そのような状況でもDX化を進めるため、外部のDXコンサルタントに依頼するケースが増えています。
本記事では、DXコンサルタントの役割や魅力、キャリアパスを詳しく解説します。DXコンサルタントを目指す際のポイントなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
DXコンサルタントとは
DXコンサルタントとは、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するための専門家です。
ここでは、DXコンサルタントの役割や必要性、日本における現状や課題を詳しく解説します。
DXコンサルタントの役割と必要性
DXコンサルタントは、デジタル技術を活用して企業のビジネスモデルや業務プロセスを変革し、競争力強化を支援するのが主な役割です。具体的には、デジタル戦略の立案や実行支援、業務プロセスの可視化と課題の抽出を行います。
また、適切なデジタル技術やツールの選定や、社内のデジタル人材育成なども担う場合が多いです。
DX化の推進は企業の生存をかけた重要な経営課題となっており、その推進を支えるDXコンサルタントの必要性が高まっています。
日本企業のDX化の現状と課題
近年の新型コロナウイルス感染症をはじめ、5Gやスマートフォンの普及などにより、DX化の推進は加速していますが、日本企業のDX化は諸外国と比較すると遅れているといわれています。
何も対策されないままだと、日本は約12兆円の経済損失が発生することが予想されている2025年の崖に直面してしまうかもしれません。
その他にも、経営層のデジタルリテラシー不足や社内のIT人材不足などが解決すべき課題として挙げられます。
深刻な課題を解決し、スピード感を持ってDX推進を加速させるためには、社内外の知見を結集したDX推進体制の構築が必要不可欠です。
DXコンサルタントの具体的な仕事内容
DXコンサルタントの具体的な仕事内容として、以下の4つが挙げられます。
- デジタル技術を活用したビジネス戦略の立案
- DX推進プロジェクトのマネジメント
- 社内のデジタル人材育成サポート
- DX推進の効果測定と改善提案
それぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう。
デジタル技術を活用したビジネス戦略の立案
DXコンサルタントの主要な仕事の一つが、デジタル技術を駆使してクライアント企業の経営課題解決やビジネスモデル変革を実現する戦略立案です。
事業環境の分析や競合他社の調査などを通じて経営課題を明確化し、AIやIoTなどのデジタル技術の選定や課題解決に適した提案を行います。その後、新しいビジネスモデルの設計へとつなげていくのが主な流れです。
DXコンサルタントはデジタルとビジネスの知見を融合し、クライアントの事業成長を加速させる戦略パートナーとして活躍が期待されています。
DX推進プロジェクトのマネジメント
DX推進プロジェクトのマネジメントも、DXコンサルタントが担う重要な業務です。具体的には、プロジェクトの目的や目標の設定、タスクの洗い出しとスケジュール管理、社内の関係部署や外部ベンダーとの調整を行います。
その他にも、課題の早期発見と解決策の提案やプロジェクトの進捗管理と報告なども業務に含まれています。
DX化を実現するにはテクノロジーの知見だけでなく、プロジェクトマネジメント力が欠かせないため、DXコンサルタントにはリーダーシップを発揮して組織を牽引していく能力が求められるでしょう。
社内のデジタル人材育成サポート
DXコンサルタントは、企業内のデジタル人材の育成をサポートする重要な役割も担います。具体的には、社員のデジタルリテラシー向上のための研修プログラムの企画・実施や、デジタル技術活用に関する社内勉強会やワークショップの開催を行います。
また、各部門のデジタル化推進リーダーの育成とサポート、外部のデジタル人材との交流機会の提供なども仕事の一つです。
DXコンサルタントは、人材育成施策を通じて社内のデジタル変革を担う人材を増やし、組織全体のDX推進力を高めていく存在です。
DX推進の効果測定と改善提案
DX推進の効果測定と改善提案も、DXコンサルタントの重要な仕事の一つです。
デジタル技術導入後は、業務効率化の指標を設定した上で定量的に効果を測定し、その結果をもとに課題を抽出します。その後、デジタル施策の改善提案を行ってPDCAサイクルを回し、より高い効果が出るように継続的に改善策を実行していきます。
DXコンサルタントは上記の一連の流れをサポートし、より良くなるような提案や改善を行う重要なポジションです。
DXコンサルタントに求められるスキルと資格
DXコンサルタントに求められるスキルと資格として、以下の4つが挙げられます。
- ITとビジネスの両方の知識
- 課題解決力とコミュニケーション能力
- プロジェクトマネジメントスキル
- DXコンサルタントに生かせる資格
ここでは、求められるスキルや資格について具体的に解説します。
ITとビジネスの両方の知識
DXコンサルタントには、IT技術とビジネスの両面に関する深い知識が求められます。具体的には、最新のデジタル技術動向や業界や競合他社のDX事例の把握、経営戦略立案やマーケティングなどの幅広い知識が必要不可欠です。
DXの本質は、単なるIT導入ではなくビジネスモデルの変革なので、技術とビジネスの双方に精通し、それらを戦略的に組み合わせる能力を持っていることが重要です。
課題解決力とコミュニケーション能力
DXコンサルタントには、高度な課題解決力とコミュニケーション力も、DXコンサルタントに求められる能力の一つです。クライアントのビジネス課題を的確に捉え、デジタル技術を駆使して最適な解決策を立案できる力が欠かせません。
また、経営層から現場まで立場の異なるステークホルダーとの円滑にやり取りできることや、ITに詳しくない方にも分かりやすく説明できる能力も求められます。
DXコンサルタントには、技術とビジネスの架け橋となり、組織全体のDX推進をリードしていくための能力が必要不可欠です。
プロジェクトマネジメントスキル
DXコンサルタントには、複雑なDX推進プロジェクトを円滑に進めるためのプロジェクトマネジメントスキルが求められます。具体的には、プロジェクト管理要素を適切に設定・調整するスキルや、プロジェクトメンバーの役割分担や責任範囲を明確化してチームをリードするスキルが挙げられます。
DXコンサルタントは、DX推進プロジェクトの要として活躍することが期待されているため、プロジェクトマネジメントスキルは欠かせないスキルの一つです。
DXコンサルタントに生かせる資格
DXコンサルタントの業務では、上述した能力やスキル以外にもITストラテジストやDX検定、データベーススペシャリストなどの資格を生かすことが可能です。
その中でも、ITストラテジストは経営戦略とIT知見を融合し、ビジネス価値を創出する人材を認定する国家資格です。DXコンサルタントに求められるスキルともマッチしているため、取得すれば活躍の場を広げられるでしょう。
DXコンサルタントのキャリアパスと年収
ここでは、DXコンサルタントのキャリアパスと年収を詳しく紹介します。
将来性についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
キャリアステップとポジション
DXコンサルタントのキャリアパスとしては、CDO(最高デジタル責任者)やCIO(最高情報責任者)、CSO(最高戦略責任者)などが挙げられます。その他にも、大手コンサルティングファームへの転職や、フリーランスとして活躍するなど、さまざまな選択肢があります。
DXコンサルタントは実力が評価される場面が多いため、案件をこなして成果を残し続けることで高い評価を得ることが可能です。努力が実を結びやすく、柔軟にキャリアパスを描けるのはDXコンサルタントの魅力といえるでしょう。
年収水準と給与例
DXコンサルタントの年収は、経験年数やスキルレベル、所属企業により大きく異なりますが、平均年収は664万円程度といわれています。年齢別だと20代で612万円、30代で640万円となっており、50代になると最高年収が1,000万円を超えることは珍しくありません。
DXコンサルタントの平均年収は、日本企業の平均年収である443万円を大きく上回っており、高水準の年収であることが伺えます。
需要の高まりと将来性
DXコンサルタントへの需要は、今後ますます高まっていくことが予想されます。
現代において、労働人口の減少による人材不足やレガシーシステムの問題などにより、企業のDX化が急務です。そのため、企業を経営する責任者からDXへの関心を集めており、案件が増加傾向にあります。
今後も、DX化を推進していく流れが続くことが予測できることからDXコンサルタントの需要は高く、将来性も安定しているといえるでしょう。
DXコンサルタントを目指すには
DXコンサルタントを目指すために押さえておきたいポイントは以下の3点です。
- 必要な経験とスキルの積み方
- 転職や独立の際の心構え
- 活躍できる企業や業界
ここでは、それぞれのポイントを具体的に解説するので、DXコンサルタントへの転職活動の際に役立ててください。
必要な経験とスキルの積み方
DXコンサルタントを目指すには、必要な経験やスキルの積み方について理解しておくことが肝心です。たとえば、ITコンサルティングやシステム開発の経験や、業務プロセス改革やプロジェクトマネジメントの経験を積むと良いでしょう。
また、データ分析を行った経験やAIなどのデジタル技術への理解を深めておくと良いかもしれません。
スキルの習得に関しては、研修やセミナーの受講を通じて論理的思考力を身につけたり、社内外の提案を通じてプレゼン力を身につけたりするのがおすすめです。
DXコンサルタントに関わる経験やスキルは、コンサルティング会社や事業会社の企画部門、研修やセミナーなどで着実に積んでいくことが大切です。
転職や独立の際の心構え
DXコンサルタントへの転職や独立の際の心構えを知っておくことも重要です。具体的には、実績をアピールできるポートフォリオを用意したり、自分の強みと志向性が生かせる企業に対するアピールポイントを明確にしたりといったことが挙げられます。
また、独立の場合は事業計画や営業活動、リスク管理などの点にも留意が必要です。
転職や独立には不安を感じることが多いかもしれませんが、自身の力を信じて一歩踏み出す勇気を持つことが重要です。DXの需要拡大を追い風に、新たなキャリアステージへ挑戦してみてはいかがでしょうか。
活躍できる企業や業界
一言でDXコンサルタントといっても、活躍できる企業や業界は幅広いです。現在の日本において、特に需要が高まっているのはIT企業やコンサルティングファーム、金融機関、製造業などが挙げられます。
どの業界でも、デジタル化の波は確実に押し寄せています。DXコンサルタントとしてのスキルを磨けば、さまざまな企業で活躍できるでしょう。
DXコンサルタントへの転職にはフォルトナ
DXコンサルタントへの転職を考えているなら、フォルトナにお任せください。
フォルトナは、トップエージェントと認定されたハイクラスキャリアエージェンシーであり、コンサル転職やポストコンサル転職に強みを持つ転職エージェントです。デロイトやアビームなどで経験を積んだプロや日本一のヘッドハンターなどが在籍しており、合格実績から導き出した独自の手法で面接対策をサポートします。
また、フォルトナでの転職活動は人生や生き方にフォーカスした支援を行っているため、キャリアだけではなく人生の自己実現をともに叶えるライフタイムパートナーとして支援します。
まとめ
DXコンサルタントは企業のDX推進を支援する専門家で、デジタル戦略の立案やプロジェクト管理、人材育成などを担当するポジションです。ITとビジネスの知識に加え、課題解決力やコミュニケーション能力が求められます。
需要の高まりから将来性は高く、経験を積むことで活躍の場をどんどん広げられるので、積極的に行動できる方に向いているでしょう。
「DXコンサルタントとして活躍したい」「DX化を推進する人材になりたい」とお考えの方は、ぜひ一度フォルトナにご相談ください。