本記事では、フェルミ推定の基本情報をはじめ、基本的な考え方や解き方などを詳しく解説します。
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フェルミ推定とは?
フェルミ推定とは、限られた情報をもとに論理的な思考を用いて大まかな数値を推定する手法のことを指します。実際のデータや正確な統計情報がない場合でも、論理的な仮定と計算を組み合わせることで、妥当な範囲の推定値を導き出せるのが特徴です。
以下では、フェルミ推定の語源や面接で用いられる理由について具体的に解説します。
フェルミ推定の語源
フェルミ推定の名称はイタリア出身の物理学者、エンリコ・フェルミ氏に由来します。フェルミ氏は、実際に調査することが難しいような問題を論理的な推論と限られた情報から概算する能力に長けていました。
代表的な逸話として知られているのが、「トリニティ実験」でのエピソードです。フェルミ氏は、爆発の規模を測るために爆風による紙片の飛距離を観察し、そのデータをもとに爆発の威力を推定しました。のちに測定された公式のデータと比較しても、フェルミ氏の推定値は非常に近い数値だったといわれています。
この思考法がのちに「フェルミ推定」として知られるようになりました。現代では、ビジネスシーンや学術研究など、さまざまな分野でフェルミ推定が活用されるようになっています。
フェルミ推定が面接で用いられる理由
フェルミ推定は、コンサルティングファームや外資系企業の面接で出題されることが多い問題の一つです。面接でよく用いられる理由は、問題に対する正確な数値を出すための論理的思考力や仮説構築能力、問題解決スキルなどがあるかどうかを判断するためです。
面接官は単に正解にたどり着けるかだけでなく、その過程を重視しています。「どのように問題を分解し、どのような仮説を立て、どのような情報に基づいて推定を行ったのか」などを説明することで、上記のような能力をアピールできます。
フェルミ推定の問題にうまく対応できるようになるためには、普段から物事を論理的に分解し、仮説を立てながら考える習慣を身につけることが重要です。ビジネスシーンでの活用を想定しながらトレーニングを重ねることで、フェルミ推定に対する対応力を高められるでしょう。
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フェルミ推定の基本的な考え方
フェルミ測定の基本的な考え方としては、以下の2つが挙げられます。
- 仮定と分解
- 計算と検証
ここでは、基本的な考え方について具体的に解説します。
仮定と分解
フェルミ推定の第一歩は、未知の数値を推定するために適切な仮定を置き、問題をいくつかの要素に分解することです。これにより、解答を導くための道筋を明確にし、複雑な問題をシンプルに整理できます。
たとえば、「日本全国にある自動販売機の数を推定する」という問題の場合、いきなり全体の数を考えるのではなく、「日本の人口」「自動販売機の普及率」「設置されやすい場所」などの要素に分解し、それぞれを論理的に推定していくのがフェルミ推定の基本的なアプローチです。
また、仮定を置く際は、「一般的な傾向」「日常的な観察」「既知の統計情報」などを活用することが有効です。たとえば、「1,000人に1台の自動販売機があると仮定する」といった形で、仮定を設定することで計算を進めやすくなります。
仮定と分解のプロセスを適切に行うことで問題を細分化し、より現実的な推定値に近づけられるようになります。この段階では完璧なデータを求めるのではなく、論理的に納得できる範囲の仮定を立てることが重要です。
計算と検証
仮定と分解を行ったあとは、各要素の数値を組み合わせながら計算を進め、推定値を導き出します。その際、計算はできるだけシンプルにし、桁数を丸めながら大まかな値を求めることがポイントです。
たとえば、「日本に自動販売機が何台あるか?」を推定する場合、次のような計算が考えられます。
- 日本の人口を1億2,000万人とする
- 1,000人に1台の自動販売機があると仮定
- 1億2,000万人÷1,000人=120万台
このような簡単な計算を繰り返すことで、論理的に納得できる数値を導き出すことができます。
また、計算後には得られた結果が現実的な値かどうかを検証することも重要です。たとえば、自動販売機の台数について過去のデータや市場の規模と比較し、極端にズレていないかをチェックします。もし想定以上に大きな値や小さな値になった場合は仮定の見直しを行い、修正を加えることでより妥当な推定値に近づけることができます。
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フェルミ推定の解き方
フェルミ推定の解き方として、以下のような流れが存在します。
- 問題を明確にする
- 因数分解する
- 各因数を推定する
- 計算する
- 検証する
- 結論を述べる
ここでは、それぞれの解き方について詳しく紹介します。
問題を明確にする
フェルミ推定を行う際、まずは「何を求めるのか」を明確にすることが重要です。
たとえば、「東京都内のコンビニの数を推定する」という問題であれば、「東京都内の定義」や「どの範囲のコンビニを対象とするのか」など、問題の前提条件を整理する必要があります。
問題が曖昧なままでは途中の仮定や計算にズレが生じるため、対象範囲や考慮すべき要素を明確にし、どのような情報が必要かを考えることが大切です。特に、ビジネスの場面では目的に応じた推定を行う必要があるため、最初の問題設定が適切であるかを慎重に確認することが肝心です。
因数分解する
フェルミ推定では、いきなり最終的な数値を推定するのではなく、問題をいくつかの小さな要素に分解することが重要です。このプロセスを「因数分解」と呼びます。
たとえば、「東京都内にあるコンビニの数」を推定する場合、「東京都の人口」「人口あたりのコンビニ数」といったように因数分解できます。その際、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)を意識することで推定の精度が向上し、論理的な思考力も示すことができます。
複雑な問題をよりシンプルで推定しやすい要素に分解することで、精度の高い推定につなげられるようになるでしょう。
各因数を推定する
因数分解ができたら、各要素について適切な数値を推定していきます。このとき、公的なデータや過去の知識、一般的な経験をもとに妥当な仮定を設定することが大切です。
たとえば、「東京都の人口を1,400万人」と仮定した場合、関東地方の面積や日本の面積など、自分が知っている地理的な知識と比較することで、「1万人あたり5軒のコンビニがある」といったおおよその値を推定できます。推定を行う際は、極端に大きすぎたり小さすぎたりしないよう現実に即した数値を選ぶことが重要です。
計算する
因数ごとに仮定した値が決まったら、それをもとに計算を行います。上述したように「東京都の人口は1,400万人」「1万人あたりのコンビニ数は5軒」と仮定した場合、計算式は1,400万人÷1万人×5軒=7,000軒となります。
計算の際には、桁を簡略化して計算しやすい形にするのがポイントです。フェルミ推定では、正確な答えを出すことよりも論理的に納得できる範囲の推定値を導き出すことが重要なので、大まかな計算で進めても問題ありません。
また、大きな数字を扱う場合は概算を用いることで計算を簡略化できます。たとえば、2,194を2,000に丸めるなど、計算しやすい値に置き換えることで暗算でも迅速に答えを導き出せます。
検証する
計算で求めた結果が現実的な数値であるかを確認します。たとえば、東京都にある実際のコンビニの数と比較し、大きく乖離していないかをチェックします。
また、別の視点から異なる仮定を用いて推定を試みることで精度を高めることも可能です。もし、得られた数値が常識的に考えて明らかにおかしい場合は、仮定の見直しを行う必要があります。
結論を述べる
最終的な計算結果が出たら簡潔にまとめ、結論として示します。たとえば、「東京都内のコンビニ数は、おおよそ7,000軒と推定される」と述べることで、最終的な答えを明確に示します。
その際、あくまでも推定値であることを強調し、仮定の範囲内での結論であることを明確にすることが重要です。さらに、求めた推定値がどのような背景や仮定に基づいて導かれたのかを簡単に説明すると、より説得力のある結論になります。
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フェルミ推定の例題と解答例
ここでは、フェルミ推定の例題と解答例を2つ紹介します。問題の明確化から結論までを具体的に解説するので、具体的な問題への適用方法を理解しましょう。
例題1:東京都内にあるマンホールの数は?
フェルミ推定でよくある例題として、東京都内にあるマンホールの数を求める問題が出されます。主な解き方としては以下の通りです。
問題の明確化~因数分解
この問題では、「東京都内に存在するマンホールの数」を求めることが目的です。マンホールは下水道や電気、通信などのインフラ設備の維持管理に必要なものであり、主に道路上に設置されています。
この数を求めるために、「東京都の面積(マンホールが設置されるエリアの規模)」「道路の割合(東京都では、どのくらいの割合が道路として使われているか)」「マンホールの密度(1平方キロメートルあたりのマンホールの数)」といったように因数分解を行います。
各因数の推定~計算
ここでは、因数分解したそれぞれの要素について論理的に推定し、概算していきます。上記の因数分解の値を出す場合は、東京都の面積をおよそ2,200平方キロメートル と仮定し、道路が占める割合は面積の約15%であると考えられます。その際の計算式は、2,200×0.15=330平方キロメートルです。
次に、マンホールの密度を1平方キロメートルあたり1,000個ほどあると仮定します。その内容を踏まえると、最終的な計算式は330×1,000=33万となります。推定から計算までの流れを行う際は、既知の情報や一般常識をもとに現実的な範囲で数値を設定することが重要です。
検証~結論
上記の計算で出た数値が妥当かどうかを考えるために、別の観点から検証します。東京都の道路総延長はおよそ27,000kmあるとされており、1kmあたり約12個のマンホールが設置されていると仮定すると、27,000×12=約32万個です。
この結果は、先ほどの推定値とほぼ一致しており、大きなズレがないため妥当な推定と考えられます。よって、東京都内にあるマンホールの数は約33万個と推定できるという結論になります。
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例題2:日本の年間コーヒー消費量は?
2つ目の例題として、日本の年間コーヒー消費量を紹介します。主な解き方としては、以下のような内容が考えられます。
問題の明確化~因数分解
この問題では、「日本全体で1年間に消費されるコーヒーの総量」を求めます。この数値を求めるために、「日本の人口(コーヒーを消費する人の数)」「1人あたりの年間コーヒー消費量(1人が1年間に飲むコーヒーの量)」「1杯あたりのコーヒーの使用量(コーヒー豆の消費量を把握)」といったように因数分解します。
因数分解を行う際は、できるだけ独立した要素に分解することが重要です。相互に影響し合う要素に分解してしまうと、正確な推定が難しくなるので注意してください。
各因数の推定~計算
各因数の推定では、論理的に説明できる根拠に基づいた概算値を用います。上記の因数分解の値を出す場合は日本の人口を1億2,000万人と仮定し、コーヒーは一般的に成人以上が飲むと考えて成人の割合を80%と仮定します。その際の計算式は、1億2,000万×0.8=9,600万人です。
次に、1人が1日に飲むコーヒーの量を2杯と仮定すると、年間で2×365=730杯となります。1杯あたりの1杯あたりのコーヒー豆使用量を10gと仮定すると、1人あたりの年間コーヒー豆消費量は730×10=7,300g(7.3kg)ということが分かります。
それらを踏まえると、最終的な計算式は9,600×7.3=約70万トンとなります。
検証~結論
推定値が出たら、検証を行います。実際の日本の年間コーヒー消費量は約43万トンとされており、推定結果と比較すると大きなズレがあることが分かります。その場合は、1人あたりの消費量の仮定を1杯/日に変更したり、コーヒーを飲む年代をもっと下げたりすることで、より実際のデータに近づけることができます。
本例題において、最終的な推定値では日本の年間コーヒー消費量は約70万トンとなったが、実際の消費量と照らし合わせると40~45万トンが妥当な推定値と考えられるという結論になるでしょう。
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面接におけるフェルミ推定で評価されるポイント
面接官はフェルミ推定を通して、単に正答に近い数値を導き出せるかだけでなく、さまざまな能力を評価しています。正答を導き出すことよりも、論理的に考えて適切なプロセスを踏むことができるかが重要です。
具体的には、論理的思考力や情報収集力、発想力、計算力が評価されると考えられます。そのほかにも、仮定の妥当性や計算の正確性と簡略化の工夫、結論の明確さなども判断される要素です。
これらの能力はコンサルティング業務において必要不可欠であり、フェルミ推定はコンサルタントに欠かせない能力を測るための効果的なツールといえます。面接では落ち着いて論理的に考え、自分の考えを明確に伝えることを意識しましょう。
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まとめ
フェルミ推定は、限られた情報から論理的思考で概算値を求める手法です。物理学者であるエンリコ・フェルミ氏に由来し、コンサル面接では思考力や問題解決能力を測るために用いられます。
フェルミ推定は問題の明確化や因数分解、各因数の推定、計算、検証、結論といったステップを踏みます。フェルミ推定において重要なのは、正答ではなく論理的なプロセスであることを理解しておきましょう。
フォルトナはハイクラス転職に特化したサポートを提供しており、コンサル面接における万全な対策を提案しています。コンサルタントへの転職を検討している場合は、ぜひ一度フォルトナにご相談ください。