ベンチャー企業やスタートアップ企業では、CXO(企業や部門での最高責任者)として転職することも可能です。
どのような方法で最高責任者として転職することができるのか見ていきましょう。
また、入社をスムーズに進めるための条件や責任者としてベンチャーに関わるメリットについても解説します。
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ベンチャー企業のCXOに転職する方法は?
CEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)などの企業、各部門の最高責任者を「CXO」と呼びます。
ベンチャー企業などの創業してあまり時間が経過していない企業では、従業員だけでなくCXOとして転職する方も珍しくありません。
CXOとしての転職を目指す方は、次の3つの方法で転職活動を進めていきましょう。
- ハイクラス向け転職エージェントを活用する
- スカウトを受ける
- 知り合いからの紹介
1.ハイクラス向け転職エージェントを活用する
転職希望者に専任のエージェントがつき、転職活動をサポートしてくれる「転職エージェントサービス」には、幅広く総合的な仕事や職位の転職案件を紹介しているものもありますが、特定の業種や特定の職位に特化したものも少なくありません。
中には一定以上の役職の案件に特化したハイクラス向けの転職エージェントサービスもあり、ベンチャー企業などのCXOとして転職する案件を紹介していることもあります。
CXOや部長職、役員としての転職を希望する方は、ハイクラス向け転職エージェントサービスに登録し、活動を始めてみてはいかがでしょうか。
今までの経歴やスキルに見合う案件をエージェントに紹介してもらうことができます。
2.スカウトを受ける
ベンチャーでは、企業の成長に応じて経営を専門に任せる優秀な人材が必要になり、CFO(最高財務責任者)を外部から募集することもあります。
また、技術面で統括する人材が必要になったときにはCTO(最高技術責任者)、情報部門を強化する際にはCIO(最高情報責任者)などを外部に求めることもあるでしょう。
ベンチャー企業によっては、他企業の優秀な人材に目をつけ、直接スカウトすることも少なくありません。
3.知り合いからの紹介
ベンチャー企業では、優秀な人材を知り合いを通じて紹介してもらうというケースも珍しくはありません。
ベンチャーのCEOが知り合いに「財務において優れた人材を紹介してください」などと相談し、知り合いが知っている人材を紹介して転職が実現することもあります。
なお、紹介もスカウトも、どちらも待っているだけでは思うように進まないことが多いでしょう。
転職したい企業に直接自分を売り込み、専門性や実績をアピールしてCXOとしての転職を実現するケースもあります。
スタートアップへのCXO転職がうまくいく条件
自分から売り込むことや知り合いからの紹介、スカウトを受けることなどが難しいと考えられる場合には、CXOとして転職する方法はハイクラス向け転職エージェントサービスに限定されます。
しかし、ハイクラス向けの転職エージェントサービスに登録したとしても、面接などによる選考があるため、必ずしも希望する企業へ転職できるわけではありません。
CXOとしての転職を成功させるためには、転職希望者自身が以下の条件を満たしている必要があります。
ぜひご自身が該当しているかチェックしてみてください。
- 経営の経験があること
- リーダーとしての経験があること
- 特定の分野での専門知識が高いこと
1.経営の経験があること
CXOとして転職するということは、企業の経営陣として働くということを指します。
今までの職務経歴において経営に携わった経験があるならば、CXOとして採用される可能性が高まるでしょう。
例えば事業統括者として経営層での職務を担当していた場合なども、CXOとして適しているといえます。
また、プロジェクトマネージャーとして、プロジェクト単位の経営管理に当たっていた方も、経営の専門家として評価を受けられることがあるでしょう。
2.リーダーとしての経験があること
最高責任者の仕事は、経営に携わるだけではありません。
組織やグループをまとめていくことも期待されているため、リーダーとしての経験があることが望ましいでしょう。
部長職や課長職の経験があれば良いですが、20代、30代で転職する場合にはそこまでの役職を求められることはありません。
プロジェクトリーダーやチームリーダーなどの小規模単位のリーダーとしての経験であっても評価対象になるので、面接時にはアピールしましょう。
3.特定の分野での専門知識が高いこと
経営の経験やリーダーとしての経験がなくても、特定の分野における専門知識が高い場合には、評価を受けてCXOとして採用されることもあります。
例えば経理や会計業務、税務などに深い知見があり、公認会計士や税理士などの資格を保有している方であれば、財務の最高責任者であるCFOに適した人材と判断されるかもしれません。
CXOとしてベンチャー企業に関わるメリット
CXOとしてベンチャー企業やスタートアップ企業に関わることには、一従業員として関わることと比べるとさまざまな場面でメリットが想定されます。
CXOならではの主なメリットとしては、次の3つを挙げることができるでしょう。
- 当事者として経営に携われる
- 収入増加のチャンスが増える
- 経営者として更なるステップアップができる
当事者として経営に携われる
CXOになるということは、ベンチャー企業やスタートアップ企業の経営に当事者として関わることを意味します。
例えば今まで金融機関やコンサル会社の立場でベンチャー企業に関わってきた方であれば、どんなに優れたビジネスモデルを実践する企業であっても、あくまでもアドバイザーとしての立場だったはずです。
優れたアイデアを提案して企業の業績を上向きに変えたとしても、自分自身の会社が成長したわけではないため、大きな達成感を得られないこともあったでしょう。
しかしCXOになれば当事者として会社の業績を伸ばすことが可能です。
達成感も得やすく、仕事に対するやりがいも感じやすくなるでしょう。
収入増加のチャンスが増える
CXOとしてベンチャー企業に関わると、企業成長を肌で感じることができます。
また、報酬増という形でも企業成長が反映されるので、成長著しいベンチャー企業であれば、収入増加のチャンスが増えると考えられるでしょう。
ストックオプション制度のある企業であれば、成長後や上場後に株式を売却して臨時的に収入を得ることも可能です。
企業の価値が著しく向上した場合には、年収の何倍もの売却益を得られることもあります。
経営者として更なるステップアップができる
CXOとしての経営を積むということは、経営者としての経験を積むことに他なりません。
会社を運営していくために必要なことや人材の活用方法、資金調達方法、企業責任者として取引先と交渉することなど、幅広い経験を積み、経営者としてステップアップすることができるでしょう。
将来起業を考えている方や他の企業にCXOとして転職しようと考えている方にも、得難い経験となるはずです。
CXOとしてベンチャー企業に関わるリスク
CXOとしてベンチャー企業に関わることにはメリットも多いですが、リスクもあります。
場合によっては、「転職しなければよかった」「一従業員として転職すればよかった」と公開することにもなりかねません。
特に次の4つのリスクに留意し、慎重に転職先を絞っていきましょう。
- 結果が求められる
- トラブル発生時には責任が追求される
- 負のキャリアになることがある
- 入社時期によっては馴染めないことがある
結果が求められる
ベンチャー企業やスタートアップ企業があなたをCXOとして迎え入れるということは、それだけあなたに即戦力を期待しているということです。
成果を出して当然、それ以上の成果を出して初めて「この人を採用してよかった」という評価を得られます。
つまり、単に会社を構成する一人ではなく、結果を出せる人材として採用されたわけですから、結果が出ないときには会社に居づらくなる可能性があるでしょう。
トラブル発生時には責任が追及される
CXOは最高責任者なので、トラブルが発生したときには責任が追及されます。
管理体制が甘かったのではないか、そもそもの体制構築に欠陥があったのではないかと厳しく追及されるので、場合によっては責任を負って会社を辞める必要も生じるでしょう。
会社そのものを背負えるほどの覚悟がない方には、CXOとしての転職はおすすめできません。
負のキャリアになることがある
ベンチャー企業の魅力は、企業として新しく成長の可能性に満ちているというところにあります。
しかし、反対にいえば老舗大企業ほどの安定感がないということなので、容易に成長できる側面がある分、あっという間に経営基盤が崩れ、倒産などの最悪の結果になってしまうこともあるでしょう。
このような場合はCXOにも責任が問われるだけでなく、負のキャリアとなっていつまでもついて回る可能性があります。
入社時期によっては馴染めないことがある
一人で創業する方もいますが、何人かでチームを作り、起業する方もいます。
チームの団結が強すぎると、後から迎えられたCXOは職場に馴染みにくい可能性もあるでしょう。
また、事あるごとに経営者たちが「創業メンバーでは……」というような発言をする会社でも、除け者になったような気持ちを味わうかもしれません。
面接時に会社の雰囲気をしっかりとチェックしておきましょう。
CXO転職に必要な経験と技能を修得しよう
CXOとしてベンチャーやスタートアップ企業に関わることで、当事者として企業を成長させていくことが可能です。
転職者には即戦力が求められているため、CXOとしての転職を目指すのであれば、経営職やリーダーとしての経験を積むこと、また専門性の高いスキルや資格を取得することも必要になるでしょう。
社風や待遇なども吟味した上で、自分に合う転職先を見つけてください。