株式会社カタリス(以下、カタリス)は2024年創業の独立系コンサルティングファームです。外資系戦略コンサルティングファームで培った豊富な経験と高度なメソッドを駆使し、全社戦略・新規事業・BDD・投資先バリューアップまで、あらゆるCXOアジェンダに対応することで、クライアントの成長を加速に資する意思決定のサポートをしています。
今回は共同代表の田仲 晃様、阿部 友之様、エグゼクティブ・ディレクターの菊井 毅様、ディレクターの長崎 陽様、シニア・コンサルタントの磯田 幸穂様にインタビューさせていただきました。
インタビュアーはフォルトナ犬石と中川が務めます。
田仲 晃様 プロフィール
代表取締役社長。
外資系戦略コンサルティングファームや日系事業再生コンサルティングファームにて、新規事業立案・実行、長期ビジョン、DX戦略立案、中期経営計画、M&A戦略・実行、事業デューデリジェンス、営業戦略等の幅広いテーマや企業に関し、計50社以上の企業を支援。
早稲田大学卒業。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。
阿部 友之様 プロフィール
代表取締役社長。
外資系戦略コンサルティングファームや日系事業再生コンサルティングファームにて、PMO、PMI、新規事業立案・実行、長期ビジョン、中期経営計画、M&A戦略、事業デューデリジェンス、BPR・業務量調査等の幅広いテーマに関し、計50社以上の企業を支援。
東京大学卒業。
菊井 毅様 プロフィール
エグゼクティブ・ディレクター。
外資系総合コンサルティングファームの戦略部門等にて、全社戦略、組織改革、営業改革、全社構造改革PMO、新規事業立案・実行、BPR、BPOアドバイザリー等の幅広いテーマに従事。不動産、物流、電力、消費財を始めとする幅広い業界で支援実績を保有。
慶應義塾大学卒業。Hong Kong University Science&Technology(香港科技大学), MBA。US.CPA(米国公認会計士), Washington License。
長崎 陽様 プロフィール
ディレクター。
外資系戦略コンサルティングファームにて、間接材/直接材双方のコストソーシング、中期経営計画策定、新規事業戦略、ビジネスデューデリジェンス、PMI/バリューアップなど、幅広いテーマや企業を支援。
慶應義塾大学卒業。ナバラ大学(スペイン)経済学部交換留学。企業中間管理職ケアストレスカウンセラー・ケアストレスカウンセラー。
磯田 幸穂様 プロフィール
シニア・コンサルタント。
複数の外資系総合コンサルティングファームにて、 成長戦略策定、組織改革、システム導入支援など幅広いテーマ・企業を支援。
東京理科大学卒業。
カタリストとして本質的なコンサルティングを取り戻す
[犬石]
本日はよろしくお願いいたします。
カタリスは2024年に田仲様と阿部様によって設立されましたが、その背景にはどのような経緯があったのでしょうか?
[田仲様]
「コンサルティングをもっとシンプルに、もっと本質的に」。私がこの会社を創業した理由を一言で表すとしたら、これに尽きます。近年、コンサルティング業界は驚異的なスピードで拡大しています。しかし、その成長の裏で「業界としての質の低下」 という点も一般的に指摘されることが多いと感じています。
例えば、
・数百枚に及ぶスライドデッキ作成
・クライアントの意見を交えず、延々と続く社内ミーティング
・高級文房具と化したクライアント業務代行
・MECE(漏れなくダブりなく)にすることが目的化したスライド作成
・”Something new”に固執し、本質的な価値を生まない分析
・予定調和的なロジック作成
・それっぽいフレームワーク作成
というような問題です。
コンサルティングのノウハウが確立されるに伴い、こうした本質的な価値を伴わない仕事が増えているのも、実態の一端ではないでしょうか。経営コンサルティングの究極的なミッションは、「クライアントの企業価値を上げる」ということだと私は考えています。そのために必要な分析は当然行うべきですが、過剰な分析や、回りくどいロジックは不要です。「あとはやってみないと分からない」段階で、どんなに机上の分析を重ねても、永遠に企業価値が向上することはありません。
そうした課題意識を背景に、「クライアントの触媒(カタリスト)として一気に事業を前進させるような存在を作り、真に価値をもたらしたい」。こうした思いからこの会社を創業しました。
[阿部様]
私は産業再生機構出身の方が立ち上げた企業に新卒第1期として入社し、その後、外資系戦略コンサルティングファームに参画し、株式会社カタリスを創業しました。もともと近い将来に、独立や転職を考えていたなかで、共同創業者の田仲から声をかけてもらい、飛びつくようにOKの返答をした後、ものの数十分の会話をして創業を決意しました。
創業を決意した背景として、現在のコンサルティング業界に対する大きな2つの課題感がありました。
1つ目は、「コンサルティングフィー水準の高騰」です。昨今の人手不足も相まって、コンサルティングフィーは高騰しています。しかし、AI等のテクノロジーも進化して一部コンサルティング業務が陳腐化するなかで、必ずしもコンサルティングがフィーに見合う価値を出しきれていないのではないかという危惧が生まれていました。逆に言うと、フィーに見合うもしくはフィー以上の付加価値を提供することができれば、たとえコンサルティングスタートアップであっても十分に戦うことができるのでは、という機会と見ることができました。
2つ目は、「戦略から実行まで一気通貫で支援する必要性」です。特に、財務面の実行に強い企業と、戦略に強いコンサルティングファームの両方を経験したからこそ、その重要性と難しさを実感しました。そして、自分たちの会社でこそ、それを実現したいと考えるようになりました。
[犬石]
コンサルティング業界特有の無駄を省き、クライアントへの価値向上を目指していらっしゃるのですね。
長崎様、菊井様、磯田様はなぜカタリスに参画したのでしょうか?
[長崎様]
私は外資系戦略コンサルティングファーム出身で、全社戦略や中期経営計画の策定、BDD(ビジネスデューデリジェンス:M&Aの買収対象企業の経営実態や事業性の調査を行い、M&Aリスクの評価を行うこと)、コストソーシングなどのテーマに取り組み、幅広い業界のクライアントに対し、経営課題の解決を支援するとともに、変革や成長の推進にも携わってきました。
どの仕事も非常に刺激的で、年齢に関係なく大企業の役員クラスの方々と議論を交わし、より良い方向へ導いていく経験は、貴重なものでした。一方で、大手ファームとしてこれまで先人の方々が高いクオリティで築き上げられた、「既に安定」したクライアントからの信頼を基に成り立っていることに、どこか窮屈さを感じていました。
そのような時に、社長の田仲と阿部に出会い、カタリスの話を聞いたところ、スタートアップでありながらクオリティを維持しつつ、自らクライアントの課題を捉え、戦略案件に対して1から新たな価値を提供できる環境があることを知りました。当時抱えていた窮屈感を開放できるという確信を持ち、入社することを決意しました。
入社当時は社長2人だけの状態で、私は社員第1号でした。そのため、不安やハードルの高さを感じていたのは正直なところです。しかし、それ以上に2人の強い意志と、非常に包容力のある人柄に惹かれました。「この2人と一緒に働きたい」「共に会社を成長させれば、きっと素晴らしいものになる」という思いと確信が、不安をすぐに払拭してくれました。
[菊井様]
前職は総合コンサルティングファームの戦略チームでマネージャーを務め、全社構造改革・営業改革・新規事業開発を専門としていました。高い評価をいただいていた一方、プロモーションプロセスの長さや、大規模な組織ならではの歪みを感じていました。そこで、豊富な戦略案件を持ち、伴走型支援の重要性を理解している環境、さらに自らがファーム自体の経営に近い立場で業務に取り組めることから、カタリスに入社しました。
[磯田様]
私は大学卒業後、総合コンサルティングファーム2社で、電力や小売、消費財業界のクライアントに対して、成長戦略の策定からシステムの導入まで幅広くご支援してきました。その後、カタリスへと参画しました。
当社への入社を決めた理由は大きく2つあります。
1つ目は、戦略案件に携わりたかったことです。前職ではシステム案件を担当することが多く、「せっかくコンサルタントとして働くのであれば、もっと戦略案件に携わりたい」という思いが強くなりました。
2つ目は、大手にいるより早く成長ができると思ったことです。2社連続で大手ファームを経験しましたが、自分がいつか案件を取ってくるという姿を正直想像できませんでした。大手ファームではセールスはマネージャー以上の仕事ですが、昇進しても急にセールスができるようにはならないのではという不安もありました。当社のような規模であれば、何事も自分事化して頑張れる、メンバーの内からセールスもできるという点が自己成長につながると感じました。
[菊井様]
若手でも裁量を持ちながら、戦略案件も経験できるのは当社の魅力です。
現在の社員の9割がファーム出身者で、その内の約半数が戦略ファーム・戦略チーム出身です。在籍者の平均年齢は20代後半程度で、かなり若い会社と言えると思います。
ちなみに、弊社の最上位職Executive Directorの平均年齢は33歳です。上が詰まっておらず、誰しもがファームを代表する立場として仕事ができる環境が揃っています。
「経営」に密着。次世代CxO人材を輩出する成長型戦略ファーム
[中川]
戦略というキーワードがよく出てきましたが、貴社のコンサルティング領域についてご紹介いただけますか?
[阿部様]
事業会社様向けの戦略案件および戦略に基づく実行伴走支援を中心に展開しています。
また、PEファンド向けには、プレDD(デューデリジェンス)~BDD~PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)/バリューアップまで、一気通貫で支援を行っています。特に、PMIやバリューアップ支援は、一般的なコンサルティングファームでは珍しい領域かと思います。支援先の規模としては、大手企業(数千億円~兆円規模)の事業部・部門レベル、中堅企業(概ね数百億円規模)の経営層レベル、PEファンドの3つがあり、おおよそ 1:1:1の割合 でご支援しています。
[犬石]
戦略案件だけでなく、PMI・バリューアップまで一気通貫でできるのは珍しいですね!どのように獲得されているのでしょうか?
[菊井様]
高いパフォーマンス、柔軟な体制・金額設定、豊富なプロジェクト獲得パイプラインなど、さまざまな強みを生かしているため、常に多くのご依頼をいただいています。そのため、基本的に案件を選択できる環境があります。
私自身は、ファンド向けBDD、大手メーカーの事業戦略案件、不動産事業者の成長戦略案件などに従事しており、非常にエキサイティングな環境だと感じています。他のメンバーも同様に、やりがいのある案件に携わっていると認識しています。
[中川]
実際、メンバーはどのようにアサインされるのでしょうか?
[長崎様]
入社時の希望だけでなく、日常的なコミュニケーションを通じて意向を確認し、個人の意志を尊重したアサインを行っています。プロジェクトが進行していくなかでも、お互いの状況が自然に把握できる風土があるため、問題が起きそうな際には周囲が迅速に察知し、全員でサポートできる体制が整っています。
[磯田様]
案件の希望は事前に確認されるだけでなく、アサイン決定前にも 「こういった案件があるけどどうか?」 と相談してもらえるため、その場で意向を伝えることができます。もちろん、全ての希望が通るわけではありませんが、しっかりと個人の意向を尊重してもらえる安心感があります。
[中川]
充実した案件に対して、柔軟なアサインメントがなされるのですね。
長期的なキャリアの視点で見たときに、カタリスだからこそ得られる経験やキャリアパスはありますか?
[阿部様]
実行伴走支援やPEファンドを中心としたPMI/バリューアップ支援では、各機能(M&A、財務、IR、マーケティング、人事、営業等)において、検討を前に進め、成果を創出することにコミットしています。そのため、一般的な経営コンサルティングファームでの経験以上に、「経営」に密接に関わるスキルが身につくと考えています。また、これらの支援は必ずしも1から自前で行うのではなく、必要に応じて外部の専門家と提携し、個人やファームとしての成長やノウハウ獲得を早期に実現しています。
今後は、自社としてM&Aによる成長も目指しています。近い将来には、子会社への出向など、「経営」に近いスキルセットを生かしたCxO人材を輩出できると考えています。その後には、その立場でしか得られない経験を基に、さらに深みのあるコンサルティングができる人材に成長できる環境を整えていきたいと思っています。
[犬石]
実際、長崎様、菊井様、磯田様はいかがでしょうか?
[長崎様]
自分たちで「新たな」クライアントの課題に対しての支援を切り拓いていけることに、真の挑戦を感じています。クライアントの規模に制限はなく、私たちが支援することでより良く推進できると確信できるものに対しては、全力で取り組んでいます。大手ファームでは、役割の構造が比較的堅く決まっており、パートナーが取得した案件に携わることが多くなりがちです。しかし、当社では自分から新たなクライアントとの関係構築を行う経験ができるまでの時間軸が非常に短く、私も入社してすぐにトライし始めることができました。
また、報酬についても高い水準を提供しており、私自身も年収アップを実現しています。実際、私が参画した後にもベース給与のアップも実施されています。
[菊井様]
外資系戦略コンサルティングファームや急成長中の新興系ファームにおいて、特定の状況下では個々の成長環境に対して調整が難しい場合もあると思います。例えば、高い稼働率KPIが求められる環境では、メンバークラスではプロジェクト選択に制約を感じることがあり、マネージャークラスになると社内業務やメンバーサポートに多くの時間を費やすことが求められるため、個人のキャリアパスに合った活動が難しいと感じることがあるでしょう。
一方で、当社では、ファーム全体の成長を追求しながらも、無理な案件拡大や過度な稼働率偏重を避け、社員一人ひとりが自身のペースで成長できる環境を提供しています。
また、「頑張る人が高い報酬を得る」という理念のもと、明確な成果主義を実践し、社員の成長と成果をしっかりと評価しています。
[磯田様]
当社の特徴の1つは、メンバークラスでもセールスに関与できる点です。メンバーでもプロジェクトの合間や自ら手を挙げることで、セールス活動に携わることができます。これにより、クライアントとの交渉やプロジェクト提案のスキルを実践的に養うことが可能です。
さらに、当社は創業間もないスタートアップの戦略コンサルティングファームであるため、事業の成長フェーズに直接関わることができます。会社の拡大に伴い、組織構築やセールスなどの業務にも携わることができるため、将来的に起業を視野に入れている方にとっては、実践的な経験を積むための素晴らしい環境だと思います。
[中川]
メンバークラスのうちからセールスや自社の経営にも関与できるのは、若手のコンサルキャリアにおいて大変魅力的ですね!