ベンチャーやスタートアップ企業に転職すると、年収が増加するケースもありますが、年収減になるケースも少なくありません。
年収はやりがいにつながる重要な要素のため、転職前にどう変化するかも知っておきましょう。
また、高収入を見込める企業の選び方についても解説します。
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ベンチャーに転職すると年収はどう変わる?
ベンチャー企業に転職して収入が上がるかどうかは状況によります。
創業して短期間で上場を果たす企業などがニュースで取り上げられることも多く、ベンチャー企業に対して高年収のイメージを持っている方もいますが、すべてのベンチャー企業で高年収を実現しているのではありません。
実際のところ、ベンチャー企業に転職すると年収はどう変化するのでしょうか。
CXOでも800万~1,000万円程度
CEO(最高経営責任者)やCFO(最高財務責任者)などのさまざまな分野での執行責任者をCXOと呼びます。
ベンチャー企業の事実上の幹部に相当するCXOでも、年収の平均は800万~1,000万円です。
このことから、CXOではない一般的な社員として転職する場合は、800万~1,000万円以下の年収になることが多いと考えられるでしょう。
また、すでに1,000万円以上の年収を受け取っている大企業の役員であれば、転職によって年収減となることも考えられます。
転職を決める前に年収条件についても採用担当者と話し合っておきましょう。
コンサル系などからの転職は年収減も
現在の勤務先が金融業界やコンサル会社である場合は、30代でも年収が1,000万円を超えている方も珍しくないでしょう。
CXOとして転職する場合でも年収は同程度、一般社員として転職する場合であれば年収は大幅に下がることも想定されます。
ただし、すべてのベンチャー企業やスタートアップ企業が低水準の年収というわけではありません。
企業によっては、少人数で高利益を生み出すビジネスモデルが確立されており、一般社員として転職しても1,000万円を超える高年収が期待できることもあるでしょう。
ベンチャーへの転職前に知っておくべきこと
ベンチャー企業に転職する場合、すべての方の年収が上がるわけではありません。
特に金融機関やコンサル会社などで高年収を得ている方であれば、年収が大幅に下がる可能性もあるでしょう。
しかし、転職してすぐには年収が増えなくても、長期的な視点で見ると収入がプラスになることもあります。
次の2点に注目して年収について検討してみましょう。
- 長期的に見れば年収増を期待できる
- ストックオプションがあるかも確認しよう
長期的に見れば年収増を期待できる
大企業と比べるとベンチャー企業は実力さえあれば20代、30代でCXOに就任するケースも多く、比較的すぐに年収増が実現することもあるでしょう。
また、社員数も少ないので、企業としての業績上昇が年収に反映されやすい環境と考えられます。
特に成長著しいベンチャー企業、スタートアップ企業の場合は、長期的に見れば年収増が見込めるかもしれません。
ストックオプションがあるかも確認しよう
入社時にストックオプションについて条件提示されることがあります。
ストックオプションとは自社株を所定の条件で購入できる権利のことですが、場合によってはこのストックオプションによって高額な利益を得られることもあるので注目しておきましょう。
例えば入社時は未上場で、1株=100円程度のごく安価に購入できたとします。
しかし、企業が成長して上場し、1株=1万円にまで株価が上昇するならば、税引き前で100株保有している場合は99万円、1万株保有していれば9,900万円もの利益を得られるでしょう。
成長が期待できそうなベンチャー企業に転職するときは、ストックオプションがあるのかも確認してください。
年収にこだわって転職する際の4つの注意点
会社としての歴史が浅いベンチャー企業やスタートアップ企業は、成長性が期待できるという点が魅力でもあります。
入社した時点は一時的に年収が下がっても、長期的に見れば年収増が期待できるかもしれません。
ストックオプションの制度があれば、まとまった利益も期待できます。
しかし、年収増が見込めないベンチャー企業も少なくありません。
年収にこだわって転職する場合は、企業を選ぶ際に次の4つのポイントに注目してみましょう。
- 人件費に力を入れる起業家
- 経営陣だけに力を入れていないか
- 入社時の年収が高いか
- そもそも給与体系が明瞭か
1.人件費に力を入れる企業か
企業が成長しても、設備や投資に利益をまわしてしまうのであれば、年収が右肩上がりになることは期待できません。
報酬アップを目指して仕事に打ち込むためにも、人件費に力を入れている企業かどうか、しっかりと吟味してから入社するようにしましょう。
なお、人件費に注力していない企業であっても、入社する価値がないというわけではありません。
優れたビジネスモデルを有し、着実に業績を上げているのであれば、将来起業する際に参考になるでしょう。
2.経営陣だけに力を入れていないか
従業員の人件費には力を入れてはいなくても、経営陣の報酬には力を入れている企業もあります。
反対にいえば、経営陣の報酬が高額過ぎて従業員の給与にまで資金が行き渡らないということもあるので、転職する際にはチェックする必要があるでしょう。
経営陣になって高収入を目指すということもできますが、創業時に関わったメンバーしか経営に携われないというケースもあります。
人事の流動性についても注目しておくようにしましょう。
3.入社時の年収が高いか
入社時の年収が高いと、その後も高給与を得続けられる可能性があります。
また、どれくらい活躍できるか分からない状態で高報酬を提案するということは、人件費に力を入れている企業だと考えられるので、企業が成長すれば年収はさらにアップすることが期待できるでしょう。
「とにかく人件費を抑えたい」といった社風が見える企業への転職は、慎重になるほうがよいかもしれません。
4.そもそも給与体系が明瞭か
給与体系が明瞭かどうかもチェックする必要があります。
社員ごとにまちまちで昇進や勤続年数とは無関係に報酬が決まっている場合は、長期にわたって働いてもそれに見合った年収増を期待できない可能性があるでしょう。
入社する際に給与体系についても確認しておくことが大切です。
多くの企業では基本給の増加割合などが定められているので、将来の収入についてもある程度予測することができるでしょう。
高年収でスタートアップに転職する4つのコツ
ベンチャー企業やスタートアップ企業に転職するときには、企業体質から給与増が見込みやすいのかどうかをある程度判断することができます。
しかし、給与増が見込めることが判明しても、転職した時点での収入が低く、現在の給与よりも大幅に下がる場合には、生活に支障がでることがあるかもしれません。
次の4つのコツに留意して、高年収の転職を実現していきましょう。
- 入社時の年収が高い企業を選ぶ
- 専門性をアピールする
- 自己資本比率が高いか確認する
- ストックオプションがあるか確認する
1.入社時の年収が高い企業を選ぶ
転職した時点での年収が高いと、その年収をベースとしてさらなる増加が期待できます。
また、高年収を提示してくれるということは、ベンチャー企業側、スタートアップ企業側でもあなたを高く評価しているということなので、責任のある役職に就き、幅広い仕事を任せてもらえると考えられるでしょう。
業績によっては短期間での給与増も期待でき、さらに高年収になることもあります。
2.専門性をアピールする
スタートアップ企業の中では、専門性を持ち、唯一無二の活躍をしている従業員は経営陣よりも高報酬を受け取っていることがあります。
強みとなる専門性を有している場合は、面接の際にもアピールし、然るべき評価を受けられるようにしておきましょう。
また、専門分野によっては、入社してすぐに技術などの部門でCXOに就任する可能性もあります。
責任は大きくなりますが、その分、高報酬を期待できるでしょう。
3.自己資本比率が高いか確認する
すべての企業が常に増収増益を計上しているわけではありません。
一時的に業績が下がったり、低迷する時期が長引いたりすることもあるでしょう。
そのようなときでも自己資本比率が高い企業であれば、従業員の給与を減額せずに乗り切っていけることがあります。
大企業と比べて安定性に欠けることが多いスタートアップ企業、ベンチャー企業に転職するときは、安定した収入を確保するためにも自己資本比率の高さに注目するようにしましょう。
4.ストックオプションがあるか確認する
ストックオプション制度がある企業であれば、長期的に見れば高報酬になる可能性もあります。
また、従業員各自の頑張りが企業成長と株価上昇につながるので、仕事に対するモチベーションアップにもつながるでしょう。
なお、ストックオプション制度のある企業であっても、転職するタイミングによってはストックオプションを購入できないことがあります。
また、ストックオプションを購入できても、購入株数が少なく制限されているケースも珍しくありません。
入社する際にはストックオプション制度についても尋ねるようにしましょう。
年収はやりがいに直結!転職前に吟味しよう
やりがいを持って働くためにも、年収をチェックすることは不可欠なことです。
どんなに好きな仕事であっても、いつまでも低年収の状態が続くのであれば、モチベーションが下がるだけでなく生活維持も難しくなります。
転職する際には、業務内容や休日休暇などを吟味するのは当然のこと、年収や給与体系、人件費にどの程度注力しているのかについてもチェックするようにしましょう。