デロイト トーマツ コンサルティングのヒューマンキャピタルディビジョン・組織変革(Organization Transformation)ユニットでは、組織・機関設計、組織風土改革、チェンジマネジメント、人事デューデリジェンス、PMI、役員の指名・報酬といった、様々な分野にわたる複合的な課題解決を、各領域に精通したプロフェッショナルが支援しています。
今回は、ヒューマンキャピタルディビジョン共同責任者兼組織変革ユニット事業責任者の村中 靖様に登場いただき、同ディビジョン出身のフォルトナ水上がインタビューを行いました。
村中様のこれまでのキャリアを紐解きつつ、組織変革ユニット立ち上げの経緯や強み、特長的なカルチャーやビジョンなど、様々なお話をお伺いしました。
村中 靖様 プロフィール
Global HC Executiveメンバー、Asia Pacific HC Leader、日本のヒューマンキャピタルディビジョン共同責任者 組織変革事業責任者 執行役員/パートナー。外資会計系コンサルティング会社、外資系M&Aアドバイザリー会社等を経て現職。国内・クロスボーダーのM&A・組織再編アドバイザリー、役員のサクセッションプラン策定や報酬制度設計、指名・報酬委員会の設計・運用等に強みを有する。近時は、人的資本経営および構造改革人事にも注力している。
組織変革のパイオニアが紐解く、M&A人事の歩みと今後の展望とは
[水上]
大変ご無沙汰しております。本日はよろしくお願いいたします。まずは村中さんのご経歴を伺えますでしょうか?
[村中様]
元々外資会計系コンサルティング会社に入社し、以来一貫してヒューマンキャピタル(以下、HC)領域を担当しています。外資会計系コンサルティング会社の後は外資系M&Aアドバイザリー会社にてHCチームの立ち上げ・リーダーを経験しました。その後デロイト トーマツ コンサルティング(以下、DTC)のHCディビジョンに参画し、今年でちょうど10年目です。
DTCではHCディビジョンの共同責任者を務めながら、国内・クロスボーダーのM&A・組織再編アドバイザリー、役員のサクセッションプラン策定や報酬制度設計等に注力し、組織変革(Organization Transformation(以下、OT))ユニットの責任者を担当しています。特に、DTC入社当時はM&A人事の案件はほぼなかったので、一から立ち上げを行いました。
[水上]
村中さんが立ち上げから2、3年で数々のM&A人事のプロジェクトを推進するのを、私も間近で拝見してきました。ただナレッジを整えたからといってできるものではないと思います。どのようにして立ち上げられたのでしょうか?
[村中様]
当時は業界全体としてもM&A人事の手法は確立されていなかったので、しっかりHRデューデリジェンスに関するサービスを整備することで、多くの引き合いをいただきました。また、当社のグループにはデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーもあるので、FAや財務デューデリジェンスとセットで提案ができたことも成功要因だったと思います。
[水上]
業界でも珍しいサービスだったのですね。現在では、村中さんのご活躍もあり、M&A人事の必要性が認知されてきた一方、他社との競争も激しくなっているかと思います。DTCとしての差別化や、今後の伸び代についてはどのようにお考えでしょうか?
[村中様]
差別化については、デューデリジェンスよりも前の段階で、他のビジネス・ユニット等とコラボレーションしながら経営戦略・M&A戦略の立案に入り込み、M&A自体を作ることから提案することが大切です。あとは、その後のPMIでクライアント企業の予算やどこまでガバナンス化したいのか等の要望にしっかり応えることです。
[水上]
確かに、私も他のディビジョンとのコラボレーションをたくさん経験させていただきました。デロイト トーマツ グループ全体のアセットや人脈等を活用しながらコンサルティング経験を積めるので、キャリア形成の観点からも大きなメリットであると感じています。
[村中様]
伸び代については、テクノロジーの導入に伴うチェンジマネジメントが国内外で伸びています。この領域は競合が少ない一方で、DTCではグローバルノウハウが蓄積されているため、強みとなっています。
あとは、水上さんも担当されていた役員ガバナンスについても、非常に引き合いが増えています。昔に比べ、役員報酬だけでなくサクセッションプランニングや指名・報酬委員会運営支援、機関設計や取締役会・経営会議の権限設計、子会社ガバナンス等、案件領域が広がっています。実際、当社が実施する役員報酬サーベイに、1,100社を超える企業様にご参加いただきました。ちなみに、今期から従業員を対象とする人事制度・報酬調査も開始しています。
自由と自律のプロフェッショナル集団で、日本でも、グローバルでも、本気でNo.1を目指す
[水上]
かなりの注目度の高さですね。ありがとうございます。次に、村中さんがOTユニットの組織運営を行う上で最も大切にされていることや、組織のビジョンをお伺いできますでしょうか?
[村中様]
組織運営は本当に難しいのですが、サービスも人もとにかく強くすることを意識しています。
ビジョンとしては、私はOTユニットの日本及びHC事業全体のAsia Pacificの事業責任者なので、組織人事コンサルティング領域において日本でNo.1、デロイトグローバルでもNo.1を目指しています。そのため、個々のサービスでNo.1になることはもちろんのこと、マーケットニーズや競合に合わせて臨機応変に動ける複合的なサービスやそれを支える組織体制の構築を意識しています。グローバルの人材交流もその一環ですね。No.1の企業にはNo.1のクライアント、それに追随するクライアントからの引き合い、高難度の案件も多く、やりがいのある案件を担当できます。
[水上]
グローバルの人材交流はコロナ禍で下火になりましたが、また動き出しているということですね。DTCにご関心がある候補者の方は、グローバル案件にもご興味ある方が多いので、実際にチャンスがあるのは大きな魅力だと思います。
OTユニットのカルチャーや働き方についても教えていただけますでしょうか?
[村中様]
OTユニットには、新卒採用者が毎年10人程度、中途採用者が毎年10〜15人程度参画しています。逆に、私から水上さんへの質問ですが、カルチャーはユニット長に左右される面も大きいと思いますが、水上さんから見て私はいかがでしたか?
[水上]
本当にメンバーを信頼していただいていると感じておりました。「お互いが好きなことを言い合いつつ、でも一人ひとりがプロとしてしっかりと自立している組織にしたい」と村中さんがおっしゃっていたことを今でも鮮明に覚えています。
[村中様]
その点は今も変わりません。インクルーシブな組織にすることには、非常に気を遣っています。何でも良いから発言はウェルカム、逆に発言しにくくなるような言動は慎むということを大事にしています。
また、本気でNo.1を目指しているので、全員がプロフェッショナルでなくてはならないですし、そのためには個々人が努力することも重要だと思っています。No.1の組織には、クライアント企業からのご相談も、優秀な人材も集まってくるので、好循環が生まれます。
[水上]
そういう意味では、努力している人に対して、みんなで背中を後押しするカルチャーが根付いていると感じていました。今後、組織が成長していくと、このようなカルチャーを維持するハードルは高くなるかと思いますが、その点はどのようにお考えですか?
[村中様]
インクルーシブさを保つことや、一人ひとりきめ細かくケアすることは、規模が大きくなっても変えたくないですね。そういう意味では、組織を一緒にマネジメントしていく人たちとの認識を一つにすることが必要だと思います。
[水上]
村中さんと働いていたのが昨日のことのように思えるくらい、リアルなお話をありがとうございました。最後に、候補者の方々へメッセージをいただけますでしょうか?
[村中様]
コンサルティング業界は、今後も伸び筋の業界でキャリアも広がるため、チャレンジして損はないと思います。特に、DTCのOTユニットでは、No.1の専門性や最先端のサービスを駆使しながら、組織変革のプロフェッショナルとして活躍するという魅力的なキャリアが築けます。一緒にNo.1を目指す方のご応募をお待ちしております。
[水上]
本日はありがとうございました。