戦略立案から市場分析まであらゆる場面で活用されるツールですが、レベル別で分かれていていまいち理解できていないという方は多いのではないでしょうか。
本記事では、コンサルティングとフレームワークの関係性をはじめ、基本のフレームワークや初級・中級・上級のレベル別で異なるフレームワークを解説します。
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コンサルティングとフレームワークの関係
フレームワークとは、論理的思考や分析などを手助けする「思考の枠組み」であり、さまざまなビジネスシーンで活用されています。
コンサルティング業務においてフレームワークは業務の効率化を図り、成果を最大化するために必要不可欠なツールです。フレームワークを効果的に活用することで複雑なビジネス課題を構造的に捉え、分析や解決策の立案を行えるようになります。
基本のフレームワーク
基本のフレームワークとして、以下の3つが挙げられます。
- MECE
- PDCAサイクル
- ロジックツリー
MECEは、「Mutually」「Exclusive」「Collectively」「Exhaustive」の頭文字から取った考え方です。情報整理の重複や漏れを防ぐために役立ち、リストアップの確認として最適です。
PDCAサイクルは、「Plan」「Do」「Check」「Action」を繰り返し、改善や調整を行っていく考え方であり、効果検証する場面でよく活用されています。ロジックツリーは、特定の問題を段階的に整理し、論理的に考える思考法です。
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初級レベル:基本フレームワークでビジネス全体像を掴む
初級レベルのフレームワークとして、以下の4つが挙げられます。
- 3C分析
- 4P分析
- SWOT分析
- PEST分析
3C分析
3C分析は、「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの視点から市場環境を分析するフレームワークです。自社の強み・弱みを把握し、市場機会の発見や事業戦略策定に役立ちます。
市場・顧客(Customer)では市場規模や顧客ニーズ、購買行動などを分析し、競合(Competitor)では競合の事業規模や市場シェアなどを分析します。自社(Company)では経営資源や事業規模、製品・サービスなどの分析を行うのが一般的です。
3C分析はコンサルタントの基礎となる分析手法であり、ビジネス全体像を掴む第一歩として重要です。
4P分析
4P分析は、「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「プロモーション(Promotion)」の4つの要素から構成されているフレームワークです。
具体的には、製品(Product)は機能や品質などを分析し、価格(Price)は原価や競合価格などを分析します。流通(Place)では販売チャネルや在庫管理などを、プロモーション(Promotion)では広告や販売促進などを分析します。
4P分析はそれぞれの要素を分析し、最適化することで基本となるマーケティング戦略を策定できるため、企業視点で自社の提供価値を考えたいときに役立つでしょう。
SWOT分析
SWOT分析は、企業の現状を分析するための基本的なフレームワークです。自社の「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の4つの要素を整理し、事業戦略を検討する際に役立ちます。
SWOT分析を行う際は、客観的なデータに基づいて分析を行うのがポイントです。市場調査データや顧客アンケートの結果などを活用することで、より精度の高い分析を実現できます。
また、「強み×機会」「弱み×脅威」といったように分析軸を組み合わせたクロスSWOT分析も有効な手段です。SWOT分析はネガティブな要素も併せて分析できるため、対策や克服に関する立案がしやすいといった魅力があります。
PEST分析
PEST分析は、マーケティングの権威であるフィリップ・コトラー氏が編み出したマクロ外部環境を分析するフレームワークです。「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の4つの要因を分析することで、ビジネスチャンスとリスクの発見につなげられます。
具体的には、政治(Politics)では政治的な政策や法律など、経済(Economy)では経済成長率や為替レートなど、社会(Society)では人口動態やライフスタイルなど、技術(Technology)では技術革新やインフラなどを分析します。
PEST分析はマクロ外部環境の分析を要素に分けて包括的に行うことができ、把握しやすい点が魅力ポイントです。
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中級レベル:多角的な視点で分析力を高める
中級レベルのフレームワークとして、以下の4つが挙げられます。
- ファイブフォース分析
- バリューチェーン分析
- STP分析
- 4C分析
ファイブフォース分析
ファイブフォース分析は、1979年に経営学者であるマイケル・ポーター氏が提唱したフレームワークの一つです。業界の構造を「業界内の競合」「新規参入の脅威」「代替品の存在」「供給企業の交渉力」「顧客の交渉力」の5つの競争要因から分析し、業界の魅力度や収益性を評価できます。
たとえば、参入障壁が低い業界は新規参入の脅威が高く価格競争が激化しやすいため、業界の魅力度は低いと判断できます。一方、参入障壁が高く競合企業が少ない業界は、収益性が高いと判断することが可能です。
ファイブフォース分析は市場構造を理解し、自社の競争優位性を分析するための必須ツールといえます。
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析も、経営学者マイケル・ポーター氏が提唱したフレームワークです。企業活動全体を複数のプロセスに分解し、それぞれのプロセスがどのように価値を創造してコストが発生しているかを分析できます。
バリューチェーンは、大きく「主活動」と「支援活動」に分けられます。主活動とは、製品の製造や販売など、顧客に直接価値を提供する活動です。
一方、支援活動はインフラストラクチャーや人事といった主活動を支える間接的な活動であり、企業全体の効率性向上に貢献します。
バリューチェーン分析を活用することで、自社の強みや弱みを明確化でき、問題発見の対策として役立てられます。
STP分析
STP分析は「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の3つの頭文字から成り立っているフレームワークです。市場を細分化し、自社が注力すべき市場を絞り込み、競合との差別化を図る際に役立ちます。
STP分析は、顧客のニーズや特性に基づいて複数のセグメントで分割し、そのなかから自社がターゲットする市場を選択、自社製品やサービスを競合他社と差別化して独自のポジションを築くといったステップで進めます。
STP分析はマーケティング戦略において重要であり、市場を深く理解して効果的な戦略を立案するために欠かせないフレームワークです。
4C分析
4C分析は、先述した4P分析を顧客視点に置き換えたフレームワークです。「顧客価値(Customer Value)」「コスト(Cost)」「利便性(Convenience)」「コミュニケーション(Communication)」の4つの要素を分析し、市場の変化や顧客ニーズの多様化に対応するために有効な手段として活用できます。
4P分析と比較した4C分析のメリットは、顧客中心の思考を促進できる点にあります。顧客のニーズを深く理解したうえで顧客にとって最適な商品やサービスを提供することで、顧客満足度を高めて持続的な成長を実現することが可能です。
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上級レベル:戦略立案・実行のためのフレームワーク
上級レベルのフレームワークとして、以下の4つが挙げられます。
- アンゾフ・マトリクス
- PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
- アドバンテージ・マトリクス
- マッキンゼーの7S
アンゾフ・マトリクス
アンゾフ・マトリクスは、経営学者であるH.I.アンゾフ氏が提唱したフレームワークです。市場と製品の2つの軸を組み合わせ、企業の成長戦略を「市場浸透」「市場開拓」「製品開発」「多角化」の4つで分析します。
アンゾフ・マトリクスを用いることで企業の現状を客観的に把握し、将来の成長に向けた効果的な戦略を策定することが可能です。ただし、それぞれの戦略にはメリット・デメリットがあるため、状況に応じて適切な戦略を選択することが重要です。
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)は、市場成長率と相対的市場シェアの2軸で自社製品を分類し、資源配分を最適化するためのフレームワークです。
PPMは、「花形」「負け犬」「問題児」「金のなる木」の4つの象限に分類されており、それぞれ成長率やシェア率が異なります。たとえば、花形の場合は高成長市場の高いシェアを誇る製品で売上を伸ばしやすいのが特徴的ですが、競合他社に負けないよう積極的に資源を投下する必要があります。
一方、負け犬は低成長市場でシェアも低い製品のため、売上や利益における貢献は期待できません。市場の再成長が見込めない場合は、撤退を検討されることが多いです。
PPMを活用することで各製品の現状を客観的に把握し、最適な資源配分を行う際に役立てられます。
アドバンテージ・マトリクス
アドバンテージ・マトリクスはボストンコンサルティンググループが提唱したフレームワークであり、自社と競合の優位性を多角的に比較分析し、競争戦略を策定する際に役立てられます。
「分散型事業」「特化型事業」「手詰まり型事業」「規模型事業」の4タイプに分類し、自社と競合がどれだけの優位性をもっているかを評価します。この評価に基づき、自社の強みを生かす戦略や弱みを克服するための戦略を立案することが可能です。
マッキンゼーの7S
マッキンゼーの7Sは、マッキンゼーに所属していたウォーターマン氏とピーターズ氏が提唱した組織変革を成功させるためのフレームワークです。7つの要素が相互に関連し影響し合うことで、企業の強みを形成し、変革を推進します。
7Sは、ハードの「戦略(Strategy)」「構造(Structure)」「システム(System)」の3要素と、ソフトの「共通の価値観(Shared Value)」「スタイル(Style)」「スキル(Skills)」「人材(Staff)」の4要素に分類されます。
これらの要素が互いに連携し、シナジー効果を発揮することで組織全体の能力向上につなげることが可能です。
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コンサルへの転職を成功させるならフォルトナ
コンサルへの転職を成功させるなら、フォルトナにお任せください。フォルトナは長期伴走型のハイクラス転職エージェントであり、コンサル出身者や採用人事経験者などのハイクラス転職において高い実績をもつエージェントが在籍しています。
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また、人生や生き方など、幸福にフォーカスした支援を行っているため、自身の理想的な転職を実現することが可能です。
フォルトナで未経験からコンサル転職を成功させた事例
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詳しくは下記のページからご覧ください。
転職体験談:年収約300万円UP!濃厚な面接練習で未経験からコンサル転職へ【担当:畑中 翼】
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まとめ
コンサルタントの必須ツールであるフレームワークは、レベル別に分類されます。初級レベルでは、3C分析や4P分析、SWOT分析、PEST分析を用いてビジネス全体像を把握します。
中級レベルではファイブフォース分析やバリューチェーン分析などで多角的な視点を取り入れ、上級レベルではアンゾフ・マトリクスやPPMなどを用いて戦略立案・実行力を磨くことが可能です。各フレームワークを理解し、適切なレベルで活用することで業務効率化と成果最大化を図れるでしょう。
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