経営/事業という先の見えない航海の『羅針盤』として、自社コンサルタントとフリーコンサルタントを組み合わせた経営/ITコンサルティングサービスを提供をしている株式会社LASINVA(以下、LASINVA)。『現場発イノベーション』による経営や社会の変革に向け、コンサルティングサービスを軸に、ワクワクする事業づくりに挑戦し続けるコンサルティングファームです。
今回は、同社の創業者であり代表取締役の中川 浩幸様に登場いただき、フォルトナ石川がインタビューを行いました。
中川様のこれまでのキャリアやLASINVA創業にいたった背景、LASINVAが目指すビジョンや求める人物像等さまざまなお話をお伺いしました。
中川 浩幸様 プロフィール
代表取締役。大阪大学を卒業後、総合商社、ボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)等を経て現職。BCGでは主に金融業界のクライアントを担当し、中期経営計画策定・実行支援、新規事業開発、全社デジタル改革等の経営コンサルティング業務に従事。その後、フリーコンサル等の期間を経てLASINVAを創業。
総合商社→BCG→起業。創業社長のキャリアの原点とは
[石川]
まずは中川様のご経歴を教えてください。キャリアの原点はどこにあるでしょうか?
[中川様]
私のキャリアの原点は、学生時代に4年間塾講師のアルバイトで社会科を担当したことと、経済学部のゼミ活動で経済論文を通じて政治家や教授に対して政策提言を行う活動の代表を務めたことです。これらの経験を通じて、日本の社会課題の解決に貢献したい、人材育成に関わりたいと思うようになったことが、コンサルタントや社長のキャリアにつながっています。
[石川]
新卒はどこの会社を選ばれたのでしょうか?
[中川様]
最初のキャリアは総合商社を選びました。食やエネルギーなど、日本の弱い部分を支えながらグローバルで戦ってみたいと思ったからです。7年半在籍し、経理部門と金属事業部門を経験しました。経理部門ではキャッシュフローや税務など、経営に必要な会計の基礎を身につけることができましたし、金属事業部門ではエネルギー設備に必要な金属部品をグローバルで担当しました。
[石川]
入社時の思いを叶えることができたのですね。その後、なぜキャリアチェンジすることになったのでしょうか?
[中川様]
順調なキャリアだったのですが、海外駐在の話をいただいたときに、将来のキャリアに不安を感じたことがきっかけでした。商社の場合、駐在から帰国後のキャリアは、そのとき担当している領域に限定される可能性が高いからです。
そうして「一生金属でいいのか」と悩んでいるときに、たまたま読んでいたビジネス本がコンサルティングファームのもので「面白そうだからとりあえず受けてみよう」といくつか外資戦略コンサルを受けたら、運よくボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)から内定をいただき「これも何かのご縁だ」ということで転職することにしました。BCGには3年半在籍し、主に金融業界の中期経営計画策定や新規事業検討、DX組織の立上げ支援などのプロジェクトに携わりました。
[石川]
BCGのキャリアからLASINVAの創業には、どのようにつながったのでしょうか?
[中川様]
元々BCGには、コンサルタントとしてキャリアアップするよりも、他の道を探していきたいという思いで転職しました。実際にBCGのおかげでキャリアの選択肢を広げることができましたし、このままだと長く居座ってしまうと思ったため、とりあえず外に出ようと当時流行り始めていたフリーランスコンサルの世界に身を置きました。この選択が今の起業につながっています。
[石川]
元々起業しようと思っていたのではなかったのですね。
[中川様]
はい。学生時代は愛読書が島耕作で、自分も大企業で頑張って偉くなろうと決めていましたし、当時ベンチャー企業が話題になるなかで、自分には関係ない世界だと思っていました。それがまさか起業するとは、人生って面白いですね(笑)。
[石川]
ちなみに、ご自身のフリーランスコンサルの受注はどのようにされていたのでしょうか?
[中川様]
私の場合は全てリレーションでした。BCGのアルムナイや知人の紹介です。
LASINVA創業秘話 フリーランスコンサルから自社コンサルへ
[石川]
LASINVAの創業について、詳しく教えてください。
[中川様]
フリーランスコンサルをやるなかで感じたのは「リーズナブル」「もっと柔軟にコンサルを使いたい」という需要の多さでした。また、供給サイドでみても、コンサルキャリアを生かして自由に働きたいと思う人が今後増えてくると考えましたし、周りにコンサルティングファーム卒業生のフリーコンサルタントも増えておりました。これを組織化して事業にしたら面白そうということで、まずは1人、そして学生バイト2名で事業を開始し、その後に現取締役の原田と現シニアビジネスディレクターの武川が加わり、会社としては3人でスタートしたのが創業の背景です。
元々はフリーランスコンサルティング事業のみでスタートしましたが、現取締役の小島を迎えて自社コンサルタントの拡大を進め、現在に至っています。
[石川]
フリーランスコンサルタント中心から自社コンサルタント事業に転換した理由は何だったのでしょうか?
[中川様]
まず、フリーランスコンサル市場はまだ成長の途中で、お客様のためにコンサルティングの品質を保つ必要がありました。また、拡大を考えたときに組織的に動く必要がありました。品質のためにも、拡大のためにも、自社コンサルタントを中心にしたほうが良いという結論に至りました。一方でフリーコンサルタントの知見や経験は重要ですし、今は自社コンサルタントとの組み合わせにてサービス提供しているのが実態です。
[石川]
一人目のプロパーコンサルタントとして、小島様はどのように参画されたのでしょうか?
[中川様]
小島もBCG出身で、私よりも長く7年ほど在籍していました。彼がコンサルビジネスから別の道を模索しているタイミングで声をかけて「一緒にコンサル事業を作ろう」「自分たちで次のビジネスを展開しよう」と何度もしつこく口説きました(笑)。
[石川]
私自身もフォルトナの立ち上げメンバーなので、創業の苦労もよく分かりますが、一番楽しい時期でもありますよね。