全員の顔が見える組織と、立ち上げ期の魅力
[松尾]
財務戦略・構造改革SUは2024年4月に設立された新しい組織ですが、どのような魅力がありますか?
[山根様]
大きく2点あります。
1点目は支援体制の充実です。立ち上げに伴い各領域に強みを持った人員を増強したことで、PMIやPMTといったトランスフォーメーション領域での支援が強化されました。これにより、内部に蓄積された知見が非常に豊富になり、組織としての対応力が大きく向上したと感じています。
2点目は、現組織が30名規模と非常にコンパクトであることから、メンバー間のコミュニケーションが格段に円滑になったことです。以前の組織体制では「本テーマの知見者が誰なのか分からない」「そもそも知見が存在するのか」といった情報が不確定な中で運営していました。それに比べると、現在の組織は規模の小ささゆえに効率的であり、非常に機能的な体制へと変化を遂げたと実感しています。
アビームコンサルティング 山根様
[松尾]
提供するサービスにおいて、他社とはどのような点が異なるのでしょうか?
[山根様]
他ファームとの違いは、提供する「サービスライン」の種類ではなく、「どのようにデリバリーするか」にあると思います。アビームの特徴は「伴走支援」にあり、クライアントと深く関わりながら課題解決を進めるスタイルです。例えば、資料の構成や提案内容についても、「こういう切り口で進めるのが良いのでは?」と具体的に提案しながら、一緒に作り上げていきます。一例ですが、DX推進がテーマのプロジェクトにおいて、推進部署に部長・役員との合意取り付けスキルがないとの問題が見つかり、合意取り付けの方法を研修したこともあります。アビームではクライアントに寄り添い、問題解決に向けて七転八倒しながら伴走するなど、「回答ありき」のコンサルティングではなく、クライアントと一緒に試行錯誤しながら、最適な解決策を導き出すスタイルが特徴です。もちろん、明確なソリューションを持ち合わせていますが、それを押し付けるのではなく、現場での課題を共有し、柔軟に対応することで価値を生み出します。このようなやり方が、結果として日系トップ企業との信頼を築き、ビジネスの現場でのリアルな成長につながっています。
また、アビームでは、クライアントから示されたプロジェクトテーマをアビームの組織に応じ縦割りで対応するのではなく、テーマから意見交換させていただき、 “フラットな環境”でクライアントとともに1からテーマを考える実直な進め方をするカルチャーが根付いています。これは、シニアマネージャ・マネージャークラスを中心に専門領域以外にも越境して様々な知見を持っているからということと、“総合力”でクライアントの企業価値向上に貢献するという考えが根付いているということだと理解しています。
このように、確かに外から見ると提供するサービスは同じように思われがちですが、やり方やマインドは全く違い、アビームの場合は現場感覚と伴走の深さが、他ファームとの大きな違いです。結果的に、アビームで数年経験を経ることで、コンサルタントとしての強みの幅と深さが得られ、キャリアの基盤が確立されるのだと思います。
[松尾]
課題としてはどのような点が挙げられますか?
[山根様]
私たちの規模は他ファームに比べるとコンパクトな部分があり、ソリューションの展開が一部では遅れることや、営業リソースの限界により提供できるオポチュニティの幅が狭くなるケースもあります。しかし、これは組織として成長途中にあるからこその課題であり、今後の成長次第で大きな可能性を切り拓いていけると考えています。現在、コンサルティング業界は規模を生かした競争にある中で、私たちがどのような戦略をとっていくかは、これからの成長を左右する重要なポイントです。このような状況において、戦略を磨き、適切に対応することで新しいステージに進むことができると確信しています。また、財務戦略・構造改革SUに関しては、これから知見を蓄積し、発展させていこうという局面にあります。そのため、「道なき道を作る」フェーズにおもしろさを感じる方にとっては、大きなやりがいを感じられる環境だと思います。
[石井]
立ち上げ期だからこそ感じられるおもしろさがありますね。
ちなみに、外資系総合ファームと比較して、アサインの違いは感じられますか?
フォルトナ 石井
[山根様]
アサインという観点では、プロジェクトの幅とそれに応募する人材の幅のバランスが重要だと感じています。前職の外資系コンサルティングファームではアサイン担当者を通じてすべてのアサインが行われ、要望をしっかりと聞いてもらえる体制が整っている点はプラスだと感じていました。一方で社員数が多いため、競争が激しい現実もあります。そのため、自分の希望するプロジェクトに参加するためには、アピールを続けながら人脈を作り、時間をかける必要がありました。
一方でアビームは前職と比較するとプロジェクトの幅は限られる一方、人材の数も限られているため、結果的に希望するプロジェクトに参画しやすいと感じています。また、教育体制や人材評価の仕組みにおいて、比較的自己アピールを強く求められることなく、取り組んでいるプロジェクトで評価される点も特徴的です。そのため、経験が不足していても、一定のチャンスを与えられる可能性があると認識しています。
日本本社のアビームだからこそ。
グローバル人材として活躍できる舞台と成長環境
[石井]
関根様は海外駐在の経験を通じて、日本に本社があることの利点を実感される場面はありましたか?
[関根様]
はい。本社が日本にあるからこそ、海外への支援が非常にやりやすいと感じました。本社を中心に現地の海外拠点が直接連携できる仕組みが整っていることで、意思決定や意思統一がスムーズに行える点は大きな強みです。特に、パートナー企業やファーム全体で活動する場合にありがちな、「どちらが主導権を握るのか」「どちらがリソースを割くのか」といった引っ張り合いが発生しにくい点は、本社と海外拠点が連携している構造ならではの利点だと感じています。また、外資系ファームは海外の知見を持ち込んだ際どうしてもカスタマイズする手間がかかる場合があります。しかし、当社の場合は日本発のコンサルティング会社として、グローバルの先進事例を画一的に導入するのではなく、日本の商習慣や文化、企業理念や事業における強みを尊重したアプローチができる点も強みだと感じています。
一方で、改善の余地もあります。例えば、海外に本社を持つ外資系ファームのように、海外事例を含めた知見やオポチュニティを一括で管理する仕組みと比べると、海外の事例を取り入れて日本向けにカスタマイズする手法には構造的な限界があると感じることがあります。また、海外プロジェクトの知見を日本に持ち込む際、人手や仕組みの不足が影響して難しい部分があることも事実です。このような構造的な制約をどう克服するかが、今後の改善の余地として挙げられます。
[松尾]
グローバルキャリアを目指される方にとって、財務戦略・構造改革SUではどのような経験やスキルを身につけることができるのでしょうか?
[関根様]
海外で活躍するためには、日本で一定の実績を積んで価値を提供できる状態が必要だと思います。英語力だけでは十分ではなく、しっかりとしたスキルや経験が求められると感じています。会社の規模や構造、スピード感を理解し、そのなかで支援できるコンサルティングスキルを身につけることが重要です。財務戦略・構造改革SUでは、会計やファイナンスに加え、変革のスキルを学ぶことができ、これらのスキルは日本だけでなく海外でも活用できると考えています。海外本社のファームよりも駐在のチャンスが豊富だと思いますし、こうした機会を生かして経験を積むことができると考えています。
財務戦略・構造改革SUで磨く、どの時代でも通用する総合力
[石井]
転職希望者の中には、事業会社への転職とコンサル業界への転職のどちらに進もうか悩まれる方も多いです。そうした方々に対して、アビームでのキャリアの魅力について教えていただけますか?
[関根様]
コンサルタントとして本当に求められているのは、専門性を高めるために特定の業界に特化することではなく、課題を解決し、その結果をもたらすことです。この成長性が財務戦略・構造改革SUの強みだと感じています。そして、そのために必要なスキルは、アビームの財務戦略・構造改革SUで培えるということです。
もし今後もコンサルタントとしてキャリアを築いていくと決めているなら、特定の分野でスペシャリストになるだけでなく、どんな時代の変化にも対応できる基礎スキルを身につけることが重要です。例えば、20年前には「DX」という言葉は存在しませんでしたが、現在ではそれが主流となり、価値を提供するためのサービスとなっています。同様に、今後20年で新しい言葉や概念が生まれても、それに対応して価値を提供できるスキルを磨くためには、財務戦略・構造改革SUでの経験が最適だと考えています。
もちろん専門的な分野に特化していくことも、コンサルタントとして素晴らしいキャリアの1つだと思います。アビームではインダストリー領域や、AI、CRMといったソリューションチームで特化していくキャリアの選択肢もあります。一方で、財務戦略・構造改革SUは「構造改革全般」という非常に広範な領域をカバーしています。プレM&A、M&Aのトランザクション、PMIに加え、構造改革全般を含む財務戦略・構造改革SUの業務範囲は、まるで1つの大きなコンサルティングファームのようなスケール感があります。そのため、コンサルタントとして総合力を身につけたいという方には、財務戦略・構造改革SUが非常に適した環境だと思います。
アビームコンサルティング 関根様
[松尾]
時代変化に対応できる基礎スキルこそ、コンサルだけでなく、将来的に事業会社や起業等様々なキャリアを目指している方にとっても必ず身につけたいスキルですよね。総合力を鍛えられる財務戦略・構造改革SUのカバー範囲の広さも非常に魅力的だと感じました。
[松尾]
最後に候補者の方に向けてメッセージをお願いいたします。
[山根様]
最近入られた方で、特に他ファームからのキャリア入社者で伸び悩んでいる人が見受けられます。私はSUの教育担当をしているのですが、原因を分析してみたところ、“ロジカルシンキング”などのコンサルティングスキルとしてくくられる前につまずいている“力”があるのでは、との仮説を持っています。
例えば、ぱっと見は綺麗な見た目の資料である一方、文章に多くの指摘が入りその指摘がどうしても修正しきれない、という方がいらっしゃいます。これは、“ロジカルシンキング”の手前として、日本語の運用の深さが違うことが原因だと感じています。
この対策として、“日本語研修”を24年度試験的に運用し始めました。
このように、大規模なファームだと見逃されてしまう教育も、小さい組織であるからこそきめ細かく実施できる点が、財務戦略・構造改革SUの魅力の一つと感じています。
[関根様]
財務戦略・構造改革SUはまだそれほど大きくない組織ですが、「自分の力を試してみたい」「どんどん成長していきたい」と思う方には、非常にやりがいのある環境だと思います。私たちも一緒に働く仲間とともに成長していけるよう努力しています。また、私たちが大切にしているのは「ほんの少しの背伸び」を積み重ねていくことです。これはユニット長の嶋村がよく話している言葉でもありますが、少しずつ挑戦を重ねることで、自分自身も組織全体も成長できると信じています。「挑戦しながら成長したい」「そんな環境で働きたい」と感じている方に、ぜひ仲間として加わっていただきたいです。