本コラムでは、KPMGコンサルティングにご関心をお持ちの方に向けて、同社がどのような企業なのか、どのような人材を求めているのかについて解説します。
事業内容、就労環境、必要なスキル、KPMGコンサルティングへの転職難易度など、同社へのに役立つ知識を網羅的に紹介します。
また、入社後にどのようなキャリアパスを歩むことができるのか、キャリアをサポートするシステムについても見ていきます。
特にコンサル未経験からKPMGコンサルティングへの転職を検討中の方にとって、同社の概要を理解するのに有益な内容となっています。ぜひ参考にしてください。
KPMGコンサルティングの概要
ここではまずKPMGコンサルティングの概要を解説します。KPMGコンサルティングはBIG4(デロイトトーマツコンサルティング、PwCコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、そして同社)の中では新しい会社です。
ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジートランスフォーメーション、リスク&コンプライアンスの3つの分野でクライアントを支援しています。
KPMGのメンバーファーム
KPMGグループは、監査・税務・アドバイザリーサービスを提供するプロフェッショナルファームです。グローバルネットワークを活かし、クライアントの価値向上と課題解決を支援しています。
KPMGジャパンは、KPMGインターナショナルの日本におけるメンバーファームの総称で、監査、税務、アドバイザリーの3つの分野にわたる8つのプロフェッショナルファームに、約9,000名の人員(2021年9月時点)を擁しています。
その中でKPMGコンサルティングは、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジートランスフォーメーション、リスク&コンプライアンスの分野でコンサルティングを手掛けています。
代表取締役社長 兼 CEOは宮原 正弘氏、人員は1,165名(2021年7月1日現在)となっており、大阪と名古屋にも拠点を持ちます。
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KPMGコンサルティングの企業概要
攻めと守りの両面を意識して事業を展開
KPMGコンサルティングは、2014年に誕生した比較的新しい会社です。「KPMGビジネスアドバイザリー」と「KPMGマネジメントコンサルティング」の2社が統合する形で、事業をスタートさせました。
KPMGコンサルティングではマネジメントコンサルティング領域を「攻め」、リスクコンサルティングを「守り」に据え、この両輪によって事業を推進しています。
特にリスクコンサルティングについては、前身時代の1998年ごろから他社に先駆けて展開しており、会計不正、法令違反、品質不良、サイバーセキュリティなど、クライアントのニーズに合わせたサービス拡充を行っています。
また、全社戦略領域、業務変革領域、IT/インフラ領域において、「中立性」「リスク観点」「グループ力」「デジタル」の4つの強みを掛け合わせて、クライアントに寄り添って変革を進めている点が特徴です。
3つの領域にまたがる総合コンサルファーム
KPMGコンサルティングは総合コンサルファームであり、事業領域は多岐に及びます。幅広いビジネスフィールドを区分するとすれば、「ビジネストランスフォーメーション」「テクノロジートランスフォーメーション」「リスク&コンプライアンス」の3つです。
ビジネストランスフォーメーションは、主に業務プロセスに関する企業改革を担います。テクノロジートランスフォーメーションでは、テクノロジーをフル活用しITシステムの導入からビジネスモデルの構築まで一貫したサポートを行います。
リスク&コンプライアンスでは、リスクマネジメントや内部監査支援、更には個人情報保護やサイバーセキュリティなど企業が直面する可能性があるあらゆるリスクへの対応策を提案するのが主な仕事です。
KPMGコンサルティングの事業内容
KPMGコンサルティングにおける、3つの事業内容をご紹介します。
「マネジメントコンサルティング」「リスクコンサルティング」「セクター」それぞれの事業内容や特徴を見ていきましょう。
マネジメントコンサルティング(MC)部門
KPMGコンサルティングのマネジメントコンサルティングにおいては、グローバルネットワークと豊富なクロスボーダープロジェクトの経験を活用し、日本企業のグローバル化とその定着を支援しています。
戦略の立案からオペレーションの構築まで、主にビジネストランスフォーメーション(事業変革)の実行を担当し、さまざまな案件に対応するため、コンサルタントとしての高い能力が求められます。
下記のようなテーマで、戦略からITまで、様々な企業変革とプロジェクトの実行をサポートしているのが特徴です。
・パワードエンタープライズ
・フィナンシャルマネジメント
・ストラテジー&オペレーション
・シェアードサービス&アウトソーシング
・ポストディールサポート
・ピープル&チェンジ
・ITアドバイザリー
・データ分析ソリューション
・新型コロナ対応ビジネス変革支援
かつてコンサル業界では、コンサルタントが保有する高度な専門的知識自体をセールスポイントにできていました。しかし、インターネットで誰もが簡単に情報を入手できるようになった上、ビジネスの変化のスピードが著しく速くなった昨今、こういった稼ぎ方が通用しなくなってきています。
このパラダイムシフトは、コンサル業界にとって非常に大きな変化です。逆境を乗り切るにはクライアントに新たな価値提供をもたらす必要があります。
今注目されているのが、企業の変革請負人としての価値です。各企業がそれぞれ異なる目標や風土を持つ中、全ての企業で通用するベストプラクティクスを見出すのは難しくなってきています。
そのため、個々の企業にオーダーメイドで特有の解決策を提示することを、KPMGコンサルティングは重視しています。
リスクコンサルティング(RC)部門
KPMGコンサルティングのリスクコンサルティングでは、リスクマネジメント・コンプライアンス・内部統制・内部監査・情報セキュリティ・人事マネジメント等に関する取組みの支援で得られた実務ノウハウを活用し、各企業に最適なグローバル・グループマネジメントの実現を支援しています。
さまざまな業界に潜むリスク、各国の法や規制の他、成長著しいデジタル分野でのリスクなどにも精通したスペシャリスト集団です。
品質偽装や災害等、企業は様々なリスクを考慮しながら事業を推進していかねばなりません。企業を取り巻く環境がどんどん複雑かつ多様化していく中、今まで見られなかった新たなリスク要因が登場しています。
こうした状況では、リスクマネジメント領域で豊富な知見を持つコンサルタントへのニーズは高まる一方です。KPMGコンサルティングでは様々なリスクを総合的に管理するエンタープライズリスクマネジメントに力を入れています。
企業が直面する全てのリスクへ対応するという姿勢は、多くのクライアントから高い評価を得ています。
特に近年ますますニーズの高まるサイバーセキュリティの領域においては、グローバルでも3500名のプロフェッショナルが在籍しており、世界的に高い評価を得ています。
セクター部門
セクター部門は金融、製造・製品、エネルギー&インフラストラクチャー・パブリック、サービス・テクノロジー情報通信という4つのインダストリーグループと、その傘下にあるサブユニットから成ります。
案件獲得からクライアントとのリレーションシップの構築、デリバリー(サービス実行)部門のクオリティ担保など、プロジェクトのプロデューサー的な役割を担う部門です。
幅広い分野にわたる最新インダストリー情報が蓄積されたグローバルベースのツールを活用し、各々の業界に精通したプロフェッショナルが幅広いニーズに応えています。
尚、セクター部門と密に連携し、戦略と変革を担う部隊として、セクターストラテジー(Sector Strategy)というユニットも存在します。
セクターストラテジーは、事業戦略の策定から最新デジタル技術の活用企画立案、グローバルにおける顧客体験、従業員体験、および経営の中枢に関わる業務の抜本的見直しなど、企業にとってクリティカルな命題の解決を支援するStrategy & Operations(S&O)部門を構成する3部門のうちの1つです。
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KPMGコンサルティングのセクター部門について
KPMGコンサルティングの就労環境
KPMGコンサルティングではユニークな研修制度や福利厚生が用意されています。同社の就労環境を見ていきましょう。
インクルージョン&ダイバーシティ
KPMGコンサルティングではより高品質なサービスの提供を目指すため、インクルージョン&ダイバーシティを合言葉に据え、事業を推進しています。
インクルージョン&ダイバーシティとは、お互いの多様性を認め活かしながら高いパフォーマンスを発揮するという意味です。社員の働きやすい環境の整備だけでなく、持続的な成長にも貢献する経営戦略としての効果も期待されています。
具体的な取り組みは、女性活躍推進法や次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を策定するというものです。
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KPMGコンサルティングのインクルージョン&ダイバーシティについて
子育てに関する福利厚生が充実
KPMGコンサルティングは様々な福利厚生制度が用意されていますが、特に子育てに関する支援体制が優れています。
ベビーシッターの利用料金の補助や子供が病気のため保育園に預けられないときに利用できる病児保育サポート、育休から復帰する際に保育所への入所を支援する保活コンシェルジュといった多様な制度を運用中です。
子育て中の社員にとって働きやすい環境が整備されていると言えるでしょう。
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KPMGコンサルティングのワークライフバランス支援制度
KPMGコンサルティングでは、仕事と育児の両立が可能となる職場環境の実現を目指し、様々な支援制度を整備しています。
・ベビーシッター育児支援補助
就労のために在宅保育サービスを利用する場合に利用料金を補助する制度。
・病児保育サポート制度
普段保育園に通っているお子様が風邪などの病気にかかり(あるいは回復期にあって)集団保育ができない場合に、そのお子様を預け入れる事ができる制度。
・保活コンシェルジュサービス
育児休業明けからのスムーズで早期な職場復帰への支援として、育児休業から職場復帰する際にお子様を保育所へ入れるための活動(以下「保活」)を全面的にサポートする制度。
個々のニーズや状況にあった保育所情報や、保活に向けての動き方などについて、専門スタッフからきめ細かなアドバイスを受けることができます。
・保育園費用補助制度
育児休業中に認可保育園に預けることができず、復職のためにやむを得ず認可外保育園にお子様を預けなければならない方の職場復帰支援として、認可保育園に預けるまでの間の保育料の一部を補助する制度。
充実の海外研修制度
KPMGコンサルティングは150ヵ国以上に存在するメンバーファームや外国に子会社を持つクライアントなどとのネットワークを活かし、海外との人材交流が活発です。海外研修では新たな価値観に触れ、多角的な視点が身につくことでしょう。
ビジネス研修や階層別研修では海外のメンバーファームに派遣され、最新の知見や海外の事例、グローバルレベルの人材交流といった目的を達成できます。
また、参加者が自らプログラムを組み海外研修に臨む、ユニークな短期研修も。こちらは、作成した計画を経営層に対してプレゼンする必要があります。
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KPMGコンサルティングの海外オンサイトトレーニングなどについて
働き方改革制度「LEAP」
コンサルティング業界でも働き方改革が浸透してきましたが、KPMGコンサルティングでは独自の働き方改革制度「LEAP」を導入しています。
LEAPには「飛躍」という意味があり、改革を通して社員1人ひとりが最大のパフォーマンスを発揮し、結果として組織のシナジー創出につながることを目指しています。
具体的には、「社員が健康で長期的に働ける環境作り」「時間当たりの生産性が向上する仕組み作り」「互いに刺激し成長を目指す風土作り」の3つが軸です。
KPMGコンサルティングが求める人物像
転職活動では、企業が求める人物像をしっかりと把握した上で条件を満たすスキルをアピールすることが重要です。
ここではKPMGコンサルティングが求める人物像を紹介します。ぜひ参考にしてください。
自発的に動ける人
KPMGコンサルティングは組織が出来てまだ間もなく、規模も他ファームと比べると小規模であることから、裁量が大きく、やりたいことをやりやすいファームであると言えるでしょう。
その反面、自分自身が会社の風土や制度を作っていくという気概が求められます。
自分や会社、そして顧客にとって必要なことを自ら考え、行動できる人に多くの活躍のチャンスがあると言えます。
ビジネスで通用する英語力
KPMGコンサルティングではグローバルプロジェクトも増えてきており、ビジネスレベルの英語力が場面も多いです。
英語力がマストではないユニットやチームもありますが、少なくとも入社前後にキャッチアップしていく姿勢は必要でしょう。
コンサルタントへの転職に英語は必要?英語力があれば年収も上がる?
ITに強い
KPMGコンサルティングでは、基幹システム導入など、ITを活用したコンサルティングを実施しています。ですから在庫管理システムや給与人事システム等の開発や運用経験があると、選考の場で肯定的な評価を受ける可能性が高いです。
また、直接的な関わりはなくても、IT関連の業務経験があればアピールすることをおすすめします。
KPMGコンサルティングへの転職難易度は高い
KPMGコンサルティングの転職難易度は非常に高いと言えます。
ここまでご説明したように、ビジネスパーソンとしての基礎スキルに加え、プロフェッショナルとしての自発的なマインドセットや、高い英語力・ITの知見が求められます。
同社への転職について悩まれる方は、ぜひ一度お気軽に弊社コンサルタントまでご相談ください。
KPMGコンサルティングへの転職を熟知したプロフェッショナルがサポートいたします。
KPMGコンサルティングで実現可能なキャリアパス
転職先を通して理想の自分になることを目指すために、転職先で実現可能なキャリアパスを知ることは重要です。
ここでは、KPMGコンサルティングにおけるキャリアパスを解説します。
7つのクラスに分類される
KPMGコンサルティングの職位は、下からビジネスアナリスト、コンサルタント、シニアコンサルタント、マネジャー、シニアマネジャー、ディレクター、パートナー/プリンシパルと上がっていきます。
最上級職のパートナーは、ファームの運営や事業拡大の責任を持つ立場です。また、プロジェクトの総括責任者としての役割や事業運営の統括的な立場も担います。
キャリアパスとしては、下記のようになっています。
・ビジネスアナリスト(新卒)
・コンサルタント
・シニアコンサルタント
・マネージャー
・シニアマネージャー
・ディレクター
・パートナー/プリンシパル
以下では、各役職の役割を簡単にご説明します。
ビジネスアナリストは新卒入社の方が対象で、コンサルタントの足腰となる基礎的なスキル・能力を、研修と業務を通じて身につけることが求められます。実際のプロジェクトに配属され、上位職のサポートのもと、主に調査・分析・資料作成などを担当しながら、コンサルタントとしての基礎力を身につけていきます。
コンサルタント/シニアコンサルタントクラスは、特定のテーマや領域を担当し、業務遂行の中心的な役割を担います。クライアント担当者との窓口も担います。コンサルタントとして十分なスキルを身につけ経験を積むと、シニアコンサルタントにステップアップします。
マネージャー・シニアマネージャーは、プロジェクトの現場責任者として、クライアントも含めたプロジェクトチームをリードします。社内のプロジェクトメンバーのマネジメントや、クライアントの経営層との関係構築も担います。パートナーやディレクターとともに、ファーム運営・事業拡大にも携わります。
ディレクターは、プロジェクトの総責任者としての役割を担う一方、部門内の各専門チームのトップとして、チーム全体を統括します。
また、パートナーをサポートし、ファーム運営や事業拡大にも責任を持ちます。
パートナーはファーム運営や事業拡大に責任を持ちます(一般的な企業の「取締役」にあたります)。各部門の責任者として、あるいは部門内の各専門チームの責任者として、事業運営を統括し、プロジェクトの総責任者としての役割を担います。
プリンシパルは、市場における競争優位を決定づける卓越した知見を有し、戦略的重要性の高い案件を創出・遂行するポジションです。会社の中長期的な成長をけん引し、会社のブランド力やプレゼンスを向上させる役割を担います。
各職位の役割はこのような形になっています。中途入社の場合は、スキルや経験に応じた職層にそれぞれ配属され、そこで得たスキルや経験に応じてステップアップしていきます。
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