【合格者続出】ケース面接を突破しコンサル転職を実現するための対策方法

公開日:22020.09.14 最終更新日:2024.11.25

ケース面接は、コンサルティングファームの面接を語る上では外せないものとなりました。

今やケース面接に関する数多くの書籍が出版され、インターネット上で検索をすれば多岐にわたるコラムが見つかります。

それでも弊社には、「どうやってケース面接の対策をすれば良いの?」とお悩みを抱える方からのご相談が絶えないのも事実。

このような方々に対し、弊社ではケース面接対策のアドバイスから実際の模擬面接までを提供し、ボストンコンサルティンググループをはじめとする難関コンサルティングファームへの豊富な支援実績を有しています

本コラムでは、そんな弊社がいつもご相談者の皆様にお伝えしているケース面接対策のポイントについて、解説をしています。

ケース面接とは?

ケース面接とは、面接官がクライアントの立場で課題を提示し、その解決策の提言を求めるシミュレーション形式の面接です。

元々はマッキンゼーやボストンコンサルティンググループ(BCG)といった戦略コンサルティングファームを中心に出題が行われていましたが、現在では総合系コンサルティングファームやITコンサルファームでも出題される場合も増えており、コンサル業界での転職を考えるなら対応が必須であると言えます。

尚、ケース面接はコンサル業界を目指すビジネスパーソンにのみ出題されるわけではありません。

現在コンサル業界で活躍されている方に対しても出題されることが増えています。

多いのはコンサルタント~シニアコンサルタントクラスにおける転職の場合です。

「業界内の転職だからケース面接の対策は必要ないと思った」という方もいますが、いきなり出題されると対応に困ることもありますので、念のため準備をしておくと良いでしょう。

ケース面接の目的

ケース面接を行う最大の目的は、受験者が「クライアントのディスカッションパートナーとして本当に相応しいか?」を確認するためと言えるでしょう。

コンサルファームに依頼をするクライアント企業はある程度の売上規模を有していることが多く、特に大手ファームに依頼する企業は少なくとも1000億円以上の規模で、戦略系であれば売上1兆クラス以上の企業からの依頼も多いでしょう。

そうしたクライアントのCXOや役員が独力では解決しきれない経営課題を相談するパートナーとして、コンサルタントには高い水準の「ロジカルシンキング」や「コミュニケーション力」が求められます。

ケース面接はこうしたコンサルタントとしてベースとなる能力を図るのに適しているため、出題されているのです。

ケース面接の時間配分

ケース面接は多くの場合、志望動機の確認など、他の面接と組み合わせて行われます。

そのため時間は限られており、ケース面接自体は20~30分程度となることが多いでしょう。

面接の最初にケース面接が差し込まれる場合もあれば、志望動機などの確認を済ませた後にケース面接に移行するパターンもあります。

戦略ファームなどの1次面接・2次面接フェーズなどでは、志望動機の簡単な確認の後にほぼ60分近くケース面接を行うこともあります。

ケース面接の出題パターン

ケース面接は「空中戦」パターンと「プレゼン」パターンに大別されます。

「空中戦」パターンは、考える時間を与えられず、すぐにディスカッションが始まります。

「プレゼン」パターンは5~10分程度考える時間を与えられ、場合によってはホワイトボードなどへの記載が求められたのちに、回答のプレゼンを行ってディスカッションに入っていくパターンです。

1次面接や2次面接フェーズでは「プレゼン」パターンが良く見受けられますが、最終フェーズになると「空中戦」の割合も高くなります。
※あくまでも傾向なので、最初から「空中戦」パターンもあります。いずれのパターンにも対応できるように準備しておくことが必要です。

ケース面接の種類

ケース面接には「フェルミ推定」と「ビジネスケース」という2種類が存在します。

しかしながら、実際にはフェルミ推定とビジネスケースが併せて出題されたり、ビジネスケースを解くうえでフェルミ推定が必須になっている場合があったりと、両者は切っても切り離せない関係にあります。

対策を行う際には、どちらの種類もぬかりなく対応をする必要があります。 フェルミ推定とビジネスケースそれぞれが実際にどのようなものかを次の項にてご説明します。

フェルミ推定について

フェルミ推定とは、実際に調査することが難しい数量などを最低限の情報、知識で論理的に概算する手法です。

下記のようなお題が出された場合には、フェルミ推定によってその数を概算します。

「今日本で宙に浮いているゴルフボールの数はいくつでしょうか?」

「宅配ピザの市場規模はいくらでしょうか?」

「東京オリンピックの経済効果はいくらでしょうか?」

フェルミ推定でありがちな誤解は、「どれだけ正解に近い数を算出できたかが見られている」というものです。

実際に算出した数値が正解に近いに越したことはありませんが、当てずっぽうな論拠でその数値を出したとしても何の意味もありません。

フェルミ推定では、主に下記のような力があるかどうかを見られています。

・仮説を立てて考察する力
・問題全体を見て、俯瞰し問題を解決するための課題を特定する力
・今まで直面したことがないような難題に対して意欲的に取り組む好奇心
・ディスカッションを通して回答をブラッシュアップさせる力
・短時間で実行できる計算力

つまり、主には仮説構築力や考察力など、コンサルタントとして必要となるスキルが見られていると言えます。

また、ディスカッションを通じた修正力も見られています。場合によっては「最初に算出した額が一桁も二桁も異なってしまった」という方が、面接官とのディスカッションを通じて修正することができ、無事に面接通過したという事例も多数存在します。

本コラムの冒頭に述べたように、ケース面接はあくまでもディスカッションパートナーとして相応しいかどうかが見られています。もちろん、最初に適正な額が算出できるような訓練を積む必要はありますが、「数さえ合っていれば良いだろう」という考えは誤りであるということはご理解いただけたかと思います。

尚、フェルミ推定という名前は、ノーベル物理学賞を受賞したエンリコ・フェルミに由来しています。原子爆弾の爆風から爆発のエネルギーを概算したという逸話のあるほど計算の得意な物理学者だったようです。

ビジネスケースについて

ビジネスケースとは、実在する、もしくは架空の企業の経営課題に対して提言を行うものです。

下記のようなお題が出された場合には、実際のコンサルタントとしてその企業への経営支援を行うなら、どのような提言を行うか?という観点で回答を述べる必要があります。

「売上ベースで業界2位のタクシー会社を1位にするにはどうしたらよいか?」

「とある外資系筆記具メーカーの日本進出戦略を考えよ」

「政府から、訪日外国人数を3年で1.5倍にしたいという依頼があったが、どのような提案をするか?」

ビジネスケースのポイントは、論点をMECEに整理し、仮説の構築や課題の特定を行っていくところです。

フェルミ推定と組み合わせて出題されることも多いので、どちらも併せて対策をしておくことが必要でしょう。

ビジネスケースで陥りがちな罠

①特定の知識を披露することに終始してしまう
特に詳しい業界のことについて聞かれた場合には、知っている知識に頼ってしまいたくなることもあるでしょう。

しかし、ビジネスケースでは知っていることを答えるのではなく、課題は何か、どういう施策があるか、ということを構造的に考え、議論を整理していく必要があります

もちろん、ベースとなる知識があることはとても良いことですし、むしろ難関のコンサルファームになればなるほど、「しっかりと勉強しているか?」という点は見られると言ってもよいでしょう。

ただ、それと知識ありきで話を進めるのか、仮説を立て、俯瞰的に検証を行う中で知識をうまくミックスさせるか、では大きな違いがあります。

②アイデアベースで話してしまう
その企業が抱えるボトルネックの整理もなしにいきなり「こうした方が良い!」と施策を提示するのは悪手です。

特に売上向上系の問題では、「広告を打つ」という施策を最初にやりがちなので注意です。
※あくまでも、ボトルネックを整理の上で必要かつ効果のある施策なら回答して問題ありません。

③競合の視点が抜け落ちてしまう
例えば「売上ベースで業界2位のタクシー会社を1位にするにはどうしたらよいか?」というお題で、1位の企業の分析無しに施策を考えることは困難でしょう。

しかし、これも多くの人が最初にやりがちなミスなのです。

いわゆる3C分析は、ビジネスケースにおいては必須くらいに考えておくことが必要でしょう。

フレームワークについて知る

押さえておきたい出題パターン

ケース面接の対策本を読むと、数多くのパターンが記載されていることでしょう。

「これ、全部対応しなければいけないの?」と思われる方も多いようです。

しかし、これまで数多くのコンサルファームの面接を見てきた私達からすると、実は出題パターンは限られています。

例えば、「赤道上に存在する人間の数を述べよ」というようなテーマはフェルミ推定の醍醐味とも言える問題ですが、コンサルファームのケース面接において出題されることはほとんどありません。

どちらかと言えば、ビジネスに絡めた問題が出題されるのが一般的です。

中でも頻繁に出題されるのは
・マクロ系問題(市場規模を求めさせて、そこからとある企業の売上向上施策などを回答させる問題)
・ミクロ系問題(店舗売上など、比較的ミクロな単位での問題)
・トップアジェンダ系問題(CXOのような、組織のトップになりきって考える問題)

という3つの出題パターンです。

コンサルファームのケース面接を突破する上で最も効率的なのは、これらのパターンを様々な問題で解けるようになっておくことです。

マクロ系問題

マクロ系問題は、市場規模を求めさせて、そこからとある企業の売上向上施策などを回答させる問題です。

フェルミ推定とビジネスケースが組み合わさったパターンがほとんどで、前段でフェルミ推定による市場規模推定、後段でビジネスケースによる売上向上施策検討、という形式が多くなっています。

<例題>
・ドラッグストアの市場規模を求めよ。そのうえで、A社の売上を3年で1.5倍にする施策を考えよ
・タクシーの市場規模を求めよ。そのうえで、B社の売上を3年で1.5倍にする施策を考えよ
・自転車の市場規模を求めよ。そのうえで、C社の売上を3年で1.5倍にする施策を考えよ

注意したい点としては、前段のフェルミ推定の部分が出題されていなくても、市場規模や市場動向に関する分析は必須ということです。

また、出題のパターンとしては、「趣味は何?」という質問からお題が検討されることもあります。
(※ただし、これは後述のミクロ系問題も同様。)

よって、自分の趣味に関する市場規模や市場動向などは必ず押さえたうえで面接に臨む必要があります。

ミクロ系問題

ミクロ系問題は、店舗売上など、比較的ミクロな単位でのケース面接です。

フェルミ推定のみのパターンも多いですが、そのあと売上向上施策などを検討させるパターンもあります。特に、ミクロ系問題ではコスト面を考慮した「利益向上施策」を検討するケースもありますので、売上向上施策のみならず、P/L(損益計算書)を意識して問題を解くケースも対応する必要があるでしょう。

<例題>
・1日の新幹線(のぞみ)のコーヒーの売上を求めよ
・あなたの家の近くのスターバックスの1日の売上を求めよ
・月○○円の赤字が出ている美容室を、月○○円の黒字にするにはどうしたらよいか?

マクロ系問題の箇所でも述べたように、「趣味は何?」という質問からお題が出されるパターンもありますので、こちらも対策が必要です。

トップアジェンダ系問題

トップアジェンダ系の問題は、CXOのような、組織のトップの視点から考えるケースと言えます。

<例題>
・日経新聞社の社長になったつもりで、10年後の戦略を考えよ
・あなたがA社の社長だとして、B社を買収しようと考えているが、それは有効な策かどうか?
・政府から、訪日外国人数を3年で1.5倍にしたいという依頼があったが、どのような提案をするか?

傾向としては、フェルミ推定はあまり行われず、ビジネスケースが中心となることが多いです。

また、そこまで頻出ではないが、答えられなければまずいという問題に、「あなたの会社をコンサルするとしたら、どうする?」というものがあります。

当然、経営目線で施策を考えなくてははなりませんが、往々にして転職活動を行っている方は自社の人事制度等に不満を抱えていることも多く、「人事制度を見直す」という回答に固執してしまうケースも散見されます。

あくまでも、それは一つの要素として、根本的な課題の洗い出しと、それに対する施策の吟味を忘れないようにしましょう。

ケース面接の具体的な対策方法

①書籍を読む

ケース対策として、まずはお読みでなければ下記の本をお薦めすることが多いです。 面接まで時間が限られている、という方は★の本だけでも構いません。

過去問で鍛える地頭力―外資系コンサルの面接試験問題 大石 哲之著
新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術 齋藤 嘉則著
現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける! 東大ケーススタディ研究会 著
東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート―50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」! 東大ケーススタディ研究会 著

②問題を解く

上記書籍を一読したら、次は回答を見ずに書籍に乗っている問題を解いてみて下さい。

手当たり次第にたくさんの問題を解くというより、まずは一冊なら一冊と決めて、回答がスラスラ出てくるようになるまで同じ問題を解くことを繰り返してください。
※1問あたりの時間は10~15分(回答+ディスカッション)が目安です。面接ではその程度の時間を目処に行われます。

注意点としては、絶対に回答は見ずに最後まで解き切る、という点です。答えとして算出した数値の相違に一喜一憂する必要もありません。 回答そのものではなく、回答の方法論・パターンを頭にインプットするという点で、上記トレーニングが役に立ちます。

③模擬面接を行う

実際の面接の場で、ケースインタビューを突破するためには、上記の訓練を積んだ上で、更にアウトプットするトレーニングを積んでおくことが必要となります。

ケース面接では大きく分けて2種類、空中戦タイプ(口頭のみの面接)と、プレゼンタイプ(ホワイトボードなどに書かせる面接)が存在します。

どちらにも対処できるようになっておく必要があるため、どちらのパターンも対策をしてまいります。

弊社では、このような対策ポイントのアドバイスに限らず、ケース面接の模擬面接を無料で行っています(※ただし、弊社経由でコンサルファームを受験頂ける方に限ります)。

合格実績多数・経験豊富なコンサルタントの模擬面接を受けて、万全な状態でコンサルファームの面接に臨みたい、という方は一度ご相談ください。

弊社コンサルタントのご紹介

③’様々な問題を解く

模擬面接などと同時並行で、今度は様々なケース問題を解いてみてください。

手当たり次第にインターネットに乗っている問題や、書籍に乗っている問題など、どんなジャンルのものでも構いません。

重要なのは、回答の引き出しを増やすこと、考えてアウトプットを出す訓練をすることですので、回答を丸暗記するのではなく、出来るだけ多くの問題に触れてみてください。

下記のBCGのサイトでは、架空のクライアントの課題を題材に、「BCGの戦略コンサルティングでは、どのようにクライアントの課題を解決していくのか?」をご紹介しています。ぜひご参考にしてみてください。

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