【特集】医療/ヘルスケアコンサルの転職・求人情報

医療/ヘルスケアコンサルティングとは?

医療/ヘルスケアコンサルティングとは、医療機関を対象としたコンサルティング、もしくは医薬品メーカーや医療機器メーカーなど民間企業を対象としたコンサルティングのことを指します。

対象の違いによって、仕事内容や進め方が大きく異なります。

医療機関を対象とするコンサルティングの場合、クライアント先を訪問するのは月に2~3回程度で、複数のクライアントを同時並行で担当するのが一般的です。
また、200~300床以上の病院を主なコンサルティングの対象とする場合、クライアントは全国各地に及ぶことが多く、全国出張が多くなります。

医薬品・医療機器メーカーなどを対象とするコンサルティングの場合、一般的な民間企業を対象とする場合と同じく、一つのクライアントに数か月単位の張り付きになることが多いです。
ただし、BtoBtoCという特殊な業態のため、営業戦略やマーケティング戦略など、業界特有の感覚や慣習への理解を求められるのが特徴です。

医療/ヘルスケアコンサルの具体的なプロジェクト事例

【総合系】アクセンチュア
 佐賀県救急搬送プロセス:命を救うアナリティクス

【概要】

緊急時には、適切な救助を適切な場所に適切なタイミングで派遣できるか否かが、文字通り生死を分けます。誤った情報の伝達は、救急隊や医師の動きを妨げ、深刻な結果を引き起こしかねません。アクセンチュアは、佐賀県における救急隊と医療機関との連携の改善に取り組みました。佐賀県で保有している救急搬送データに人工知能や機械学習を用いることにより、緊急時の救急スタッフ派遣を高度化し、搬送先の医療機関において受け入れ困難となる数を40%削減し、平均搬送時間を1.3分短縮できる可能性を示しました。これは、アナリティクスはビジネスを大きく変えるだけでなく、人の命をも救うものであることを示しています。

佐賀県では、厳しい予算や医療スタッフの不足、高齢化などいくつもの課題に直面しています。また日本の医療システムでは受け入れが困難な場合、緊急搬送患者を断ることが認められているため、患者を迅速にかつ適切な医療機関に運ぶことが極めて重要です。しかし現状の救急対応システムでは、救急隊の有する勘と経験に頼って患者の搬送ルートを判断せざるを得ない状況でした。このため、受け入れ可能な医療機関を探し出すために、いくつもの医療機関に問合せをする必要がありました。また、必要な情報を関係機関者全員が効率的に把握することも困難な状況だったため、一本化したシステムによってデータを収集し、共有する手段が必要とされていました。

【アクセンチュアの支援】

アクセンチュアの支援
アクセンチュアのミッションはただ一つ、緊急搬送患者を適切な医療機関に迅速に搬送できるようにすること。これまでは、救急電話を受けてから患者を医療機関に搬送する一連の活動は、それぞれの機関でデータを入力・管理する複雑なプロセスで行われていました。このため、バラバラなデータを処理しなければならず、最適な救急搬送先を検出することは非常に難易度の高いものでした。改善のためには、患者の場所や傷病の状況、専門医師の対応可否、最適な搬送ルートの検索まで、あらゆる情報をリアルタイムで取得することが求められていました。さらに、プロセス全体の効率化にあたっては、これらの要素が果たすそれぞれの役割を把握する必要がありました。一刻を争う救急の場面においては、わずかな改善でも大きな効果をもたらすからです。

アクセンチュアはリキッド・ワークフォースを活用し、米国と日本から最適な人材を集め、IT技術を活用することで地域の垣根を越えた専門家によるチームを結成しました。このグローバルなチームは、佐賀県の救急車に配備されたiPadから収集された15万件の搬送データを分析しました。さらに医療機関が入力した膨大なデータと組み合わせ、人工知能と機械学習を用いて分析を行った結果、自治体、医療機関、および救急隊との間の連携を改善する新たな可能性を発見しました。緊急患者の受け入れ困難となる数が40%削減され、平均搬送時間は1.3分短縮できる可能性が示されたのです。人命救助においては、わずか数秒の時間短縮であっても重要な意味をもちます。

【結果】

今佐賀県では、データサイエンスの力によって、医師・救急隊・佐賀県職員が協力して、より高度化された救急プロセスの実現に向けて取り組んでいます。さらに佐賀県はデータに基づいた政策作りやデータサイエンス人材の育成を加速化させています。

本プロジェクトは、2016年11月に日本政府から、「地方公共団体における統計利用活用表彰」において総務大臣賞を受賞しました。データを活用したアプローチによって緊急搬送の高度化の可能性を示し、人々の暮らしの改善につながったことが成果として高く評価されたためです。アナリティクスはビジネスを変えるだけでなく、人の命を救うものでもあるのです。

【総合系】アクセンチュア
 骨髄バンク/患者救命に向けコーディネート支援システム構築(コーディネート期間短縮)

【背景】

骨髄バンクの主要業務のひとつに、「白血病等により骨髄移植が必要な患者さんに対して、骨髄提供の意思があり、かつ白血球の型が一致している提供者(ドナー)を仲介する」ことがあります。移植を希望する患者さんに対して、白血球の型が一致しているドナー候補の方の健康状態と提供意思の確認から移植完了およびドナーのフォローアップまで一連の工程を調整する業務を、コーディネートといいます。

骨髄移植が必要な病気は、急性骨髄性白血病のように、緊急を要する重病が多くを占めており、コーディネートには可能な限りの迅速性が求められます。同時に、患者さんやドナー候補の方の住所や氏名、患者さんの病名や身体データ等、極めてプライベートな情報を取り扱う必要があります。

【アクセンチュアの貢献】

アクセンチュアは、平成12年にこのコーディネート業務を担う基幹システム(コーディネート支援システム)の導入を支援し、それによって、情報管理の強化と同時にコーディネート期間の短縮と、コーディネート実施件数増加への対応を実現することで、患者救命に大きく貢献いたしました。
導入に際しては、アメリカの骨髄バンクに対して行ったインタビューや業務分析を行い、世界レベルの品質を担保した業務運用とシステム構成を実現しました。

【成果】

その結果、平成11年には238日であった患者のコーディネート期間(中央値)が、平成18年には157日まで短縮することができました。また、平成11年の年間554例から平成18年の949例へと大きく増加した移植実施を下支えし、コーディネート支援システムはコーディネート期間の短縮と患者救命に大きく貢献しています。

【戦略系】マッキンゼー・アンド・カンパニー
 製薬会社/新薬の売⁠⁠上⁠⁠げ⁠⁠を最⁠⁠大⁠⁠化⁠す⁠⁠るマ⁠⁠ー⁠⁠ケ⁠⁠テ⁠⁠ィ⁠⁠ン⁠⁠グ戦⁠⁠略

【プロジェクト背景】

世界のトップ15に挙げられる海外の製薬会社が、日本で新たな医薬品の共同販促とライセンス提供を行うために、最高のパートナーとなる日本企業を探し求めていました。この企業は以前にも同様の契約交渉によって大きな成功を収めていましたが、今回は、複数のパートナー候補を客観的視点から評価することを望んでいました。マッキンゼー日本支社がこれまでこの製薬会社の数々のプロジェクトを手がけてきた実績から、同社の経営陣は、最適な提携先の選定、提携関係がもたらすインパクトの把握や予測モデル構築のために、マッキンゼーに支援を要請しました。

【取り組み内容】

マッキンゼーチームは、まず、新製品の潜在需要、競争的位置づけ、最適な販促方法を十分に把握するため、顧客に対する一連のインデプスインタビューを行いました。さらに、市場の洞察と顧客企業から得た大量のデータを活用して、顧客企業が立てた売上げ予測を精緻化し、ターゲットとなる内科医への営業活動に必要な営業員数を概算できる予測テンプレートを作成しました。その後、新医薬品発売のための提携候補となる日本企業各社について、その能力と適性の評価に着手しました。

新医薬品の潜在需要や発売を成功させるために必要な人的資源を正確に把握した結果、マッキンゼーチームは、顧客企業に、「製品をライセンス提供すべき」という基本前提を見直すよう提言しました。これは想定外の提案でしたが、分析結果は製品の多大な潜在力を示しているというのがチームの主張でした。チームの分析によれば、もし顧客企業がこの特殊治療分野に長期的にとどまって主導権を握ることを目指すなら、ライセンシングの戦略的価値を再検討する必要がある。したがって、十分なマーケティング・営業体制構築には初期投資が必要になるものの、製品を自社のみで保有し発売する場合の正味現在価値はライセンス提供や共同販促をした場合を上回っている、という結果に至りました。

当初の依頼内容とは異なる提案でしたが、顧客企業は慎重に検討を行い、製品を自社のみで保有し発売することを選択しました。

【プロジェクト成果】

顧客企業は、マッキンゼーの提案に沿って日本での製品発売を実行に移し、短期間で、必要な追加営業部隊を採用しました。2011年初頭に発売された製品は、当初の最大予測すら大幅に上回る販売ペースを記録するなど、大きな成功を収めました。さらに顧客企業は、この専門分野において新製品を獲得しライセンスを認可するチャンスを模索しており、今後の成長基盤と位置づけています。

【総合系】Strategy&(当時ブーズ・アンド・カンパニー)
 製薬メーカー/グローバルコスト改革

【背景】

日本のある製薬メーカーは、主力薬の特許切れによる業績悪化を予期し、また将来の成長可能性の一つとして新興国市場の開拓を視野に入れ、コスト構造の見直しをStrategy&*と共同で開始しました。

当初は国内の間接材の購買コストの引き下げを中心にプロジェクトを開始しましたが、米国と欧州でも同様のプロジェクト・チームを立ち上げ、さらには直接材の購買コスト引き下げと、間接業務の人的生産性の改善にも取り組むこととなりました。

【活動内容】

国内の間接材としては、多岐にわたる費目を対象としました。研究開発関連の設備・備品や外注研究費、生産関連では物流費、営業関連の広告費、集会費、交際費、販促物費、車両費、総務・管理関係では印刷費、保険料、研修費、旅費、外注費、またIT関連でシステム費、通信費などが対象になりました。 これらの費目ごとにクライアント・チームを立ち上げ、Strategy&のプロジェクトメンバーが調達戦略と交渉戦術を起案し、新たなサプライヤー候補も開拓しながら単価の削減交渉を推進しました。

米国と欧州でも同様の体制でStrategy&のメンバーがクライアントの費目別チームを支援し、さらに直接材の分野でも原材料や包装材料を中心に同様の体制で交渉を推進しました。製薬業界に固有の費目に関してはStrategy&のグローバルなチームによる過去の類似プロジェクトの知見を活用し、交渉戦術を策定しました。 コスト削減活動における要点は、「リバウンド」をいかに防ぐかにありました。購買量を一時的に抑制するだけでは、単年度の費用は下がるものの翌年度以降に再増加してしまいます。まずは単価水準を引き下げることを重点とし、その後は定期的なチェックを行うことで単価や数量の再増加がないようにモニタリングを行う体制としました。

【成果】

日米欧の購買プロジェクト・チームの協働の結果、グローバルで約100億円のコスト削減を実現しました。単に削減余地を特定しただけにとどまらず、サプライヤーから単価低減の提案を実際に取得し、その多くはプロジェクト期間中に新単価で購買契約にいたりました。

また、このプロジェクトのもうひとつの成果は、サプライヤー管理およびコスト管理のノウハウがクライアント内に確立したことにあります。購買プロセスを「見える化」し、適切な価格交渉を行うことを担保するツールなどが導入されました。

【独立系】ベイカレントコンサルティング
 製薬メーカー/グローバルアウトソーシングの最適化

【プロジェクトの背景】

商品の特性上、企業競争力強化の為にグローバル化が特に重要とされる製薬業界においては、各社がM&Aやクロスボーダーでの業務改革を積極的に推進してきました。その過程では社内業務に限らず外部機関にアウトソースしている業務をも含めて検討することが必要となります。中でもCRO(医薬品開発業務受託機関)へのアウトソースは多くの製薬企業が行っており、クライアント企業も例外ではありませんでした。
この分野においてはグローバルで統一されたプロセスが存在するものの、5社以上のCROが活用されており、品質(コンプライアンスの観点を含む)、コスト、業務スピードおよび事業継続性の観点より最適化していく事が求められていました。

【活動内容】

まず第一に、各リージョンの法規制および業務の特性に加え、事業継続性の観点から最適と想定されるアウトソース先(企業特性や場所等)と運営体制の案をアウトソーシング・モデルとして策定。続いて策定案の実現可能性を各リージョンのリーダーと検証し、グローバルでのアウトソーシング戦略として最終化しました。
その後、上記戦略に基づきCRO先を選定し、アウトソーシング戦略の実現を含む移行計画を立案、1年以内での業務移行を完了しました。

【プロジェクトの成果】

アウトソース先CROの絞り込みを経て、全社経営方針の浸透やプロセス管理が容易になり、コンプライアンス体制が強化されると同時にCROの管理面においても、グローバルでの方針統一を通じ大幅な品質および業務スピードの向上が実現されました。
定量的には、アウトソーシング費用の削減結果として年間約15億円(約30%)のインパクトを見出すことができ、クライアント企業の競争力強化を加速することができました。

【総合系】アビームコンサルティング
 大塚ホールディングス/事業分野と商流の壁を越えた販売物流システムをSAP導入で刷新・構築

【プロジェクト背景】

大塚グループの事業は、治療薬や輸液などの製造販売を行う「医療関連事業」と、健康の維持・増進をサポー トする飲料・食品や健粧品(コスメディクス)などの製造販売を行う「ニュートラシューティカルズ関連事業」の2つの分野に大きく分けられる。グループ内各社で、これら異なる事業分野を個々に展開している中、大規 模な販売物流システム刷新・統合プロジェクトが立ち上がった。大塚グループは、グループ全体のITインフ ラ基盤構築に向けて、大きな第一歩を踏み出したのである。

【課題】
  • 大塚グループ全体のITインフラ基盤構築を見据えた販売物流システムの構築
  • 異なる製品、商流で個々に事業を展開する大塚グループ内各社の業務標準化実現
  • 大塚グループ共通での内部統制強化
【課題解決のソリューション】
  • SAP導入による販売物流システム構築
  • 新販売システム稼働に伴うリスク・負荷を分散するため、2段階で稼働
  • 拡張性・柔軟性を持った販売システムの実現
  • 災害時の事業継続性の確保(BCP 対応)
  • 販売システム全領域の保守・運用アウトソース化
【成果】
  • 将来を見据え、グループ他社の乗り入れが容易なシンプルなシステムを構築
  • グループ内各社の業務標準化を図ると同時に、個社の切り分けを両立
  • 会議体でのコミュニケーションによるグループ各社との密な合意形成
  • 内部統制室との連携と徹底したスケジュール管理
  • 保守および並行する複数プロジェクトとの整合性の確保

医療/ヘルスケアコンサルの代表的な企業

●は外資系企業、○は日系企業 【 】はグループ企業の属性

総合系ファーム/インダストリー部門

●【BIG4】デロイトトーマツコンサルティング/ライフサイエンス・ヘルスケア
●【BIG4】PwCコンサルティング/HIA(ヘルスケア・医薬・ライフサイエンス)
●【BIG4】EYストラテジー・アンド・コンサルティング/ヘルスケア
●【BIG4】KPMGコンサルティング/ヘルスケア
●【独立】アクセンチュア/公共サービス・医療健康本部
○【商社】シグマクシス/製薬業界

ブティック系ファーム

●IQVIAソリューションズ ジャパン(旧IMSジャパン)
●KPMGヘルスケアジャパン
○CDIメディカル
○グローバルヘルスコンサルティング
○日本経営グループ
○キャピタルメディカ
○メディカルクリエイト

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