必ず知っておきたい!コンサルファームの組織の特徴

公開日:22020.09.01 最終更新日:2024.11.25

事業会社には「営業部」や「人事部」といった部門が存在し、それぞれの機能別に組織体制が敷かれていることが多いですが、コンサルティングファームの場合はどうでしょうか?

事業会社からコンサルファームへの転職をお考えの方にとって、コンサルファームの組織構成は謎に包まれているように感じるかもしれません。

実はコンサルティングファームも明確な組織体制がありますが、それは通常の事業会社とは異なる性格のものとなります。

コンサルティングファームの場合は、
「コンサルティング部門」「サポート部門」の二つに分かれていることが多いです。

また、所謂「戦略系」や「総合系」では、同じ「コンサルティングファーム」という業態であっても、組織体制において異なる点があります。
中でもコンサルティング部門は、多くの場合、戦略系であれば「プール型」の組織体制総合系であれば「マトリクス型」の組織体制となっています。

本ページでは、

  • コンサルティング部門の特徴(主に戦略系と総合系の違い)
  • プロジェクトの組成/アサインの特徴
  • サポート部門の特徴

などについて解説をしていきます。

コンサルティングファームの組織構成、そして戦略系と総合系コンサルファームの組織構成の違いなどについて理解を深めて頂けるようになっています。

コンサルティング部門の特徴【戦略系コンサルファーム】

【概略】

企業戦略の専門家集団
戦略系コンサルティングファームは、トップマネジメントレベルの問題解決を生業としています。
「戦略」から「戦略+実行支援+成果報酬型」へ
元々扱っているテーマは、全社戦略・事業戦略、マーケティング戦略、新規事業立案、M&A戦略など。
近年では、実行支援を標榜し、オペレーション・ITの変革まで踏み込んで支援するケースも増えてきています。
それだけでなく、成果報酬型のコンサルティング(コンサルティングにより営業利益が0.1%良化すれば、そこから●●%のインセンティブがもらえる仕組み)も増えてきており、従来の戦略コンサルとは様相が大きく変わりつつあります。

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【組織構成】

戦略系コンサルティングファームのコンサルティング部門では、部門内に明確なユニットや棲み分けが存在しないプール型の組織であることがほとんどです。

特に若手のメンバーは幅広い業界のプロジェクトに参画し、経営陣に対して戦略立案の支援を行います。

自動車業界のプロジェクトにアサインされたと思ったら、次はエネルギー業界のプロジェクトにアサインされた、ということもしばしばです。

それによって、あらゆる業界・テーマの案件に対応できる戦略立案の専門家が育っていくことになります。

近年では、時代の要請により、マッキンゼー・デジタルのように、「デジタル」や「イノベーション」に関連する専門組織を新設する動きがあります。

また、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)では、下記のようなデジタル組織を設立しています。

  • Digital BCG⇒ IT/デジタル領域のエキスパート集団
  • BCG GAMMA⇒ Digital BCG内の組織で、ソフトウエアとデータに関わるソリューション構築を担うチーム
  • BCG PLATINION⇒ Digital BCG内の組織で、ITインプリメンテーション&リスクマネジメントを担うIT専門コンサルタント集団
  • BCG TA(テクノロジー・アドバンテッジ)⇒ BCG本体の中に存在する、IT/デジタルに関する経営課題を解消する戦略コンサル集団
  • BCGデジタルベンチャーズ⇒ テクノロジーを活用したアイデアから新規事業を構築するイノベーター集団
  • BCGヘンダーソン研究所⇒ 未来のビジネス&社会を形作るアイデアの開発を行うラボ

※組織名をクリックすると、各組織のHP(外部リンク)へと飛びます。

【代表的な会社】

戦略系コンサルティングファームには、外資系企業が多いことも特徴的です。
世界各国に拠点を有する場合が多く、多国籍企業や大手企業を主なクライアントとしています。

※組織名をクリックすると、各組織のHP(外部リンク)へと飛びます。

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コンサルティング部門の特徴【総合系コンサルファーム】

【概略】

企業の課題を総合的に解決
総合系コンサルティングファームは、戦略・IT戦略立案、業務改善、システム構築や運用・保守、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)など一気通貫でクライアントの支援を行い、経営課題の解決を手掛けています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を梃に急成長中
ITを基軸としたソリューションの提案も多いことから、企業のデジタル化対応のニーズ増大により、急速に成長・拡大を遂げている企業が多いです。

【組織構成】

業界別、機能別のマトリクス上に部門が設けられることが一般的で、

  • 「業界別」を「インダストリー」
  • 「機能別」を「ソリューション」、「コンピテンシー」、「ケイパビリティ」

など、各社異なる呼称をしています。

業界別

例えば、自動車、消費財、医薬・医療機器、通信・メディアなど

機能別

例えば、戦略、企業・事業再生、M&A、財務、組織人事、マーケティング、サプライチェーンなど

機能別部門の呼称例

EYストラテジー・アンド・コンサルティング → コンピテンシー
デロイトトーマツコンサルティング → オファリング
PwCコンサルティング → サービスライン

各コンサルタントはいずれかの部門に所属し、その中で専門性を磨いていくことになります。例えば、

  • 保険業界をカバーする部門であれば保険会社の抱える経営課題全般の解決
  • M&Aに関わる部門であればM&A戦略立案や交渉支援・経営統合支援など
  • 人事組織に関わる部門であれば人事制度構築や組織変革・タレントマネジメントなど
  • IT関連であればIT戦略立案・システム構築支援・PMO支援など

のように、専門領域に関連するプロジェクトに参画します。

【代表的な企業】

下記は代表的な総合系コンサルティングファームです。
世界各国に拠点を有するファームのメンバーシップファームが多く、主なクライアントは多国籍企業や大手企業です。

※組織名をクリックすると、各組織のHP(外部リンク)へと飛びます。

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【総合系の一般的なキャリアパス】

例えば、

  1. プール組織(2年)→ SCMソリューション部門(3年)→ 製造インダストリー部門
  2. プール組織(2年)→ IT戦略ソリューション部門

のように、新卒や第二新卒は、プール組織(専門性を定めず、あらゆるプロジェクトアサインの可能性がある)に所属するケースが目立ちます。

多くのスキルを磨き、職位が上がっていくにつれて自身の専門性を確立していくパターンが主流です。

  1. のように、ソリューション部門から、インダストリー部門へ異動を経て、特定業界の幅広いソリューションに対応出来るように幅を広げていくパターン。
  2. のように、ソリューション部門に留まり続け、プロフェッショナルとして、あらゆる業界に専門性を発揮するパターン。

上記を代表例に、様々なキャリア展開のパターンが存在します。

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プロジェクトの組成/アサインの特徴

【特徴①】プロジェクトごとに上司が変わる

コンサルティングファームではその都度プロジェクトチームが編成され、プロジェクトが終了すればチームは解散。それぞれがまた別のプロジェクトに召集されチームを形成します。
したがって、コンサルティングファームでは、プロジェクト毎に上司が変わることすらあり、明確なライン(部長→課長→主任→スタッフ)で上司が固定されている一般企業と組織構成が大きく異なります。

【特徴②】様々な職位のメンバーが携わる

ケースバイケースですが、例えば5名程度のプロジェクトであれば下記のような構成が一般的です。

  • そのクライアントにおけるすべてのプロジェクトに責任を持つパートナークラス
  • その下に個別のプロジェクトの運営に責任を持つマネージャー~ディレクタークラス
  • プロジェクト運営責任者の指示のもとで割り振られたタスクを実行するアナリスト~シニアコンサルタントクラスが2~3名程度

※システム構築に関わるコンサルティングの場合は、数十名単位の大型プロジェクトとなるケースもあります。
その意味では、戦略系よりも総合系コンサルティングファームの方がITの絡むプロジェクトが多いため、プロジェクト期間も長く、メンバーの人数も比較的多い傾向があります。

サポート部門の特徴

コンサルティングファームのサポート部門は、

  • リサーチャー
  • ナレッジマネジメント
  • 人事
  • 経理

などから構成されることが多いです。
コンサルタントやコンサルファーム全体をサポートするための様々な役割があります。

中には事業会社のように、「経理部」「人事部」など細かく組織を分けている場合もあれば、プロジェクト案件を取ってくる専任の「営業部隊」を設置しているケースもあります。

サポート部門の強さや充実度が、コンサル部門のサービスの質/スピードや、現場コンサルタントの働きやすさに直結する為、近年、各社はサポート部門の強化に力を入れています。

例えば、マッキンゼーでは、インドなどのオフショアにパワーポイント資料を作成する部隊が存在。

ホワイトボードである程度形にしたものや、紙に書いたもののを写真を送ると、パワーポイント資料を作成してくれるようです。

またそれ以外にも翻訳チームや調査チームがいるため、通常ジュニアクラスの仕事である調査関係の仕事がアウトソーシング可能になっており、コンサルタントがデリバリー(サービスの提供)に集中できているとのこと。

このようなサポート部隊は、外部から経験者を採用するケースに加えて、社内のコンサルティング部門から公募する場合もあり、「コンサルティング経験を活かして自社に貢献したい」と考えるコンサルタントの新たなキャリア選択肢になっています。

まとめ

コンサルティングファームの組織構成について解説をしてきました。
特に戦略系と総合系では、組織構成の違いにより経験できるプロジェクトやキャリアパスが異なるケースもあります。
転職をご検討されている方は、両者の違いをしっかり理解しておく必要があるでしょう。

また、近年ではデジタル組織やクリエイティブ組織など、クライアントのニーズに対応するために新しい組織を立ち上げ、コンサルティング部門の強化に勤めるファームも増えてきています。
最新の組織情報・案件情報については、ぜひ弊社エグゼクティブコンサルタントまでお気軽にお問い合わせください。

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