PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)は、戦略の策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供しています。グローバルに広がるPwCのネットワークと連携しながら、クライアントが直面する複雑で困難な経営課題の解決に取り組み、国内はもとよりグローバル市場での競争力強化を支援しています。
なかでも、Customer Transformationチームでは、サステナビリティなど消費者の意識の変化、人口の減少、異業種の参入、顧客タッチポイントの多様化といった各種の変化、それに伴う課題がある中で、「いかにしてカスタマーサクセスを実現し、本業のトップラインを継続的に向上させていくか」というクライアントの経営課題解決に向け、多様な観点から支援を行っています。提供しているサービスはマーケティング、セールス、カスタマーサービスの領域にまたがり、戦略立案、業務改革、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)のシステム導入など、構想から実装・定着・改善までを一貫して支援しています。また、Web3をはじめとする昨今のテクノロジーの進展やデジタルシフトにも対応し、新たな顧客体験の企画・構想・実装、新規事業の企画・開発・ブランディングなど、幅広い領域においてクライアントを支援しています。
今回は、2023年よりCustomer Transformationチーム内に立ち上がったCustomer Value Strategyより、CX-Digital Architectureをリードするディレクターの土井 俊悟様と、同じくCustomer Strategyをリードするディレクターの堀口 陽介様に登場いただきました。
インタビュアーはフォルトナ小野と加藤が務めます。
土井 俊悟様 プロフィール
Customer Transformation/Customer Value Strategy/CX-Digital Architecture ディレクター。
新卒で日系シンクタンクに入社。PwCコンサルティング参画後は製造業を中心にDXやCXという幅広いテーマでコンサルティングに従事。2023年よりCustomer Value StrategyのCX-Digital Architectureをリード。
堀口 陽介様 プロフィール
Customer Transformation/Customer Value Strategy/Customer Strategy ディレクター。
新卒でIT系コンサルティングファームに入社。PwCコンサルティング参画後はセグメンテーションやポジショニング、ターゲティングなどの顧客戦略コンサルティングに従事。2023年よりCustomer Value StrategyのCustomer Strategyをリード。
「いい人、いい会社だな」PwCを選んだワケ
[加藤]
まずはご経歴から教えていただけますでしょうか?
[土井様]
新卒で日系シンクタンクに入社し、2016年にPwCコンサルティングへ転職しました。PwCコンサルティングでは、入社以来CRMやSFA領域を専門とするCustomer Transformationに所属しています。製造業を中心にDXやCXという幅広いテーマでコンサルティングサービスを提供しており、今期よりCustomer Transformation内に立ち上げたCustomer Value StrategyチームのCX-Digital Architectureのリードをしています。
[加藤]
ご入社の決め手はどんなところでしょうか?
[土井様]
前職でも業務改革系のコンサルをしておりましたが、どちらかと言うと国内企業向けのSIを前提としたコンサルティングがメインでした。もう少し異業種の方とのコラボレーションやグローバル環境に身を置いて仕事をしていきたいという気持ちから転職を決意しました。
[加藤]
続きまして堀口様もご経歴を教えてください。
[堀口様]
私は新卒でIT系コンサルティングファームに入社しました。約3年在籍し、SIの上流から下流まで一通り経験ができたため、提供できるサービスの幅を広げるためにコンサルティング業界への転職を希望しました。PwCコンサルティングを選んだのは、質の高いサービスを提供できると感じたためです。現在は私もCustomer Value StrategyチームのCustomer Strategyのリードをしています。
[加藤]
入社を決めた理由を教えてください。
[堀口様]
当時の中途採用面接官の印象がよく、「いい人、いい会社だな」と思ったことが1番の決め手になります。
[加藤]
面接官のお人柄ということでしょうか?
[堀口様]
そうです。面接は雑談でほぼ終わりました。ただ雑談をしたというよりも、私のことを理解しようという姿勢で会話をして下さり、雑談していいよという空気感も心地良かったです。
[加藤]
フィーリングと言いますか、お人柄や会社の雰囲気に合うかどうかがご入社の決め手になられたのですね。ご入社後はやりたかったことはできていますか?
[堀口様]
はい、望んだことはさせていただいております。
新設のCustomer Value Strategy その全貌とは
[加藤]
今回 Customer Transformation の中にCustomer Value Strategyという位置づけを設けられたと伺っています。Customer Value Strategyとはなんでしょうか?
[土井様]
Customer Value Strategyを設立した意図は、企業のCxOとカスタマー領域の戦略性の高いアジェンダを議論し、クライアントのトップラインの成長に寄与することです。カスタマー領域は、マーケティング・セールス・サービスなど複数の部門にまたがっており、より大きなインパクトを提供するには、より上位層の立場の方々と会話する必要があります。Customer Value Strategyでは、フォーカスされたアジェンダに沿ってオファリングの統合と開発、ならびに提案、コンサルティングの実施を行っています。
Customer Value Strategy の中に私がリードするCX-Digital Architectureと、堀口がリードするCustomer Strategyがあるという組織体制です。
[加藤]
CX-Digital Architectureチームについて、具体的にどういったプロジェクトを手掛けられているのか教えてください。
[土井様]
あるべき顧客体験をデザインすることに加えて、それを着実に実行していくためにビジネス・業務・システム・データのレイヤーをつなぐアーキテクチャ(設計図)を描き、その設計思想に基づいてクライアントを支援しています。
主なクライアントとしては、自動車OEMメーカーや部品サプライヤーなどの製造業がメインです。後ほど堀口からも話しがあると思いますが、CXはお客様の体験やインサイト、もしくはひらめきがメインになってきます。
ここは大切にすべきところで、私たちのチームで手掛けたいのはそうやっていい体験価値を描いたものを、どうやってお客様になじませていくのかというところです。設計図をビジネスの面、テクノロジーの面、オペレーションの面でデザインをしていく。こういうバリューを出していきたいと考えています。
[加藤]
いわゆるCX起点でナーチャリングであるとか、カスタマージャーニーを描いたりして接点を増やしていくようなプロジェクトを中心に描かれているというイメージですね。
続いて堀口様もチームについて、具体的なプロジェクト内容についてお伺いできますか。
[堀口様]
Customer Strategyチームの主な案件は顧客戦略と言っていますが、いわゆるマーケティング支援で、お客様の理解を中心とした戦略の策定ですね。セグメンテーションやポジショニング、ターゲティングなどを実施しています。そのなかで1番大事にしているものは、先程の土井と重複しますが、インサイトを深掘りしてどうやってお客様にセグメンテーションしていくか。多くの企業は年齢や性別といったデモグラフィックフィックでセグメンテーションを行っていきますが、それだけでなく私たちは価値観であったり行動する変数を重視したりしてセグメンテーションを行っています。それを広告代理店とブリーフィングしたり、獲得施策のキャンペーンを設計したりするなどして顧客起点でのマーケティングを再構築していきます。これをやっていくにはアーキテクチャの話しが必要になってきますので、つい先週も土井と一緒に提案書を書いていました。こうやってタッグを組んでやっています。
[加藤]
右脳的と言いますか、行動変数はロジカルに数字に表れないところにも落とし込みながらターゲティングやセグメンテーションを設定されていらっしゃるということですね。
メンバーのチーム編成は、どのように分けているのでしょうか?
[堀口様]
CX-Digital Architecture とCustomer Strategyについては、カチッとしたチーム編成はしていません。今期立ち上げたということもあり、Customer Transformation全体のケイパビリティや経験のタグを見ながら、案件によって紐づけているイメージです。タグが複数つく方もいて、その場合は兼務いただいています。
[加藤]
いろいろな領域の経験ができるという点で魅力的ですね。
少し視点を変えて、こういうチームにしていきたい、こういう人と働きたいといった今後のビジョンについて教えてください。
[土井様]
先ほど加藤様から右脳的な発想という言葉をいただきましたが、マーケティングではすごく大切な視点だと思っています。自分自身がお客様の気持ちになって考えられる人、右脳的発想ができる人、お客様になりきって考えられる人になることが大切です。もう1つ左脳ということで申し上げますと、論理体系的に右脳で考えたことを他者に伝える力も大切です。
デジタルアーキテクチャと文脈で申し上げたのはシステムのストラクチャーを描くということだけでなく、ビジネスのモデルとしてどういうものを描かなきゃいけないのかもそうです。データの素性を見て、そこからお客様の業務を想像できるような人、これも大切です。右脳的な人と左脳的な基礎をもっている方は稀有な人材かもしれないですが、そういった志で自分自身を鍛えていきたいという方と一緒に働きたいですね。
[堀口様]
土井の話しと重複しますが、マーケティングをやる以上は人間理解と言いますか、人の理解が必要になってきます。人に興味があって、それぞれの人のインサイトが分かる人と一緒に働きたいです。あとは元々コンサル経験をおもちの方、事業会社で広告主としてマーケティングの実業をされていた方ですね。またブランドマネージャーの経験をおもちの方が仲間に加わるとうれしいなと思います。
[加藤]
会話させていただくなかで「チャレンジ」がキーワードの印象です。お二人が今後こういうプロジェクトにチャレンジしたいということがありましたら、教えてください。
[堀口様]
先日土井と一緒に提案をした案件で、マーケティングからデジタルアーキテクチャまで全てをコンサルティングしていくという案件がありました。通常のマーケティング案件に限らず、クライアントのトップライン向上につながる案件や新しく事業を作るような新規事業案件も今後チャレンジしていきたいですね。
[土井様]
たとえば、ビジネスアプリケーションの上流から実装、定着化ということは大切なビジネスの1つになります。そのソリューションにしっかりなじんでいただき、価値を提供できたうえで、先ほど堀口が言ったように+αのチャンレンジができるといいなと思います。
[加藤]
上流から下流まで経験したうえで、クライアントの良きパートナーとして、クライアントのトップラインを上げていったり、その打ち手としてデジタルやマーケティングがあったりというところを考えられるようなユニットというイメージですね。