EYSC × フォルトナ スペシャルインタビュー

公開日:2025年08月08日

最終更新日:2025年08月08日


EYでは、「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」をグローバル共通のパーパス(存在意義)として掲げています。パーパスを原動力とするビジネスは、優れた人材を引きつけ、定着させ、イノベーションを起こしディスラプションに対処することにたけていると考えています。

なかでも、驚異の成長力で日本のコンサルティング業界に確固たる地位を築いたEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下、EYSC)。2020年のコンサルティング・ストラテジー&トランザクション部門の組織再編により立ち上がった同社が次に狙うのは「圧倒的な強み」を備えて突出する、比類なき唯一無二のファームです。そのために必要とする人材と、EYのグローバルにおける新しい戦略について、EY Asia East / Japan ストラテジー・リーダー 兼 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社代表取締役社長の近藤 聡様が語ります。

インタビュアーはフォルトナ中島と小野が務めます。

近藤 聡様 プロフィール
EY Asia East / Japan ストラテジー・リーダー、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 代表取締役社長。
2019年初めよりEY JapanにてJapan Regional Leadership Teamの一員として、EY Japanの成長戦略の立案から実行までを統括する。
以前は、大手総合コンサルティングファームにて、自動車・ハイテク業界を中心に、企業戦略、オペレーション改革、海外展開戦略の策定・実行支援など、クロスボーダーを含むプロジェクトを数多く手掛ける。2011年より、同ファーム日本代表を務めるとともに、APACリーダーおよびグローバル・オペレーション・リーダーなどを歴任。

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「圧倒的な強み」を目指し、成長ファームの第2ステージへ

[中島]
本日はよろしくお願いいたします。
貴社はここ数年、目覚ましい勢いで成長を遂げてこられました。これからの戦略をどのように描いておられますか?

[近藤様]
今は少し落ち着いてきましたが、お陰様で2019年から2024年の6年間で、売上は3.3倍に増加し、順調に業績を伸ばし続けることができました。今後はこのまま全方位に対してがむしゃらに突き進むというよりも、われわれの圧倒的な強さといえる部分をどこに定めるのか、少し歩みを緩めて冷静に見極めようという段階に入っています。

そもそもEYは世界のBIG4と呼ばれるプロフェッショナルファームの一角にあり、アシュアランス(監査・保証)、税務、コンサルティング、ストラテジー&トランザクション(M&Aなど)の4つのサービスラインをどれも堅固に備えています。ただ、日本では2010年代まで監査業務の比率が高く、現在当社がカバーしているコンサルティングや戦略の領域については他の大手ファームに大きく水をあけられた状態でした。その挽回を期して「セクターフォーカス」とわれわれが呼ぶ、業界向けコンサルティングサービスの強化策を中心に拡大成長路線をひた走ってきたというのが、ここ数年の経緯です。

(2025年6月現在)
参照:https://www.eysc.jp/recruit/about_eysc/company/

[中島]
近藤さんが社長に就いてから推し進めてきた成長計画=「プロジェクト・ドラゴン」の成果ですね。

[近藤様]
もともと有能な人材がそろっていて、やり方次第では「登り竜」のように力を伸ばせるはずだと考えていました。それに、当初はマーケットシェアで5%あるかないかといった程度の存在でしたから、どこの分野もホワイトスペースだらけで、ある意味で底上げすることに大きな障壁はなかったのだと思います。

それが今、概ね2桁台のシェアを手に入れ、日本でのプレゼンスが名実ともに固まってきたといえる状況です。「次に何を目標に据えるのか?」「まだ先を走る大手ファームの背中を捉え、追いつけ追い越せの戦いを続けることが望ましいといえるのか?」われわれはそうは考えておりません。

なぜなら、他社の真似をしている限り、やがてもう1つの似たような大手ファームが出来上がるにすぎないからです。ここ何年かのコンサルティング業界に見られるテクノロジー重視路線に倣って大規模システム案件だけに注力すれば、確かに業績を押し上げるでしょう。しかし、われわれは必要以上に深追いすることはせず、むしろ経営課題中心のビジネスコンサルティングにこだわってきました。

[小野]
では、これから重点的に取り組まれる領域として具体的なものはありますか?

[近藤様]
正直なところ、それは未知数です。どの領域のパートナーも、自分たちこそが業界ナンバー1であろうと日々しのぎを削っているのは確かです。実際、相応の実績を築き、高く評価していただけるようにもなりました。
それでもまだ、「○○に強いEYSC」と誰もが文句なしに認める段階には至っていない。そんな圧倒的に突出した分野が現れたとき、そこに引っ張られるようにして他の領域までも一挙に最上の高みへと登りつめていく。私自身の経験上、おそらくそうなるのだろうと思います。今はまだその入口にすぎません。

グローバルに闘える人材に道を開く、EY新戦略が始動

[中島]
EYのグローバルとしては昨年、重点分野を含む新しい成長戦略を発表されましたね。

[近藤様]
2024年7月にグローバルのCEOが代わり、新しい経営体制が始まったのを機に「All in(オールイン)」と呼ばれる戦略が打ち出されました。監査品質の向上をはじめ、社会課題と結びつくサステナビリティ経営や、マネージドサービスの強化、テクノロジーも駆使した企業変革の促進。こういった方面に戦略的に投資を行い、外部の多様なステークホルダーとの連携をこれまで以上に強めながら、企業や社会が直面する課題への対応を加速させていくという方針です。

EYはもともと世界的にも全方位型の成長を追求する傾向が強く、特定分野に集中的に投資をする感覚に欠ける部分がありました。しかし、2024年の会計年度ですべてのサービスラインが顕著な成長を示したことを受け、その原動力の1つとなったAIエコシステムの構築などをさらに強化していきたい思惑もあり、このような重点戦略が出されたのでしょう。
特に監査や税務、法務といった分野では、AIプラットフォームを活用した業務効率化や高度化の促進が成長力に直結します。労働力不足が進む中でも同じ規模感で業務をこなし、成長を続けるためには当然の選択ともいえます。

参照:https://www.ey.com/ja_jp/newsroom/2024/10/ey-japan-news-release-2024-10-28

[小野]
その投資の余力を生み出すための組織改革にも着手されましたのでしょうか?

[近藤様]
はい。EYのグローバルネットワークは、Americas(北・中・南⽶)、Asia-Pacific(アジア太平洋)、EMEIA(欧州・中東・インド・アフリカ)の3つのエリアで成り立っていて、われわれが属するAsia-Pacificはさらに6つのリージョン(Japan、Greater China、Oceania、FSO APAC、ASEAN、Korea)に分かれます。EYグローバル は、2025年7月から、このエリアを廃止し、投資余力を生み出すことを行い ました。EY JapanはもともとAsia-Pacificで最大のリージョンであり、かつ目覚ましい勢いで成長していますので、これを機に、ASEAN、KoreaとともにAsia Eastという「スーパーリージョン」として独立させることになりました。
つまり、今後さらなる成長が期待できるASEAN市場の拡大に向け、韓国とも協力しながら日本がリーダーシップを発揮して、これまでの急成長で得られた知見とノウハウ、人材などのリソースを最大限に生かす体制を整えた、ということです。したがって、当社を含むEY Japanの裁量権は拡大し、欧米のメンバーファームとの連携や、グローバル市場への関与もこれからますます進んでいくことになるわけです。

[中島]
そうなりますと、グローバルで活躍する人材もこれまで以上に必要になると?

[近藤様]
そう考えています。EY Japanは日本の成長、日系企業の海外における成長を中心に考えていた世界観から脱却し、Asia Eastの成長に責任を追うべき存在へと変わらなければなりません。海外に送り出す人材だけでなく、海外から日本に来るタレントが増え、クライアントの成長戦略や案件をめぐってグローバルのメンバーと直接コラボレーションする機会もさらに多くなるでしょう。

国内の重要案件も山積みですから、バイリンガルでなければ通用しないことにはなりませんが、グローバル志向の強い人たちの活躍の場が広がるチャンスであることは確かです。

「より良い社会」のために本気で今を生きる人物を

[小野]
大学生の就職先人気ランキングでも上位に入る ファームになりました。どのような人物であれば親和性が高いと思いますか?

[近藤様]
スキルセットとしては、他社ファームが求める人材と大きな差はないと思います。ただ、マインドについては異なります。最も基本的なことは、EYのパーパス(存在意義)に共感できるかどうか。「Building a better working world 〜より良い社会の構築を目指して」。グローバル共通のこのパーパスはEYに関わるすべての人、事業、活動の拠り所として深く浸透していて、何かを判断するときに必ず立ち返るEYの原点ともいうべきものです。

例えば、コンサルティングの使命は顧客の課題解決にありますが、その顧客の先には業界の課題があり、さらに先には社会の課題があります。社会を良くする視点なくして個社の幸せはない、とわれわれは考えます。すると、どんなに優秀でも1人の力だけで社会を変えることはできないので、誰かとの協力が不可欠になる。EY内は当然として、社外の専門家や行政、学術機関、ときにはライバルとも手を結ぶ座組もあり得るし、顧客1社のためだけでなく業界全体を巻き込んだり、異業種との連携を模索したりすることもある。これらEYが基本とする仕事の仕方はすべて、パーパスの理念から来るものです。

「EYはコラボレーションが得意なファームです」とわれわれはよく言うのですが、それを目標にしているから言うのではなく、事実として現にそうなのです。パーパスを基軸に社内が一体化しているからこそ、所属や領域の壁を越えた連携が可能になる。逆にいえば、チームワークやコミュニケーションを意識されない方は、入社いただいてもギャップがあるかもしれませんね。

[中島]
EYの企業カルチャーや価値観を示すものとして、コラボレーション以外にはどんなことが挙げられますか?

[近藤様]
EYではDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス)と呼んでいるのですが、多様性や公正さ、すべての人々を等しく受け入れる土壌といったものが競争力の源泉である、という考え方が根づいています。これも単なるお題目ではなくて、本当にそうなのですよね。私自身、他社からここに移ってきたときに驚いたくらいです。EYのDNAと言ってもよいと思います。ですから、これについても意識にズレがあると、かえって辛い思いをしてしまうかもしれません。

最近ではこういったカルチャーをさらに進化させようということで、心理的安全性のさらなる確保やウェルビーイングの実現にも目を向けつつ、「相互の信頼感」を重視する方針を立てています。信頼感が根っこにあるからこそ、対立する意見も正面から言うことができる、いわゆる「健全な衝突」の推奨などもその一環です。

[小野]
コンサルティング業界の次代を担う若い世代に向けて、メッセージをお願いします。

[近藤様]
社会課題の解決やサステナビリティの実現。われわれはパーパスに基づき、そうしたアジェンダを掲げたサービスを追求しています。地方創生や経済安全保障、ルール形成などの取り組みもその1つです。しかし、将来の社会を良くすることだけを声高に叫んでも、現実の今を変えることをしなければ画に描いた餅にすぎません。今の日本や世界は、果たしてこのままで生き残ることができるのでしょうか。サステナビリティというのは、生き残った先にあるものではないでしょうか。

ならば、生き残るために何をするか、われわれはもっと本気で考えなければならないはずです。いえ、私のような老兵が考えることではないのかもしれません。次代を生きる人たち自身にこそ、真剣に考えてほしい。そうでなければ、日本が壊れてしまうと、私は真面目に心配しています。どうか能書きではなく、パーパスに込められた本当の意味のより良い社会のために、あなたの迫力を見せていただきたい。それが私の願いです。

[中島]
最後に現在コンサルティング業界で活躍されている世代(ファーム経験者)に向けて、メッセージをお願いします。

[近藤様]
近年一定の成長は行ってきましたが、まだまだリーダーシップを発揮いただきたいポジションがあります。
国内はもちろんのこと、グローバルにおいても「EY Japan」の価値を高め、真のグローバルファームとなるための重要なフェーズにあると位置付けています。
前述の通り、パーパスへの共感や個人ではなく、業界ひいては国の発展に貢献したいという強く熱い想いのあるプロフェッショナルの方々と一緒に発展させていきたいと本心で思っています。
今回のメッセージに共感、ないしはご自身のプロフェッショナルリズムが体現できると感じていただけた場合には、ぜひ一度各リーダー陣より直接会話させていただければ幸いです。もちろん私もいつでも可能です。

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