コンサル転職における最初の関門である書類選考を突破する「履歴書」「職務経歴書」はどう作れば良いのでしょうか?
また、選考の過程で応募書類のどんな点が見られているのでしょうか?
本コラムを読み進めて頂ければ、それらの疑問に対する回答が分かります。
・具体的な応募書類の作り方が分かる
・コンサルファームの書類選考で見られているポイントが分かる
実際に、今回ご紹介する方法論を用いた書類を使うことで、多くの方が難関コンサルファームの書類選考を通過してきました。本コラムでお伝えする方法を用いて書類を作り直したところ、中には書類選考で連続NGだった方がとたんに合格続出に変わった事例もあります。
本記事では、コンサルファームの書類選考を突破するための、書類作成のコツをお伝えしています。
また、場合によっては必要になる「志望動機書」の書き方についても説明しています。
すべて読み終えて頂いたときには、すぐに具体的な書類作成に着手できるはずです。
※本ページでは、「履歴書」と「職務経歴書」のサンプルがダウンロード頂けます。
【履歴書の書き方】減点を避ける!
作成上のポイント
履歴書は加点を狙うというよりも、減点を避け、ありのままを伝えることが大切です。
- 誤字脱字
- 職務経歴書との年月ずれ
- 経歴詐称
コンサル転職には限りませんが、上記の要素があるとドキュメント作成能力や注意力を疑われ、減点要素になったりしますので、細心の注意が必要です。
構成
- JIS規格のフォーマット(Word or Excel)を活用します。
- PCで作成するのが基本です。
※手書きの指定がある企業は手書きで記載します。
しかし、コンサルティング業界への転職において、手書きの履歴書作成を求められることはほとんどありません。
内容
- 学部/学科まで記載します。
- 海外留学等、理由のある「休学」や「留年」は、理由を明記します。
- TOEICは600点以上の場合のみ書きます。特に外資系のコンサルファームを受ける際は、少なくとも800点以上は取得しておきたいところです。
- 資格は、現職の仕事や、コンサルの仕事に活かせるもの、関連するものに絞って記載します。普通自動車免許やカラーコーディネーターなど、コンサルタントへの転職に関連無いものはあえて記載しません。
※ただし、コンサル転職には関係ないものの、珍しい資格や経歴をお持ちで、面接で盛り上がる話のネタになるのであれば、あえて書くのはありです。このあたりのさじ加減は難しいかと思いますので、しっかりと書類作成のアドバイスをくれたり、添削してくれるエージェントの意見を聞くのが良いでしょう。
注意点
注意① 各職歴の入社/退職年月、資格取得年月など、職務経歴書とのずれがないことに細心の注意を払ってください。
注意② 経歴詐称は絶対にNGです。社数を少なく見せるために、短い職歴や、派遣社員としての経歴を記載しないケースがありますが、これは詐称となってしまいます。
注意③ 戦略系など、一部のコンサルファームでは高校の偏差値まで見られることもあります。
【職務経歴書の書き方】問題解決力をアピールし、加点を狙う!
作成上のポイント
職務経歴書は、「加点を狙う」書類になります。
履歴書はありのままを記載するものでしたが、職務経歴書ではいかに自分の経験をブランディングできるかが勝負になります。
ただし、それは虚偽を記載したり、事実を誇張したりするということではありません。
あくまでも、見せる側面を工夫する、ということです。
コンサル転職における職務経歴書の作成で重要なのは、「問題解決力・課題解決力」をアピールするという点です。
それは、コンサルタントとして求められる素養のうち、問題解決力が非常に重要だからです。
構成
- 2~3枚程度が理想です。枚数が増える場合は、サマリーによる強弱と見易さを特に重視します。
- 冒頭に【職務概要(サマリー)】、次いで【得意分野/スキル】、そして【職務内容詳細】を書きます。
※構成については様々な意見があり、これが絶対に正解、というものはありません。いずれにせよ、ご自身の強み・アピールポイントが明確に伝わるような文章構成にすることがゴールになります。
内容
冒頭のサマリー・概要が最も重要
コンサルファームにおける面接官は忙しいため、面接直前に職務概要だけを見て面接に来ることも珍しくありません。【サマリー】【得意分野/スキル】だけで合否のイメージが印象付けられてしまうこともあります。
極力、数字(定量的に)で表現
例えば「トップクラスの実績」という抽象的表現であれば、「上位5%の実績」「社内で唯一3年連続予算120%達成」というように定量化します。
【職務内容詳細】では、前述の得意分野/スキルを裏付けるエピソードを詳細に
自身の貢献がわかるように、自分自身がその仕事に関わる前にはどんな状態だったのかという背景説明を含めたBefore(課題背景、目標)と、自分自身が関わったことによって得た成果であるAfter(結果、成果)と合わせて、自身の貢献をわかりやすく説明しましょう。※下記図「課題解決」参照
注意点
注意① 履歴書同様、誤字、脱字には細心の注意を払いましょう。
注意② コンサル転職では文章力の高さもチェックされますので、推敲を重ねることが重要です。一度だけ書いて、良い職務経歴書が出来上がることはまずありません。
注意③ 稚拙な表現は避け、知的な表現/言葉を使うことが重要です。
※コンサルファームによっては、下記のようなボーダーが存在する可能性があります。詳細については、弊社コンサルタントまでお問い合わせください。
【戦略系コンサルファーム】基本的には「学歴」「職歴」がポイントとなります。
【総合系コンサルファーム】当該部門の業務経験に加え、IT経験、プロジェクトマネジメント経験等の最低要件がポイントとなります。
【志望動機書の書き方】”なりたい”という想いを正しく伝える!
作成上のポイント
志望動機書は、「なぜコンサルへの転職を考えているのか」「そのファームに入社するにあたって、自分は何が貢献できるのか?」を記載する書類です。作成の手順としては、下記のようなイメージになります。
- まずは箇条書きで、「志望理由」、「その理由」を書き出す
- 次いで、それぞれの論理関係をチェックする
- 2で繰り返し推敲し、完璧になったらWordに書き出す
- その後、「てにおは」修正、「誤字脱字」のチェックを経て完成
一気に3、4まで進める方は多いですが、②で論理的におかしな部分があれば、手戻りが発生する為、時間の浪費が大きいです。マイナスな印象に映ってしまう内容が記載されている場合、段落ごとばっさりカットになることもありますので、②の時点で、エージェントにレビューを依頼するのが一番良いでしょう。
転職理由の作成にあたっては、下記のコラムもご参考ください。
【未経験者向け】コンサルに受かるための転職理由とは?作成方法やポイントを解説
構成
基本的には、コンサルタントになりたいという想いを率直に記したものをWord1枚にまとめましょう。
- 志望理由は3点前後に絞る。
- 各志望理由とそれを「裏付ける原体験や想い」をそれぞれ記述する。
※可能な限り、詳細に描写することが重要です。
内容
「なぜコンサルティング業界を志望するか?」「なぜその会社を志望するか?」の2つの問いへの回答を必ず記載しましょう。
【NG例①】その理由であれば、コンサルティング業界でなくとも良いのでは?という疑問を読み手に抱かせる内容【NG例②】コンサルティング業界や職務内容について過度の期待や幻想を頂いているのでは?という懸念を読み手に抱かせる内容
現職の職務上の体験とコンサルティング業界への想いをリンクさせましょう。学生時代からコンサルティング業界に憧れを持っていた、という志望理由をよく見かけますが危険です。なぜなら、学生時代から本当に強い想いを持っていたのであれば、仮に現職がコンサルティングファームでなかったとしても、コンサルタントになる為の相応の努力や、自己研鑽、あるいは能動的に社内の課題解決に取り組んで来て然るべきと考えられるからです。そういった背景を読み手にPR出来なければ、コンサル転職への想いが偽物か、単に努力や行動が伴っていない人、という印象を与えてしまうことになります。
【書き方例】例えば、「現職では○○の課題への解決を自ら手を挙げて取り組み成功裏に導いた。その経験から、学生時代からの”変革というクライアントの非日常を、自らの日常の仕事とするコンサルティング業界への想い”がフラッシュバックし、今回志望させて頂くに至った。」というように、想いに加えて、社会に出てからの具体的な努力やコンサルに通じる経験を併記すると良いでしょう。
for the client、for the team等、プロフェッショナルマインド、貢献意識を交えたバランス感覚を持ちましょう。
【NG例①】「成長したい」「自己実現のため」などfor meの視点は、志望理由として全面に出し過ぎない方が良いでしょう。当然そういった意識を持っていること自体は問題がないですが、書類に記載するのは避けるのが無難です。コンサルタントはクライアントからフィーを頂くプロフェッショナルであり、クライアントへの貢献やチーム/組織への貢献を差し置いて、自己成長だけを強調されることを嫌う傾向があります。
注意点
注意①志望動機書に書いた内容と、実際の面接で述べる内容について矛盾が生じないように注意が必要です。齟齬がないように、あらかじめ書類・面接に共通の志望動機を準備しましょう。
注意②矛盾のない論理構造になるように、論理関係は何度もチェックしましょう。
注意③他の書類同様、誤字脱字には注意です。折角コンサルタントへの熱い想いが書かれていても、誤字脱字だらけの書類ではその熱意もうまく伝わりません。エージェントなどの第三者の目を通して、きちんとダブルチェックをすることが必要です。
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