SHAPE Partners ×元福岡ソフトバンクホークス監督 工藤公康様 ×フォルトナ スペシャルインタビュー

-SHAPE Partners × Fortna Special Interview-

スポーツビジネスの未来 -日本のスポーツ界の課題と未来への提言-

[岡部]
藤熊さんが先ほど指摘されたように、海外に比べると日本のスポーツ業界は資金面や価値の認識に課題があると感じます。スポーツビジネスを「お金儲け」と捉えることにネガティブなイメージをもち、抵抗感のある方も多い印象です。このような状況では、スポーツの価値自体が高まりにくいのではないでしょうか?
そこで、今後、スポーツビジネスを効果的に発展させ、その価値を高めていくためには、どのような取り組みが必要だとお考えでしょうか?

[工藤様]
日本のスポーツ界、特に野球は、メジャーリーグへの登竜門としての役割が強く、ファンからはその認識が広まっています。このため、人気が低下する危険性があります。球団は地域活動に取り組んでいますが、効果的に広がっていないのが現状の課題です。
また、複数の球団が合同で行動するのは難しく、メジャーリーグのように統一的な取り組みがあれば状況は変わる可能性もありますが、日本ではそのような変革が進みにくいです。価値をどう高めるかが今後の大きな課題です。

[駒宮様]
日本のスポーツは、体育教育の一環として発展してきたという歴史があります。そのため、スポーツでお金を稼ぐということに対して、文化的な障壁が存在するのは事実です。アメリカと比較すると、アメリカではスポーツがより商業的な側面をもつ一方で、日本ではその考え方が根付いていないため、ビジネスとしての成長が難しいのです。
ただし、これを変えるためには、どのようにアプローチするかが重要です。文化的な背景を踏まえたうえで、どのようにスポーツビジネスを発展させるかを検討し、実行していく必要があります。現状の問題を認識しながら、新たな戦略や取り組みを通じて、スポーツビジネスの価値を高めていくことが求められています。

[岡部]
そのあたり、SHAPE Partnersと工藤さんが協業することで具体的にどのような形でスポーツ界に貢献できるか、短期的な取り組みから長期的な展望まで、アイデアや方向性があればぜひお聞かせください。

[藤熊様]
工藤さんと私たちの共通のバックグラウンドである野球界への貢献が、まずは中心になってくるかと思います。先日、プロ野球球団の方たちと、100年後の野球はどうなっているのだろう、という話をしました。既にお茶の間からプロ野球中継が消え、競技者人口も右肩下がりが続き、課題をあげるときりがないですが、その延長線上の未来に果たして野球は存在しているのだろうかと。。。
私たちは、長年のコンサルティング経験から、現状を分析したり、課題を整理したり、解決策を提案したり、論理的なアプローチは得意とするところです。一方、それだけでは物事がうまく進まないことも、身に染みてよく分かっています。野球の明るい未来のために、どのボタンをどういう順番で押していくと良いのか、工藤さんの経験や肌感覚に基づくアドバイスもいただきながら、一緒に取り組んでいきたいと考えています。

[駒宮様]
そうですね。私は最近実感していることが1つあります。先日、現ラグビーリーグワンの専務理事であり前職時代の大先輩にあたる東海林さんとお話しする機会がありました。ラグビーは、非常に過酷なスポーツであるからか、選手一人ひとりが「なぜ自分たちはラグビーをするのか」「ラグビーに取り組む意義は何か」を真剣に考えているとのことで、競技の価値を深く考え、競技がもつ価値を言語化して伝えていくという姿勢には感銘を受けました。
野球もかつては日本で最も人気のあるスポーツでしたが、今はその状況が変わりつつあります。そのため、野球の価値や意義を体系化し、次世代にしっかりと伝える必要があると考えています。工藤さんのように野球界に深く関わってきた方からのアドバイスをもとに、野球の良さや人間形成における価値を明確にし、それを広めていく方法を模索していきたいです。

[工藤様]
私は、スポーツには、人を成長させる力があると信じています。特に、野球はチームワークやリーダーシップ、そして何よりも「生きる力」を育むことができる素晴らしいスポーツです。
SHAPE Partnersの活動は、まさにそれを体現していると思います。私も、微力ながら協力させていただき、スポーツの力で、より良い社会を築いていきたいと考えています。

時間をかけて一緒に進めていけたらと思っています。

求める人材像

[岡部]
最後にSHAPE Partnersとしてどのような人材を採用していきたいとお考えか、簡単にお聞かせいただけますか?候補者に向けてのメッセージがあれば、それもお聞かせください。

[藤熊様]
今日は野球の話が中心になりましたが、ファーム全体としては、サッカーやバスケットボールなど他のスポーツの支援もしていますし、スポーツ以外のエンタメ領域にも幅広く取り組んでいます。さらに言うと、「一人ひとりの生活を“笑顔・感動・熱狂”で彩り続ける」ことが私たちのビジョンなので、エンタメ/スポーツに限らず、情熱を傾けられる“何か”をもった方と、一緒にそれを突き詰めていきたいです。
また、その突き詰め方も、スポーツ領域で先行して模索しているように、コンサルティング支援を入口としながら、他社資本を巻き込んだファンド設立や、自己資本を投じた事業運営など、柔軟に幅広くチャレンジしていきたいと考えています。
このような取り組みにワクワクしていただける方と、ご一緒できることを楽しみにしています。

[駒宮様]
藤熊さんが言うような「情熱を傾けられる”何か”をもった方」に近いかなと思うのですが、人生における”原体験”をもっている方は、芯があって魅力的だなと思います。
それは例えば、学生時代や現職で我を忘れるほどのめりこんだ経験や、努力の末に大成功をした経験、逆に挫折した経験など、いろいろなタイプの原体験があると思いますが、こういった経験から自分軸での価値観が形成されている方は、とても強いですし、利他的な精神をおもちの方が多いように感じます。
私は立場上、採用プロセス全体を見つつ、自分も最終面接を担当しているのですが、採用に関わるメンバー全員に伝えているのは、シンプルに「”良い人”を採ろう」ということです。豊かな人生経験をおもちで、自分なりの軸・想いがあり、人を思いやる心がある方とお会いすると、「ぜひ仲間になってほしい!」と強く感じます。

企業担当岡部のコメント

[岡部]
SHAPE Partners様がスポーツ業界等の生活関連事業でさまざまな側面から社会に貢献している様子が伺えました。特に、スポーツの価値向上や選手のセカンドキャリア支援など、スポーツ界の社会課題解決に積極的に取り組もうとされている姿勢は、他の企業にはない魅力です。
社員一人ひとりの思いを尊重し、自由に挑戦できる環境があることも、SHAPE Partners様の魅力の1つと言えるでしょう。

また、今回のインタビューでは、2024年5月より顧問に就任された元ソフトバンクホークス監督である工藤公康様にもご参加いただきました。スポーツ界の超大物ということで少し緊張しましたが、大変気さくかつ人当たりの良い方で、インタビューも終始和やかに進みました。
選手・監督として輝かしい結果を残され、2020年4月から筑波大学大学院でスポーツ医学等を学ばれている工藤様の顧問就任は、SHAPE Partners様の存在や社会的価値をさらに高め、今後の発展に大きく貢献すると確信しました。
また、藤熊様と駒宮様の熱意あふれる言葉からは、SHAPE Partners様のビジョンである「一人ひとりの生活を“笑顔・感動・熱狂”で彩り続ける」ということを本気で実現したいという強い想いが伝わってきました。
SHAPE Partners様は、スポーツ・エンターテイメント、消費財業界等、生活関連事業で社会を良くしたいと思う方にはきっとやりがいと成長を感じられる場所となるはずです。

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