D2CはECサイトをはじめ、オンライン取引を通じて販売しますが、SPAは実際の店舗を主軸に商品を展開しています。※ただし、SPAもオンラインはかなり活用しています。

SPAの利点は、流通工程を省いてコスト削減できること、市場やニーズの変化に合わせて生産量を調整できること、ブランドイメージを確立しやすいことなどが挙げられるでしょう。

逆にオペレーションの準備や販売場所の確保など、幅広いノウハウや知識が求められるのは難しい部分といえます。

上記のメリット・デメリットはD2Cでも同様です。

D2Cベンチャーの強み

D2Cベンチャーの大きな強みは、ブランドイメージを顧客に発信して、他社との差別化につなげやすいことです。

また、中間流通業者への手数料が不要となるため、コストの削減効果も期待できます。

さらに、顧客の属性や商品の購入履歴などの情報を分析して、迅速に次のビジネスへ活かすことも可能です。

ここからは、D2Cビジネスの強みについて詳しく解説します。

ブランドイメージを顧客に伝えやすい

D2Cは企業と消費者が直接コミュニケーションを図れるため、顧客にブランドイメージや価値観を伝えやすいでしょう。

例えば、公式SNSアカウントを作成することで、見込み顧客とDMで直接やりとりを交わし、メッセージを伝えられます。

これは、小売店を通じて販売する従来のビジネスモデルでは成し遂げられない行動です。

また、ブランドイメージを高める発信を続け、顧客から理解を得られれば、熱狂的な固定客の獲得にもつながるでしょう。

企業と消費者の距離が近いことは、顧客のニーズを探りやすいというメリットも生まれます。

DMや口コミで顧客が抱える課題を認識して、ニーズに即した商品を提供可能です。

仲介手数料を省くことができる

D2Cなら問屋や小売店、ECモールに出店するための手数料を丸ごとカットできます。

自社でECサイトを構築する費用は生じますが、仲介手数料がかからないため、全体的なコストを抑えられる可能性が高いでしょう。

コスト削減によって利益率を高められるだけでなく、商品をより低価格で提供することにもつながります。

質が高い商品を低価格で販売し、かつマーケティングにも力を入れれば、自ずと新規顧客やリピーターが増えていくでしょう。

顧客データの分析から改善までのスピードが速い

インターネットを通じて商品を販売するD2Cビジネスは、サイト上で商品購入に至るまでの顧客の行動データを収集しやすいという強みを持ちます。

例えば、個々の顧客属性や購入履歴の情報を集めて購買傾向を把握し、商品開発につなげられます。

全て自社で行うD2Sビジネスなら、分析で得た情報結果をいち早くプロダクトに反映することも容易です。

細分化・多様化するニーズの変化に振り落とされずに、顧客から求められる商品を提供し続けるには、緻密で正確な情報収集と改善までつなげられる仕組み作りが不可欠といえます。

D2Cビジネスの市場規模は大きくなる可能性が高い

D2Cの市場規模は順調に右肩上がりを続けていますが、この傾向は今後も継続すると考えられています。

経済産業省は2021年に電子商取引に関する市場調査を実施し、物販系・サービス・デジタルと、商材ごとにBtoCにおけるEC市場の規模を明らかにしました。

D2Cが属する物販系分野は、2013〜2020年にかけて、毎年サービスやデジタルを凌駕しています。

割合だけでなく金額ベースでも成長を続けており、2020年は特に物販系がグンと伸びました。

D2Cビジネスが日本で盛り上がっているのは間違いないでしょう。

2019年に初めてインターネット広告に投じられる金額がテレビ広告を上回りました。

この動きは加速する可能性が高いため、今後はますますインターネット型ビジネスへの需要増加が見込まれます。

したがって、D2Cビジネスの市場規模がさらに拡大に向かう可能性は極めて高いでしょう。

参考:経済産業省/電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました

D2Cビジネス市場が伸びる4つの理由

D2Cビジネスが伸びている大きな要因は、DX(デジタルトランスフォーメーション)をはじめ、インターネットを活用したビジネスが活発になっていることです。

また、自社でのECサイト構築やクラウドファンディングの活用など、ビジネスの形態が多様化しつつあることも関係しています。

ここではD2Cビジネスの需要が伸びると期待できる4つの要因を紹介します。

ECサイトを簡単に構築できる時代になったため

デジタル技術の進歩もあって、D2Cビジネスに必要不可欠なECサイトの構築が容易になってきました。

BASEやShopifyなどのEC構築サービスを利用すれば、専門的な人材がいない企業でも、簡単にECサイトを作れます。

EC構築サービスは日々進化を続けているため、自社でエンジニアを雇わなくても、自由度の高いサイト構築が可能です。

これまでは楽天やAmazonなど大手ECサイトを介して、コンサルタントの力も借りながら店舗を運用するという形態が一般的でした。

以前に比べてECサイトの構築が簡単になったことで、費用を抑えつつ、ビジネスを加速することが可能になったのです。

PCからスマホへの転換が進んだため

インターネットの利用形態がPCからスマホへ変化したことで、SNSを使った情報収集が一般化しました。

また、インフルエンサーの登場や、企業による公式アカウントの運営、ライブコマースの活用など、今までにはない動きも見られます。

その結果、消費者がD2Cブランドを発見しやすくなりました。

一方で、多様化する消費者ニーズに合わせたマーケティング手法として、D2Cが登場したとも考えられるでしょう。

鶏が先か卵が先かは判然としませんが、SNSとD2Cビジネスの相性がよいのは間違いありません。

特にアパレルやファッション雑貨といった業態とマッチするInstagramを使って、業績を伸ばすD2Cブランドがいくつも誕生しています。

デジタル化があらゆる領域に浸透しつつあるため

技術の進展によってあらゆる領域にデジタル化の波が押し寄せたために、テクノロジーの導入が遅れていた小売やアパレル分野でも変革の動きが出はじめています。

この領域に可能性を見出した新世代の起業家が世界中で動き出し、同時多発的にD2Cスタートアップが登場したのです。

日本でD2Cブランドを展開する起業家には、メーカーや広告代理店などIT業界以外の出身者もたくさんいます。

子どもの頃から日常的にデジタルツールと接していた世代が大人になり、事業として扱っていなくても、テクノロジーに親しみを持つ起業家が増えている状況です。

インターネットへの抵抗がないことを武器に、エンジニアが苦手意識を持つ小売・アパレル分野へテック技術を持ち込み、D2Cビジネスを成功へと導いたのでしょう。

クラウドファンディングによる資金調達が容易になったため

D2C領域でスタートアップが快進撃を続けるのは、クラウドファンディングの活用が容易になったことも関係しています。

創業したてのブランドがファンを獲得し、事業を軌道に乗せるまでには一定の時間が必要です。

売上が立たないことによる内部資金の枯渇を防ぐには、外部からの資金調達が必須といえるでしょう。

クラウドファンディングでは、SNSや自社ホームページなどでブランドの理念や展望について発信を続けて、応援してくれる人からの資金提供を募ります。

この方法は事業がスタートしていない状況でも資金を調達できる点が強みです。

さらに、クラウドファンディングに協力してくれた人は商品を購入してくれる可能性が高く、ファン作りが重要なD2Cビジネスとの相性は非常によいといえます。

転職におすすめ!成長著しいD2Cベンチャー8選

数あるD2Cベンチャーの中から、急成長を遂げている企業を紹介します。

拡大中のD2C市場の中でも勢いがあるベンチャーは、転職先として適しています。

紹介するのは独自性の高いプロダクトを手がけ、デジタルマーケティングも重視しながら成長を遂げた企業ばかりです。

ここでは事業概要や社風、求める人物像、企業理念といった求職者が気になる情報を紹介します。

1.FABRIC TOKYO(ファブリック トウキョウ)

FABRIC TOKYOはオーダーメイドのスーツやシャツをオンライン上で手軽に注文できるD2Cブランドを展開する企業です。

質問に答えるだけで顧客1人ひとりの体型に合ったサイズを提案するアルゴリズムを開発し、試着を必要としないネット完結のサービスを形にしました。

社風は非常にフラットで、活気に溢れた組織だそうです。

上下関係は一切存在せず、社員も役員も同じ立場で、立場や役職に捉われず、良い意見であれば採用する風土が根付いています。

組織的にも発展途上であるため、ゼロから作り上げる楽しさや面白さを感じやすい環境です。

2.BASE FOOD(ベース フード)

BASE FOODは、豊富な栄養素が詰まった完全栄養食の提供を目指している企業です。

同社のパンは、26種類のミネラルやビタミンに加えて、たんぱく質や食物繊維も含んでいるため、忙しくても栄養バランスに優れた食生活をしたい人に最適でしょう。

事業ミッションは「主食をイノベーションし、健康を当たり前に」です。健康でいることを重要視しており、顧客だけでなく、社員の健康作りにも注力しています。

社員が心身ともに元気に働けることが、事業成功のアイデアや活力の源泉になるというのが同社の思想です。

健康への意識が高まっている昨今、BASE FOODは将来性にあふれる企業だといえるでしょう。

3.newn(ニューン)

newnは小柄な女性向けのアパレルブランドCOHINAを立ち上げ、月収1億円を超える規模まで成長させたベンチャーです。

身長155cm以下の女性をターゲットに据え、身長が小さくて合うサイズの服を探しにくいという課題を解決する商品を提供しています。

COHINAのマーケティングは、SNS上での顧客との対話を重視していることが特徴です。

Instagramでは身長155cm以下のスタッフが登場するインスタライブを毎日実施し、顧客からの悩み相談にも積極的に対応しています。

地道な取り組みのかいもあり、顧客からの評価が高くリピーターが続出して急成長に成功しました。

4.ROSE LABO(ローズラボ)

ROSE LABOは農薬未使用の食べられるバラの栽培を手がけ、食品ブランドやコスメ事業を行う企業です。

この食用バラは第三者機関の残留農薬検査で276項目全て不検出と、安全性が担保されています。

またビタミンやポリフェノール、食物繊維などの栄養素が豊富で、美容や健康への効果も期待できるでしょう。

同社は採用にあたり、学歴では判断できない人柄と頭の良さを重視しているのが特徴といえます。

変化が激しい外部環境へ柔軟に対処するには、理解力や処理能力が重要になると捉えているためです。

5.MEDULLA(メデュラ)

MEDULLAは「色気のある時代を創ろう」をミッションに掲げる株式会社Spartyが展開する、パーソナライズヘアケア商品のブランドです。

顧客はサイト上でいくつかの質問に答えるだけで、髪質やお悩みに即したシャンプーの提案を受け、そのまま購入できます。

リアルチャネルの展開に積極的で、実店舗の運営や美容院との提携を通じたコミュニケーションの場作りにも励んでいるようです。

オフラインからオンラインへの強固な流通経路を確保し、事業拡大を狙っています。

6.バルクオム

バルクオムはメンズスキンケアブランドの「BULK HOMME」を展開する企業です。

もともとはデジタルマーケティングに特化していましたが、2020年にはテレビCMも行い、マーケティングの裾野を広げています。

近年は男性のスキンケアに対するニーズが急速に高まっていることもあり、需要が急増中。顧客からの問い合わせに対応しきれないという問題に直面しています。

問い合わせ対応強化のためのオートメーションサービス導入や、人材採用に積極的に資金を投じているようです。

むやみな値下げやブランドの横展開は行わないという鉄の掟が社内には存在し、少ない武器で結果を出すことを最高の経営だと捉えているのが特徴。

リソースを1ヵ所に集中して質の高い商品を生み出し、効率的に事業を進めています。

今後は中国や台湾など世界市場への展開を検討しており、世界No.1のブランドを目指して成長を続けています。

7.KINS(キンズ)

KINSは体内の菌の状態を良好に保つ菌ケア用のサプリメントを提供しているベンチャーです。

ECサイトでの定期購入をメインとし、1人ひとりの状態に合った商品に加えて、肌の菌がどのような状態かチェックできる検査キットを提供しています。

KINSが重視しているのは、対症療法ではなく、根本的な解決をもたらす仕組み作り。

人間の体に存在する菌の力を活用すれば、病院や薬を使わずとも、さまざまな不調に悩まされる危険を減らすことが可能です。

菌による健康のコントロールという理念の下、プロダクトから検査キット、生活習慣まであらゆる観点から、人々の生活をサポートしています。

8.PETOKOTO(ペトコト)

PETOKOTOは「人が動物と共に生きる社会をつくる」をミッションに、新鮮で栄養価が優れた食事を愛犬に提供するフレッシュフードブランド「PETOKOTO FOODS」を展開する企業です。

ペットへの健康意識は高まっていますが、手作りご飯を準備するのは労力やコストの観点から簡単なことではありません。

このため、手軽に栄養価が高い食事を取れるPETOKOTO FOODSに対するニーズが増加し、爆発的に売上が伸びています。

同社は各分野の専門家100名以上と提携するほど、情報の信頼性や正確さを重視。

PETOKOTO FOODSのレシピは、世界で使用される栄養のガイドラインを作成した獣医師が考案しています。

犬猫とのマッチングサービスや飼い主向けのペットライフメディアなども展開中。

人と動物が共に尊重し合い暮らせる環境を作るため、幅広い事業を行っているのです。

D2Cベンチャー市場は遥かな可能性を秘めている

D2CベンチャーはSNSで顧客と近い距離感でコミュニケーションを取る中で、ニーズや課題を発見して商品開発に反映するのが特徴です。

ブランディングに成功し、熱狂的なファンを多数獲得できれば、急成長を遂げることが可能になります。

市場や消費者のニーズを的確に捉えることが前提ですが、小規模なベンチャーから大企業に成長するユニコーン企業が誕生する可能性もあるのです。

市場全体のマクロ的な視点でも、一企業のミクロ的な視点においても成長に向かう可能性が高いため、D2Cベンチャーで働けばワクワクする機会を多く得られるでしょう。

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