デロイト トーマツ コンサルティングのヒューマンキャピタルディビジョン・人事機能変革(HR Transformation)ユニットでは、クラウドシステムによる人材情報活用の高度化、AIの活用による業務の効率化・合理化の推進、デジタルツールを活用した多様な働き方の実現等、次世代に対応できる組織作りと人材育成を支援しています。
今回は、人事機能変革事業責任者の小野 隆様に登場いただき、同社出身のフォルトナ上野・水上がインタビューを行いました。
小野様のこれまでのキャリアを紐解きつつ、HRTユニットの最新の動きやフォロー体制、求める人物像等様々なお話をお伺いしました。
小野 隆様 プロフィール
人事機能変革事業責任者 執行役員/パートナー。人事領域の機能・組織・業務・人材の変革について、HRテクノロジー、デジタルHR、エンプロイーエクスペリエンス、BPR、SSC・BPO、チェンジマネジメント等の観点から支援している。グローバルヒューマンキャピタルトレンドサーベイに関する講演多数。グループ組織再編・M&Aにおける人事PMI等にも豊富な経験を持つ。
ドラスティックな変化が起きているHR領域の課題に対して、テクノロジーを起点に変革を起こす
[上野]
本日はよろしくお願いいたします。まずは、小野さんのご経歴を伺えますでしょうか?
[小野様]
新卒で入社した中堅医薬品メーカーで7年程人事を務めた後、デロイト トーマツ コンサルティング(以下、DTC)のヒューマンキャピタル(以下、HC)ディビジョンに参画しました。それ以来、主に人材変革・組織変革を担当し、幅広く組織人事コンサルティングの経験を積んでいます。また、社外の活動として、大学教授を座長とした人材流動化の研究会を立ち上げ、大企業や中小企業、ベンチャー、 NPO法人等を集める経験もしました。現在は人事機能変革(HR Transformation(以下、HRT))ユニットの事業責任者を務めています。
[上野]
ありがとうございます。次に、小野さんがリードするHRTユニットがどのような組織か、ご紹介いただけますでしょうか?
[小野様]
我々はHRストラテジー×テクノロジーの領域で、HCディビジョンの他のユニットともコラボレーションしながら、End to Endのサービスを提供しています。
HRの現状として、もうテクノロジーとデータなしでは効率化・高度化できない状況です。
エンプロイーエクスペリエンスやヒューマンエクスペリエンス等と言われていますが、会社が方針を決めてトップダウンでHR領域の変革・対応を進めるやり方から、社員一人ひとりがボトムアップで自分のパーパスと会社のパーパスを擦り合わせながら働くスタイルに変化しており、組織と個人の関係が逆転しています。そういった中で、何千人、何万人いる社員一人ひとりの情報をアナログにおさえるのは難しいのです。
[上野]
だからこそテクノロジーとデータが必要、ということですね。
[小野様]
はい。そしてこのような従来からの変容がある中で、コロナ禍を起点としたワークスタイル変革や人的資本経営等、様々なテーマが出てきました。それを全社変革という形でCHROが他のCxOと連携しながら仕切っていかなければいけないという、かなりドラスティックな変化が起きています。ここをしっかりとご支援するのが我々のミッションと言えます。
[上野]
時代の大きな変化の中で、最先端かつチャレンジングなテーマに取り組まれていらっしゃいますね。
[小野様]
はい。テーマはもちろん、人事戦略からオペレーティングモデル構想やHRIS構想の策定、業務改善、テクノロジー導入、マネージドサービスなど幅広い業務領域があるため、幅広いキャリア形成もしくは一定の専門領域に特化したキャリア形成ができます。これはHRTユニットならではの魅力だと思います。
丁寧なメンバーフォローで、キャリア形成を後押し
[上野]
最先端の組織人事テーマに触れつつ、テクノロジーの知見を磨けるのは魅力的ですね。プロジェクトについてはどのようなアサインをされていらっしゃるのでしょうか?
[小野様]
可能な限りメンバーの意思を尊重したアサインメントを心がけています。
毎週金曜日にマネジャー以上が集まり、アサインについて議論するんです。その時マネジャーにお願いしているのは、プロジェクトマネジャーとしての立場だけでなく、コーチ(1人のスタッフメンバーに対して1人のマネジャーが割り当てられ、スタッフメンバーのDTCでのキャリア形成をサポートする仕組み)の立場としてもコメントしてもらうことです。
例えばアサインが提示された時に、「彼は今のプロジェクトに長く入っています」とか、「彼女はこういう方向を希望しています」とか、そういう情報を上げてもらうようにしています。その情報自体は、メンバーとの月一のコミュニケーションで取ることにしています。キャリアは自らが描くものだと思っているので、それを大事にしたいですし、できるだけメンバーの意思を反映したアサインメントを心がけています。
[上野]
小野さんのお人柄が分かる非常に素敵な取り組みですね。コンサルタントはアサイン次第で全くキャリアが変わってくるので、そこを重視されているのは元コンサルタント目線からも大変ありがたいと思います。
[水上]
私もメンバーの一人として在籍していた時、マネジャーとのコミュニケーション機会が多かった印象を持っています。180日プログラムもその一つですね。
[小野様]
180日プログラムでは入社してから6回、メンバーとコーチと私で面談を行います。目的はソフトランディングです。私自身、ハードランディングで苦労をしたので、メンバーに同じ思いをさせたくない。プロジェクトのフィードバックを集約して、良かった点と課題点、それを克服するための相談をすることにしています。HC全体で10年ぐらいやっていますね。
また、HRTユニットでは、プロジェクト満足度調査を定期的に実施しています。スコアが低かったり、返信がなかったりする人たちに対して、こちらから問いかけを行う取り組みです。この辺りのメンバーのフォローはかなり愚直にやっています。
[上野]
日常の仕事はプロジェクトメンバーで閉じられがちなので、180日プログラムやプロジェクト満足度調査のような形でプロジェクトメンバー以外の人からも見てもらえるのは安心しますよね。組織としても個人としてもより良くなるための動きは、本当に素晴らしいなと思います。
[小野様]
最近は他のディビジョン・ユニットとのコラボレーションが活発になっているので、場合によってはHRTのメンバーがプロジェクトに一人しかいないというケースもあります。そういう時は、特に注意を払ってケアをするようにしています。
[水上]
実際にメンバーからはどのような声が上がっているのでしょうか?
[小野様]
そのようなプロジェクトに長期間アサインされているメンバーからは、仕組みとしてこのようなフォローアップの機会があることは有難いという声は聞いています。
リスペクトとインテグリティ、DTCが求める人物像とは
[上野]
様々な角度からフォローアップを大切にされていることがとてもよく分かりました。次に、HRTユニットとして求める人物像を教えていただけますでしょうか?
[小野様]
リスペクト(尊敬)とインテグリティ(誠実さ)が重要だと思います。繰り返しになりますが、我々の強みはコラボレーションです。クライアントの課題を解決するために、組織の垣根を越えてEnd to Endでサービスを提供しています。それを行うためには相手に対する尊敬や誠実さが必要ですし、DTC全体で求められている素養だと思います。
特にHRTユニットと言う意味では、人事・テクノロジー・グローバル・ポテンシャル、4つの素養を見ています。入社する時に全て揃っている人はなかなかいらっしゃらないので、例えば人事とテクノロジーのように、できれば2つの要素+ポテンシャルが揃っている方であれば嬉しいです。
[上野]
ちなみにポテンシャルとは、どういったものでしょうか?
[小野様]
所謂コンサルティングスキルのことです。クライアント企業と関係構築をするリレーションスキル、自分自身を含めたプロジェクトマネジメントスキル、ロジカルシンキングです。
[上野]
ポテンシャルとは言えども、才能のことではないということですね。
[小野様]
はい。これらは後天的に努力で身につけることができると思っていますので、ぜひチャレンジしていただきたいです。
そして、キャリアに対する想いは本当に人それぞれなので、経験の幅を広げたいという方も、特定領域を突き詰めたいという方も歓迎です。ただし、組織人事コンサルタントとして、テクノロジーを知らないと厳しい時代ではあるので、そこは避けて通れないと思います。
[上野]
テクノロジーの知見を持っている方は特に適性があるということですね。最後に、候補者の皆様へメッセージをいただけますでしょうか?
[小野様]
DTCのHRTユニットが扱う領域は本当に面白くワクワクするプロジェクトばかりだと思っています。クライアント企業に対して、HRストラテジー×テクノロジーの領域で、HCディビジョンの他のユニットともコラボレーションしながら、End to Endのサービスを提供できる。加えて、エコシステムアライアンスやWeb3といった最新トレンドの案件に対して、そのダイナミクスの中心でコンサルティング経験を積むことができるのは、DTCならではです。なので、挑戦心がある方には、是非飛び込んできていただきたいと思います。
[上野]
お話を伺っていて、本当にワクワクするプロジェクトテーマや、温かいカルチャーが大変魅力的なユニットであると改めて認識致しました。本日はありがとうございました。