経営企画はコンサルタントに向いている職種であるという話を聞く方も多いとも思いますが、実際のところはどうなのでしょうか?
現に、多くの方が経営企画からコンサルタントへの転職を実現させています。
しかし、経営企画と一口に言っても、企業によって行っている業務は様々。どんな業務を行っていれば、コンサルへの転職に有利になるのでしょうか?
また、そもそもコンサルタントに転職するメリットや、コンサルタントになるために必要なスキルはどのようなものなのでしょうか。
このような疑問にお答えするため、本特集では経営企画からコンサルタントに転職するための具体的な方法について解説します。
経営企画がコンサルタントに向いている3つの理由
大前提として、「企画系」の仕事はコンサルタントへの転身がしやすい職種だと言えます。
多くの「企画系」職種で行われている「リサーチ・分析⇒企画・立案」という業務フローが、コンサルタントの業務フローに近いからです。
中でも、経営に関する企画を行う「経営企画」は「経営」コンサルタントとの親和性が高いです。
そもそも、経営企画とはどのような仕事なのでしょうか。
日本総研が行ったリサーチでは、企業における経営企画の実質的な業務は下記と分析されています。
経営企画部門の3大主管業務は、①中期経営計画・ビジョンの策定、設定、管理、②単年度予算の編成・管理、③特命プロジェクト推進である。
ただし、過半数の経営企画部門が「新規事業推進」「組織風土改革」「取締役会等の会議体事務局」「CSR推進」等にも何らかの形で関与しており、経営企画部門の守備範囲は極めて広範かつ多様。
経営企画が上記のような職務を行っているという前提に立てば、コンサルタントに向いていると言われるのは次の3つの理由からです。
- ①扱うテーマに類似性がある
- 経営企画は、経営陣の参謀としての役割を担っていることが多いです。コンサルタントも同様に、経営陣の”頭脳”として、下記のようなテーマの提案に携わります。
・全社事業戦略
・マーケティング戦略
・営業改革戦略
・新規事業戦略
・ポートフォリオ改革
・中長期経営計画
・バリューマネジメント
・M&A
・組織改変
・財務戦略
・情報システム戦略
・コンプライアンス関連や内部統制等経営企画としてこのようなテーマに携わっている場合、業務知見としての親和性が高いため、コンサルタントへの転職に有利に働く可能性があります。
- ②ハードスキルに親和性がある
- 下記はほんの一例ですが、経営企画経験者はコンサルタントとして必要なデータ分析・提言に関わるハードスキルを持ち合わせている方が多いことも、親和性が高いポイントの一つです。
・Excelを使ったデータ分析
・パワーポイントを使用した経営陣及び社内ステークホルダーへのコミュニケーション
・BIツールなどを用いた定性・定量分析
・フレームワークを用いたロジカルシンキング - ③コンサルタントと協働するチャンスがある
- 特に経営コンサルタントがインタビューを行ったり、一緒にプロジェクトを進めたりするカウンターパートとなるのは、経営企画の方であることも多いです。つまり、経営企画の方はコンサルタントと協働する経験に恵まれており、
・プロジェクトの進め方
・コンサルタントの働き方
に対する理解がある場合も多くなります。実際、経営企画として働いていて、コンサルタントの方と一緒に働いた経験があったために、コンサルタントを目指そうと思った、という方も少なくありません。
<注意点>
コンサルタントの仕事が経営企画と大きく違うのは、コンサルタントが”クライアントワークである”という点です。
いずれも経営陣とのコミュニケーションが発生する立ち位置ではありますが、経営企画は上司として、コンサルタントはお客様として接することになります。
コンサルへの転職を考える際には、自分自身が「クライアントのために全力を尽くす仕事が好きか?」を把握しておく必要はあるでしょう。
また、経営企画と称しながら、実際の仕事は総務的・事務的な仕事がほとんど、というケースもあります。そのような立ち位置で、経営者や上司から言われたことをこなしていた、という方にとっては、経営企画の経験はコンサル転職にあまり有利にならないでしょう。
経営企画からコンサルタントに転職する3つのメリット
経営企画がコンサルに向いているとして、実際にコンサルタントになった方々はどのようなメリットを感じて転職を考えたのでしょうか。
下記の3つの理由はその代表的なものです。
- ①スキル・経験が活かしやすい
-
コンサルタントに向いている理由でも挙げた通り、経営企画のスキル・経験はコンサルタントと親和性の高いものがあります。
業界及び職種を一気に変える転職は難易度が高いですが、経営企画の場合はそのような職種の親和性から、自らのスキル・経験をうまく活かし、キャリアチェンジが出来るポジションにあると言えるでしょう。 - ②自社だけでなく様々な企業の経営課題に関われる
-
経営企画は、自社の経営課題に携わるポジションですが、コンサルタントはプロジェクト毎に様々な企業の経営課題に携わることが出来ます。
特に自社のプロダクトやサービスにとらわれず、経営課題解決のプロフェッショナルになりたい、という場合には、コンサルキャリアがお薦めです。 - ③キャリアパスが広がる
-
コンサルタントになると、幅広い業界・職種へのキャリアチェンジが可能になります。
また、特に上から降ってきた定型的な仕事をこなすタイプの経営企画だと、自社の意思決定に携わるには10年・20年待たないと難しいケースもあるでしょう。
コンサルタントとしてクライアントの意思決定に関わる経験を積むことで、次のキャリアで自ら意思決定に携わるハイクラスのポジションに”ショートカット”を実現している例もあります。
経営企画からコンサルタントになるために必要なスキル・経験
コンサルファームで求められているスキル・経験
下記は、コンサルファームの募集要件の一例です。ご覧の通り、経営企画での経験がコンサルタントとして求められていることが分かります。
- 外資系戦略コンサルファームA社の募集要件
- ・戦略コンサルティングファームでのコンサルタントとしての実務経験
・事業会社等での経営企画・事業企画・新規事業開発・マーケティング企画・デジタル戦略・R&D戦略部門での実務経験 - 総合系コンサルファームB社・戦略部門の募集要件
- ・事業会社の経営企画等における企業分析の経験
・コンサル、投資銀行(コーポレートファイナンス・DD)経験
・デューデリジェンス、投資、M&Aの経験
他にも様々なコンサルファームで経営企画出身者が求められています。特に大手事業会社の経営企画部門で仕事をしている場合、特に戦略コンサルファームとの親和性はあると言えるでしょう。
※但し、多くの戦略コンサルティングファームではポテンシャル採用も行っています。
そのため、上記はあくまでも一つの目安です。現に、戦略コンサルファームのBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)のHPに記載されている応募資格は、経営企画の職務経験は問われていません。
【応募資格】
・4年制大学以上(修士・博士含む)を卒業後、企業・官公庁等で実務経験の ある方
・医師、弁護士、Post-doctoralフェロー、学術振興会研究員(DC含む) 等の専門職として医療機関、法律事務所、研究機関等での実務経験のある方
※コンサルティング経験や資格は不問です
引用元:BCG中途採用ページ
実際の転職成功事例
弊社コンサルタントが転職のご支援をした方々の成功事例の一例です。
下記のように、年収アップを実現された方も大勢いらっしゃいます。
尚、コンサル未経験の場合、比較的年齢が若いうちに挑戦した方が、書類の通過率は良い傾向にあると言えます。
- 外資系戦略コンサルティングファーム・シニアコンサルタント・年収1000万円
-
【前職】外資系メーカー経営企画・30代男性・年収600万円
管理会計・マーケット分析をベースに、経営陣へのレポーティングを担当。外資戦略ファームへの内定と、年収の大幅アップを実現。 - 外資系総合コンサルティングファーム・コンサルタント・年収900万円
-
【前職】日系総合エンタメ企業経営企画・20代女性・年収700万円
事業ポートフォリオのマネジメント・IR等をベースに担当。外資総合ファームのサービス業界を対象としたコンサルタントに転身。
経営企画出身者が特に求められているコンサルポジション
以下では経営企画出身者が特に求められているポジションをご紹介します。
どんな職務を経験しているかによって、親和性の高いコンサルタントの領域は変わってきます。
下記は、経営企画が特に求められているコンサルタントの領域です。各特集ページに飛んでいただくと、どのようなプロジェクトを行っているポジションなのか、具体的にご理解いただけるようになっています。
- 戦略コンサルタント
- 職務概要
全社戦略、事業戦略、商品戦略等の戦略立案~実行を支援
企業例
BCG、マッキンゼー、A.T.カーニー、RB、ADL、DI、アクセンチュアストラテジー、PwCストラテジー&
【特集】戦略コンサルの転職・求人情報を見る > - 新規事業コンサルタント
- 職務概要
新規事業の立案~実行を支援(社内外のステークホルダーを巻き込み推進)
企業例
ベルテクス・パートナーズ、イグニッション・ポイント、プライマル - リスクコンサルタント
- 職務概要
大企業をクライアントに、経営リスク管理、内部統制、内部監査等のリスクマネジメントサービスを提供
企業例
DTC、PwC、EY、KPMG、他
【特集】リスクコンサルの転職・求人情報を見る> - 組織/人事コンサルタント
- 職務概要
人事制度変革、M&A人事、働き方改革等多岐に渡る組織/人事に関する変革を支援
企業例
DTC、PwC、EY、KPMG マーサージャパン 他
【特集】組織人事コンサルの転職・求人情報を見る > - pre M&Aコンサルタント
- 職務概要
M&A戦略立案~統合までを支援。ただしM&Aはあくまで選択肢の1つであり、アライアンスやJV(ジョイントベンチャー)設立や、オーガニックグロース(既存の商品/サービスを伸ばす自立的成長)の支援も提供
企業例
DTC、DTFA、PwCアドバイザリー、EYTAS、KPMGFAS、アクセンチュア 他
【特集】M&A/FAコンサルの転職・求人情報を見る > - post M&Aコンサルタント(PMI)
- 職務概要
M&Aによる統合シナジーを最大化させる為の支援
企業例
DTC、PwCコンサルティング、DTFA、PwCアドバイザリー、EYTAS、KPMGFAS、GCA、アクセンチュア 他
【特集】M&A/FAコンサルの転職・求人情報を見る > - 事業再生コンサルタント
- 職務概要
ファンド等からの依頼を受けて、企業や事業の再生を支援
企業例
フロンティアマネジメント、経営共創基盤、DTFA、PwCアドバイザリー(BRS)他 - 財務/会計コンサルタント
- 職務概要
CFOおよびCFO組織の進化を支援
企業例
DTC、PwC、EY、KPMG 他
【特集】財務・会計コンサルの転職・求人情報を見る >
上記以外にも、属する業界/業種の専門性をお持ちであれば、インダストリーコンサルタントの道も開かれます。
<例>
・製造業×経営企画=製造業向けコンサルタント
・小売業×経営企画=小売り業向けコンサルタント
など
経営企画からコンサルへの転職はフォルトナにご相談ください
経営企画経験者がコンサルタントへの転職を目指すために知っておきたいことを解説してきました。
経営企画の仕事はテーマ的・職務的観点からコンサルタントの仕事と親和性があります。更にコンサルタントと一緒に働いたことのある経験があれば、転職に有利に働く可能性もあります。
また、コンサルファーム、特に戦略コンサルファームでは広くポテンシャル採用も行われているものの、経営企画としての経験は様々なコンサルファームへの転職に役立つでしょう。
コンサルファームへと転職をしたいが、コンサルタントとしての職務要件から離れた仕事をしている方にとっては、まずは経営企画をはじめとした企画系職種に社内移動するのも一つの手です。
ご自身の仕事がコンサルファームへの転職に有利に働くのか、そうでないのかの判別がつかない、という方もいらっしゃると思います。
「ご自身の可能性を知りたい」という方は、弊社エグゼクティブコンサルタントまでお気軽にご相談ください。
コンサルファームへの転職可能性について、コンサル転職を熟知したプロフェッショナルの視点からお伝えさせて頂きます。
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