憧れのコンサルティングファームに入社したものの、様々な事情から1年で再び転職を考える方もいるでしょう。
スキルを身につけることを目的として、そもそも1年程度しか働くつもりがなかった方もいるかもしれません。
いずれにせよ、気になるのは次の転職が上手くいくのかどうか、という点でしょう。
事業会社からコンサルに転職してからわずか1年で再転職することは難しいのでしょうか。
結論を述べると、コンサル転職から1年でも再転職は十分可能です。
本コラムでは、事業会社からコンサル転職を実現したものの、1年程度で再度転職を考えているという方に向けて、再転職を成功させるためのポイントや、よくある転職パターンについて解説します。
コンサルからの再転職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
コンサルに転職後1年で辞めても再転職は可能
事業会社からコンサルに転職してからわずか1年で辞めても、その間に得たスキルや経験が評価されれば再転職は可能です。
まずは、コンサルからの再転職がどのようなものなのか紹介します。
ポストコンサルとは
特に転職市場において、コンサルティングファーム出身者のことをポストコンサルと呼びます。
ポストコンサル転職における選択肢は多岐にわたりますが、1年程度で転職を検討されるポストコンサルにとっては、事業会社に戻るか、他のコンサルファームへ移るかがメジャーな選択肢となります。
元々所属していた会社が出戻りに寛容であれば、そこに戻るのは1つの選択肢でしょう。
とはいえ、折角送り出してもらったのに、1年で戻るのはプライドが許さない…という方もいると思います。
そういう方にとっては、他の事業会社か、コンサルファームが選択肢になるでしょう。
コンサルで得たスキルに注目して、積極的に採用を進める事業会社もあります。
また、コンサルファームにおいて最も採用に困っている層はコンサル経験者であるため、1年の経験でもコンサル経験者として積極的に採用しているファームも存在します。
このように、転職候補先は他にも十分存在します。
次の職場では中長期的に活躍できることが大切です。その意味で、自分が培ったスキルを活かせる会社や希望する働き方に合った先を選ぶことが重要であると言えるでしょう。
コンサル経験者が評価されるスキル
ポストコンサルが持つスキルの中で、評価される代表的なものは「問題解決力」です。
コンサル業界で働くと、企業のマネジメント層と接する機会があり、企業が抱える課題を解決してくれる存在として頼りにされます。
次の職場でもその力を存分に発揮することが求められるでしょう。
また、コンサルではプロジェクトメンバーやクライアントを動かすリーダーシップを発揮する機会が多々あります。
1年の経験であっても、このようなスキル・ポテンシャルを持っている人だと評価される可能性は十分あるでしょう。
コンサルの経験次第で転職先も異なる
コンサルには戦略系、総合系、IT系、財務系など様々なファームの種類があり、どこに勤務していたか、どの領域を経験していたかによって、転職先の傾向が異なります。
1年程度の経験であれば、次の職場も現職と同じジャンルのファームの採用可能性が最も高いと言えます。
著名ファームであれば、更に有利
所属している企業のブランドが本人のキャリア満足度と必ずしも一致しているわけではありません。
しかし、特に倍率が高く、入社難易度が高いコンサルファームに所属していた方は、短期的な離職であっても、次の転職でマイナス面をカバーできる可能性があります。
そのようなファームに入社できたということは、転職市場からすればそれだけで優秀な人材と見なされるからです。
短期離職の理由は部門閉鎖や職務のミスマッチなど、その人本人だけに起因する理由とは限りません。
そのため、「まずは面接で見極めてみよう」と判断されるケースがあります。
コンサル入社後1年で辞める理由
では、なぜ入社したコンサルファームをわずか1年で退職し、転職を決意するのでしょうか。
入社後1年での主な転職理由として、以下の要因が挙げられます。
ワークライフバランスを考慮
プロジェクトによって異なりますが、プロジェクト期間が定まっているコンサルの仕事には、厳しい期限がついて回ることが多いです。一定期間内での業務量は多くなり、1日の労働時間が長きに渡ることもあります。
また、クライアントから多額のフィーをもらっている以上、提出する成果物に対しても、高いクオリティが求められます。
その分、プロジェクトを完遂し、クライアントから感謝されたときには満足感や高収入を得られますが、ワークライフバランスを考慮し、より自身や家族との時間を大切にしたいと考える人は別の業界に転職することを選ぶ場合があります。
中には、不本意ながら体調を崩されてしまったという方もいます。
このように、事業会社とコンサルファームの働き方にギャップを感じ、退職される方が多い傾向にあります。
ちなみに、せっかく採用したコンサルタントが早期に離職してはファームにとって損失でしかないため、近年ではコンサルファームもワークライフバランスの改善に力を入れるようになりました。
【激務?】コンサルでワークライフバランスは取れるか。アクセンチュア,BIG4(デロイト,PwC,EY,KPMG),ベイカレント,アビームの取り組みも解説!
そのため、「今のファームは無理だけど、コンサルの仕事は好き」という方は、よりワークライフバランスが取れるコンサルファームに転職されるケースもあります。
ステップアップ目的
コンサル業界において、転職は珍しいことではありません。
将来的に起業することやプロ経営者としてのキャリアを歩むステップとしてコンサルに勤務する道を選ぶ人もいらっしゃいます。
ステップアップ目的でコンサル業界に飛び込んだ方は、もともと腰を据えて働くことを想定していないため、次のステップへの道筋が整えば短期間でも退職・転職することを選びます。
また、コンサル業界内で転職するケースでは、より自分の能力を発揮することや、高待遇条件を目的とすることが多いです。
部門閉鎖やリストラ
日本においてはそれほど多く発生する事例ではありませんが、不景気による部門閉鎖やリストラによって、1年程度での転職を余儀なくされるケースも稀に存在します。
特にリーマンショックやコロナ禍のように、経済界全体が大きな打撃を被るような事態が起きると、採算が取れなくなり、人員削減に走るファームもあります。
日本の場合は諸外国に比べて雇用が守られているので、いきなりリストラというケースは極めて少ないものの、プロジェクトへのアサインがされず、アベイラブルの期間が続くケースがあります。
特にスタッフクラスでは稼働率がメインの評価対象となるため、プロジェクトにアサインされなければ評価は下がる一方。最終的には社内に居づらくなり、転職を行われる方もいます。
場合によってはこのアベイラブルの期間に「転職先を探したほうが良い」と退職勧告を受ける方もいます。
1年でコンサルから転職するためのポイント
事業会社からコンサルに転職して1年。
そこからの再転職を成功させるためには、以下のポイントが大切になってきます。
1年で転職する理由を自己分析
一時的な感情に任せて退職・転職を決意してしまうと、後悔する可能性が高いと言えます。
何より、退職理由を論理的かつ明確に説明できないと、次の転職を成功させることはできません。
そこで、「自分がなぜ今のコンサルファームに入社したのか」「自分がやりたかった仕事はできたのか」「他人にアピールできるような成果を上げたのか」という点を洗いなおす必要があるでしょう。
自己分析をすることで、今のファームでやり残したことがまだあることに気づくかもしれません。
また、自己分析をすることで次にどのような仕事をしたいのか、どんなスキルを発揮できるかも見えてきます。
この際、今のファームに対する不満ではなく、自分が至らなかったところはないか冷静に分析することが大切です。
そして面接では、自らの非を素直に認め、その失敗をどう生かそうと考えているか、をうまく話せれば、多くの場合面接官から理解を得られることでしょう。
1年間で得たスキルをアピールする
自己分析を通じ、1年間でどのようなスキルや専門知識を得たかを整理しましょう。
「大して経験が無いから…」と、応募書類のアップデートに力を入れない方がいますが、これは大きな損失です。
経験の多寡を判断するのは面接官なので、出来る限りの情報を整理して盛り込むようにしましょう。
その上で面接では、得たスキルを存分にアピールしてください。
ポストコンサルに期待される問題解決力を面接でアピールするためには、実際に携わったプロジェクトでどのような役割を担ったのか、そこに貴方が関わったことでどう事態が変わったのか、シンプルかつわかりやすく説明することが効果的です。
1年で転職を決意した理由を前向きに説明
ここまでご説明したように、コンサルに転職後わずか1年でも再転職は可能です。
ただ、志望企業の応募要件を満たさないこともあるでしょう。
コンサルタント経験者としては、採用条件として業務経験が3年程度以上あることを求める企業もあるからです。
仮に応募要件を満たしていても、なぜ1年で転職するのか、ほぼ100%面接で尋ねられると言えるでしょう。
この際、「前職が体力的に辛かった」「上司との反りが合わなかった」などとネガティブな理由を伝えるよりも、ポジティブな理由を説明することが大切です。
もちろん、嘘をついてはいけません。
自らの反省すべきところは素直に適切な表現で伝えながらも、「新たな環境でこのような仕事がしたい」という前向きな理由を説明する必要があるでしょう。
よくある転職パターン3選
事業会社からコンサルに転職後、1年で辞めて再転職する際によくある転職先にはいくつかのパターンが存在します。
次の転職先では、自分自身のスキルや経験がしっかりと活かせる環境を見定める必要があるでしょう。
そのような転職パターンとして、以下の3つをご紹介します。
1.他のコンサルファームへ転職
一般的に、同じ業界内かつ同じ業種での転職が成功確率が高くなります。
コンサルの場合も同様であるため、他のコンサルファームへの転職が可能性として挙げられるでしょう。
あるファームには合わなかったけれど、他のファームではフィットしたがゆえに、長期間活躍されるコンサルタントも存在します。
コンサルタントという仕事を1年経験してみて、楽しかったけれど、他の要因で転職を考えたいという方にはお勧めの選択肢になります。
2.転職前の企業へ出戻り
実は、コンサルに転職する前に勤務していた事業会社に出戻りするパターンもあります。その企業のことをよく知っているため、転職後に後悔することも少ないでしょう。
特に年功序列・終身雇用が根強い企業ではそもそも出戻ることはかなり難しいと言えますが、以前に比べ、出戻りでの転職を受け入れる企業が増えてきました。
ただし、1年間での成果をアピールできなければ、受け入れてもらったとしても待遇が以前より悪くなる可能性があります。
受け入れ側が出戻り人材に寛容であることと、転職後の1年間が有意義であったことを示すことが必要になります。
3.以前受けた企業に再挑戦する
事業会社からコンサルファームへの転職を行った際、他に面接を受けた企業がある方もいらっしゃるでしょう。
未経験からコンサルファームを目指す方は、複数のコンサルファームを受験されるケースが多いと思います。
お見送りになった場合は難しいですが、内定獲得までいっていた企業であれば、再度面接を受けて、もう一度内定を獲得できる可能性もあります。
当時未経験で内定を獲得できていたのであれば、1年間コンサルタントとしての経験が上積み出来ているわけですから、より採用可能性は高いと言えます。
「一度内定を断ったのに…」という気持ちもあるかもしれませんが、当時企業側から熱烈なラブコールを受けていたという場合には、有力な選択肢になる可能性があると言えるでしょう。
ただし、企業側の採用状況も1年経っていれば十分に変わっている可能性がある上、当時の内定辞退の仕方次第では、箸にも棒にも掛からないというケースもありますので、注意が必要です。
本当に転職が最善なのか、吟味が必要
ここまでご説明したように、コンサルに転職後1年で辞めても再転職は可能です。
短い期間であっても、どのようなプロジェクトを担当し、どのようなスキルを得たのか、そしてどのような実績を上げたのかをアピールすることが転職を成功させる鍵となります。
ただし、今の環境で本当にやり残したことはないのか、本当に転職が最善の選択なのか、は吟味する必要があると言えます。
退職をしてしまってからでは元に戻れません。
コンサルファームに勤めてもうすぐ一年になるが、このまま続けようか迷っている、という方はぜひ一度お気軽に弊社コンサルタントまでご相談ください。
「転職しない」という選択肢も含めて、あらゆる可能性を一緒に検討させていただきます。
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