【特集】金融コンサルの転職・求人情報

公開日:22020.09.22 最終更新日:2024.12.10

金融業界のトレンド

金融の大きなトレンドとしては仮想通貨やフィンテックなど、最新のテクノロジーと関連したテーマが挙げられます。
金融業界に関わるコンサルタントは、こうしたテーマを中心に、規制産業である金融業界の変革プロジェクトに携わっています。

金融業界のトレンド

金融業界のメジャープレイヤーとして挙げられるのは、銀行、証券、損保、生保などです。いずれの業界も急激なビジネス環境変化の最中にあり、伝統的なビジネスモデルからの脱却が求められています。

銀行業界

銀行業は、テクノロジーの進化に伴う競争環境の激化の影響を大きく受けています。身近なところでは、キャッシュレス対応を前提とした店舗やATM削減など、金融インフラの見直しが急がれています。また、金融のデジタル化が進むことで、それに呼応したAML(アンチマネーロンダリング対策)やCFT(テロ資金供与対策)、バーゼル3やPSD2(欧州決済サービス指令)などの国際的な規制への対応など、その複雑性は高まるばかりです。
それだけでなくGoogleによる銀行業参入を発表したり、Facebookがデジタル通貨Libra(リブラ)構想を打ち出したりと、GAFAなどのIT巨人に象徴されるような非金融機関による攻勢もあり、伝統的な金融機関とは異なるプレイヤーとの競争が起きています。大手メガバンクも積極的にスタートアップとの協業や、テクノロジー導入に取り組んでおり、他社との差別化要素を作り上げることができるかが今後の重要課題と言えます。

証券業界

「老後資金は2000万円必要」という言葉に代表されるように、資産運用の必要性は高まってきています。若者の資産運用への関心増加に伴い、ネット証券やデジタルな金融サービスの台頭は著しく、既存の証券会社はこれまでの高額な手数料収入によるビジネスモデルの変革を迫られています。

損保業界

損害保険会社は、少子高齢化やそれに伴う生産労働人口の減少、自動車保有台数や住宅着工件数の伸び悩みなど市場全体が成熟化してきており、今後国内の収入保険料の伸びを期待することは難しくなってきています。一方で海外に目を向ければ、新興国市場は保険の普及率が低く、人口の増加や経済成長を背景とした保険市場の拡大が見込まれる国・地域も多いです。そのため、海外の現地保険会社との業務提携やM&Aが活発に行われるようになってきています。また、テクノロジーという観点でいえば、今後の自動運転技術やMaaS(Mobility as a Service)の普及を見据えた新たな保険商品を作り出すことが求められるでしょう。

生保業界

日本国民の生命保険の加入率は80%超となっており、飽和状態にあります。また、人口減少社会の到来により、ますますレッドオーシャン化することが見込まれます。一方で、スマートウォッチなどのウェアラブル技術やデータ分析技術の進化により、人間の身体状況(脈拍、心拍数など)をリアルタイムに監視し、その人の生命に関するリスクを保険料に反映するなどの新しいスキームが生まれようとしています。

金融コンサルの具体的なプロジェクト事例

【総合系】アクセンチュア/金融サービス本部
 第一生命保険/ビジネス戦略の立案~サービスコンセプトの策定~アプリ開発

第一生命はお客さまお一人ひとりに寄り添う伴走型の「健康増進サービス」の提供を開始。
第一生命では、この「健康第一」のサービス内容を拡充していくことで、本業の生命保険を通じた安心を提供するとともに、充実した健康サポートの提供を強化される予定です。

貢献

アクセンチュアは、ビジネス戦略の立案から、サービスコンセプトの策定、エコシステム形成によるパートナリング、当サービスの中心となるスマートフォン専用アプリ「健康第一」の開発に至るまでを包括的にサポート。

サービス企画・構想フェーズでは、アクセンチュアが有する国内外のネットワークを最大限に活用し、先進事例・技術のリサーチを行い、その結果をもとにサービスの基本コンセプトを策定。
さらに、コンセプトの実現に最適なサービス企画力・開発力を有したパートナー企業の選定およびプロジェクト体制の構築を支援しました。
システム開発フェーズでは、アプリを構成する各コンテンツの制御をつかさどる中核機能の開発のみでなく、マルチベンダー体制(第一生命様含めて8社)でのプロジェクトを全体統括し、関係各社との要件・設計調整をリードすることにより、開発着手から4カ月という短期間でのアプリ公開の実現を支援しました。

【総合系】アクセンチュア/金融サービス本部
 経営コンサルタントのプロジェクト事例

  • 大手銀行向け/新規事業戦略立案、海外オペレーション戦略策定支援、次世代システム化計画策定支援、営業店改革、オペレーション戦略策定
  • 大手銀行向け/海外オペレーション戦略(トランスフォーメーション計画)策定、アジアでの新規金融サービスの立ち上げの構想立案・実行支援
  • 大手カード会社向け 新規事業戦略立案、マーケティング戦略立案
  • 大手証券会社向け/マーケティング戦略立案、組織・人材改革支援、ITコスト構造改革支援、オペレーションリスク管理高度化、営業改革支援、グローバルオペレーション戦略立案、合併改革策定・実行支援
  • 大手証券向け/ホールセールビジネス・システムトランスフォーメーション戦略策定
  • 大手保険会社向け/新規事業戦略立案、向け事業構造改革立案、合併計画策定・実行支援、次期システム化計画策定支援、営業改革、オペレーション戦略立案、間接財コスト削減
  • 大手生保向け/全社デジタル戦略構想立案・実行支援、ヘルスケア新サービス構想立案・実行支援

※アクセンチュア WEBサイト引用

【総合系】アクセンチュア/金融サービス本部
 テクノロジーコンサルタントのプロジェクト事例

  • 第一生命保険/「InsTech イノベーションチーム」の立上げを支援
  • ふくおかフィナンシャルグループ/金融・非金融をつなぐエコシステム型ビジネス“iBank”の立ち上げを支援
  • SMBC日興証券/人工知能(AI)を活用したLINEでの自動チャットサービス」を提供
  • 大手銀行/次期システム構想立案、ITガバナンス戦略、実行計画立案、IT中期計画立案、実行支援
  • 大手保険会社/サービスサイクルの短縮化にむけたシステムリニューアル戦略立案
  • 大手証券会社/合併にともなうシステム統合計画立案
  • 大手保険会社/営業改革および営業支援システム構築、グローバルシステムの再構築計画策定

※アクセンチュア WEBサイト引用

【独立系】ベイカレントコンサルティング
 金融機関/サイバーセキュリティ管理態勢の構築

プロジェクトの背景

2015年4月 システムリスク管理態勢の強化を含む金融庁監督指針の改正、同年6月にFISC安全対策基準に「サイバー攻撃対応態勢」が追加されたことを契機に、国内金融機関に求められるセキュリティ管理基準の順守とグローバル企業としての最先端な取組みの融合を目的に、クライアント企業では実効性あるサイバーセキュリティ管理態勢の整備が求められていました。こうした状況を受け、ベイカレント・コンサルティングでは、短期間での現状把握から優先施策の実施、中長期整備計画の策定を実施しました。

活動内容

FISC安全対策基準を参考にサイバー攻撃対応態勢に係る現状を分析・評価し、優先施策の実行、及び中長期整備計画を策定しました。また、クライアント企業におけるグローバルポリシーとの整合を担保し、最先端な取組みを積極的に活用しました。以下に優先施策の一例を挙げます。

  • CSIRT整備計画の策定、組織化
  • サイバーセキュリティインシデント対応フローの整備
  • サイバーセキュリティに係る顧客窓口、広報体制の整備
  • 情報共有機関やセキュリティ専門機関との提携

短期間での優先施策を実施した結果、国内金融機関としてのサイバーセキュリティ管理態勢の一定水準をクリアし、更なる実効性の担保と高度化を目指し、中長期整備計画を策しました。そして、中長期整備計画を実行するために必要となる費用も合わせ算出。その後、全社取組みとして中長期整備計画を推進することに至りました。

プロジェクトの成果

クライアント企業におけるサイバーセキュリティ管理態勢を組織・IT・業務の観点から可視化することで、経営層から現場レベルまで多角的に実態を捉えることができ、分析・評価と並行し優先施策の選定から実行まで短期間で実行することができました。そして、一定水準を達成したなかで中長期計画を策定することで適切な期間と費用にてサイバーセキュリティ管理態勢の高度化を実現しています。

※ベイカレントコンサルティング WEBサイト引用

【独立系】ベイカレントコンサルティング
 証券会社/中期IT基盤戦略の策定

プロジェクトの背景

クライアント企業である某大手証券会社では、業容と顧客基盤の拡大を背景にITインフラの肥大化が大きな課題の一つとなっていました。複雑化したシステムは莫大なメンテナンスコストをクライアント企業に課し、わずかなシステム変更でも多大な時間と工数が必要、定常のシステム運用においても年間通じ100億円を超える費用を支出していました。加えて、システムの複雑化が招く柔軟性の欠如は動きの速いマーケットに合わせたIT戦略の見直しや、規制対応においても足枷となる可能性が高く、クライアント企業内では危機感が高まっていました。

活動内容

こうした背景を受け、ベイカレントは「攻めのIT」、「守りのIT」双方に対応可能な強固なIT基盤の確立に向けて支援を開始。まずは金融機関として備えておくべきITのケイパビリティを定義し、戦略立案、業務変革、システムでの実現等、強い企業組織を構築していく上で下支えとなるITインフラのグランドデザインを策定しました。次に現状のコスト構造の見える化とその削減に向けたプランを立案。移行時および完了後のリスクも見据えながら全体のマイルストンを定義しました。

プロジェクトの成果

上記の取り組みはITコストの適正化という形で早期にインパクトが現れる見通しとなりました。具体的には年間100数十億かかっていた運用コストが半分強の水準まで低下することが見込まれています。また、外部環境を踏まえた経営方針の変更や規制対応ついてもそのスピードアップが図られ、従来と比してより変化に強い企業組織の構築に寄与することが出来ました。

※ベイカレントコンサルティング WEBサイト引用

【総合系】Strategy&(当時ブーズ・アンド・カンパニー)
 金融/リテールマーケティング

背景

日本の金融サービスは、預金を中心に大きく規模を拡大してきましたが、預金という商品は、「商品が単純で、高い知識は必要ない」「どこの金融機関でも取扱商品はほぼ同じ」「価格(=金利)もしくは、立地などの便利さくらいしか違いがない」という性格を持っており、まさにコモディティ型商品(差別化の難しい普及品)でした。 しかし、金融サービスの規制緩和が進展し、金融グループの再編が進んだ結果、大手金融グループのリテール(家計向け)ビジネスの成功の鍵を握るのは、預金ではなく、投資商品や保険・年金商品になってきました。これらの商品は、「ある程度以上の知識がないと分からない」「金融機関毎に取扱商品が微妙に、またはかなり違う」「金融機関としての信頼感、安心感、親しみやすさ、などの違いが重要」という性格を持っており、コモディティ商品とは全く違うマーケティングが必要でした。 ある大手金融サービス・グループでは、こうした新たな商品分野における消費者購買行動を、徹底的な消費者調査によって正しく理解したいと考え、金融マーケティング戦略に深い知見を有するStrategy&*とのプロジェクトを行ないました。

活動内容

このプロジェクトでは、クライアントおよびStrategy&の持っていた初期仮説を、数次にわたる消費者調査で、再検証・再構築するという慎重なアプローチが取られました。まず最初にインターネット調査会社を通じたアンケートで、「老後の問題などに関して、どのような不安を持っているのか」「そうした不安に関してどのような手立てを考えているか」「どのような方法で取扱金融機関を選択しているのか」などを検証しました。 次に、調査会社が開催するグループインタビューと、クライアントの顧客を集めたグループインタビューを通じて、合計100名以上にわたる人々の意見を収集しました。その結果、投資・保険年金商品の購買に関して、いくつかの特徴的な共通点を持つ複数の消費者購買行動のパターンがあることが発見されました。 さらに、調査会社を通じて1,000名の訪問アンケート調査を行ないました。高齢者を含む調査を行ないたいという事情と、インターネットと他のチャネルとの利用動向の比較を行いたいと言う事情から、インターネット調査ではなく訪問調査が選択されました。

成果

この詳細な調査の結果、これまでの金融機関の常識とはかなり異なる発見が得られました。預金商品と投資・保険年金商品においては、消費者購買行動のプロセス自体が全く違っていたのです。大多数の消費者は、投資・保険年金商品の購買を「敷居の高い」ものと考えており、老後不安などの潜在ニーズを強く抱えているにもかかわらず、実際の金融商品購買行動のアクションにいたっていないということも明らかになりました。 こういう状況で、新たな金融商品の開発だけをいくら行なったところで、ごく一部の高知識の顧客にしか受け入れられません。むしろ、大多数の低知識の顧客にとって「安心できる、親しみやすい、敷居の低い」サービスを形成するために、商品だけではなく、チャネル戦略、広報戦略が重要であるということと、その際に気をつけなければならないポイントが明らかになりました。

※Strategy& WEBサイト引用

【総合系】アビームコンサルティング
 じぶん銀行/CRM高度化支援

プロジェクト背景

“スマホ銀行”として順調に業績を伸ばしてきた株式会社じぶん銀行。 さらなる業績の拡大を目指し、新たなCRM戦略の策定・施策の実施を計画。パートナーには、マーケティングやCRMだけではなく、金融、Fin-Techへの卓越した知見が求められた。 そこで選定されたのが、豊富な経験に裏付けられた提案を行ったアビームコンサルティング。 スマートフォン(以下、スマホ)をメインチャネルに付加価値の高いユーザーエクスペリエンス(UX)をお客様一人ひとりに提供し、One to Oneのマーケティングを実践、顧客獲得を実現した。

課題

  • 収益顧客が限定的な構造の改善
  • 顧客に対する資源配分の適正化
  • パーソナライゼーションによる顧客との関係構築と強化
課題解決のソリューション

  • CRM高度化の構想策定から導入支援(要件定義・業務設計・UAT支援)
  • スマホを利用した顧客経験価値の新たな創造
  • One to Oneマーケティング実現基盤の整備
成果

  • スマートフォンをメインチャネルとしたCRM活動の抜本的強化の実現
  • スマホアプリの全面リニューアルやEBM(Event Based Marketing)機能の導入により、顧客と 継続的な関係を構築
  • スマホアプリの利用者数の増加、利用者の利便性・満足度の向上

【BIG4】デロイトトーマツコンサルティング
 オセアニアの大手銀行/内部監査の高度化支援

内部監査の効率性向上と高度化のために、支店活動の属性情報について統計分析を行い、詳細な属性情報に基づいた評価ルールの策定を行いました。

背景

クライアントの内部監査チームは、支店の重点監査対象先の抽出方法を模索していました。また、内部監査全般の効率性の向上や高度化を課題として認識していました。

目的

  1. 先進的な分析モデルの採用により、効果的な監査を行うために注視すべき支店情報の抽出や、各支店の相対的な評価を行う。
  2. 次回の内部監査における重点対象支店候補をその理由とともに示す。
ソリューション

  1. 支店活動に関連するデータを属性情報から約10の大きな区分に分類しました。
  2. 約800の属性情報に対して、先進的な統計分析手法である自己組織化マップ(SOM)を適用し、類似性の高い支店をクラスター化しました。
  3. 各クラスターの特性を、詳細な属性情報を用いて9のリスク領域について評価し、監査の視点での危険度(監査すべき度合い)をスコア化しました。
  4. 分析結果を基に、各クラスターのリスク評価を属性情報とともに一覧表示するダッシュボードを作成しました。
実施結果

  1. クライアントは、次回の内部監査における対象支店の優先度を定量的に決定することができました。その結果、監査業務の効率性・有効性がともに向上しました。
  2. 分析に利用した情報、モデルの出力情報をダッシュボード上に“見える化”することで各クラスターに属する支店の長所・短所が明確になりました。

金融コンサルの代表的な企業

●は外資系企業、○は日系企業 【 】はグループ企業の属性

総合系ファーム/インダストリー部門

●【BIG4】デロイトトーマツコンサルティング/FSI(金融)
●【BIG4】PwCコンサルティング/FS(金融)
●【BIG4】EYストラテジー・アンド・コンサルティング/銀行・証券・保険
●【BIG4】KPMGコンサルティング/金融
●【独立】アクセンチュア/金融サービス本部
○【IT】アビームコンサルティング/FSI(金融)
○【IT】NTTデータ経営研究所/金融戦略コンサルティング部門
○【IT】日立コンサルティング/金融コンサルティング本部
○【商社】シグマクシス/金融業界

ブティック系ファーム

○シンプレクス(旧シンプレクス・テクノロジー)
○サインポスト

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