「誰でもできる仕事はしない」裁量をもち、強みに集中できる組織文化
[小坂]
大森様は、「ワークライフバランス」を1つの軸に転職をされたとのことですが、実際に貴社での働き方はどのように感じられますか?
[大森様]
私自身は非常にフィットしていると感じます。というのも、前職は外資系コンサルティングファームだったため、成果主義・結果主義が徹底されていて、「成果を出していれば何も言われない」「自分の裁量で自由に働ける」といった文化がありました。私はこの点に魅力を感じていたのですが、現職はそのスタイルを、さらに拡大・深化させたようなカルチャーをもっています。ある意味「究極」に突き詰めた会社だと感じています。
例えば、会社の組織についても「誰でもできる仕事はやらない」という考え方が徹底されています。つまり、自分にしかできないことに集中することができる環境です。定型的な資料作成やメール対応などは最小限に抑え、自分の強みを生かすことに注力できる。その点については、代表の荒木も非常に理解があり、こうした事に魅力を感じる方にはフィットすると思います。
[小坂]
ご入社からまだ数ヶ月とのことですが、すでに裁量をもって自由度高く働かれている段階なのでしょうか?
[大森様]
現在の会社では、比較的自由度の高い働き方をさせていただいています。ただし、誤解のないように申し上げると、入社直後から何の実績もないまま「自由にやらせてほしい」と求めたわけではありません。実際、昨年11月の入社以降、今年の3月までは妻が育児休業を取得していたこともあり、家庭の負担をある程度任せることができたため、この期間を「やり時」と位置づけて、仕事を優先して取り組むことができました。この初期フェーズで集中的に取り組めたこともあり、比較的早い段階で一定の成果を出すことができたと感じています。その背景には、「自分にしかできない領域」を社内に築くことができたという点が大きかったと思います。
私自身、エンジニア出身ではないため、システムの接続部分やインフラといった技術的な詳細には深い知見があるわけではありません。しかし、PoC(新しいアイデアや技術、システムなどの実現可能性を検証するために、試作や簡易的な実装を行い、その効果や可行性を確認するプロセス)を構築するフェーズについては、入社から3月までの間に対応できるようになり、最低限の技術的信頼は得られたと考えています。
加えて、自分ならではの強みとして生かせたのが、前職で深く関わっていた「製造業」の知見です。現在の会社には製造業に精通したメンバーが少なかったため、同業界のクライアント案件は基本的に私が担当するようになりました。その結果、ミーティングの設定や稼働時間の調整などにおいても、自身の裁量で柔軟に動けるようになっています。
なお、4月以降は家庭とのバランスを見直したいという希望を、入社時点であらかじめ会社にお伝えしていました。そのため、現在は子どもの急な体調不良にも、私自身が柔軟に対応できるようになっています。結果的に、自らの専門領域を早期に確立できたことが、現在の自由度の高い働き方につながっているのだと感じています。
[小坂]
働き方の柔軟さと高い裁量、成果主義が融合したカルチャーにも、貴社ならではの魅力を感じます。
そのうえで、特にMBAホルダーやコンサルティングファーム出身の方にとって、参画することで得られる価値や、入社して「良かった」と感じられた点があれば、改めてお聞かせいただけますか?
[大森様]
戦略コンサルタントとしての道を歩みたい方にとって、GenerativeXは非常にカルチャーフィットする環境だと感じています。私自身、事業会社での経験もあるため、日系企業とコンサルティングファーム、それぞれの良い点・課題感をある程度肌感覚で理解しています。そうしたなかで感じるのは、当社には「アウトプットに対して価値を提供する」というカルチャーがしっかり根づいている点です。これは単に言葉だけではなく、実際の組織文化として定着していると感じています。
また、当社のフィーは外資系コンサルティングファームと比較してリーズナブルです。そのうえ、スピーディーにPoCを行い高い価値を提供できるため、クライアントから信頼してもらえる土壌が作れ、関係性を深めることができています。クライアントが支払う金額に対する期待値とのギャップを生かして、それ以上の成果を出すことで、信頼やポジションを築きやすいという実感があります特にPoCフェーズでは、価格に対しての成果が評価されやすいため、クライアントとの関係性を深めるうえでも優位に働くと感じています。
型にはまらないキャッチアップで、生成AIの最前線に挑む
[小坂]
高いレベルのスキルや経験が求められるなかで、実際にご入社された方がその水準にキャッチアップしていくためには、どのようなサポートや環境が用意されているのでしょうか?
[大森様]
基本的なスタンスとしては、「まずは自分で何とかする」という姿勢が大前提になります。ただし、「そのためのサポートは惜しまない」、それがこの会社の文化だと思います。大企業のように入社後トレーニングプログラムが用意されていて、順を追って講師が教えてくれるといった、あらかじめ整備された育成フローがあるわけではありません。代わりに、自分が何に困っているのか、何が分からないのかをきちんと自覚し、それをしっかりと周囲に伝えれば、必ず誰かが反応してくれる。そういった、自主性と支援が共存するカルチャーが根づいていると感じています。
[小坂]
新しく参画された方がキャッチアップしながらプロジェクトに入っていくなかで、実際にはどのようなフェーズから関わるケースが多いのでしょうか?
[大森様]
「入社時期」と「動いているプロジェクトの内容」によって、新入社員が関わるタイミングやフェーズは大きく異なります。当社はまだスタートアップフェーズにあり、いわゆる決まったトレーニングプログラムをしっかり提供するような体制は整っていません。むしろ、現場に入って実務を通じて学ぶことが基本であり、そのうえで、個人の志向や成長の方向性に合わせてプロジェクトにアサインしています。
実際の例として、現在私のもとに非常に優秀なアナリストが1名います。彼は元マッキンゼー出身で、1年ほどアナリストとしての経験がありながらも、BtoC領域に強い関心をもっており、開発分野については大学院時代に少し触れた程度で、改めて学び直したいという意欲がありました。そうした背景を踏まえ、彼には3つのプロジェクトをアサインしています。
まず1つ目は、ちょうど4月に立ち上げた新規案件です。これは最初から関われるタイミングだったため、0からクライアントと関係構築をし、企画からデリバリーまで一貫して担当してもらっています。これは、当社における「カウンセリングとはどういうものか」を実践を通じて学んでもらうことも目的としています。新規案件は自分のやり方で進めやすく、裁量をもって動けるため、学びの多い機会になっています。私も必要に応じてミーティングに同席し、フォローに入っています。
2つ目は、1年以上続いているBtoBの既存プロジェクトです。こちらでは、私の担当している業務の一部を切り出し、彼に任せています。プロジェクトの全体像を理解しながら、実務を通じて経験を積んでもらう狙いです。特にこの案件は、当社のなかでも最先端の取り組みが行われており、難易度も高い分、非常に刺激的なユースケースだと思います。
そして3つ目は、彼が特に関心をもっているBtoC領域のリサーチ案件です。これは彼の志向に合わせて、「まずはこのテーマからやってみてはどうか」と任せたもので、自ら仮説を立ててリサーチを進める実践の場になっています。
このように、特定の決まった育成プログラムがあるわけではなく、本人の志向やスキル、描いている成長曲線を踏まえて、その都度最適な機会をアサインしているのが、当社のスタンスです。
[小坂]
こうしたこうしたアサインのされかたは、個人の成長にどのような影響を与えているとお考えでしょうか?
[大森様]
1つ目は、テクノロジーのキャッチアップが圧倒的に速く進む環境であることです。まさに今、生成AIを中心とした業界は指数関数的なスピードで成長しています。そうした最前線のなかで、「実際に現場では何が行われているのか」を自分自身の体験として語れるスキルは、確実に身につけられると感じています。私自身、前職では製造業の領域に携わっていました。そこでのバリューの出し方は、例えばクライアントの話を整理して構造化し、優先順位をつけ、提案内容をパワーポイントに落とし込むといった、いわゆる「整理型の価値提供」でした。ただ、クライアントであるOEMの方々よりも製品や業界知識に詳しくなることは相当な時間がかかるため現実的ではなく、専門性で勝つことは非常に難しいと感じていました。
一方で、生成AIの領域は、まだマーケット自体が発展途上であり、明確な「正解」や「専門家」が確立されていないフェーズです。そのため、自分のナレッジや経験値をもとに、新しい価値を生み出していく余地が大いにあります。自らの体験や思考を武器に戦いたいという方にとっては、非常にフィットする環境ですし、そのようなスキルを実践的に磨くには最適な場所だと思います。
加えて、もう1つ大きなポイントは、「実行」までやり切れることです。これはコンサルティング業界全体でよく言われることですが、戦略を描いたあとに実行フェーズには関与しないというケースも少なくありません。もちろん、最近では全社変革や実行支援まで行うコンサルティングファームも増えてきていますが、それでも「最後までやり切る」体制を本当の意味で担える環境は限られていると感じています。その点、私たちはクライアントと並走し、戦略立案からPoC、そして実行までを一気通貫で担っているという実感があります。
トップレベルの環境で、“いま”しか得られない生成AI×コンサルを武器に
[小坂]
生成AIの進化が加速するなかで、今後どのような人材がより一層重要になってくるとお考えですか?
[大森様]
昨年11月に入社して以降、市場の変化を強く感じています。私が入った当初は、まだ「PoC」、つまり「できることそのもの」に価値があるというフェーズで、クライアントからの問い合わせも、「こういうことが生成AIで実現できそうだけど、どう思いますか?」という形のものが多く、私たちもそれに応えるかたちで、PoCを受託開発して納品するというスタイルが中心でした。しかし、現在は状況が大きく変わってきています。クライアント側のリテラシーも確実に上がっており、「何ができるか」はもう分かっているのです。むしろ、それをどう横展開するか、どう質を高めるかといったフェーズに課題が移ってきていると感じます。そのような背景もあり、組織のなかでも求められる人材像が変わってきています。以前は「コンサル5:開発5」くらいのイメージでしたが、今は「コンサル8:開発2」になりつつあります。開発自体は、ある程度コモディティ化してきており、生成AIの進化によって「実装できること」そのものの価値は相対的に下がっています。
そのため今後必要になるのは、クライアントとの対話を通じて本質的な課題を引き出し、要件定義から戦略設計、さらには実装とその先の展開までを一気通貫でリードできる人材です。単に現場の担当者レベルではなく、本部長やCxOクラスとも対等に対話しながらプロジェクトを進められるような存在が、次のステップに進むために不可欠です。正直なところ、今の組織にはそのような人材はまだ十分に揃っておらず、これから強化していくべきポイントだと感じています。
[小坂]
スタートアップ段階ということもあり、入社後は臨機応変にキャッチアップしながら、個人の特性や志向に合わせたプロジェクトアサインがされているとのことでした。
そうした柔軟な環境だからこそ、今のフェーズで特にご一緒したいと感じる人物像について、改めてお聞かせいただけますか?
[大森様]
1つ目は、クライアントワークが好きな方にぜひご入社いただきたいと考えています。現在、単に開発をしていればいいという時代ではなくなり、コンサルティング力がこれまで以上に求められるようになっています。そうしたなかで、クライアントと直接対話し、課題を深く理解し、それを解決していくプロセスにやりがいを感じる方には、非常にマッチする環境だと思います。
2つ目は、生成AIなどの最新技術が純粋に好きな方です。この領域は日進月歩で進化しており、「今日できなかったことが明日には可能になる」というスピード感で技術が発展しています。そうした変化を楽しみながら、最先端のテクノロジーに触れ、それを実際にクライアントに価値として届ける、この一連の流れにワクワクできる方には、特にフィットする環境だと思います。コンサルティングファームでありながら、技術の現場にしっかり触れられる点は、他ではなかなか得がたい魅力だと感じています。
3つ目は、クライアントファーストのマインドセットをもっている方です。クライアントにインパクトを出すためであれば、手間や労力を惜しまない。そうした姿勢が根づいている方は、当社で高いパフォーマンスを発揮しやすいと感じています。やらない理由を並べることは簡単ですが、それでも「やり切る」という覚悟をもてるかどうかが重要です。そうした前向きでやり抜く力をもった方と、ぜひ一緒に働きたいと考えています。
こうした素養をもち合わせたうえで、謙虚に学び続ける姿勢と、より高い価値を提供したいというハングリーさを兼ね備えた方と、ぜひ一緒に働きたいと考えています。現状に満足することなく、成長に貪欲であり続ける方こそが、当社の環境で最も力を発揮できるのではないかと感じています。
[小坂]
最後に、候補者のみなさまに向けてメッセージをお願いいたします。
[荒木様]
生成AIの進化スピードは想像を遥かに超えており、3ヶ月前の常識が今日の非常識になる時代です。
この激流のなかで、私たちが目指しているのは「戦略と実行のハイブリッド」を本気で体現することです。従来のコンサルティングとシステム開発が分断された体制では、真の変革は実現できません。だからこそ、戦略立案から実装・運用までを一気通貫で担える組織をつくりたいという強い思いで、この会社を立ち上げました。
私たちの強みは、非常に優秀な人材が最先端のAIを徹底的に使いこなしていることです。そして何より、それを「やりきる力」があることです。構想を描くだけでなく、実際に形にして、クライアントに価値を届ける。それこそが、他社との決定的な違いだと考えています。
日本企業はIT基盤が脆弱だと言われがちですが、私はむしろ「持たざる強み」を生かせると確信しています。現場改善への強い意識と生成AIの柔軟性は非常に親和性が高く、日本からグローバルに挑戦できる絶好の機会が到来しています。だからこそ、私たちは国内にとどまらず、北米にも積極的に展開して行きます。
今求めているのは、変化の激しい環境に身を置き、AIの波に乗る意欲をもった人材です。 一方で技術はあくまで手段であり、クライアントに本当の価値を提供することが全てです。AIがどれだけ進化しても、クライアントと対面で向き合い、本質的な課題を聞き出し、信頼関係を築くことは人間だからできることです。そのために必要であれば、何度でも足を運び、粘り強く提案を重ねる。
その姿勢を貫ける方と、ぜひ一緒に働きたいと考えています。
生成AI革命の最前線で、生成AIを武器に、日本企業の変革を一緒に実現しましょう。
[大森様]
今、コンサルティングファームの環境は大きく変わってきていると感じています。例えば、私がマッキンゼーに入社した頃と比べて、現在はコンサルタントの人数が約3倍になっています。これはマッキンゼーに限らず、どのファームでも組織規模が大きくなってきており、狭苦しさを感じられている方も増えてきていると思います。加えて、市場環境も徐々に厳しさを増しており、「自分のやりたいこと」だけでなく、「いかに会社に貢献できるか」といった点で売上などの商業的な成果も強く求められるようになっていると感じます。こうした状況に、もどかしさを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そのようななかでも、「コンサルティングという軸は大事にしたい」「自分の提供価値をより明確にしながら働きたい」と考えている方には、新たな選択肢として私たちのような環境がフィットするかもしれません。
前職時代、私が教わったことの1つに、「コンサルタントとしての価値の出し方には4つの軸がある」という話があります。
1つ目は、業界やテーマに対する深い知識によって価値を出すナレッジ軸。
2つ目は、調達・製造・マーケティングなどの機能別の専門性で勝負するファンクション軸。
3つ目は、自分自身が必ずしも専門家でなくても、その領域で信頼できる人材や情報にアクセスできるネットワークを生かして貢献するネットワーク軸。
4つ目は、知識や経験が十分でなくても、圧倒的な時間投下や実行力によって価値を出す、いわゆるタイムの軸。
この4つのうち、今の環境では、4つ目の「時間」に頼っている人が増えているのではないかと感じています。
そうしたなかで、私たちは生成AIの領域において、日本で最も深い知見をもっていると自負しています。この分野はまさに今、新しい「専門性」を築けるフェーズにあり、そこに身を置くことで、「知識」や「ナレッジ」という武器を得ながら、コンサルティングワークに挑戦できる環境が整っています。「自分なりの専門性をもって、コンサルタントとして戦っていきたい」そう考えている方は、ぜひこの機会にチャレンジしていただきたいと思います。
編集後記
[小坂]
福利厚生としてパーソナルトレーナーの方が来られると耳にしましたが、大森様はご利用されていますか?
[大森様]
以前使用していたオフィスが今はトレーニングルームになっていて、週に2回トレーナーの方が来てくれます。私は毎回参加しています。「すごくハードなトレーニング?」と想像される方もいるかもしれませんが、実際にはピラティスのようなメニューやストレッチが中心で、体に無理のない内容です。やっぱりデスクワークが多いと、首や肩、腰に負担がかかるので、こうしたケアはとてもありがたいですね。私は基本的に「使えるリソースは全部使いたい」というスタンスで働いているので、どんなに忙しくてもこの時間はしっかり確保して、毎回参加するようにしています(笑)。