グループ内で積極的なコラボレーション
[中島]
EYSCでは社内や他部門との連携が強みの1つだと伺っています。プロジェクトベースでの具体的なコラボレーションの様子やチーム独自のカルチャーについて教えていただけますか?
[田中様]
直近私が携わったプロジェクトでは、組織人事領域のコンサルティングを担うPeople Consultingチームと連携しました。具体的には、PMIプロジェクトにおける人事制度の設計や従業員の処遇決定の方針策定といった課題の検討をPeople Consultingチームが担い、全体の進捗やプロジェクト管理は私たちPMOチームが担う、という役割分担で進めたプロジェクトでした。
[牛島様]
私も国内外問わずいろいろなチームとコラボレーションしてクライアントを支援する機会が多いです。
検討課題が複雑で専門知識が必要な場合は、会計、税務、法務、人事、IT、戦略コンサルティング等、課題に応じて、EYグループ国内外問わずテーマに応じて専門知識を持つ部隊でチームアップしてクライアントを支援します。
また、M&Aプロセスの一連のライフサイクルにおいて、デューデリジェンスと呼ばれる主に企業の買収や合併において対象企業の財務・会計に関する調査業務やバリュエーション(評価)をEYSCの別チームが支援し、その後、PMIも力を入れて行っていきたいので支援してほしいという要望をいただき、われわれTSEチームが戦略の実行を伴走しながら進めていく形でシームレスな支援を提供するケースも多いです。
このように、取り扱う領域が広いため、さまざまなチームが協力し、テーマに応じて専門チームを呼び込みながら提案・支援を行うことが多いです。
ダイバーシティをさまざまな仕組み、カルチャーで実現
[大野]
TSEで働いている女性コンサルタントの特徴やファームからのサポートについて教えてください。
[牛島様]
サポートについては複数あるため、全てをご紹介させていただきたいのですが、一部だけ(笑)。
私たちTSEはEYSCの中でも戦略コンサルティングを担うEYパルテノンに属しています。戦略領域やトランザクションに携わるFAS領域において、特に日本においては女性のコンサルタントの数は男性と比べて少ないですが、女性の活躍がみられるようになっています。
グローバルでは、TSEチームは女性の割合が高く、APAC地域では女性リーダーやパートナーも多いです。例えば、アジアでは中国やフィリピンなどで女性が過半数以上を占めており 、日本と比較しても女性の活躍が目立ちます。
そうした中で、グローバルなチームとの交流を通じて、キャリアや専門性の磨き方を気軽にシェアし合い、ロールモデルを見つけることができるのは非常に有益です。より広い視野で自分のキャリアを考えることができるようになっています。
日本においてもEYSCのトランザクションに携わる女性の活躍を支援しようとマネジメント主導で動きがあります。ダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス(DE&I)を前提としたEYのダイバーシティ活動の一環として2か月に1回トランザクションに携わるFAS領域の女性メンバー主導のネットワーキングやイベントが2年半以上開催され続けています。パートナーからスタッフ、インターンまで誰でも参加できるものです。こうしたネットワーキングや意見交換の場により、マネジメント側が見えていなかったライフイベントなどの課題に対して、どうアプローチすべきかを話し合っています。時にはサービスラインリーダーや各部門のリーダーも参加し、座談会形式で意見交換することもあります。若手メンバーも手を挙げて意見を交わせているので、風通しの良い環境だと感じています。
[大野]
特にTSEのプロジェクトで女性が活躍している理由にはどのような背景があるのでしょうか?
[牛島様]
TSEのチームとしてダイバーシティが根付いていること、また、プロジェクトの特徴として、支援期間が比較的長く、かつPMOとしてプロジェクトを設計管理する立場で支援するため、ワークライフバランスを保つに当たり、忙しくなるタイミングがある程度予測できる点が挙げられるのではないかなと思います。
また、M&Aとなると会議も非常にシビアな雰囲気になりますし、多様な視点も必要になりますが、そうした際にダイバーシティに富む組織であることが重宝されるのだと思います。
[田中様]
インクルーシブのカルチャーもあると思います。
私は実は、TSEの女性メンバーと一緒に働いた経験がほとんどなく、男性が多い環境下で経験を積んできました。その中で感じたのは、男女平等にチャンスが与えられる環境だということです。
「田中さん、女性だからこうだよね」というような扱いを受けたことは一度もありません。
性別や年齢、バックグラウンドに関係なく、平等に仕事のチャンスや評価を受けられる環境なので、分け隔てなく働ける職場だと思います。
[大野]
性別で判断されない環境は魅力的ですね。
ご家庭との両立についてもお伺いできますか?
[牛島様]
子どもを育てながら働くという状況ですが、基本的にリモートで仕事をしているので家事と育児が両立しやすい環境でキャリアを積み上げている実感があります。子どもが家に帰ったら「お母さんがいる」という状態を作ることができ、子どもや親の世代も安心感を抱いてくれていると思います。実際、コロナ禍の影響でリモートワークが進み、グローバル案件はリモートでも問題なく回ることが証明された数年でした。コロナ禍が収束し、クライアント先へ出向くことも増えてきましたが、業務が忙しい時や、子どもが病気で看病が必要だけれども、プロジェクト上お休みを取りづらい状況の場合は、ベビーシッターや、保育園や学童の延長保育を活用することもあります。ベビーシッターや延長保育に対し会社補助もあり(しかも、お夕食代まで!)、利用のハードルは低くなりました。専門性を持ちながら、リモートを基本としてさまざまなサポートを受けながら高いレベルのプロフェッショナルな仕事ができるのは育児と両立していきたい女性キャリア形成において大きなメリットだと思います。
[田中様]
同じく、私もリモートワークに非常に助けられています。私の場合は家にいることで家事を柔軟にこなせる点がとてもありがたいです。例えば、夫が「今日は食事の準備ができない」という時に「じゃあ私がやるね」といった形で、お互いに交代しながら家事を分担できています。最初は義理の両親に「コンサルタントとしてバリバリ働いているけれど、家事はちゃんとできるのかな?」と思われるのではないかと不安もありました。
しかし実際は逆で、「かっこいいね」とむしろ応援してもらっています(笑)。そうした家族の存在が、もっと頑張ろうと思わせてくれる原動です。
[大野]
すてきですね。事業会社でご活躍されている女性の方もチャレンジしやすそうですね。
[牛島様]
ハード面(制度)とソフト面(制度を利用できる文化があるか)がそろわないとライフワークバランスを保つことは難しいかと思いますが、会社として、ライフサポート休暇制度や前述したベビーシッター補助などさまざまな支援を用意してくれており、コンサル業界の中では両立支援策を積極的に整えてくれていると感じます。また、TSEチームはコンサル業界の中ではソフト面が強みと感じます。上位者の立場の方々を見ても、ご自身のセルフケア、送迎や通院介助など介護や子育ての対応、育休取得など、性別、職階問わずライフワークバランスを保っている方が多いように思います。他のメンバー も自然と「それが当たり前」という雰囲気で働ける環境が整っており、チームメンバーで助け合う文化が築かれていると思います。
[大野]
家庭を優先するカルチャーができているのですね。
[牛島様]
そうですね。このカルチャーはたまたまではなく、TSEのマネジメントが作り上げてきてくれたからと言えます。例えば、「出社したほうがチームの士気が高まる」として出社を推奨する方法もありますが、TSEではそのような出社義務を課すことはなく、研修やチームの主要な会議など要所でタッチポイントを設け、エンゲージメントを高める環境を整えてくれていて、チームの士気が下がるどころか、むしろ高いレベルを保っていると感じています。こうした柔軟な文化を維持してくれるマネジメントに対して、メンバーからは大きなリスペクトが寄せられています。
[大野]
リモートワークの中で、日々のコミュニケーションは実際にはどのように取られているかもお聞かせいただけますか?
[牛島様]
対面のミーティングは要所で設定することで、クライアントやメンバーと信頼関係の土台を築き、リモートワークでのコミュニケーションがスムーズになる面もあります。また、リモートワーク環境だと希薄になりがちな部分を補うため、EYには「カウンセリングファミリー」という仕組みがあります。これは、自分が携わるプロジェクトの上司以外に、自分のキャリア形成、アサインメント、評価を相談できるカウンセラーが付く制度です。
さらに、ファミリーはツリー構造になっており、プロジェクト以外の同じ部署のメンバーとファミリーとなり、定期的に食事会などを開催しています。そこでの活動を支えるために食事代が支給される仕組みもあります。プロジェクト外で定期的に集まり、カジュアルな場でチームやカウンセラーとコミュニケーションを深めることにより、プロジェクト内の枠を超えたつながりが生まれ、チームの連携を強化するための仕組みとして機能しています。
面接ではコミュニケーションとチームワークもポイントに
[大野]
それでは、ここからTSEを目指す人へのメッセージとしてお伺いさせてください。
まず、どのような人物がTSEにマッチすると思われますか?
[田中様]
TSEの仕事は、社内外問わず多くの人と関わるので、コミュニケーション能力が必須です。具体的には、相手の話をきちんと理解し、自分の考えを明確に伝え、周りの意見を調整し、まとめていくことが重要になります。かつ、それらを楽しめることが必要かなと思います。
[牛島様]
TSEはM&Aに関連するチームで、M&Aのプロジェクトマネジメントを専門とするため、利害関係者が非常に多く関わる点が特徴です。TSEでは企業の意思決定を行うCxO層から、PMIの実行を担う担当者の方々、専門家の方々など、多様なバックグラウンドを持つ方と関わり、課題解決、推進を求められます。こうした環境で幅広い関係者とのコミュニケーションを楽しみながら、時には発生するトラブルや課題にも前向きに取り組める人にとって、大きなやりがいを感じられる仕事だと思います。
さらに、この業務ではそれぞれが持つ専門性を生かせる場面が多くあります。例えば、ファイナンスや人事、会計、税務、IT といった分野が専門の方々は、プロジェクトに加わった際に自分の強みを発揮しやすく、クライアントからも高い信頼を得やすい傾向があります。こうした背景から、何か1つとがったスキルを持ちながら、より広い視点や多様な経験を得たいと考えている方には、非常に面白いチームではないかと思います。
[大野]
コミュニケーション能力が生かせるチームなのですね。実際に今TSEでご活躍されている方々の人柄について、どのような印象をお持ちでしょうか?
[田中様]
人に好かれる人が多い印象があります。話が上手な方が多く、普段の雑談や会議前のちょっとした会話も楽しいです。どんな人とも気さくに会話を楽しめる人が多いように感じます。
[牛島様]
親しみやすい人柄や、誰とでも気さくに接するコミュニケーション力が影響してか、「またクライアントからご連絡をいただけた」といったことにつながることも多いようです。クライアントが転職された後でも再びお会いする機会があるなど、キャリアを通じてご縁が続いている印象を受けます。上司を見ていると、人との縁をとても大切にしていますし、結果的に好循環となっているように感じます。
[大野]
ありがとうございます。面接では他に、どのようなことをポイントとして見ていますか?
[牛島様]
チームワークが取れる方かどうかは重要視する部分です。どのランクの方を評価するかにもよりますが、自分の仕事はしっかりこなせても、チームワークが苦手と感じるような方よりも、コミュニケーションを通じてチームでプロジェクトを進められる方を求めています。
また、私たちの業務に対する知識や経験も必要になってきます。実際にプロジェクトに急に加わることもあるため、基本的な感覚や理解がないと、「何をすればいいのか分からない」という状態になりかねません。そのため、この点もしっかり見ています。
[中島]
やはり面接でも「チームワーク・コミュニケーション」がカギとなってくるのですね。そうしたことが得意な方々がメンバーに多いからこそ、TSE独自のカルチャーにもつながってくるのでしょうか?
[牛島様]
一緒に仕事をしている上司や先輩方を見ていると、これまでさまざまなファームで経験を重ねてきた方々が、自分たちが理想とするカルチャーを体現しているように感じます。組織の立ち上げを進める時期を経験されたからこそ、「このカルチャーなら人が働きやすい」と気付き、現在のカルチャーを作ろうとしている姿が印象的です。
[田中様]
私は他のファームでの経験はないものの、コンサル出身の上司に「どのファームが一番働きやすいですか?」と尋ねると、「EYが一番働きやすい」との回答が返ってきます。やはり「良い人が多い」という点が大きな理由のようです。働いていて「楽しい」と感じる部分が、まさにその「人の良さ」にあるのだと実感しています。
[大野]
TSEのカルチャーが「人の良さ」や「働きやすさ」を中心に築かれていることが伝わってきました。本日は有意義な時間をありがとうございました!
編集後記
今回、TSEにインタビューをお願いしたのは、説明会や在籍コンサルタントの方々との会話を通じ、「明るくて楽しそうだな」という印象を感じ、どのようにそうしたカルチャーを実現しているのかに興味を覚えたからでした。
インタビューを通じそれは決して偶然によるものではなく、「人柄、コミュニケーション力まで重視してコンサルタントを厳選採用し、採用したコンサルタントが楽しく成長できる環境づくりに真剣に取り組んでいるから」と感じましたが、皆さま、どうお考えでしょうか?
TSEを検討される方の参考になりましたら幸いです。