建設コンサルタントとは?仕事内容から大手5社の紹介まで詳しく解説

社会資本の整備は、国民生活の質の向上と経済発展の基盤となる重要な課題です。

しかし、老朽化が進む公共施設の維持管理や、災害に強いインフラ整備など、建設分野が抱える課題は山積しています。

このような背景から、高度な専門知識を持ち建設事業のさまざまな段階で助言を行う建設コンサルタントの役割が注目されています。

本記事では、建設コンサルタントの概要をはじめ、仕事内容や魅力、主要企業などを詳しく解説します。

建設コンサルタントとは

建設コンサルタントとは、建設プロジェクトにおいて企画から設計、工事管理、検査など、技術的な支援を行う専門家です。道路や鉄道、河川、ダム、公園などの社会資本(インフラ)を整備する重要な役割を持ち、発注者と受注者の立場を踏まえて公正な立場から適切なアドバイスを行います。

建設コンサルタントは、建設分野での高度な専門性を保有していることから重要な職種と位置づけられています。

建設業からのジョブチェンジとして建設コンサルタントになるには、建設系コンサルティングファームに転職する他、コンサルティングファームの建設チームに所属するという方法があります。

建設コンサルタントの役割と仕事内容

建築コンサルタントの役割と仕事内容として、主に3つ挙げられます。

  • 建設プロジェクトの企画立案
  • 設計図の作成・工事発注の支援
  • 工事の管理・検査

ここでは、役割や仕事内容について詳しく解説します。

建設プロジェクトの企画立案

建設プロジェクトの企画立案は、建設コンサルタントの重要な役割の一つです。発注者の要望やニーズを踏まえ、事前調査や基本構想策定、予算・工程設計、関係者調整などを行います。

企画立案を行う上で法規制や建設工法、積算などの専門知識に加え、交渉力やマネジメント力が求められます。

適切な企画立案を行えば、後々の手戻りや追加コストを防止することが可能です。企画段階での綿密な検討が建設プロジェクトの成功に大きく寄与します。

設計図の作成・工事発注の支援

設計図の作成や工事発注の支援も、建設コンサルタントの重要な仕事です。

基本設計から実施設計、施工図に至るまで、段階に応じて詳細な図面を作成し、発注者の要求を具現化します。設計図の精度が高いほど、工事の品質や効率性が高まるでしょう。

また、工事発注に関しても建設コンサルタントが中心的な役割を担い、適切な発注プロセスを支援して発注者の利益の最大化を図っています。

工事の管理・検査

建設コンサルタントは、工事の管理・検査においても大切な役割を担っています。施工業者との綿密な打ち合わせを重ね、設計図通りに工事が進捗しているかを確認しながら、工程管理や品質管理に携わります。

その後、完了時には現場検査を行い、発注者に対して工事完成の報告を行うのがおおよその流れです。

建設プロジェクトの企画立案から設計、発注、施工管理、完成検査までを一貫してサポートし、社会を支えるのが建設コンサルタントの仕事です。

建設コンサルタントの年収相場

建設コンサルタントの平均年収は498万円です。一般的な企業と比べると高水準であることが伺えます。

ここでは、経験年数や勤務地など、さまざまなパターンで異なる年収相場を具体的に紹介します。

経験年数ごとの年収相場

建設コンサルタントの年収は、経験年数に応じて大きく変動します。たとえば、22歳の入社1年目の場合は約280万円が一般的であり、30歳の入社8年目の場合だと約420万円の年収が見込めます。

建設コンサルタントの高年収を目指すには、長期的な視点で経験値を高めることが重要です。

勤務地や実務経験によって大きく変動

建設コンサルタントの年収は、勤務地によっても変わります。たとえば、東京都なら約500万円、関西地方なら約530万円、関東甲信越地方なら約450万円などです。

また、実務経験を積み重ね、プロジェクトマネジメントなどの上位業務を任されるようになると、年収は大幅に上昇する傾向にあります。

建設コンサルタントとして働きながら高年収を望むなら大手企業や大都市に勤務し、実務経験を積み重ねて専門性を身につけていく必要があります。

建設コンサルタントの将来性と魅力

建設 コンサルタント

建設コンサルタントへの転職を検討している、建設コンサルタントを目指しているという方に向けて、将来性や魅力を紹介します。

特に注目しておくべきポイントは以下の3点です。

  • 専門性が高く需要が途切れない職種
  • インフラ整備など社会貢献度が高い
  • 多様な建築分野で活躍できる

将来性や魅力について詳しくみていきましょう。

専門性が高く需要が途切れない職種

建設コンサルタントは、高度な専門性と社会的ポジションから、今後も高い需要が見込まれる職種です。現在の日本において公共インフラの新設や維持管理、災害復旧・防災対策といった建設需要は恒常的に生じています。

建設に関わる問題や課題を解決するのが建設コンサルタントの役目です。構造設計や土木工学、環境アセスメントなど、多岐にわたる知識が必要ですが建設コンサルタントの専門性は極めて高く、今後も社会インフラの設計・施工管理を支える重要な職種であり続けるでしょう。

インフラ整備など社会貢献度が高い

建設コンサルタントは、国民の生活を支える社会インフラの整備に深く関わる仕事です。新しい道路や橋梁、上下水道施設の計画から設計、施工まで一貫して関与することで、安全性と公平性を確保しています。

また、災害に強いまちづくりや高齢化社会に対応したユニバーサルデザインの提案など、生活の質の向上にも貢献しています。

建設コンサルタントは社会貢献度の高い仕事であり、大きなやりがいにつながるでしょう。

多様な建築分野で活躍できる

建設コンサルタントは、土木や建築、都市開発、環境など、多岐にわたる分野で活躍できるのも魅力です。公共事業から民間プロジェクトまで、多様な建築分野のコンサルティングを任されることになります。

道路や橋梁、庁舎や商業ビルなど、さまざまな建設プロジェクトに携われるでしょう。分野を限定せず、幅広い領域で活躍の場を見出せるのが建設コンサルタントです。

建設コンサルタントはきつい?仕事の厳しさ

ここまでは、建設コンサルタントの将来性や魅力を紹介しました。しかし、建築コンサルタントは肉体的・精神的にきつい仕事といわれています。

建設コンサルタントはやりがいがある仕事である分、責任も大きいといえます。建設コンサルタントならではの仕事の厳しさを紹介します。

仕事の重圧や責任が重い

建設コンサルタントは公共事業に携わることが多く、設計ミスや工事不備は人命に関わる事故につながってしまう恐れがあります。また、税金から給与が支払われている職種でもあり、業務上の過失や計画外のミスは国民生活に直接影響を及ぼしてしまう可能性があります。

安全で質の高いインフラ整備を求められるため、強い責任感と倫理観が必要であり、プロジェクト全体を俯瞰しながら細部まで気を配らなければなりません。重圧と責任の大きさが、この仕事の厳しさにつながっています。

仕事の拘束時間が長い

仕事の拘束時間が長いことも、建設コンサルタントがきついといわれる理由の一つです。

建設コンサルタントは大規模プロジェクトを多数抱えるため、通常業務の残業に加えて休日出勤も珍しくありません。発注者との打ち合わせも夜間や休日に入ることがあり、拘束時間が非常に長くなる傾向にあります。

プロジェクト管理の責任者として期日に間に合わせるための長時間労働は避けられず、プライベートな時間を自由に確保することが難しい職種といえます。

建設コンサルタント大手5社

大手の建設コンサルタントとして、以下の5社が有名です。

  • 株式会社建設技術研究所
  • 日本工営株式会社
  • 応用地質株式会社
  • 株式会社長大
  • 株式会社オリエンタルコンサルタンツ(ACKグループ)

ここでは、各企業の特徴を紹介します。

株式会社建設技術研究所

株式会社建設技術研究所は、1945年に設立された日本最古の建設コンサルタント企業です。国土交通省発注の国策的インフラプロジェクトが業務の半分を占め、河川分野では長年業界トップの実績を誇っています。

総合建設コンサルタントとして、流域・国土、交通・都市、環境・社会、建設マネジメントの4事業部門を有し、高度な専門性と豊富な実績で業界をリードしています。

日本工営株式会社

日本公営株式会社は、1946年創立の日本最大手建設コンサルタント企業です。160ヶ国以上で社会資本整備に携わり、1,500名を超える技術士を擁する業界トップの実力があります。

コンサルタント事業に加え、電力エンジニアリング事業やエネルギー事業、都市空間事業など、多岐にわたる総合力を保有しています。

また、自社研究所では最先端の研究開発を行い、多数の特許を取得する技術力の高さが評価されています。

応用地質株式会社

応用地質株式会社は1957年に創業し、地質調査に強みをもつ建設コンサルタントです。地中レーダーをはじめとした技術を用いて遺跡調査や保存対策、活用支援といったサービスを提供しています。その結果、地質調査部門において売上高が業界トップを誇っています。

インフラ・メンテナンス事業や防災・減災事業、資源・エネルギー事業、環境事業の4分野を展開しており、今後の動きに注目を集めている企業です。

株式会社長大

株式会社長大は、1968年に設立された建設コンサルタント企業です。橋梁建設を得意分野としており、明石海峡大橋や南北備讃瀬戸大橋といった世界に誇る超長大橋の建設実績があります。

日本のみならず海外でも高い評価を得ており、アジアをはじめとした世界各地でプロジェクトも手掛けています。

2010年以降はエネルギー事業にも参入するなど、新たな領域にも積極的に挑戦しており、社会インフラの整備に貢献している建設コンサルタントです。

株式会社オリエンタルコンサルタンツ(ACKグループ)

株式会社オリエンタルコンサルタンツ(ACKグループ)は、1957年創立の国内トップクラスの総合コンサルタント企業です。社会インフラ整備をはじめ、行政や教育などの幅広い分野に携わっています。

近年は自ら資金調達し、太陽光発電や観光モビリティ、農業6次産業化などのインフラビジネスを拡大中です。

 

また、以下のような大手総合コンサルティングファームにも建設チームがあります。

  • デロイト トーマツ (産業機械・建設チーム)
  • アクセンチュア (エンジニアリング、建設、不動産サービス)
  • アビームコンサルティング (不動産、建設、住宅チーム)

これらのチームに転職することで、建設コンサルタントになることも可能です。

建設コンサルタントへ転職する方法

コンサル 転職

建設コンサルタントになることは、決して簡単ではありませんが、建設に関する実務経験や深い知識があれば実現可能です。

建設コンサルタントへの転職を成功させるには、いくつかのポイントがあります。

最後に、転職を目指す際におすすめの方法を2つ解説するので、ぜひ参考にしてください。

資格や経験をアピール

建設コンサルタント業界への転職を目指す際は、保有資格と実務経験をアピールすることが有効です。主要な資格には技術士、RCCM、施工管理技士などがあります。

また、資格取得に加えてゼネコンやハウスメーカーでの建設現場経験、設計事務所や官公庁での設計・監理経験もあれば評価してもらえます。プロジェクトマネジメント能力や語学力もあれば、面接官に好印象を与えられるでしょう。

専門性の高い資格と実務経験をしっかりアピールすれば、建設コンサルタント業界への転職成功率を高めることが可能です。

コンサル転職に強いエージェントを活用

建設コンサルタントへの転職を目指す方は、専門のエージェントを活用することをおすすめします。コンサル転職に精通したエージェントは、自身の経歴や希望に合った求人を的確に紹介してくれます。

また、面談やカウンセリングを通じて適性や希望を詳しく聞き取り、応募書類の添削や面接対策などを行ってくれます。

自分一人での転職活動よりもスムーズに進みやすいため、確実な転職を目指している場合はエージェントの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

建設コンサルタントは、建設プロジェクトの企画から設計、施工管理まで幅広い業務を行う専門職です。社会インフラの整備に携わることから高い専門性と責任が求められますが、需要の高い職種でキャリアアップの機会も多く、充実した年収が期待できます。

また、社会貢献度も高く、さまざまな建築分野で活躍できるため、建設コンサルタントならではのやりがいを感じられます。

「建設コンサルタントとして活躍したい」「建設コンサルタントへの転職を成功させたい」とお考えの方は、コンサル転職に特化したサービスを提供しているフォルトナにお任せください。

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