ポストコンサルのキャリアパス

公開日:22020.09.27 最終更新日:2024.11.25

ポストコンサルのキャリアパスは多岐に渡ります。本ページでは、ポストコンサルの取り得るメジャーな選択肢について解説します。

コンサルtoコンサル転職

コンサルタントの転職先として、同業他社となるコンサルファームへの転職は王道の転職パターンの一つです。前職で身に付けた経験やスキルがそのまま活かせるうえ、コンサルティングビジネスの拡大から、即戦力のコンサル経験者に対するニーズも高まっていることが背景にあります。
既に経験している領域であるため結果が出しやすいことに加えて、年収やポジションが上がりやすいという特徴もあります。
特にマネージャー以上のポジションにおいては、案件獲得のできる営業力があるとさらにニーズが高まります。
コンサルタントとして携わる領域の変更や、ワークライフバランスの向上、受注の取りやすいファームへの移籍などを目的とする転職も増えています。理想の条件や待遇、ポジションアップを狙いやすい選択肢です。ファームの実情をよく把握し、希望と一致するファームを選定することがポイントになります。

参考記事:なぜコンサルtoコンサル転職は人気なのか?

事業会社への転職

事業会社への転職は、ポストコンサルとしてメジャーな選択肢の一つです。現状を把握し、問題や課題を見つけだして仮説検証できる分析力。急速に移り変わる現状に合わせ、スピーディーに仮説を調整する柔軟性。周囲を巻き込んで結果につなげていく実行力。このようなコンサルタントとして培った問題解決能力を活かせるのが事業会社転職となります。コンサルティングファームに比べて、実行フェーズへの関与が深くなるのも特徴です。チームメンバーのマネジメント経験、経営視点からの交渉・折衝力もプラスに働きます

以下では、事業会社の種類別の解説を行います。

 

外資系

外資系の事業会社は、もともとコンサルファームへの発注が多いこと、中途採用がメインであること、そして給与水準が高いことから、ポストコンサルの採用に対する理解度も高いと言えます。年功序列の縛りがないため、実力があれば比較的早い段階での昇進も見込めます。 近年は医療、ヘルスケア業界、IT業界の需要が高いです。経営企画、マーケティング、人事、財務など、ポストコンサルが活躍できるポジションも豊富に存在します。また、英語を使ったコミュニケーションも頻繁に発生するため、英語力の高さも重要視される点が特徴でしょう。

 

大手日系

グローバル展開や新規事業参入の必要性が高い日系企業でも、ポストコンサルの需要があります。海外戦略、M&A、マーケティング、現地拠点の立ち上げに、ポストコンサルを必要とするケースが多いです。商社やメーカーなどでも、コンサルティング経験やスキルを備えた人へのニーズが高くなっています。外資系のように本国の本社意向に制限されることなく、事業の意思決定に関わることができるのが魅力です。

 

成長企業

成長企業とは、新しいビジネスモデルを立ち上げ、成長し続ける企業を指します。ベンチャー企業、スタートアップと同義。特にAI・IoT系企業は拡大傾向にあります。これまではインターネット系と呼ばれ、EC、ゲーム・エンターテイメント、医療・ヘルスケア、サービスや商品の比較サイト運営を行う企業がポストコンサルの受け皿になっていました。2010年代後半から、SaasやAI、ブロックチェーン、IoT、宇宙、農業、環境・エネルギーといった領域でも、イノベーティブな事業を展開する成長企業が増え、ポストコンサルを積極的に採用しています。
特に2020年のコロナウイルス感染拡大を受け、DX(デジタルトランスフォーメーション)が一つのキーワードに。そのため、IT系コンサルファームでDXを推進してきたポストコンサルは引く手あまたとなっている状況です。

 

オーナー企業

オーナー企業の特徴は、事業運営上の最大権限者=創業者という点です。現在、創業者の高齢化が進み、事業承継の必要性が高まっています。日本においては、2025年時点で70歳以上の経営者が約245万人いながら、そのうちの半数以上に及ぶ127万人が「後継者未定」となっているため、第三者へのM&Aも含めた事業承継が注目を浴びています。そのような文脈で、次期経営者候補や次世代リーダーとして、事業を推進できるポストコンサルが必要とされています。特に地方企業などでの需要が増えており、クライアントの経営に密に関わってきた人ほど貢献度は高いと言えます。起業や新規事業などと違って、既存の基盤があるため、比較的早い段階での成果獲得につなげられる点が魅力です。

 

NPO・NGO

地方創生やまちづくり、国際協力、児童福祉など、社会課題を解決する非営利組織へ転職するポストコンサルもいます。
社会課題の解決はコンサルファームにおいても重要なテーマとなりつつあります。本業ではもちろん、プロボノとして社会貢献活動を行うプロフェッショナルもいます。
こうした組織は事業運営という観点からすれば通常の法人と変わらないため、コンサルタントとして培ったスキルを活かせることから、ネクストキャリアに選ばれています。

PEファンド、ハンズオンVCへの転職

次に説明する起業とも近い部分はありますが、コンサルタントかつ個人事業主として独立するパターンが該当するのがこちらです。
フリーランスのコンサルタントは、人脈やマッチングサイト・サービスを通じてプロジェクトに参画します。特にITのPMOやSAP案件などは高収入として注目を浴びています。特定のコンサルティングファームから業務委託契約を受けることもあります。起業への足掛かりとしてフリーランスを選び、資産や人脈を形成するというパターンもあります。

起業

コンサルティングファームで培った知識と経験を活かして、起業するというのも選択肢の一つです。自ら作った計画を自らの手で推進したいと思うのであれば、最も手触り感を得られる選択肢と言えるでしょう。
その際、コンサルで培った専門知識や経験とは別に、起業・立ち上げに関する知識、事業業界の知識やネットワーク、資金などの準備が必要とされます。軌道に乗れば、社会的インパクトを生み出すことができるためやりがいも大きいですが、そのような準備なしに起業することはリスクが高いことも否めません。
ポストコンサルとしてすぐに起業するのではなく、起業したい領域の事業会社等で、業界知識やネットワークを獲得しておくことは、起業の成功確率を高めてくれる現実的な選択肢と言えるでしょう。

参考記事:コンサルの経験は独立・起業に役立ない!?

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