新型コロナウイルスの蔓延という未曽有の危機に、世界中が直面した2020年。
急速なテレワークの浸透など、withコロナの時代を迎えた昨年は、コンサルティング業界においても様々なニュースがありました。
本記事では、2020年のコンサル業界ニュースを紐解きつつ、業界を席巻したトレンドや最も読まれた記事について、ご紹介します。
2020年コンサル業界のトレンド
2020年のコンサルティング業界ニュースでは、下記のようなトレンドが見受けられました。
①新規ソリューションやプラットフォームの開発
②自社サービスを強化する関連企業の買収や業務提携
③DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する調査・研究
④トップの交代。新体制への移行
⑤コンサルファーム以外のコンサル業への進出
特にコロナ禍を受け、急速なテレワーク環境に移行する中、クラウドやセキュリティ分野のニーズが高まり、こうした分野に知見のあるコンサルティングファームは引く手あまただったと言えます。
また、2020年には世間一般に浸透した言葉と言えるDX(デジタルトランスフォーメーション)の文脈で、新規サービスの開発や調査・研究などが盛んに行われていました。
①新規ソリューションやプラットフォームの開発
コンサルティング業界の市場規模は2019年には8217億円を超え、24年にはDX対応の需要から1兆円市場に拡大するとの予想(出所:IDC Japan)がされています。
コンサルティングファーム各社は、従来のコンサルティングサービスに加え、自社ソリューションやプラットフォームを開発し、それらをパッケージとして展開するスタイルで更なる成長を成し遂げようとしています。
2020年は特にDX関連の新規サービス開発が顕著で、これは21年以降も継続したトレンドとなることでしょう。
<編集部ピックアップの注目ニュース>
■デロイト、少額トラブルをオンラインで解決するプラットフォームを提供開始
■PwCコンサルティング、XaaSソリューションを提供開始
■アクセンチュア、スキル再構築支援サービスの提供開始を発表
■アビームコンサルティングが『Digital Well-Being』の提供を開始
②自社サービスを強化する関連企業の買収や業務提携
数年前からコンサルティングファームによる広告代理店の買収や、事業会社との合弁会社設立はトレンドとなっていますが、DXという文脈でそのトレンドは加速しています。
関連企業の買収と言う意味では、特にDTFA(デロイトトーマツフィナンシャルアドバイザリー)やSHIFTによる買収が目立っていました。これらの企業は、自社の強みであるM&A領域やERP領域を更に強化するための積極的な買収を進めています。
<編集部ピックアップの注目ニュース>
■デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーがミック経済研究所を子会社化
■DTFA、CIAの全株式を取得
■デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー、TMACの全株式を取得
■SHIFT、ERP導入のホープスを買収、顧客のDX推進を強化へ
■SHIFTとSAPが協業を発表
■SHIFTがサーベイジシステムを子会社化
また、自社には無いケイパビリティを持つITプラットフォームやスタートアップとの協業も目立ちます。顧客に対するワンストップサービスを提供する、という動きが強まり、他社との協働によって迅速なサービス供給体制を整えるファームが増えていると言えます。
<編集部ピックアップの注目ニュース>
■モニターデロイトがM-Forceと協業を開始
■EY、テクノスデータサイエンス・エンジニアリング社と業務協力
■PwCコンサル、クアルトリクスと協業を開始
■ローランド・ベルガーが博報堂・SEEDATAと協業開始
■アビームがイスラエルのスタートアップとMaaS領域において協業開始
また、総合系ファームを中心に、DXやAIに関する専門組織や組織横断チームを立ち上げる動きもありました。
<編集部ピックアップの注目ニュース>
■アクセンチュア、顧客のAI活用をさらに強力に支援する拠点「AIセンター」を設立
■EY Japan、テクノロジー分野の強化に向け数々の施策を発表(イノベーション・センター・オブ・エクセレンスの設立など)
■PwCコンサルがTechnology Laboratoryを開設
③DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する調査・研究
DXに関しては、実際の企業に対するコンサルティングだけでなく、調査や書籍の発売も含めて、一つの大きなトレンドとなりました。
一方で、それらで描き出されるのは、遅々としてDXへの意思決定が進まず、更には目的と手段を混同してしまう(DXそのものが目的となってしまっている)日本企業の現状でした。
生産性向上、および国際競争力の向上に向けた日本企業の変革が望まれる中、DXは避けて通れない道。コンサルティングファームはその変革の触媒として、21年もDX推進に向けた提言を積極的に進めていくことでしょう。
<編集部ピックアップの注目ニュース>
■BCG調査、デジタルトランスフォーメーション(DX)に成功している日本企業は14%
■アビームコンサルティング、「日本企業のDX取り組み実態調査」結果発表
■ベイカレント・コンサルティングがDXの解説本を発売
④トップの交代。新体制への移行
著名戦略系ファームや総合系ファームのトップ交代が目立ちました(マッキンゼーとBCGについては2020年末にて前代表の退任)。特徴としては「若返り」が一つのトレンドとなっており、ATカーニー新代表の関灘氏に至っては38歳での代表就任となっています。
<編集部ピックアップの注目ニュース>
■ATカーニー新代表に史上最年少で関灘茂氏が就任
■マッキンゼー15年ぶりの日本人代表に岩谷直幸氏が就任
■BCG(ボストンコンサルティンググループ)が内田有希昌氏と秋池玲子氏(新任)の共同代表体制に
■ドリームインキュベータ堀紘一取締役ファウンダーと山川隆義社長が退任、原田 哲郎CEO、三宅 孝之COO、細野 恭平COOの3名が代表取締役に就任
■PwCあらた有限責任監査法人の代表執行役に井野貴章氏、PwCコンサルティング合同会社の代表執行役CEOに大竹伸明氏、PwC税理士法人の代表に高島淳氏、そしてPwC弁護士法人の代表に北村導人氏が就任
■EYACCとEYTASが統合しEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社が発足。代表取締役社長に近藤聡氏が就任
■NTTデータ経営研究所、新代表に柳 圭一郎氏が就任
⑤コンサルファーム以外のコンサル業への進出
コンサルティングを提供する企業と言う意味では、コンサルティングファームのみならず、事業会社や金融機関が積極的にコンサルティングビジネスへと進出をしています。
自社の持つケイパビリティやネットワークを活かし、また、コンサルティングファームとの協働により、新規ビジネスとしてのコンサルティングを拡大させる流れが生まれつつあります。
<編集部ピックアップの注目ニュース>
■博報堂が総合コンサルティングサービスを本格的に提供開始
■相次ぐ地方銀行によるコンサルティングビジネスへの進出
■フロンティア・マネジメントが広島銀行・ひろぎんキャピタルパートナーズと業務提携
2020年に最も読まれたコンサルティング業界ニュースは?
ここまで、2020年にあったコンサル業界ニュースから読み取れるトレンドを解説してきました。
そんな中、どのような記事が読者の皆様の注目を集めたのでしょうか?
下記が2020年に読まれたコンサル業界ニュース記事のトップ3となります。
1位:プロレド・パートナーズが「ブルパス・キャピタル」を設立
2位:デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー、TMACの全株式を取得
3位:BCG調査、デジタルトランスフォーメーション(DX)に成功している日本企業は14%
ポストコンサルのネクストキャリアとして人気の高いPEファンドをコンサルファーム自身が設立すると言う意味で、1位のプロレド・パートナーズによるブルパス・キャピタルの設立は非常に注目度の高いニュースだったようです。
また、自社だけでなく、外部のリソースを活用してクオリティの高いサービスをワンストップで提供するというトレンドから、DTFAのTMAC全株式取得も注目を集めました。
そして、DXに対する関心は業界内外を問わず非常に高いと言えます、そんな中、DXに成功している日本企業は14%のみという衝撃的な調査結果を発表したBCGのニュースが3位にランクインをしました。
まとめ
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