ノースサンド×フォルトナ スペシャルインタビュー

公開日:22023.01.20 最終更新日:2024.11.25

ノースサンド・カルチャーの起源と進化

[春日]
ありがとうございます。これまで色んなことがあったとのことですが、もう少しノースサンドの歴史についても伺いたいと思います。佐々木さんは、なぜノースサンドの立ち上げに参画されたのでしょうか?

[佐々木様]
何故かと聞かれたら、「前田に誘われたから」以外にありません。別に独立したいと思ったこともないですし、経営者になりたいなんて微塵も思ったこともなかったです。ただ、前田のおかげで僕は前職でマネージャーになれましたし、育ててもらったという想いが強く、前田にとても感謝していました。そんな前田から誘われたので、断る理由はありませんでしたね。
僕は前職からずっと前田の部下だったのですが、前田のチームはチームマネジメントの仕方やお客様目線、サービス精神などなどの観点から、前職の中でも異質だったと思います。
今思えば、コンサルタントとしての業務内容も異質でしたね。僕らのチームは40人程度いて、それがお客様の一つの部門をサポートしていたんですが、みんな全然違うことをやっているんですよ。各々違う課に所属していますし、やっているプロジェクトもバラバラ。でもちゃんとその40人がチームとして機能していて、部長さんや役員さんたちがやりたいことを実行支援していたんです。
部長さんは、課長さんたちではなく当時の前田に「これをやりたい」って依頼をするわけです。そうすると課長さんとその配下にいる僕らが動いて、実行支援するスタイル。これは前職においても相当レアだったと思います。

ノースサンド佐々木様

[春日]
若手のコンサルタントやSIerの方の中には、戦略から実行支援まで一気通貫でやりたいが、今の環境では出来ないという方が結構いらっしゃいます。仰る通り、確かにレアな事例なのかもしれません。

[佐々木様]
確かにそうなんですが、ただ、例えば大手だとそれが出来ず、ベンチャーであれば出来ると考えているのだとしたら、それは違うと思うんです。出来ないのは、単なる自分の力量不足。出来るんですよ。「やります」って言えばいいだけなんです。コンサルティングファームにも確かに契約事はありますし、やらなければいけないプロジェクトとか、絶対に成功させないといけないミッションはあります。でも、それ以外って自由だと思うんですよね。多くの人は、そこで腹をくくって「やります」と言えないだけなんですよ。僕だって最初は出来なかったですけど、前田が環境を作ってくれていたので、あとはもうやる覚悟を持つだけだったんですよね。
ノースサンドのメンバーも250名を超えて、在籍するコンサルタントは200名以上になります。メンバーが多くなっていることもあり、ノースサンドの中でも覚悟をもって「やります」といえるメンバーは少しだけ減ってきたかなと思います。もう既に環境は整っているんで、やりたいことを「やりたい」と言えるようになれば、もう一段上のコンサルティング集団になるはずです。

[春日]
前田さんは最初にそれを体現されていた方ということなんですね。前田さんと一緒に働かれる中で、多くの学びがあり、それが今のノースサンドの礎にもなっていると。

[佐々木様]
前田はとにかく、年上の方から好かれるんです。当然前田はチームの中で一番偉い人でしたけど、部長が「前田くん」って呼べばフロアの端っこから全力ダッシュで近づいていくんです。「プライドを捨てられる偉い人」という感じですね。やはり部長さんからしたら使い勝手が良かったのだと思います。本人も意識して使い勝手が良いコンサルタントになろうとしていたと思いますし、それが見事にハマっていた。ノースサンドのコンサルタントもそこを目指してもらっています。いかに課長さん、部長さんに直接声をかけて頂いてお仕事を頂けるかどうか。コンサルタントとしての一つのステータスですよね。自分たちのチーム内で仕事を依頼されているようでは半人前。大切なのは、お客様から、しかも一つでも偉いポジションの方から直接仕事をもらうこと。前田が教えてくれたことの一つですね。

[春日]
前田さんはお客様から見ると「可愛い存在」でも、コンサルタントの佐々木さんから見れば「格好良い存在」であったのだと思います。どんなところが前田さんの格好良さなのでしょうか?

[佐々木様]
とにかく考えているところですね。色んな人の本当にちょっとした言動や表情、仕草まで見てます。何ならその人の癖、好きな食べ物、究極的には何時に何やってるというところまで。人を見る目は頭1個抜けています。それだけ観察して考えているので、指示や指導が的確なわけです。
あと、チームマネジメントに関しては、基本的に任せるスタイルなんですよ。そのプレッシャーに耐えられない人は萎縮してしまうかもしれませんし、「なにくそ、やってやるぞ」って思える人にとってはチャンスが転がってくる。結果には厳しいですが、結果を出せばしっかりと認めてくれます。
本当は、めちゃくちゃ細かい人なんです。メールの一言一句も気になる人だし、成果物の細かいところまで見られる人。だから本当は言いたくて仕方がないと思うんですけど、任せてやらせてくれるんです。

[春日]
それは社長になって変わってきたところなんですか?

[佐々木様]
昔からあまり変わっていないと思います。前田はとにかく行動する人が好きなんです。自分自身がそれで成功したからというのもあるでしょうが、「自分でやりたい、やらせてくれ」という人を一番尊重する人。僕らでさえ、今でもそういうスタンスで前田と接するようにしています。
変わってきたことと言えば、前田も僕も、社員数が250名を超えて、社員と飲みに行くことが全く無くなったんです。あと半年で300人を超え、来年4月に新卒が入ってきたら400人を超えます。そのような組織の状態なのに役員と距離が近い会社って、明らかに不健康な組織だと思うんですよね。そこの距離感はすごく意識しています。言い換えれば、社員から「知らない存在」になろうと思っているんです。代わりにこうしたインタビューで僕らの伝えたいことを伝えるようにしています。
ただ一方で、インタビュー記事を読んで前田や僕に共感したと言ってくださるのはすごく嬉しいことなんですけど、実際に入社してもらっても一切コンタクトすることないんですよ。だから前田や僕と一緒に働きたいという志望動機はミスリードになってしまう。

[春日]
やはり御社は人に憧れて入って来られる方が多いでしょうし、カルチャーが強みの源泉だと思います。でも、そのカルチャーを作ってきたのは前田さんや佐々木さん。そこを前面に押し出そうと思っていないというのは意外でした。

[佐々木様]
そうですね。ただ、どんな会社でも実際に一緒に働く人って、社長ではないことがほとんどですよね。あくまでも前田はノースサンドのシンボル的存在だと思っています。年に1.2回話を聞く機会はあるけど、直接喋る機会はない。でも、その人がいることで組織が成り立っている。影響は絶大だし、存在も絶対に必要なんだけど、一緒に業務を行うことはないというイメージです。

[春日]
前田さんというシンボル、目標地点が遠くにあるからこそ、ノースサンドが考えるコンサルタントのあるべき姿というのはブレないし、そこに一致団結して向かっていけるのでしょうね。ありがとうございます。
最初に佐々木さんとお会いした時は、まだ30名くらいのタイミングだったと思います。今佐々木さんにお話し頂いたように、経営陣と社員の距離の近さが魅力だったと思いますし、それこそ家族ぐるみの関係もあったと思います。それが会社の成長に伴って、変えてきたことや、あえて変えていないことがあるわけですよね。

[佐々木様]
確かに、春日さんと最初にお会いした頃は全員家族を連れて社員旅行に行っていました。でも、家族向けのイベントはもう多分やらないと思います。あれは何でやっていたかと言うと、社員のご家族に、この得体の知れないベンチャー企業を応援して欲しかったからですね。
しかし、もうノースサンドはそのフェーズにはありません。実績を上げて、応援せざるを得ない会社になればいいと思っています。ご家族はもちろん大事なのですが、今ではより社員にフォーカスしています。
会社が大きくなるとああだこうだと言いたがる人はいるんですよ。例えば2019年に新卒を初めて10名採ると言った時も、相当笑われました。「10名とか無理ですよ」とか、「今、30人じゃなかったっけ?」とか。
でも、僕らはそういうチャレンジを乗り越えられると思っていますし、これから500人1000人になっても、同じ熱量の組織は作れると思っているんです。だから、言いたい人は言っておけばいいという感覚に近いんですね。
もちろんその熱量を保ち続けるために、色んなことを意識的にやってます。例えば全社員集会の形も、半年に1回ぐらいの割合で必ず刷新しています。マンネリが嫌いなので、常に新しいことをやっていくとか、常にみんなが楽しいと思えることをやっていくというのは今後も徹底していくつもりです。
あとはもう、入ってくる方がそのまま会社のエンジンになっていくわけですから、どう良い方に入って頂くかを考えるのが僕らの仕事です。来期も結構ハードな採用計画をしていますけど、実現出来ると思います。半年前にはちょっと無理かもなんて思っていたんですよ。人事部門も死に物狂いで自分たちの「当たり前」の基準を引き上げていっているんです。
世の中には1人で毎月何十人も採用しているプロだっています。だから、出来ないというのは単なる言い訳です。最近心に刺さったのは「少数精鋭は、採用弱者の言い訳だ」という言葉。それはその通りだなと。会社は営利団体なので、売り上げを上げた方が社員はハッピーになるし、コンサル業界だったらもっと色んな仕事が出来るようになる。会社の影響力が高まれば、全然違う分野の仕事も出来るようになる。確実に影響力がモノを言う業界なので、絶対に規模を大きくした方がいい。

コンサルだけどコンサルではない。ノースサンドの描く未来

[春日]
今後は何人ぐらいにしていこうと思ってらっしゃいますか?

フォルトナ春日

[佐々木様]
今年の倍を取りたいし、もうちょっとストレッチした目標を追いかけたいですね。実際に倍はいけると思っています。

[新山様]
行きますね。実際そう言う数字になっているので。

[春日]
もう少し未来、例えば10年後の目標などは社内発信されているのでしょうか?

[佐々木様]
10年後はないですね。それは嘘になると思っています。結局、僕らが追いかけられるのはせいぜい2年後ぐらい。役員会の中ではもう少し未来の話もしていますけど、会社の中ではあくまで今期、来期ぐらいまでですね。

[春日]
事業として、今後の展開はどのように考えていらっしゃるんですか?

[佐々木様]
コンサル以外のところでいうと、今、オールインワンワークスペースツールである「Notion」の世界初の代理店として積極投資をしていて、組織としてもそれでだいぶ増員しましたし、そこは来期も引き続きやっていきます。
あとは自社プロダクトの開発も進めていますが、これから更にそれを5つ6つにしていくかというとあんまり…。なので、そういうこともやってる会社ぐらいのイメージでいて頂きたいです。例えば、コンサルタントからどんどんコンバートして新規事業開発部に異動させるとか、そういうイメージはないです。
コンサル事業としても、DXでどうこうするとか、業界をアップデートするとか、あまり言いたくないんです。コンサルタントはあくまでも黒子。お客様が面倒くさいとか大変だとか、しんどいことをお手伝いするのが仕事なんです。そもそも仕事ってお客様のニーズがないと生まれてこないですから。確かに提案をして受注するものもありますけど、でもそれで僕らが時代を変えているのかと言えばそんなことないですし、僕らが業界を変えるなんてもう、そんな偉そうな話はないと思うんで。お客様のニーズにきめ細かく応えていくという僕らのスタイル・考え方・価値観をいかにぶらさずにやっていくかが一番重要だと思っています。

[春日]
コンサルはサービス業だとずっと仰っていますよね。

[佐々木様]
そうです。ここに共感してくださる方に応募頂きたいですね。結局、価値観の違う方は入っても活躍出来ないですし、すぐに辞めてしまうんです。特に今のフェーズでは、レガシーな環境で働かれている現役コンサルタントの方は合わない可能性が高いと思います。もはや、5年後10年後にはノースサンドをコンサルファームだと称していないかもしれないくらいです。何か他の名前にしてもいいと思っています。やっていることはコンサルファームに近いけど、銀座の便利屋って言ってもらってもいいぐらいなイメージですね。 

[春日]
ますます採用が大切になりますね。

[佐々木様]
はい。ある程度規模が大きくなっていくことで、多様な方を採用する可能性はありますけど、とにかく人、価値観を強く見ていくのはこれからもずっと変わりません。

[春日]
ありがとうございます。本日の話をお伺いしていて、この記事のメッセージは候補者の方々に対してだけではないと感じたんですよね。それこそすべてのビジネスパーソンに対するメッセージも含めて、最後に一言ずつ頂けますでしょうか。

[新山様]
ノースサンドの掲げている「人間力を武器に、世界を変えていく」。僕はこれが全てだと思っているんです。商材を持たないコンサルのビジネスにおいて、人間力は非常に重要です。でも、どのビジネスも絶対人を相手にしているはずで、それなら人間力を高めることはマスト。ノースサンドの掲げる8Rulesって、世界で働いているビジネスパーソン全員が意識して仕事をするだけで、絶対に成長すると思うんです。それくらい本質的な、人間力を高めるための行動指針です。これを会社全体にインストールしているのがノースサンドの強みとも言えます。なので、ノースサンドに関心が有る無しに関わらず、8Rulesを見てみて頂きたいですね。

ノースサンド新山様

[佐々木様]
とにかく仕事は楽しむことが重要ですし、逆に言うとどんな仕事も楽しむことが出来るんです。今楽しくないとか、今の環境や上司、仕事内容のせいにしている人は、多分どこに行っても変わりません。ノースサンドに来たから急に仕事が楽しくなるとか、急に仕事のモチベーションが上がるとか、そんなわけはないんですよ。どんな組織にいてもどんな会社にいても、自分次第だと思うんですね。ただ、確かにノースサンドはそれがやりやすい雰囲気があって、やりやすい会社ではあると思います。でも、結局その環境を本当に楽しめるかどうかって自分次第ですよね。そういう人って絶対強いと思うのでそういう人に入ってほしいと思います。
自分はこういうタイプだから入ったら面白そう、一発のし上がってやるぜ、というマインドの方がいらっしゃったら是非一緒に働きたいです。環境や他者に期待するな。自分に期待せよ!ということですね。

[春日]
御社のPRだけでなく、働く皆様にとってメッセージ性のある素敵なインタビューとなりました。本日はありがとうございました。

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