本コラムでは、デロイトトーマツコンサルティング(DTC)にご関心をお持ちの方に向けて、同社がどのような企業なのか、どのような人材を求めているのかについて解説します。
事業内容、就労環境、必要なスキル、デロイトトーマツコンサルティングへの転職難易度など、同社へのに役立つ知識を網羅的に紹介します。
また、入社後にどのようなキャリアパスを歩むことができるのか、キャリアをサポートするシステムについても見ていきます。
特にコンサル未経験からデロイトトーマツコンサルティングへの転職を検討中の方にとって、同社の概要を理解するのに有益な内容となっています。ぜひ参考にしてください。
デロイトトーマツコンサルティングの概要
まずは、デロイトトーマツコンサルティングがどういった組織なのか解説します。
デロイトトーマツコンサルティングの概要は以下の通りです。
Deloitte(デロイト)のメンバーファーム
デロイトトーマツコンサルティングは、全世界150カ国に31万2千人を超えるエキスパートが活躍する国際的なネットワークDeloitte(デロイト)のメンバーファーム(※)です。
※外資系と分類されることが多いですが、資本関係はありません。
日本ではデロイトトーマツグループに所属し、国内のコンサルティングサービスを担っています。
世界を股にかけて活躍するデロイトグループが有する総合力や国際力を活かし、あらゆる分野において提言から実行まで一気通貫で業務を展開中です。
3,600名を超えるコンサルタントが各国のメンバーファームと連携して、最適なコンサルティングサービスを展開しています。
マトリクス型の組織構成
詳しくは後述しますが、デロイトトーマツコンサルティングは大きく分けてオファリングとインダストリーの2軸からなるマトリクス体制を採用しています。
特定の機能や目的に特化し、課題解決に挑んでいるのがオファリングです。
インダストリーでは、様々な業界・業種の専門知識と豊富な経験を持つエキスパートが在籍しています。
高い専門性と豊富な経験を有する各領域のプロフェッショナルがタッグを組むことで、複雑に絡み合う経営や社会課題をダイナミックに解決しています。
デロイトトーマツコンサルティングの組織構成
デロイトトーマツコンサルティングへの転職を考えるにあたり、まず組織構成を把握する必要があります。
デロイトトーマツコンサルティングの組織を把握するにあたっては、まずはオファリングとインダストリーの2つを抑えるのがポイントになります。
それぞれの領域はユニットに細分化され、採用はこのユニットごとに行われます。ここではさらに詳しく、デロイトトーマツコンサルティングの組織や仕事内容について見ていきましょう。
オファリングとインダストリーの2軸構成
オファリングとインダストリーの2軸構成をとることで、クライアントの悩みに柔軟な対応ができるチーム作りが可能となっています。
オファリング・インダストリー、それぞれの領域の概要をまとめます。
オファリング
まずはオファリングにおける5つの領域を紹介します。2021年7月現在では、下記のディビジョンがオファリング(Offering)として存在しています。
- Strategy,Analytics,M&A
- Customer & Marketing
- Core Business Operations
- Human Capital
- Enterprise Technology & Performance
Strategy,Analytics,M&Aディビジョンは、Monitor Deloitte(戦略部門)やM&Aユニットを含む領域です。経営戦略や事業戦略の策定、M&Aの活用、資本再編等を利用した企業変革を実行フェーズまで一気通貫で担当しています。
2021年6月からはアナリティクス、ロボティクス、コグニティブなどの先進テクノロジーを用いた、データに関するソリューションを提供するAnalytics & Cognitive(A&C)ユニット(元Enterprise Technology & Performanceディビジョン)も参画しています。
Customer & Marketingは、カスタマーマーケティング領域のコンサルティングを行っています。最新のテクノロジーやデータを活用し、顧客とのリレーション構築が進む戦略を立案して、顧客を起点とする企業改革を推進します。
グローバルブランドであるDeloitte Digitalも、日本では基本的にCustomer & Marketing内の所属となります。
Human Capitalは、人事制度や組織変革等、人事・組織領域の拡大を支援するディビジョンです。国際的なネットワークを活かして、クライアントの海外進出を人事面から支え、海外支店も含めたグローバル規模の組織設計などを担当します。
Enterprise Technology & Performance(ET&P)は、DTCのオファリング売り上げの約50%を締める最大の組織で、今後注力すべきテクノロジー・デジタル領域でのE2E(エンドトゥエンド)オファリングを実現しています。
ET&Pの中には、下記のユニットが所属しています。
⇒企業全体のIT機能の効率性と価値向上のための戦略策定と、デジタル変革にむけた支援を提供
⇒SAPを中心としたEnterpriseソリューションの導入並びに運用保守サービスを提供
⇒会計領域に関するEnterpriseソリューションの導入並びに運用保守サービスを提供
⇒ワールドクラスのサプライネットワークを構築するための構想、設計、導入支援、オペレーション変革など、SCMに関するソリューションを提供
⇒テクノロジープラットフォームを用いた変革、Agile開発基盤やクラウド(AzureやAWS)化への最新技術への対応を戦略から実行まで包括的に支援
インダストリー
インダストリーは、業界ごとに専門性を持ったチームです。各領域における専門的な知見と豊富なプロジェクト経験を活用し、クライアントの成長を支援します。
インダストリー領域は大きく6つのディビジョンに分かれ、その下にそれぞれのユニットが存在しています。
⇒自動車、消費財、小売・流通、農林水産業、トラベル・ホスピタリティ&レジャー、航空・運輸、商社などを担当
⇒航空宇宙・防衛、重工・産機、プロセス(素材)、電力・ガス、石油・天然ガス、鉱業、水ビジネス、再生可能エネルギーなどを担当
⇒銀行、証券、リース・クレジット、保険、インベストマネジメント等の金融領域を担当
⇒医療や製薬などのヘルスケア領域を担当
⇒中央省庁・独立行政法人・国立大学法人、地方自治体、学校法人、その他非営利法人などの公的領域を担当
⇒TMTセクター(通信、メディア、エンタメ、ハイテク、総合電機など)を担当
ユニット別の採用を行っている
デロイトトーマツコンサルティングでは、オファリング・インダストリーディビジョンの傘下にあるユニット別に採用を行っています。
例えば、ET&PディビジョンのTechnology Strategy & Transformation(TS&T)ユニットでは、テクノロジー戦略コンサルタントを募集しています。同ポジションはクライアントの要望の実現や経営課題の解決に向けたテクノロジー/組織強化の提案を行っています。
またCustomer & MarketingディビジョンのCustomer & Marketing Technologyユニット(C&MT)では、カスタマーマーケティング&テクノロジーコンサルタントを募集しています。セールスやマーケティング等、顧客と密接にかかわる領域においてシステムの構想・要件定義・導入・運用まで一気通貫で担当することが主な仕事です。
他にも様々なポジションがオープンしています。ご自身の経歴にフィットする求人があるかどうか、知りたい方はぜひお気軽に弊社コンサルタントまでお問い合わせください。
デロイトトーマツコンサルティングの就労環境
デロイトトーマツコンサルティングは、どのような就労環境なのでしょうか。福利厚生や研修、社風について解説します。
多様なメンバーが働きやすい環境
組織風土改革や生産性改革・スマートワークを進めることで、多様なメンバーが働きやすい環境を整えているのが同社です。
子育てを行う社員に対しても、多様な働き方を可能とする「ワーキング・プログラム」があり、育児状況と目標設定の方法に応じた3つのコースが用意されています。
デロイトトーマツコンサルティングの働き方改革の詳細については、下記のコラムで解説を行っていますので、こちらもご参考ください。
【激務?】コンサルでワークライフバランスは取れるか。アクセンチュア,BIG4(デロイト,PwC,EY,KPMG),ベイカレント,アビームの取り組みも解説!
研修制度はOJTとOFF-JT が両輪を担う
デロイトトーマツコンサルティングの研修制度は、実際の仕事を通じて知識を習得するOJTと研修を受けて知識を得るOFF-JTの2つに分けられます。
プロジェクトにアサインされる時点でコンサルタントは役割や目標を提示され、プロジェクト中ないしは終了時も含め、日常的にマネージャーやパートナークラスからレビューを受ける機会があります。
OFF-JTでは体系的なプログラムを通じて、業界の専門知識やコンサルタントとして必要な能力をレベルに応じて身につけることが可能です。OJT とOFF-JT、どちらも活用してスキルの底上げを図っています。
コンサル業務に注力したい人に向いている
デロイトトーマツコンサルティングは他のコンサルファームと比べ、コンサルティング業務自体を重視する特徴があります。
例えば、ITコンサルティングではエンジニアとしてシステムを開発する仕事は少なく、課題分析や戦略の提案といった上流の業務が中心となります。
したがって、テクノロジーバックグラウンドがある方であっても、コンサルティング業務を中心に担当したい方に向いているファームだといえるでしょう。
デロイトトーマツコンサルティングが求めるスキル、経験
デロイトトーマツコンサルティングでは、ユニットごとに様々な職種の採用を行っており、各職種で求められるスキルには様々なものがあります。
ここでは、一般的に多くのユニットで求めらえるスキルについて解説を行います。
ロジカルシンキング、コミュニケーションスキル
コンサルタントとしてあらゆるプロジェクトに対応するための基本的な資質として、ロジカルシンキングとコミュニケーション力(交渉力や調整力含む)が求められています。
こうしたスキルを図るために、ケース面接が課されることが増えています。同社の面接を受けたいと考えている方は、必ず準備の上、臨まれることをお勧めします。
【合格者続出】ケース面接を突破しコンサル転職を実現するための対策方法
事業会社等における経営企画などの経験
コンサルタントとしては、基本的に企画の経験が求められると言って良いでしょう。
その意味では、事業会社での経営企画、事業企画などの経験も有利に働きます。他にもマーケティング企画や事業開発等の経験も有利に働きます。
現職で企画の経験が無い…という方は、まずはこうした企画系の経験を積むことがデロイトトーマツコンサルティングへの転職に近づくと言えます。
テクノロジーに関する経験
デロイトトーマツコンサルティングでは、今後ますます増加するデジタル/テクノロジー関連のビジネスを行うにあたり、IT/ビジネス双方のスキルを持ち合わせたコンサルタントを求めています。
デロイトではそのようなコンサルタントを「Purple People」(※)と定義しています。
※IT知識、アーキテクチャデザイン、データ分析・可視化、ソリューション開発などのTechnicalスキルを赤色に、業界/業務知識、ロジカルシンキング、ドキュメンテーション、プレゼンテーションなどのBusinessスキルを緑色にたとえ、その二つを重ね合わせた“紫色”のスキルを持つ人材のこと。
そのため、テクノロジー関連ユニットでなくとも、一定のIT知識を持った人材が求められているのです。
語学力
デロイトトーマツコンサルティングでは語学力が重視される傾向があり、特に英語をはじめとした高レベルの語学力が求められるユニットが多く存在します。
会話・読解とともにビジネスレベルの英語力があれば、選考において有利に働く可能性は高いです。
英語力に自信がなくても、最低限、英語の文章を読める程度のスキルは備えておくと良いでしょう。
デロイトトーマツコンサルティングへの転職難易度は高い
デロイトトーマツコンサルティングの転職難易度は非常に高いと言えます。
ここまでご説明したように、ビジネススキル及びテクノロジースキルのどちらもが求められることに加え、ユニットによっては高い英語力や深い業務/業界知見が求められます。
選考においては、ケース面接が課されることもありますので、相応の準備が必要となります。
同社への転職について悩まれる方は、ぜひ一度お気軽に弊社コンサルタントまでご相談ください。
デロイトトーマツコンサルティングへの転職を熟知したプロフェッショナルがサポートいたします。
デロイトトーマツコンサルティングで実現可能なキャリアパス
デロイトトーマツコンサルティングでキャリアアップすることで、将来的には社会に大きな影響を与えるレベルの重要なポジションにつくことも可能です。
同社におけるキャリアパスや最終到達地点などを解説します。
パートナー/ディレクターを頂点としたアワーグラス・モデル
デロイトトーマツコンサルティングではコンサルタントの成長モデルとして「アワーグラス・モデル」(外部サイトに飛びます)を導入。
若いうちは「広く浅く」経験を積み、シニアマネージャーに昇進した段階で専門性を身につけていくというキャリア形成が行われています。
パートナー/ディレクタークラスを頂点とした同社の人材成長モデルでは、個人の専門性と知見・人間性を元に、クライアントのCxOに対して本質的なビジネスアドバイザリーを行う人材となることを目的としています。
尚、デロイトトーマツコンサルティングの職階は、下記のようになっています。
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