オンライン教育の普及が進みつつある昨今、エドテック(EdTech)への需要も高まっています。
この領域への転職を目指すなら、今は狙い目の時期だと言えるでしょう。
今回はエドテックの概要やエドテックを導入するメリット、転職で求められるスキルなどを紹介します。
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ITの力で教育に変革をもたらす「エドテック(EdTech)」
エドテックはEducation(教育)とTechnology(技術)を組み合わせた言葉で、教育とデジタル技術を掛け合わせ、新たな付加価値を産み出す取り組みです。
例えば、インターネットを活用したオンライン学習サービスや、教育現場で使われるネットサービスやアプリなどもエドテックの1つです。
また、教師が生徒の学習の進捗状況を把握・確認するツールもエドテックに含まれます。
類似する教育手法としては、e-ラーニングやMOOCが挙げられます。
しかし、これらの教育手法では生徒に一方的に働きかけることが多く、エドテックでは一般的となっている双方向のコミュニケーションは困難です。
エドテックが注目されている背景
エドテックはパソコンなどのインターネットデバイスとインターネット環境さえあれば、場所を問わず利用できます。
学校に行くことに困難を覚える子どもも、エドテックなら学びの機会を得られるでしょう。
また、多様なプログラムを用意することで、生徒1人ひとりの特質に配慮した教育も実現できます。
多様性に注目される今、多様性に対応し、個性を伸ばすエドテックにも注目が高まっているのです。
エドテックが解決する様々な社会問題
エドテックには、次の社会問題の解決も期待されています。
- 教育格差
- 受動的な学びへの偏り
- 教職員の仕事量の多さ
- グローバル人材の育成
エドテックを利用することで、地域や経済力などに関わらず同質の教育を得やすくなります。教育格差の解消も期待できるでしょう。
また、教師が生徒1人ひとりに目が行き届かないという理由もあり、詰め込み式の受動的な学びに偏る傾向が見られています。
エドテックなら多様なプログラムで、生徒自身が考える機会を提供し、能動的な学びを実現しやすくなります。
教職員の仕事量の多さも社会問題の1つです。
エドテックにより教職員の業務効率化を実現すれば、働きやすさが増し、教職員の精神的・身体的な負担も軽減するでしょう。
インターネットは世界のあらゆる場所をつなぐ手段でもあります。
エドテックを利用することで英語などの外国語に触れる機会が増え、さまざまな境遇や文化を理解したグローバル人材を育成することも可能になります。
日本国内外におけるエドテックの市場動向
エドテックの市場規模は、国内・国外ともに拡大しています。
野村総合研究所によると、2023年には日本国内のエドテック市場は約3,000億円の規模に達する見込みです。
2016年時点での約1,700億円と比べると、7年間で2倍近くにまでスケールが膨らむということになります。
世界市場でも2016年時点の17兆円から、2025年には38兆円に達すると推定されており、エドテックは数年のうちに急成長を遂げることが期待されている市場です。
EdTech領域への転職の難易度は?
エドテックは現在急成長中の分野です。
新しい企業だけでなく、従来の教育関連の企業もエドテックに注目し、新部署などを創設しています。そのため、常に人材は不足気味で、転職難易度が特に高いというわけではありません。
とはいえ、教育への関心やインターネット分野の基礎知識は最低限求められます。
エドテックへの転職を検討している方は、関連知識を習得しておくようにしましょう。
エドテックへの転職に求められる3つのスキルセット
エドテック企業に就職する際には、システム開発の経験やWEBコンテンツの運用経験、英語力などが求められます。
今後オンライン教育が普及していけば、エドテック企業の活躍の場が急速に広がるでしょう。
市場拡大のフェーズを迎える中、どの企業も社会に浸透するサービスを提供するために優秀な人材を採用しようとするでしょう。
社員に求めるスキルや経験も、相応の水準が要求される可能性が高いです。
ここではエドテックの転職に必要なスキルセットを紹介します。
システム開発の経験・スキル
エドテックはWEBサービスを開発する必要があるため、エンジニア系の求人が多いことが特長です。
求める経験は担当するアプリやサービスによって異なります。
例えばAI型教材の開発に携わるポジションの場合、機械学習を活用したアプリ構築の実務経験が必要とされる可能性が高いでしょう。
システムの企画・開発を担う役職では、マネジメント経験を求める求人も存在します。
エドテックのエンジニアは一定の開発経験が必要な求人ばかりなので、未経験で挑戦するのは難しいかもしれません。
WEBコンテンツの運用経験
コンテンツの企画制作・運用を担う求人では、SNSや記事、広告などWEBコンテンツの運用経験が求められる場合があります。
エドテックはWEBサービスの一種なので、WEB領域の知識があると転職へ有利に働く可能性が高いでしょう。
業務内容としては、サービスの企画やスケジュール調整、進捗管理、運用、サポートなどです。
立ち上げからリリースまで全体に携わるポジションなので、プロジェクトの成功に大きく関わる意義がある役回りだと言えます。
ビジネスレベルの語学力
エドテックには、ビジネスレベルの英語力を必要とする求人も存在します。
エドテックはオンライン英会話サービスをはじめ英語を扱うプロジェクトも多いため、従業員にも語学力を求める企業もあるようです。
またエドテックを導入する企業は海外に現地法人を構えるところもあり、事業拡大を任せられる人材の採用を目的に語学力を必須の条件にする場合もあります。
外国の企業との協業経験があれば、転職活動の際により有利に働くでしょう。
エドテック業界に参入している代表的な企業10選
将来性に優れ勢いがあるエドテック業界には、多くのスタートアップ企業が参入を続けています。
一足早く参入した企業の中には独自性のあるサービスを提供し、市場での存在感を高めているところもあるのです。
ここではエドテックの代表格とも言える企業の概要やサービスの特徴などを紹介するので、ぜひ企業研究の参考にしてみてください。
1.株式会社Schoo(スクー)
「世の中から卒業をなくす」をミッションに掲げ、動画配信学習サービスを展開する企業です。
中でもプログラミングをオンライン上で学べるProgate(プロゲート)は、IT人材の不足が声高に叫ばれる昨今、需要が大きいサービスだと言えるでしょう。
Schooはアメリカやインドなどの大国にも拠点を広げており、グローバル企業と呼ばれる存在となるために着々と歩みを進めています。
俳優やミュージシャンといった、ユニークな人材を講師に抜擢することも特長です。
2.スタディプラス株式会社
学習管理アプリとしてメジャーな存在であるスタディプラスを開発し、運営している会社です。
アプリのスタディプラスは学習の進捗状況の記録や目標達成率の確認だけでなく、先生とコミュニケーションを取れる機能もついています。
孤独に陥りがちな受験勉強において、アプリを開けば相談相手がいると思えると心強いでしょう。
スタディプラスは2016年には、教育事業者向けの学習進捗管理ツールもリリースしています。
生徒に関するあらゆる情報をビジュアル化できるため、教え子の学習管理の効率化に役立つツールです。
3.スタディサプリ(株式会社リクルート)
株式会社リクルートでは、学習サービス「スタディサプリ」を提供しています。小中高生だけでなく、社会人に向けたプログラムもあり、幅広い内容をパソコンやスマホで学ぶことが可能です。
スタディサプリではプロ講師による動画を配信するだけでなく、個別に学習記録を残し、個人のペースで学べるようにサポートします。到達度テストもあるので、学びがどの段階にあるのか客観的に判断することもできます。
4.ベネッセコーポレーション
業界大手ベネッセコーポレーションでは、多種多様なエドテックサービスを提供しています。
例えば専用のタブレットのチャレンジタッチを使って、国算英理社に加え、プログラミングの授業も展開しています。
また学習アプリのAI StLikeは蓄積された大量の学習データを解析し、ユーザーに適した問題を出題することが可能です。
アプリを通じて提供される解説講義を担当するのは大学受験のプロ講師であり、AI StLikeはクオリティの高さから多くの利用者を集めています。
5.株式会社ワオ・コーポレーション
株式会社ワオ・コーポレーションは、能開センターなどの学習塾や個別指導塾を運営する企業です。
また、娯楽の要素を取り入れた教育プログラムも作成しています。
例えば、遊びながら勉強の基礎が身につく幼児・小学生向けのアプリ「ワオっち!」や、在宅で学ぶ「ワオスタディー」などの気軽に学べるコンテンツを多数提供しています。
6.株式会社スマートエデュケーション
株式会社スマートエデュケーションでは、知育アプリの「こどもシリーズ」などを展開する企業です。こどもシリーズは親子で楽しめ、学びながらコミュニケーションを取れる点も特徴です。
また、保育施設向けのプログラムなども提供しています。子どもにとっては多様な場所で学びの機会を得られることになり、保育施設にとっては差別化や施設の特徴づけにも活用することができます。
7.株式会社レアジョブ
株式会社レアジョブは、オンライン英会話レアジョブを運営する上場企業です。
レアジョブ英会話の大きな特徴は開講時間の長さであり、毎日朝6時から深夜1時まで受講できます。
また初心者向けに、日本人講師が在籍している点も特長です。
外国人講師との英語によるコミュニケーションが心配な方でも気兼ねなく講義を受けられます。
さらに5,000種類以上の充実した教材も魅力の一つです。
レアジョブは顧客に寄り添ったサービスを展開することで、高い顧客満足度を獲得しています。
8.ライフイズテック株式会社
ライフイズテック株式会社は、ディズニーなどの子どもが好む世界観を活かした学習プログラムを提供する企業です。
例えば、プログラミングを学ぶ「テクノロジア魔法学校」や、キャンプのように短期間で学ぶ「CAMP」などを提供しています。
また、自宅向けや学習塾向け、教室向けなどの多様なプログラムを作成し、さまざまなシーンの学びに活用できます。
9.ユームテクノロジージャパン株式会社
ユームテクノロジーJapan株式会社は、テクノロジーと学習で学びのスタイルを変える企業です。
オンライン学習プラットフォーム「UMU」を提供し、年齢や個人・団体を超えた学びの機会を提供しています。
UMUでは、学ぶだけでなく教えることも可能です。
学習者から提出された動画などを分析し、自主学習に促すなど、より高度な次元でエドテックを実現しています。
10.モノグサ株式会社
モノグサ株式会社は、記憶活動と学習活動をつなげるサービスを展開しています。
例えば、学習プラットフォーム「Monoxer」は、記憶定着に活用できるサービスです。
生徒に覚えて欲しい内容を教師が登録すると、その内容を定着させるために必要な問題を自動的に作成し、生徒に提供します。
また、Monoxerでは生徒1人ひとりの習熟度や忘却度に合わせて、問題を調整することも可能です。
より個人に寄り添った学習を目指すときにも、活用できるサービスといえます。
EdTechに関わる職種一例
エドテックに関わる職種としては、次のものが挙げられます。
- アプリやシステムの開発
- 営業
- 運営、保守
- 企画、マーケティング
教育とインターネットサービスを組み合わせた分野はすべてエドテックです。今後もエドテックは成長していくことが予想されます。今までなかったような職種が誕生する可能性も大いに期待されるでしょう。
EdTech企業に就職するには?
エドテック関連の企業への就職・転職をする前に、次の準備が必要です。
- 教育の種類や必要性について学ぶ
- 教育の現場が抱える悩みを理解する
- 学ぶ側のニーズや環境について理解する
教育やITに関する基礎的な知識を身につけた後で、エドテックに強いエージェントサービスへ相談しましょう。エドテックに取り組んでいる大企業も多数ありますが、ベンチャー企業などではエドテックを主力事業としていることがあります。
ベンチャー企業に強いエージェントサービスなら、より心強いサポートを得られるでしょう。ベンチャー企業への転職は、ぜひフォルトナベンチャーズにご相談ください。転職支援の経験豊富なコンサルタントが、ご希望に合う企業探しのお手伝いをいたします。
ニーズが高まるエドテックへの転職を成功させよう
エドテック市場は今後急速に成長すると見込まれており、転職のチャンスも増える可能性が高いでしょう。
エドテック業界へ参入する企業は増加しているため、自分に合った企業を見つけるには徹底した情報収集が大事です。
転職エージェントを活用し、ぜひ信頼できる情報の入手に努めましょう。
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