インタビュー

EYSC(People Consulting) × フォルトナ スペシャルインタビュー

公開日:2025年07月03日

最終更新日:2025年07月03日

EYでは、「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」をグローバル共通のパーパス(存在意義)として掲げています。パーパスを原動力とするビジネスは、優れた人材を引きつけ、定着させ、イノベーションを起こしディスラプションに対処することにたけていると考えています。

なかでも EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)のPeople Consultingチーム(以下、PCチーム)は、4つの専門チームから構成されており、多様なバックグラウンドや豊富な経験を有する魅力的なリーダーシップチームがビジネスを牽引しています。組織生産性の向上や多様化の推進、政府主導の働き方改革への対応など、今日的な組織・人材マネジメントの課題は複雑性と緊急性を増しています。
同チームは、人事・組織変革戦略の立案から組織・人材マネジメントの実践に至るトータルサービスで企業価値の最大化を支援します。

今回は、EY Asia-Pacific 兼 EY Japan ピープル・コンサルティングリーダーでパートナーの鵜澤 慎一郎様にインタビューをさせていただきました。
インタビュアーはフォルトナ成田と小野、そして中島が務めます。

鵜澤 慎一郎様 プロフィール
EY Asia-Pacific 兼 EY Japan ピープル・コンサルティングリーダー。
EYストラテジー・ アンド・コンサルティング株式会社 パートナー。
事業会社およびコンサルティング会社で25年以上の人事変革経験をもち、専門領域は人事戦略策定、HRトランスフォーメーション、チェンジマネジメント、デジタル人事。グローバルトップコンサルティングファームのHR Transformation 事業責任者やアジアパシフィック7カ国のHRコンサルティング推進責任者経験を経て、2017年4月より現職。
2020年9月からビジネス・ブレークスルー大学大学院(MBA)客員教授、2023年4月から京都大学経営管理大学院(MBA)特命教授に就任。
主な著書に『スキルベース組織の教科書 ジョブ型人材マネジメントのその先へ』(日本能率協会マネジメントセンター:共著)、『HRDXの教科書 - デジタル時代の人事戦略』(日本能率協会マネジメントセンター:共著)、『ワークスタイル変革』(労務行政:共著)、『DEEP PURPOSE - 傑出する企業、その心と魂』(東洋館出版社:ハーバード・ビジネス・スクールのランジェイ・グラティ教授著作の日本語翻訳本で解説章を担当)、『人的資本経営と情報開示 先進事例と実践』(清文社:共著)。

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立ち上げ8年で売上20倍成長。アジアパシフィックをリードするグローバルに強い組織・人事専門チーム

[成田]
はじめに、鵜澤様のご経歴を教えていただけますか?

[鵜澤様]
私は現在、EYSCの「People Consulting」という組織・人事コンサルティング部門の全体責任者を務めております。また、日本のみならず、オセアニア、中国、ASEAN、韓国を含むアジアパシフィック(以下、APAC)全体を統括する立場でもあり、APAC各国と緊密に連携して業務を推進しております。
EYSCに参画したきっかけとしては、2017年4月、EYが日本でコンサルティング部門を立ち上げるタイミングでご縁をいただいたことです。当時の会長から「グローバルに強い組織を日本でも立ち上げてほしい」とお声がけいただき、参画しました。
現在では約300名規模の組織に成長し、短期間で業界内におけるプレゼンスを高められたと自負しております。
なお、EYSC参画以前は、事業会社での経験を経て他の外資系総合コンサルティングファームの組織・人事コンサルティング部門に長年在籍していました。約20年にわたり組織・人事領域の専門性を軸にキャリアを築いていることになります。


[成田]
8年で300名規模まで成長されたのはすごいですね。当初は何名規模だったのでしょうか?

[鵜澤様]
当時は30名にも満たない規模でした。そのため、人数では約10倍、売上では約20倍に成長したことになります。8年間という短い期間で、非常に大きな成長を遂げ、規模の面ではすでに一定の競争力をもつ組織にまで成長していると感じています。一方で、今後は単に規模の拡大を追い求めるのではなく、より多様な組織・人事関連のサービスを提供していきたいと考えています。
私自身が特に得意としているのは、グローバルで複雑な人事変革です。現在、多くの日本企業がグローバル展開を進めていますが「人事制度を変えてほしい」「人事システムを入れ替えてほしい」といった単発の依頼ではなく、組織全体の変革を求めるケースが増えています。そうしたニーズに応えるため、大規模かつ複雑でグローバルなプロジェクトにおいて成果を出せるチームとして、さらに進化したいと考えています。

[成田]
グローバルと言えばEYというイメージがありますよね。

[鵜澤様]
クライアントがEYSCに対して抱いている期待は、グローバルなネットワークの強さにあります。日本のチームだけでなく海外メンバーが現地で支援できる点や、クロスボーダーでの世界規模のプロジェクトを立ち上げる際に、世界中でソーシングできる点に大きな期待が寄せられています。

[成田]
最近では、グローバルだけでなく、「ダイバーシティ」についても力を入れられている印象です。特にPCチームは多様性に富んだ環境・組織だと伺っていますが、外国籍の方の人数や男女比などはいかがでしょうか?

[鵜澤様]
経営職では外国籍の女性メンバーが2名在籍しており、全体では現在約13~15%が外国籍の社員となっています。ただ、私自身は「国籍」という属性そのものに大きな意味があるとは考えておらず、むしろ言語の壁などを取り除き、優秀な方に積極的に加わっていただきたいという思いです。
女性比率も相対的に高い組織になっており、経営職では現在約25%、PC全体では約35%が女性となっています。
EYSCの中でも、特に外国籍や女性の社員が活躍できている組織だと思うので、転職を検討されている方にとっては、属性を問わず挑戦できる環境です。社内にロールモデルとなる人材が多い点でも、安心して飛び込んでいただける組織だと感じています。

4つの専門性とコラボレーションで、あらゆる組織・人事の課題を解決する

[成田]
PC内のチーム組成について詳細を教えてください。

[鵜澤様]
EYSCはグローバルに強い組織のため、日本独自の形態ではなく、グローバルの方針に沿って大きく4つのチームを編成しています。
1つ目はPeople Experienceチームです。あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、組織変革、チェンジマネジメント、カルチャー変革といった、いわゆるソフトイシューである人の意識や行動を変えていくことを専門とするチームです。
この領域は、特にアメリカやUKでは一般的なサービスですが、日本ではこれまでビジネスとして成り立たないと見なされ、ほとんど展開されていませんでした。ですが、私たちはここに商機があると考えています。日本企業はますますグローバル化が進み、M&Aも頻繁に起こっています。これにより、例えば、異なるバックグラウンドをもつ社員がある日突然M&Aによって同じ職場で働くことになる、IT導入やビジネス戦略の変更等でクロスボーダーのチームと協働しなければならない、といったケースが増えています。そうした課題に対して、このチームが活躍しています。
外国籍の女性がチームを率いており、メンバーもほぼ全員がバイリンガルです。結果として、外国籍や女性のコンサルタントが多数を占めるユニークなチームです。これまで外資系企業を中心にビジネスを展開してきましたが、最近では日系グローバル企業とのプロジェクトも増えています。他社にはない独自性のあるチームだと思います。

2つ目はOrganization & Workforce Transformationチームです。組織と人材のトランスフォーメーションを支援しており、人材開発や組織開発が主な領域です。
最も人数が多く、サービスの幅も広いのが特徴です。例えば、中期経営計画に合わせた人事戦略の策定、デジタル人材の育成、さらには事業ポートフォリオの変革に伴う人材のリスキリングや配置転換などについて支援しています。
このチームは、CHRO(最高人事責任者)だけでなく、CFOやCTOといった他のCXOとも協働するケースが多いです。人事領域にとどまらず、ビジネス領域に関心がある方には非常に面白いフィールドだと思います。
People Experienceチームがグローバル志向なのに対し、Organization & Workforce Transformationチームはサービスの幅広さが強みです。他社にはない独自のポジションだと感じています。

3つ目はReward & Transactionsチームです。伝統的な人事制度設計や役員報酬といった領域に加え、「トランザクション」と呼ばれるM&A関連サービスを提供しています。具体的には、人事デューデリジェンスやM&A後のPMIなどが該当し、この分野は今後さらに成長が見込まれています。
近年はアクティビスト対応やM&A、カーブアウト(事業の切り離し)などが頻繁に行われていますが、M&Aでは事業やファイナンスだけでなく、「人」の問題も非常に重要です。例えば、買収先企業の優秀な人材が流出すれば、企業価値そのものが損なわれるリスクがあります。そのため、デューデリジェンスやPMIで「人」の側面が重視される傾向はますます強まっています。私たちも、このトランザクション領域は今後大きな成長が期待できると考えています。
また、このチームでは人事の専門家に限らず、事業会社で経営企画を担当されてきた方や、M&A経験のある方、経営企画や事業会社出身の方にも十分チャンスがあるポジションです。

4つ目はHR Transformationチームです。人事テクノロジーを活用した変革を推進しており、主力はグローバル最大手の人事ソリューションであるSAP社のSuccessFactorsで、多くの導入実績があります。さらに最近では、Works Human Intelligence 社が提供する国産パッケージCOMPANYの導入支援にも取り組んでおり、ケイパビリティを広げているところです。そのため、グローバル製品ではSAP、国産製品ではCOMPANYという2大プロダクトを軸に、パートナーシップを強化しています。このような人事システムを活用した改革は今後もさらに広がると考えています。
また、人事システムというと給与システムやタレントマネジメントシステムを思い浮かべる方が多いですが、最近では「Employee Experience(従業員体験)」が注目されています。従業員を「社内の顧客」としてとらえ、問い合わせ機能やヘルプデスクなど、利便性や効率性を高める機能の重要性が高まっています。日本でも今後こうした動きが進むと見ています。当社では、ServiceNow社というアライアンスパートナーと連携し、Employee Experienceを実現できる体制を整えています。

[成田]
それぞれ専門性を生かしてクライアントの課題解決に取り組まれているのですね。
実際のプロジェクトでは、4チームが連携して一緒にプロジェクトチームを組むこともあるのでしょうか?

[鵜澤様]
チームの連携については非常に工夫が必要だと感じています。
まず、専門性を確保することが、現在のコンサルティング業界では非常に重要です。クライアントにもコンサル出身者が多く、従来のメソドロジーやロジカルシンキングでは通用しなくなっており、より深い専門性が求められる時代です。そのため、大前提として、私たちは4つの専門チームごとにしっかりとしたコミュニティを作り、スキルやナレッジを伝承し、組織全体のレベルアップを図っています。
しかし、専門性だけにこだわると、ブティックファームと変わりません。私たちは「総合コンサルティングファーム」なので、4つのチームが協力し、最適なチームを組成できることが強みです。そのため、専門性を維持しつつも、積極的に協力しながら提案やデリバリーを行うことを意識しています。実際、パートナーやアソシエイトパートナーの仲が非常に良く、互いに助け合いながら提案やデリバリーを行っています。
また、ジュニア層についてはチーム横断的な勉強会を定期的に実施しており、自分の専門外の分野にも触れ、興味をもった領域に進むことができるような環境を提供しています。中には、新しい分野に興味をもち、チームが変わるケースもあります。このような人材の交流を通じて、専門性を高めるだけでなく、一緒に提案し、協力していく機会を増やしています

[小野]
専門性という意味では、インダストリーの専門性という観点もあるかと思います。

[鵜澤様]
基本的には業界横断的に活動しており、インダストリーごとの担当はありません。
ただし、例外として金融専門のチームを立ち上げ、10名程のメンバーが主に銀行や保険をテーマに取り組んでいます。このチームのパートナーが前職で金融分野の組織・人事コンサルティングに特化していたこと、EYはグローバル全体で金融業界が非常に強い分野であることから、彼を中心とした金融特化型の組織・人事コンサルティングを進めています。APACのリーダーとしても「日本やAPAC全体で金融領域を強化する」というミッションがあり、とりわけ日本とオセアニアは注力市場と見なされています。
こうした挑戦が軌道に乗れば、将来的には「ライフサイエンス×人事」や「消費財×人事」といったように、インダストリーと人事の掛け算によってさらにチームを大きくしていきたいと考えています。

[小野]
「インダストリー×人事」がこれからの組織・人事コンサルティングの鍵になるということですね。

[鵜澤様]
そうですね。私が信頼する業界トップクラスのCHROも「今後はインダストリー×人事の専門性が重要になる」とおっしゃっています。CHROのキャリアパスとして、異業種への転職が増えており、例えば、製造業のCHROがテクノロジー業界や消費財業界に移るケースが多く見られます。しかし、問題解決を行うためには、事業会社側の人事部門もコンサルティングするわれわれも同様に業界や事業の深い理解が今後不可欠になっていくという見立てです。

また、アメリカでは、業界全体ではなく特定の大手クライアント1社に特化したピープル領域のパートナーやコンサルタントが存在します。例えば、消費財業界の1社やライフサイエンス業界の1社に専属で関わるケースです。一見「それだけで成り立つのか」と思われるかもしれませんが、1社で年間3~5億円規模のビジネスが成立するため、専任体制の方が専門性も高く、成果も出しやすいのです。
日本では現時点でそこまでの成熟度には達しておらず、複数案件・複数業種を並行して担当する体制が一般的です。しかし、今後は現在注力している金融業界のように、インダストリー×人事の専門家集団がいくつも形成され、それを統括するような体制が生まれる可能性があります。

次ページ:徹底的な現場主義「背中で見せるパートナー」とは?組織・人事コンサルタントから広がる多様なキャリアパス

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