コンサルティングから自社事業まで「面白いことをどんどんやるファーム」
[石川]
コンサルティングファームとして貴社が大切にされていることを教えてください。
[中川様]
現場に根差したコンサルティングです。私自身、戦略コンサルタントとして所謂上流のプロジェクトを担うなかで、現場に腹落ちさせてそれを動かしていかないと結局何にもならないと感じていました。コンサルティングは高級人材派遣や社員代替と言われることもあり、それにマイナスのイメージがもたれることもありますが、クライアントと同じ気持ちになって推進できているという意味で、むしろ良い言葉だと思います。
[石川]
そのうえで、現在貴社ではどのような方向性で進められるのでしょうか？
[中川様]
2つあります。
1つは、コンサルティング事業を柱に、新たな事業を立ち上げ、コンサルティングビジネスだけの大幅拡大路線はとらないことです。コンサルティングビジネスだけを拡大していくことも一つの方向性ではありますが、われわれは他の事業に投資できるレベルの水準にコンサルティング事業が拡大したあとは、自然に任せようと考えています。コンサルティング事業を柱に、そこで培った知見や人材を生かして他の事業を立ち上げていくことを考えております。
もう1つは、コンサルタントの育成に注力することです。結局コンサルティングは人のビジネスなので、ベーススキルはもちろんのこと、特にマインドセットにフォーカスして、研修プログラムを作っています。また、評価についてもBCGのレベルを前提に作っているので、単価や稼働率、クライアント評価だけでみるのではなく、社内連携やコンサルティング以外の採用や育成、社内タスクフォースへの貢献でもプラスアルファで評価し、コンサルタントが成長できる環境を整えています。
[石川]
コンサルティング以外の事業の立ち上げは、どのように計画されているのでしょうか？
[中川様]
現在進めているフリーランスコンサルタントと企業のマッチングプラットフォーム事業は、私のトップダウンでスタートしましたが、今後は社員のボトムアップでもどんどん作っていきたいと考えています。現在、新規事業立ち上げのためのルールを整備している最中で、コンサルティングと並行して新規事業にも携われるような仕組みを考えています。
また、いきなり新規事業というのは、経験的にハードルが高いと感じる方も多いと思います。その場合は、先ほどご紹介した社内タスクフォースで必要な経験を積めるようにしています。たとえば、オフィシャルスポンサー契約を結ぶ「アビスパ福岡」に対して、社内でタスクフォースを募りプロボノ的にコンサルティングを行っていますが、業務やIT領域の経験しかないコンサルタントが戦略案件を経験する機会として機能しています。
[石川]
貴社のコンサルティングの特徴や、どのようなプロジェクトが多いかを教えてください。
[中川様]
まず、大手ファームのようにいきなりガッツリ入り込むのではなく、相談ベースからコンサルティングに入ることが多いです。最初は数人でスタートし、必要なときに必要な体制で入るようにしています。
また、企画段階から始まり、実行の部分まで担うことが多いです。たとえば、AIを使ったプロダクトを作るというプロジェクトでは、具体的なプロダクトの中身の企画から、UI・UXの設計、プロダクトの売り込みまで現場に入り込んだコンサルティングを行いました。
加えて、SIerやAI企業を巻き込んで、PMOとそれに伴うITコンサルティングを担うこともよくあります。たとえば、コールセンターの完全自動化プロジェクトでは、AI企業が開発したエンジンに対して、他のシステム/ベンダーとの連携や全般ITプロジェクトとしてのマネジメントを担い、高い評価をいただきました。市場のニーズとしても今後増えていくテーマだと思います。
[石川]
プロジェクトテーマは、戦略と業務・ITでどのような比率なのでしょうか？
[中川様]
戦略が2割、業務・ITが8割で、ワンプールで担っています。特に、業務・IT の中でもPMO案件が中心です。近年、PMOの難易度はどんどん上がっています。今までのように、進捗管理をして課題を潰していくだけではなく「そもそもの課題は何か」「どう課題を潰していくのか」を考えることが求められるようになり、その重要度は増しています。
[石川]
PMOという言葉が一人歩きするなかで、貴重なお話だと思います。
貴社の今後の展望を教えていただけますか？
[中川様]
まずは300名体制を確立し、5年後の上場を目指しています。それまでに、新規事業もあと2～3ほど立ち上げたいです。個人的には、教育・人をテーマに興味がありますが、先ほど触れた通り社員の企画にも拠ると考えます。
上場する目的はお金と人材です。上場のタイミングで得たお金と集まった人材を駆使して、コンサルティング事業と並ぶ事業の柱を複数立てられる企業にしていきたいと思っています。
そのうえで、私の学生時代からの思いでもある、社会貢献を意識したいと思っています。現在取り組んでいる学生やスポーツ支援、地方創生などのプロボノプラスアルファの活動を加速していきたいですね。
LASINVAの創業に至った経緯からお分かりいただけると思いますが、カチッと決めて、というより、ここまで「ノリ」でやってきました（笑）。いい意味でこの「ノリ」を忘れずに、面白いことをどんどんやっていけたらと思っています。
[石川]
それだけ社員にも多くのチャンスがあるということですね。
ベンチャーなのに成熟したメンバーが集まる理由は、社長の人柄
[石川]
ここからは採用についてお伺いできればと思います。
まずは、貴社の体制について教えてください。
[中川様]
2024年4月1日時点で、正社員46名です。これに加えて、フリーランスコンサルタントとしての登録が1500名程度あります。
[石川]
そんななかで、貴社のカルチャーはいかがでしょうか？
[中川様]
一言で表すと「成熟ベンチャー」です。コンサルタントキャリアが長いメンバーが多くいる一方で、共通の価値観として「挑戦」「ワクワク」を大切にしています。面接で中学時代から遡り、ひたすらパーソナリティを深掘りするなかで、そこにマッチしている人を採用しています。
[石川]
制度についても教えてください。
[中川様]
まずは、先ほどお話しした研修制度「eVoLution(エヴォリューション)」があります。特にコンサル未経験者を対象に、スキルとマインドセットを鍛えられる研修制度を用意しています。また、評価制度もBCGレベルの細かい基準で設定しています。あとは書籍購入制度として、プロジェクトに必要なものの他に、5000円/月まで購入できる仕組みがあります。
社内交流については、月1回の全社会議を設けています。今後、より一層コンサルタント同士の結束を強めるために、勉強会やコミュニティ制度のようなものも検討しています。
働き方としては、現状はリモートと顧客先への出社のハイブリッドが主体です。仙台に住んでいるメンバーもいらっしゃいます。
[石川]
そんななかで、貴社だからこそ得られるキャリアパスは何でしょうか？
[中川様]
コンサルタント以外のキャリアがあることです。社内タスクフォースのように、若いうちからコンサルティングプラスアルファの経験を積むことができますし、その先のキャリアとしても、自社経営への参画や新規事業の立ち上げ、エキスパートとしてソリューションを追求することや営業にフルコミットすることなどさまざまな選択肢を用意しています。
[石川]
貴社の面接でみているポイントを教えてください。
[中川様]
スキル面では、ビジネスコンサルタントを経験している方はもちろんのこと、IT領域でPMや要件定義を経験されている方がメインターゲットです。
マインド面では「オーナーシップ」を重視しています。オーナーシップとは、物事を自分事として考え、ドライブしていくことです。たとえば、打ち合わせでパッとホワイトボードの前に立って仕切るというのは、オーナーシップの表れです。面接では、過去の経験のなかで、困難な状況からどういう立ち回りをしたか具体的に聞くことが確認しています。多少スキルが足りなかったとしても、このマインドをもっている方であれば採用しています。
先ほどお話ししたように、コンサルティングプラスアルファができる環境があるからこそ、積極的なマインドをもっている方に参画していただきたいですし、それを生かせる方が活躍されています。
[石川]
実際に貴社に入社された方は、どのような点が入社の決め手だったのでしょうか？
[中川様]
大きく3つのパターンがあると思います。
1つ目は、コンサルティングに集中したいというパターンです。大手ファームで活躍されている方は、採用や営業にリソースが割かれるため、なかなかコンサルティングに注力できません。われわれはデリバリーに注力できる環境を整えているため、そこに魅力を感じて入社される方は多いです。
2つ目は、会社経営や新規事業に携わりたいパターンです。前者は早期フェーズならではの魅力だとも思いますし、後者は既に触れた通りコンサルティングプラスアルファを標榜しております。
3つ目は、年収を上げたいパターンです。単価や稼働はもちろんのこと、それ以外の貢献を還元する仕組みがあり、その還元率も大手ファームより高く設定しています。結果的に現職より大幅に年収を上げた社員もおります。
[石川]
弊社のご相談者様に、貴社へ入社をされた理由を伺うと「中川さんの人柄に惚れて入社しました！」という方が多くいらっしゃいます。インタビューの文面からも、中川様のパッションが伝わるといいのですが。
[中川様]
私、良い意味でも悪い意味でも？嘘がつけない人間なんです（笑）。面接では、良くも悪くも本音でお話しするので、結果的に長時間の面接になってしまうのですが、等身大でお話ししているからこそ、信じていただけているのだと勝手に思っています。
[石川]
最後に候補者へのメッセージをお願いいたします。
[中川様]
このインタビューに私や会社のことは詰まっておりますが、正直に申し上げて、まだまだ創業第二フェーズの会社ですし、当然良い部分はありつつも、出来ていないところや整えていかねばならない部分もございます。ただ、それを一緒に作っていきたい、会社の成長に寄与してその中で自身の夢にも挑戦したい、という方にはマッチする会社だと考えます。
いきなり選考…ではなく、興味が少しでも沸きましたらカジュアル面談や軽くお茶するような形からのスタートでも当然ウエルカムです。皆さまのご連絡、お待ちしております！
