電通コンサルティング ×フォルトナ スペシャルインタビュー

公開日:22024.02.29 最終更新日:2024.11.25

株式会社電通コンサルティング(以下、電通コンサルティング)は、顧客視点(デザイン思考)と問題解決力(ロジカル思考)の両利き思考による、グロース特化型の革新的なコンサルティングファームです。企業にとっての「真のグロース」を支援するパートナーとして、電通グループ各社との連携により、探索・構想・計画・実行まで一気通貫で支援を行い、「成長支援」×「事業・機能」領域に特化したコンサルティングを提供しています。

今回は、専務執行役員シニアパートナーの杉本将隆様、シニアコンサルタントの福留美織様、小池礼大様にご登場いただき、電通コンサルティングのプロジェクト内容、組織の特徴、求める人物像などについてお話を伺いました。

インタビュアーはフォルトナ門田が務めます。

杉本 将隆様 プロフィール
専務執行役員シニアパートナー。
社内起業家×新規事業コンサル×アントレ教育家の3つの顔をもつ。大手鉄道会社に10年勤務し、複数の新規事業を創出。その後、グローバルコンサルティングファーム複数社に計10年所属し、顧客戦略/新規事業/地方創生チームや地区事務所立上の統括責任者。2019年に電通コンサルティングに参画。九州大学客員教授/亜細亜大学ビジネススクール講師。

福留 美織様 プロフィール
シニアコンサルタント。
大学卒業後、アパレル会社に就職。販売現場のアナログ業務を改善したいと考えたことをきっかけとして、外資系総合コンサルティングファームに参画。6年ほどキャリアを積んだのち、ハワイにて小売業のECサイトの立ち上げと運用支援を担当。電通コンサルティングに入社後は、地域共創プラットフォーム事業構想プロジェクトを担当。

小池 礼大様 プロフィール
シニアコンサルタント。
九州大学大学院修了(経営学修士/MBA)。海外現地法人設立から事業開発までを経験後、日系総合コンサルティングファームを経て電通コンサルティングに参画。事業構想や事業戦略策定プロジェクトに従事しており、特に技術や製品の市場参入戦略を得意とする。現在、全国各地で地域共創プラットフォームの構築を支援しており、地域課題の解決と地域事業者の収益拡大を両立させる戦略策定に取り組んでいる。

入社の理由は、唯一無二のグロース特化型ファーム

[門田]
これまでのキャリアを教えていただけますか?

[杉本様]
新卒で大手鉄道会社に就職して、新規事業とマーケティング基盤の作成を担当しました。新規事業の内容はBtoCが中心で、交通・流通・不動産・メディア・旅行・レジャーなどで、最終的には交通系ICカード事業の立ち上げを担いました。

その後、グローバルコンサルティングファームに転職し、主にコンシューマービジネスとTMT(テクノロジー、エンタテイメント&メディア、情報通信)領域にて、BtoCの新規事業及びCRM戦略チームをリードしました。その後は別のグローバルコンサルティングファームに移り、地方創生チームと地区事務所の立ち上げの責任者を務めました。電通コンサルティングには2019年9月に参画しています。この他に九州大学の客員教授、亜細亜大学ビジネススクール講師も務めています。

鉄道で10年、グローバルコンサルティングファームで10年、常に組織の変曲点で新しい事業・組織の立ち上げを内部から担当してきました。社内起業家、事業創造コンサルタント、アントレ教育家という3つの顔をもつのが私のキャリアの特徴です。

[福留様]
大学卒業後、アパレル会社に就職し、百貨店の店員として1年半ほど勤務していましたが、販売現場のアナログ業務を改善したいと考えるようになりました。転職活動をするなかでコンサルティングファームの存在を知り、外資系総合コンサルティングファームに転職しました。
当初はITコンサルタントとしてSAP導入プロジェクトからスタートし、システム導入におけるナレッジを蓄積していきました。そして、入社当初の思いを叶えるべくデジタルコンサルティング部門に異動し、小売業や化粧品業界のクライアントに対してDX、CXでの課題解決を推進しました。
その後ハワイにて小売業のECサイトの立ち上げと運用支援を行ったのち、電通コンサルティングに入社しています。

[小池様]
学生時代に海外で現地法人を設立し、産学連携によるオフショア開発やIoTを用いた農業/建設業の改革に取り組みました。その後、大手日系総合コンサルティングファームを経て、電通コンサルティングに入社しました。
前職から一貫して、事業構想や事業戦略の策定を担当しています。新規事業のアイデア創出から事業構想/計画への落とし込みといった0⇒1の支援に加え、既存事業/サービスの市場参入戦略の策定などの1⇒100の支援に取り組んでいます。

[門田]
お3方ともコンサルティングファーム出身者ということで、さまざまな選択肢があったと思います。そのなかで電通コンサルティングを選んだ決め手について教えていただけますか?

[小池様]
決め手の1つは、電通コンサルティングが事業成長に特化したコンサルティングファームであることです。元々私は、戦略領域のプロフェッショナルになることを志していましたが、大手ファームの場合、戦略だけでなく業務やITなどの幅広い領域を支援することが多く、特定の領域にのみ携わることが難しいため、電通コンサルティング以外の選択肢はありませんでした。
もう1つの決め手は、経営陣の八木と杉本への憧れです。入社前から講演会や大学講義などで2人の存在を知っており、こうした経営陣と共に働くことは成長機会になるだろうと考え、参画しました。

[福留様]
私も「他の大手ファームに入っても同じような仕事をするのではないか?」「せっかく転職するならこれまでとは違うことをやりたい」と思いながら転職活動をするなかで、電通コンサルティングの存在を知りました。特におもしろそうだと感じたのは「右脳と左脳の融合」です。前職でもデザインファームのような右脳集団と一緒に仕事をしていましたが、お互い違う観点から物事を見る性質のため、共にコンサルティングのプロジェクトを推進することに難しさを感じていました。。しかし、右脳と左脳の人たちが同じチームで仕事をするならば、今までできなかった新しいことができるのではないかと思い、電通コンサルティングを選びました。

[杉本様]
電通コンサルティングは元々電通の子会社で、戦略案件に特化したファームでした。しかし、電通グループが2020年にホールディングス化するにあたり「本業を凌駕するコンサルティング事業が求められるのでないか?」「グロースに特化した総合コンサルティングファームに進化させるチャンスがあるのではないか?」と考えて参画しました。私は社内起業家として10年仕事をしたのちに、事業創造領域に強いコンサルティングチームを率いたキャリアがあります。そのハイブリッドキャリアをベースとして、電通グループの中で新たな挑戦を実現したいと考えたことが、入社の理由です。

電通グループのコンサル事業の中核を担う“右脳×左脳×異能”集団

[門田]
2020年の電通グループホールディングス化に伴い、電通グループのコンサルティングビジネスの中核として電通コンサルティングも生まれ変わりました。新生電通コンサルティングの特徴を教えていただけますか?

[杉本様]
1つ目の特徴は、グロース特化型総合ファームということです。
支援領域としては、戦略策定前の課題探索から実行まで、一気通貫で行っています。コンサル業界では、計画立案が終わったら「後はお客さま次第です」と言って、実行まで伴走しないケースはよくあります。一方われわれは、広告代理店として実行側のビジネスを担ってきた背景があるため、例えば新規事業のパーパスの共通言語化・見える化など、国内最大級のクリエイティブ力を活かした実行過程のビジュアライズまでできることが強みです。
事業ドメインとしては、成長支援×事業・機能領域=グロース領域に特化しています。グロース領域とは、社会課題や成長戦略、新規事業やマーケティングなどのテーマが該当します。
大手総合コンサルティングファームは、経営管理やリスクマネジメントといった全社・経営×改善支援や、SCMやオペレーション改革といった事業・機能×改善支援に強みがありますが、組織の規模・経営的な観点から成長支援×事業・機能領域のプロジェクト比率は低い状態です。
また、戦略コンサルティングファームは、全社戦略やM&Aといった成長支援×全社・経営を強みとしてきたなかで、事業・機能にまで拡大しようとしているのが昨今のトレンドです。しかし、実行まで踏み込むと、結果責任が問われるため、そう簡単な話ではありません。われわれグループには元来実行フェーズのケイパビリティとナレッジがあるため、伴走支援のカバー範囲と深さが違うというのが、成長支援×事業・機能領域でユニークポジションを築けている理由だと思います。

2つ目の特徴は、右脳×左脳×異能のプロフェッショナル集団ということです。
現在のコンサル業界のビジネスは、与件課題をスピーディに解き、計画へと落とし込み、大規模なシステム開発に結びつけ、多くの専門人材を派遣することで稼ぐモデルが主流になっています。一方で、オープンネットワーク型社会に移行し、業界の垣根が崩れた世の中に求められているのは、今までの業界起点のビジネスではなく、生活者起点で産業構造そのものを破壊的創造する取り組み、斬新な事業価値を作る取り組みです。そのためには、今まで気づかなかった潜在課題を探索すること、つまりあえて仮説の幅を広げたり、壊したりすることが必要です。
弊社は電通出身者とコンサル出身者のツートップ体制で、メンバーもクリエイティブに強い右脳とロジックに強い左脳を併せもつ多くの人材が在籍しています。これまでコンサル業界に根付かなかった右脳的要素と、これまで電通グループに乏しかった左脳的要素を掛け合わせ、さらには外部専門家も組み合わせた異能チームによって、従来仮説の枠を超えて、新たな事業価値や新たな運営組織を創造することを強みとしています。

3つ目の特徴は、電通グループが強化するコンサル領域の旗手であることです。
電通グループは中期ビジョンとして「Integrated Growth Partner(IGP)への革新」を掲げ、BX(Business Transformation:事業全体の変革)への投資を強化しています。そのなかで、われわれは電通グループのBXの先導役であり、コンサル業界との結節点という役目を担っています。
ちなみに、コンサルティングではなくBXと呼称する理由は、コンサルティング=アドバイザリーに留まらず、電通グループとして戦略立案からサービスの開発・実装まで伴走するという意味が込められています。

[門田]
探索から戦略の再構築を担い、電通グループの実行力を生かしつつ、新たな電通ビジネスを創出するというのは、貴社ならではの魅力だなと常々感じています。
具体的なプロジェクトテーマをご紹介いただけますか?

[杉本様]
社会から企業、人に至る各レイヤーに対してユニークなグロースアプローチを提供しています。

例えば、社会変革領域では「社会全体のカーボンニュートラル実現に寄与するビジネスモデル策定」、都市変革領域では「地域生活者IDを起点とした地域共創プラットフォーム事業構想策定」、企業変革領域では「未来創造デザインアプローチによる中期経営計画策定」、事業領域では「右脳×左脳で実現する長期ビジョンと新事業構想プログラム”Hybrid Future Design”」、組織/従業員変革領域では「“見える”統合マーケティング組織の立ち上げ伴走支援」などがあります。

取り組み方としても「アセットを組み合わせてこうすべき」という提案だけではなく、「会社を立ち上げてパーパス、事業プランをともに実現させましょう」という提案をします。ビジネスの実装と収益化に重きを置いており、一般的なコンサルティングファームとはアプローチも異なるため、差別化ができています。

[小池様]
私は「地域生活者IDを起点とした地域共創プラットフォーム事業構想策定」に携わりました。具体的には、銀行やメディア、インフラなどの地域を牽引する事業者や行政と一緒にプラットフォームを構築し、地域の生活者に対して総合的なサービスを提供することで、事業者にとっての収益性を拡大するだけでなく、地域での課題解決に取り組むプロジェクトです。

地域課題は複雑かつ根深いものであるため、解決は簡単ではありませんが、紐解けば各事業者や個人が抱えるニーズ・課題の集合体であり、まずは目の前の事業者や生活者に真摯に向き合うことが重要だと考えています。このため、事業構想を描く過程で何度も現地に足を運び、地域特性や課題の根源を捉えられるよう努めてきました。

「地域で暮らす人々の生活を豊かにする」「地域経済を活性化させる」という大きなテーマに向き合い、結果として自分たちの生み出したサービスが地域を豊かにすることに貢献できているという実感が得られるのは、電通コンサルティングで働く醍醐味の1つだと感じます。

[福留様]
私もこのプロジェクトに携わるなかで、さまざまな企業のトップの方々と、一緒に課題に取り組みました。前職では1企業の1部門の業務を改善するプロジェクトが中心だったため、スケールの大きさがまったく異なります。地場で活躍している企業のトップの方々と「地域を良くしたい」という同じ思いをもって共創することは、とても有意義な経験でした。

[門田]
実際に働いてみて感じた、電通コンサルティングの強みや特徴を教えていただけますか?

[小池様]
現場レベルで感じる最も大きな強みには、事業開発のアプローチ方法が挙げられます。一般的なコンサルティングファームは、ベストプラクティスを参考にしながら論理的に組み立てて成功要因を導き出すというアプローチが多いと感じます。

一方、電通コンサルティングでは、「探索」を重視しており、現状の延長線上にはない、生活者インサイトや未来の社会トレンドなどを踏まえた発想をした上で、論理的な戦略策定に取り組むことで、「ユニークで確からしい解」を導出します。その他、電通コンサルティングならではの多様なバックグラウンドによる右脳・左脳・異能人材によるチーミングや、電通グループとしてのアセットや知見、ネットワークを活用も大きな武器だと捉えています。

[杉本様]
従来コンサルティングファームが得意としてきたことは、「人口がこう推移しているから」「世界の食糧問題はこうなるから」「欧米や中国ではこうした先進事例があるから」といったファクトとデータドリブンによって未来予測をすることです。

それに対して、われわれは「人間の欲望がどう変わっていくか」「生活者起点のトレンドがどう動いているか」「人間の暮らしはどう変わるか」「街の横顔がどう変わっていくのか」など、より生活者に寄り添ったアプローチをとっています。発想を変えて発散させ、確からしいものへ収束させる「ダブルダイヤモンド手法」と呼ばれるフレームワークを使い、新しいサービスや事業を見いだす試みを行っています。戦略策定の前に右脳を使っているところが大きな特徴です。

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