PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)は、戦略の策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供しています。グローバルに広がるPwCのネットワークと連携しながら、クライアントが直面する複雑で困難な経営課題の解決に取り組み、国内はもとよりグローバル市場での競争力強化を支援しています。
なかでもTechnology, Media & Telecommunications(以下、TMT)では、テクノロジー・情報通信・エンタテイメント&メディア業界において、経営戦略の策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供しており、クライアントと共に、未来の産業創造と幸せな社会実現に貢献する存在を目指しています。
今回は、TMT全体とTelecom(通信業界)チームをリードする上席執行役員 パートナーの原田 雄輔様と、Telecomチームシニアマネージャーの外園 雄一様、マネージャーの高鳥 絢子様にお話を伺いました。
インタビュアーはTMT領域でマネージャー経験があるフォルトナ塚本と、小野、原が務めます。
原田 雄輔様 プロフィール
上席執行役員 パートナー。
約20年にわたりエンタテイメント企業やメディア企業、ハイテク製造業など幅広い業種のクライアントに対し、全社規模の業務改革における構想策定からシステム導入、改革実現による効果創出までさまざまな支援業務に従事。
また、アジアを中心に日本企業の海外プロジェクト実行支援も数多く手掛ける。
現在はエンタテイメント・メディア業界のリーダーとして、クライアントに対する全社的なデジタルトランスフォーメーションを支援。
クライアントの課題解決のため、従来のコンサルティングワークに加え、PwC Japanグループの他法人と連携したサービス提供にも注力している。
外園 雄一様
シニアマネージャー。
新卒で大手通信会社の情報システムに所属。その後2017年に大手コンサルティングファームを経て2021年にPwCコンサルティングへ入社。
主にAIを活用したDXの推進(チャット/顔認証/音声/自動運転など)をシステム側から従事、支援を実施。
高鳥 絢子様
マネージャー。
新卒で損害保険会社の医療保険の査定・支払い業務を担当。その後コンサルティングファームへ転職し、大手損保会社に対する業務改革やDX推進に参画。PwCコンサルティングでは通信会社の決済サービスのガバナンス態勢高度化や基地局建設業務の業務標準化、システム導入など幅広い業務に従事。
他ファームを経て、PwCコンサルティングに至った共通点とは
[塚本]
本日はよろしくお願いいたします。
まずは、皆様のご経歴、PwCコンサルティングを選んだ決め手、現在携わっている業務について教えていただけますか?
[原田様]
2000年に新卒で大手コンサルティングファームに入社し、大規模SIerやアウトソーシングのビジネスに携わっていました。そのなかで、より小規模でもクライアントにとって価値のある仕事がしたいと考えるようになり、PwC Japanグループ内のさまざまなチームと、部門や組織の壁を越えて「協働」できるスタイルで、コンサルティング以外の分野にも積極的に取り組んでいたPwCコンサルティングに魅力を感じ、2014年に転職しました。
PwCコンサルティングでは、入社後、オペレーションチームに所属し、その後、2017年頃にTMTチームに異動しました。現在はTMT全体のリードとTelecomチームのリードとして、チームを牽引しています。
[外園様]
新卒で大手通信会社に入社し、情報システム部門に所属しました。そこで経験を積んだ後、2017年に大手コンサルティングファームに転職し、テクノロジーコンサルタントとして従事していました。そして、次のキャリアを検討するなかで、複数のコンサルティングファームを比較・検討し、2021年にPwCコンサルティングに入社しました。
PwCコンサルティングを選んだ決め手は、個人の意見が尊重され、積極的に取り組みに反映される風土と、面接でお会いした方々の人柄です。特に、面接官が同僚の優れていると思う点や尊敬する点を率直に話されていたことが印象的で、温かい社風を感じることができました。
入社後は、主にAIを活用したDXの推進(チャット/顔認証/音声/自動運転など)をシステム側から従事、支援を実施しています。具体的には、通信会社向けの営業担当を経て、現在は通信会社のアカウント担当として、基幹システムの刷新、経理業務改善、人材育成、AIガバナンス構築など、多岐にわたるプロジェクトを支援しています。
[高鳥様]
私は新卒で損害保険会社に入社し、医療保険の査定業務を担当していました。その後、大手コンサルティングファームに転職し、業界知識を生かし損害保険会社の業務改革やDX推進支援に従事しました。
次のキャリアステップでは、生活インフラである通信業界に携わることでより幅広く社会に貢献できると考え、業界の転身を決意しました。
なかでもPwCコンサルティングを選んだ理由は、TMTの説明会で、職員の人柄や組織の柔軟性に惹かれたからです。
「個々の考え・キャリアを尊重してくれる会社」という印象は、入ってからも変わらず、実際入社後は想像以上に個の意思を大切にしてくれていると感じます。
入社後は、通信会社の決済サービスのガバナンス態勢高度化や、基地局建設業務の標準化、基盤システム導入などの支援をしています。
「通信」の枠にとらわれない、新しいビジネスを創出する
[塚本]
今回はTMTとして初めてのインタビューです。まずは原田様よりTMT全体のご紹介をいただけますか?
[原田様]
テクノロジー・情報通信・エンタテイメント&メディア業界のクライアントに対してコンサルティングサービスを提供する部門です。
TMTのクライアントは、自らの変革を迫られると同時に、それぞれのもつビジネスや技術が他業界の変革にも有用だという立場にあります。特に通信会社は、「通信」という既存ビジネスが社会全体のインフラとして機能しており、スマートシティ構想など、多くの社会課題の解決に不可欠な存在です。
一方で、通信会社が「非通信」分野のビジネスを推進する際には、既存のケイパビリティだけでは対応できないケースも少なくありません。そこで、TMT部門として、他部門とコラボレーションをしながらビジネスを行うことで、結果的に社会に貢献できると考えています。
[原]
部門内のコミュニケーションは盛んにおこなわれているのでしょうか?
[原田様]
はい。TMTでは、全体でのケアイベントやミーティング、育成やマーケティング等のタスクフォース活動などを通して、部門全体で協力し、共に成長できる環境を提供しています。また、Telecomチーム内でも、All Staff ミーティングやチームミーティングなどを開催しており、中途入社の方でもプロジェクトメンバー以外と交流する機会が多くあります。
[塚本]
実際にTelecomチームの雰囲気はいかがですか?
[原田様]
Telecomチームには新卒・中途、コンサル経験者・未経験者など、多様なバックグラウンドや経験をもつメンバーが在籍しています。それぞれが最大限にケイパビリティを発揮し、働きやすい環境を構築するために、サポート体制の強化やチーム改善を推進するタスクフォースを組成しています。一人ひとりの個性と経験を尊重し、働きがいのある環境づくりに積極的に取り組んでいます。
[塚本]
多様なメンバーが活躍できる環境づくりにタスクフォースを組成されているのですね。
では今度は、クライアント支援についてお聞かせください。Telecomチームではどのようなプロジェクトに挑まれているのか、教えていただけますか?
[原田様]
私たちのチームは、クライアントが大規模な通信業者のため、戦略立案からオペレーション改革、IPO支援、システム実装まで、幅広い領域のプロジェクトを手がけています。特定の領域に特化せず、多様な経験を積むことができるのが特徴です。
特に近年は、クライアントが通信以外のビジネス拡大を大きなテーマにしているため、通信の枠にとらわれない、新しいビジネスに関するプロジェクトも増加しています。
[小野]
プロジェクトへはどのようにアサインされるのでしょうか?
[原田様]
プロジェクトへのアサインは、プロジェクト側からの希望と、メンバーそれぞれの希望をマッチングして決定しています。会社全体の状況により、時には必ずしも希望通りにいかないこともありますが、一方的にアサインを決めることはなく、個人の希望を尊重するプロセスを設けています。
[外園様]
TMT全体のアサインプロセスを前提としつつ、個々のメンバーに対しては、より希望に沿ったプロジェクトに参画できるよう、さまざまな取り組みを行っています。
具体的には、獲得したプロジェクト情報の積極的な共有や、コーチ・コーチー制度のなかで日々どのようなプロジェクトがあるのかというディスカッションを通して、本人の希望の解像度を上げる取り組みをしている人が多いです。
[小野]
まさにPwCコンサルティングへ入社された理由である「個々の考え・キャリアを尊重してくれる会社」というものがチーム内にも浸透しているのですね。
こうした風土が強みにつながってくると感じるのですが、具体的にチームとしての強みはどういった点にあるのでしょうか?
[原田様]
私が考えるチームの強みは大きく3つあります。
1つ目は、SIやアウトソーシングといった大規模案件に限らず、クライアントにとって真に価値のあることであれば、積極的に取り組むことができることです。また、そのような姿勢や成果は、しっかりと評価される仕組みが整っています。
2つ目は、Telecomチームの枠にとらわれず、他のインダストリーとのコラボレーションも積極的に推進していることです。例えば、ヘルスケアや金融など、クライアントの成長領域においては、他チームとの連携が容易なことも特徴です。
3つ目は監査法人や税理士法人など、コンサルティング以外の専門家との連携です。会社としても推奨しており、クライアントに対してコンサルティングだけでは実現できない、より幅広い価値を提供することが可能となります。
[外園様]
自社のソリューションや流行・先端のソリューションに固執せず、クライアントの課題解決に最適なソリューションを徹底的に追求・提案する文化は、当社の強みだと考えています。
また、個人の意見を尊重する社風のもと、目先の利益にとらわれず、社会的に意義のあるテーマにも組織として積極的に取り組んでいることも特徴と言えると思います。
[原]
多様なプロジェクトに携われるということですが、なかでも印象に残っているプロジェクトはありますか?
[外園様]
バックオフィスの業務改善のためのシステム導入に関するご支援です。PwCコンサルティングのTMT/ Financial Services(FS。PwCコンサルティングの金融業界チーム)やPwC Japan有限責任監査法人(以下、PwC Japan監査法人)、また海外のメンバーファームと共同して、クライアントのシステム刷新を含めた、業務のBPRを企画、PoC(Proof of Concept:新たなアイデアやコンセプトの実現可能性、得られる効果などを検証すること)からシステム導入までのご支援を実施しました。
海外のチームを中心に最新ソリューションを提供するなかで、法令、監査の観点をPwC Japan監査法人、クライアントでの最適な利用方法や現業務の改善方法をPwCコンサルティングのTMT/FSがリードしました。各チームの専門性を生かしつつ、コンフリクトする場合も、どのようにすればクライアントにとって最も良い回答になるのかを、時にクライアントを巻き込みつつ議論を重ね、多角的に判断ができている点がPwCならではの価値だと考えます。
[高鳥様]
私も外園と同じく、バックオフィスへのご支援が印象に残っています。昨今、通信会社は非通信領域として金融サービスに注力していますが、資金決済サービスは金融庁監督下となり法令や規定に基づいたガバナンス態勢が求められます。そのため、態勢高度化に向けて法令遵守の関連ではPwC Japan監査法人のメンバーがあるべき姿・改善箇所を提示し、PwCコンサルティングのメンバーが実行まで完遂する一気通貫のサービスを提供し、PwCだからこそ実現できたプロジェクトだと感じました。