三井物産(ビジネスコンサルティング+室) ×フォルトナ スペシャルインタビュー

公開日:22023.12.25 最終更新日:2024.11.25

「世界中の未来をつくる」をミッションに、一人ひとりの「挑戦と創造」で事業を生み育て、社会課題を解決し、成長を続けることを標榜する三井物産株式会社。日本を代表する総合商社として、日本・世界に大きなインパクトを与え続けています。
今回インタビューする総合力推進部 ビジネスコンサルティング+室(ビジコンプラス室)は、三井物産グループ企業各社の価値向上とグループ全体のさらなる進化・変革を使命とした、コンサルティングファームのマネージャー以上経験者が集う少数精鋭の経営改善・バリューアップ部隊です。

今回は同室より、室長の横山 裕司様、プロジェクトマネージャーの原田 巴宏様、青柳 充哉様、錦美 良様に登場いただきました。
インタビューは、デロイト トーマツ コンサルティング時代、横山様や青柳様と先輩後輩の関係であったフォルトナ水上が務めます。

横山 裕司様 プロフィール
ビジネスコンサルティング+室長。
株式会社ブリヂストンに新卒入社。本社や国内工場で人事業務に従事。その後、デロイトトーマツコンサルティング合同会社に転職。ヒューマンキャピタルユニットに所属し、組織・人事系のコンサルティングサービスを国内外のクライアントに提供。2019年に三井物産株式会社 総合力推進部 ビジネスコンサルティング+室に入社。

原田 巴宏様 プロフィール
プロジェクトマネージャー。
三菱商事株式会社に新卒入社。化学品グループにて合成樹脂トレーディングに従事。途中MBA留学を経て、樹脂製品製造子会社への出向・再建を担当。その後、電力ソリューショングループにて、途上国へのガス焚発電所の導入プロジェクトに従事し、A.T. カーニーに転職。Strategic Operation領域を中心に、製造業・製薬・PEファンドなどに対するPMI、ビジネスDD、調達改革などのプロジェクトに参画し、2023年に三井物産株式会社 総合力推進部 ビジネスコンサルティング+室に入社。

青柳 充哉様 プロフィール
プロジェクトマネージャー。
デロイト トーマツ コンサルティングに新卒入社し、以来一貫して組織・人事領域のプロジェクトに従事。主なテーマは組織設計・人事制度設計・リーダーシップ開発・人材育成・要員人件費マネジメント・人事機能強化・組織風土改革等。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパンにてアサイン管理・キャリアコーチング/各種人事施策や制度の企画運営を担当。2023年より三井物産株式会社 総合力推進部 ビジネスコンサルティング+室に入社。

錦美 良様 プロフィール
プロジェクトマネージャー。
米国大学卒業後、外資系メーカーにてアジア・パシフィック地域の財務企画に従事後、アクセンチュア株式会社に転職。製造・流通業界を中心に、経営・デジタルコンサルティング支援を担当し、イノベーションハブ立ち上げにも従事。その後、アストラゼネカ株式会社にてCIO直下で営業・マーケティング領域のデジタル戦略立案・実行をリード。2023年に三井物産株式会社 総合力推進部 ビジネスコンサルティング+室に入社。

決め手は、三井物産だからこそ実現できる「グローバルなリアルインパクト」

[水上]
まずはご経歴からお伺いできますでしょうか?

[原田様]
新卒で三菱商事に入社し、最初の10年ほどは化学品グループに在籍しました。途中、社内制度でのMBA留学を挟み、帰国後は三菱商事が買収した企業の再建を株主派遣という形で担当しました。その後、電力ソリューショングループに移り、発電所の投資などを経験した後、外資系戦略コンサルティングファームのA.T.カーニーに転職しました。マネージャーまで経験し、2023年より三井物産に参画しています。

[青柳様]
デロイト トーマツ コンサルティングに新卒入社し、組織・人事領域のコンサルタントとしてマネージャーまで経験しました。
ちなみに、入社選考プロセスの一部であった大学3年時のサマーインターンシップのケース担当マネージャーが、ビジネスコンサルティング+室の室長である横山さんでした(笑)。上司にも恵まれ、コンサルタントという仕事にやりがいを感じて楽しくやっていたのですが、マネージャーに昇格し、家族(子供)ができたタイミングでコンサルタント以外のキャリアの選択肢を考えることになりいろいろ悩んだ結果、外資系戦略コンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーのバックオフィス部門(プロフェッショナルディベロップメント)のマネージャーに転職しました。そこでは、プロジェクトのアサイン管理やキャリアコーチング、人事制度の企画・運営等を担当していました。
その後、横山さんにお声がけいただき、2023年に三井物産に参画しました。

[錦美様]
米国の大学を卒業後、外資系メーカーでの財務企画経験を経て、外資系総合コンサルティングファームのアクセンチュアに入社しました。アクセンチュアでは、製造・流通業界を中心とした経営・デジタルコンサルティングに従事し、8年ほど勤務しました。
その後、コンサルタントの経験を生かして自社事業に貢献したいという思いが強くなり、外資系製薬企業のアストラゼネカに転職しました。CIO直下で営業・マーケティング領域のデジタル戦略立案・実行を担当した後、コンサルティングの仕事をしながら会社に貢献したいと思い、2023年に三井物産へ参画しました。

[水上]
三者三様のキャリアですが、三井物産に入社した決め手は何だったのでしょうか?

[原田様]
私は三菱商事在籍時に、買収先の経営再建を経験したことがきっかけでした。初めて経営に携わってみて、自分の仕事が直接経営にインパクトを与えるのが非常に挑戦的で面白かったので、それを極めるために戦略コンサルタントに転職をしました。
そこではさまざまな大企業のプロジェクトに携わることができたのですが、大きすぎるあまり経営に直接的なインパクトを与えられたという実感が弱く、コンサルタントを志した当初の思いを実現できているのかというと、疑問がありました。そんなとき、三井物産のビジネスコンサルティング+室の募集を発見したんです。
総合商社にはいろいろなグループ企業がありますが、端から端までみえる規模の企業が多くあります。そういった企業に人と資本を投入し、成長させるビジネスモデルを確立することで、より総合商社ビジネスが強くなるのではないか、それを自分自身がやってみたいと思い、入社しました。他社には同様のポジションがなかったため、三井物産一択でしたね。

[水上]
実際に入社してみて、やりたかったことはできていますか?

[原田様]
まさに今、あるグループ企業の再建に向けた課題発掘を推進している最中です。本当に多種多様なグループ企業があるので、プロジェクトには困らないですね(笑)。

[青柳様]
私は2つ理由があります。
1つ目は、当時のミドルオフィス・バックオフィスの仕事に「モヤモヤ」を感じていたことです。家族のために仕事の負荷を下げつつ、コンサルティングファームでコンサルタントのキャリア開発に携われるポジションとしてやりがいは感じていたのですが、「本当にこの仕事をずっとやっていくのか」という気持ちも正直ありました。心のどこかでは自分自身がまたコンサルタントとして活躍するチャンスがどこかにあるのではないかと考えていました。そんなタイミングで、横山さんにお声がけいただいたのが大きな理由です。
2つ目は、コンサルティングファームと事業会社を足して二で割ったような組織で、自分の経験が生かせると思ったことです。コンサルもミドルオフィス・バックオフィスも経験していて、組織・人事領域に特化している自分のキャリアなら役に立てると、ワクワク感を覚えました。
調べてみると他にこのような立ち位置の組織はないし、コンサルタントとしてのキャリアを始めるきっかけをくれた横山さんに声をかけてもらったし、悩みはしましたが、最終的にこれはもう行くしかないと思って決めましたね。

[水上]
入社してみて、いかがですか?

[青柳様]
まず入社して驚いたのは、総合商社の事業の幅と規模感です。組織・人事領域の相談はすべて私のところに来るのですが、相談のバラエティの豊富さに圧倒されました。それぞれの状況において、どうやって的確なアドバイスをするか考えるのは楽しいですし、自分の経験と幅が広がっていく感じがいいなと思っています。
また、ずっとコンサルティングファームにいたので、クライアントが困っていたことをリアルに体感しているのは新鮮です。当事者として、実際の変革を最後まで推進できるのは、コンサルティングファームではできない事業会社内のポジションならではの醍醐味です。

[錦美様]
私はコンサルティングをやるなかで、最終的には経営者になりたいというイメージがありました。それを実現するためには起業するか、どこかの企業の社長になるかですが、いきなりはやっぱり難しくて。そうして悩んでいるときに、ビジネスコンサルティング+室にいた友人から話を聞いて興味をもちました。
それまでは商社ビジネスの理解が乏しかったのですが、今の商社は投資ファンドのようなビジネスを展開しており、バリューアップやハンズオンでの経営改革ができるのは私がやりたいことのイメージに近く、純粋に面白そうだと思い入社しました。

[水上]
コンサルも事業会社も経験されていますが、ビジネスコンサルティング+室ならではの魅力は何でしたか?

[錦美様]
まず、ビジネスコンサルティング+室にはコンサル出身者とプロパー社員が在籍しているため、コンサルの知識と総合商社の経験を掛け合わせるのが大変面白いです。ビジネスコンサルティング+室にはプロパー、キャリア入社問わず、個の能力が高い優秀なメンバーが集まっていて、お互いを尊重し合う組織です。
また、総合商社だからこそ、日本だけでなく世界中の未来を作るチャンスがあるというのも魅力的でした。外資系コンサルティングファームは日系のクライアントがほとんどなので、グローバル案件に携わる機会は意外とありません。「外資系企業の日本支社」と「日本発のグローバル企業」の違いですね。
自社のために戦略立案から実行まで携われるのも私のイメージどおりでしたし、本当に入社してよかったと思っています。

三井物産グループ専属の経営改善・バリューアップ部隊

[水上]
ビジネスコンサルティング+室について、横山室長から成り立ちや特徴を教えていただけますか?

[横山様]
ビジネスコンサルティング+室は2016年に立ち上がった比較的新しい組織です。今でこそ20名程度の組織となりましたが、立ち上げ当初は数名の体制で、社内でも十分認知されていない状況でした。ビジネスコンサルティングを名乗っているものの、コンサルティングをする場がなかなか無かったので、最初はこちら側から社内営業をし、コスト削減といったテーマのプロジェクトを地道に重ねることで、少しずつ社内での知名度と案件を広げ、今に至っています。
室のメインミッションは、連結三井物産の企業価値を高めることですが、最近では三井物産の事業本部に対する戦略提言のほか、三井物産のグループ共通課題の特定と、その解決策を提言するような役割まで担うようになってきています。

[水上]
三井物産グループが大企業であるが故に見切れなかった部署ごとの課題を俯瞰できる、唯一の組織だからこそ担える役割ですね。

[横山様]
とにかく現場を知っていることがわれわれの最大の強みです。経営者がどういったことに悩んでいて、担当者が何に困っているのか、という全体像が見えるのは、われわれの特徴だと考えています。

[水上]
今まで1番印象的だったプロジェクトは何でしょうか?

[横山様]
前提として、グループ企業各社の改善はどれも意義があり、且つインパクトのある仕事です。ただ、現在メンバー全員で取り組んでいるグループ全体の共通課題を解決することは、われわれとして大きな挑戦となっています。
三井物産は巨大な組織であり、それが故に組織間で知的資本の共有が構造的にしにくい状態があります。全社でやればいい改善を部署ごとに行うことで無駄が生じているといった課題がありました。それを解決するために、全社の業務プロセスを根本的に変える取組みにも着手しており、これは、歴史ある三井物産のカルチャーに対する大きなチャレンジだと思っています。

[水上]
外部からアドバイスをするコンサルティングファームでは経験し得ない、社内の経営改善・バリューアップ部隊ならではの醍醐味ですね。
組織としての今後のビジョンはいかがでしょうか?

[横山様]
まずは、今申し上げたプロジェクトを完遂して、確実に運用していくことが大きなミッションです。仕組みを作るだけではなく、社員全員のマインドセットを変える必要があるため、非常に難易度が高く、長い時間がかかると思っています。
今はそのスタート地点なので、このプロジェクトを立ち上げきることが、直近1〜2年のミッションです。
また、グループ会社の経営改善はわれわれの祖業ともいえる重要な仕事ですので、引き続き注力していきます。新しい会社の買収や経営統合が日常的に行われるなかで、直面する経営課題や求められる専門性も常に変わっていきます。そこをキャッチアップして、サポートしていくのがわれわれの役割です。

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