
PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)は、戦略の策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供しています。グローバルに広がるPwCのネットワークと連携しながら、クライアントが直面する複雑で困難な経営課題の解決に取り組み、国内はもとよりグローバル市場での競争力強化を支援しています。
なかでも流通・消費財・ヘルスケア・ライフサイエンス領域のコンサルティングを担うConsumer Wellness(以下、CW)チームは、「生活者の新たな体験価値を共創する」ことをチームミッションとして日々活動しています。PwC内外の広範なステークホルダーと連携し、「顧客体験価値の向上」「サステナビリティへの対応」「リテールマーケティングエクセレンス」「ニューモダリティへの対応」「病院経営支援」「コスト削減と経営資源の最適化」「ガバナンス強化および迅速な不正・不祥事対応」などのプロジェクト提案・推進をしています。
Part1の今回は、CWチームを率いる上席執行役員 パートナーの屋敷 信彦様にインタビューをさせていただきました。
インタビュアーはフォルトナ加藤が務めます。
Part2の記事は、以下をご覧ください。
※法人名、組織名、役職、インタビュー内容、求人情報等は取材当時のものです。現在の内容と異なる場合があります。

屋敷 信彦(やしき のぶひこ)様 プロフィール
上席執行役員 パートナー
コンサルティング会社を経て、2008年より現職。2016年から2年間PwCオーストラリアに出向。専門領域は、セールス&マーケティング分野における戦略立案・新規事業創出・デジタルトランスフォーメーション・チェンジマネジメント。食品・飲料・流通・サービス・物流・生命保険・製薬・官公庁など、幅広い業界において、15年以上にわたるプロジェクト経験を有する。近年はパーパス経営の実現、経済性と環境・社会性の両立をテーマに企業のサステナビリティトランスフォーメーションを通じた社会的インパクトの創出に取り組んでいる。
「生活者に新たな価値を」消費財やヘルスケア領域のコンサルティングチーム
[加藤]
本日はよろしくお願いいたします。
最初に、屋敷様のご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか?

PwCコンサルティング 屋敷様
[屋敷様]
2008年に入社し、主にセールス・マーケティングの領域において、さまざまな業界で戦略立案からトランスフォーメーションの支援を行ってきました。
2016年から2018年までの間、PwCオーストラリアに出向し、帰国後は流通・消費財業界に注力してきました。現在は、CWチームのリードに加えて、サステナビリティチームのリードも担当しています。
[加藤]
CWではどのような業界のクライアントをご支援されているのでしょうか?
[屋敷様]
CW内のインダストリーチームは、小売・卸・商社を対象とするRetail&Wholesale(以下、R&W)、消費財メーカーを対象とするConsumer Packaged Goods(以下、CPG)、ヘルスケア・ライフサイエンスを対象とするHealth Industries Advisory(以下、HIA)の3つのSub-Industryで構成されています。R&WではSM・GMS・CVS・百貨店・外食といった生活者の接点となる企業群およびそれらを支える流通・卸を支援しており、CPGでは食品・飲料・日雑・化粧品・アパレル等の企業群を支援しています。HIAでは製薬・医療機器・病院といった健康に関連する企業群を支援しています。
[加藤]
流通・消費財業界とヘルスケア業界担うチームを統合されたのには、どういった背景があるのでしょうか?
[屋敷様]
消費財業界では「健康」に関連したプロダクトやサービスの開発が注目されています。私たちのクライアントである消費財メーカーの多くも、ヘルスケアを意識した商品開発や新規事業の開発を進めています。例えば、健康に資する食品や飲料の開発に加えて、健康を統合的にサポートするプラットフォームビジネスの構築を目指す企業も増えてきています。
日本の高齢化社会という課題において、「食と健康」は今や多くの企業にとって重要なテーマとなっており、さまざまな大手企業がその分野への取り組みを強化しています。このような流れを受けて、私たちもヘルスケアに関する知見を組み合わせた提案を強化し、企業の本質的な課題解決を支援していきたいと考えています。
一方でヘルスケア業界では、医療や治療の枠を超えた「未病」や「予防」の分野に注目が集まっています。従来の医療モデルは、病院で治療を受け、薬を処方することに重きを置いていましたが、現在では病気を未然に防ぐことや患者を総合的に支援するPatient Centricityの考え方が重要視されています。この流れに沿った総合的な医療サービスの提供を目指し、消費財とヘルスケアの連携を強化しています。
そういった観点で、さまざまな専門性を持つ人材を集約することで、よりコラボレーションしやすい環境をつくるという目的で組織統合に至りました。

フォルトナ 加藤
[加藤]
ニーズに寄り添い、最適なサービスを提供するために組織体制も変更されたのですね。
具体的にどのようなプロジェクトを進められているのでしょうか?
[屋敷様]
私たちは戦略立案からトランスフォーメーションの実行支援まで一貫してサービス提供することを理想とし、M&AからPMI、DX、SX、グローバル化に至るまで、幅広いソリューションを提供しています。
具体的なプロジェクトの例として、未来を見据えた新しい都市型ショッピングモール開発のプロジェクトをご紹介します。このプロジェクトでは、まずその都市が目指す方向性をしっかりと捉え、どのような人が住み、どのような人が働き、どのような観光客が訪れるのかを検討の軸とし、将来の目指すべき姿を描いたところからバックキャストし、必要なテナントや施設、提供すべきサービス等のコンセプトをデザインしました。
モールとしてどのようなサービスを提供できるかをクライアントと共に検討し、単一の業態にとどまらず、例えば医療機関と連携するなど、さまざまな企業が協力し、最終的には消費者や生活者への価値を高める形で全体をデザインしました。このように、あらゆる人々のより豊かな生活の実現に寄与できる点に、非常に価値があると感じています。
[加藤]
消費財からヘルスケアまでターゲットとされている分野は幅広いですが、CWチームには何名程所属されているのでしょうか?
[屋敷様]
現在、約300名が、プロジェクトごとに各ソリューションチーム・専門家と連携し、課題解決に向けて最適なプロジェクト体制を構築するスタイルを取っています。こうしたアプローチのなかで、コラボレーション文化が非常に浸透しており、チーム間での協力が活発に行われています。
他ファームから転職した人も驚く、PwCの柔軟なコラボレーション文化
[加藤]
PwCコンサルティングは盛んなコラボレーションが特徴だとお聞きしますが、CWチームでもコラボレーションが盛んなのですね。
[屋敷様]
そうですね。基本的にCWチームだけで進めるのではなく、他の部署とも連携しながら進めています。私たちのチームだけで完結するスタイルは取らず、必ず専門性の高いソリューションチームと協力しています。
例えば、先ほどのプロジェクトではFDL(Future Design Laboratory)という未来創造コンサルティングを専門とするチームと一緒に、今から10年以上先の未来像を描き、バックキャストしていく作業を行っています。また、医療機関との連携ではCW内の病院経営支援チームとも連携し、病院視点でのサービスや経営改革においてどのようなメリットが生まれるかを共に考えています。このように、プロジェクトでは必ず専門チームとのコラボレーションを通じて進めています。
[加藤]
PwCの魅力について教えていただけますか?
[屋敷様]
総合コンサルティングファームの強みとして、私たちは「戦略から実行まで」を一貫して支援できる点があります。戦略を立てて終わりではなく、戦略を策定した後の実行フェーズまでしっかり伴走します。多くのクライアントは立てた戦略を実行に移す段階で苦労されていると感じます。なので、さまざまなサービスラインを組み合わせてクライアントと一緒に最終的なゴール達成まで導いていけることが私たちの大きな魅力だと感じます。
[加藤]
総合コンサルティングファーム、かつチーム間の連携が柔軟に取れるからこそできる価値提供ですね。
[屋敷様]
そうですね。他社から中途入社された方からは「コラボレーションがこんなにスムーズだとは思わなかった」という声をよく聞きます。多くの会社が風通しの良い組織を目指していますが、 PwCではそれが非常にうまく実現できていると感じています。新しく入社した方は当社の社員・職員が皆、とても協力的であることに驚かれます。これは、長年かけてさまざまな仕組みを整備し、協力的な文化を育んできた結果と思います。
営利団体として利益をあげることは当然重要ですが、利益至上主義になってしまうと、「コンサルティングとはそもそも何のためにあるのか」という本質を見失ってしまう可能性があります。PwCの良さは、社会に対して価値を提供するという理念を大切にしている点です。規模的成長も重要ですが、ただ闇雲に大きくなれば良いという考え方ではありません。私自身も、社会への価値提供を意識しながら、PwCの価値観を体現できるようなプロジェクトを推進していきたいと考えています。
こうした思いを各メンバーがもつことで、コラボレーティブな文化が醸成され、それこそがPwCの最大の強みと考えます。
パートナー同士の仲が良く、希望を叶える柔軟なアサインが可能
[加藤]
チーム内の雰囲気はいかがでしょうか?
[屋敷様]
上下関係なく仲が良いチームだなという印象をもっています。最近では、「CWカップ」というゴルフイベントがあり、ベテランから若手まで気兼ねなく楽しんでいます。この企画は、私が指示しているわけではなく、若手が「やりたい!」と思って自発的に企画してくれているものです。
さらに、ゴルフをしない人向けに「みんなでテニスをやりましょう」とか「BBQやりましょう」といった提案が出てきたり、メンバーの自発的な動機に基づいてさまざまな企画が生まれます。私はこうした「やりたいことをどんどん企画して実現する」という姿勢をとても大切にしています。最近では「運動会をやりたい」という話も出ています。他のチームで実施して盛り上がった例があるようで、その話を聞いて自分たちでもやってみようと動き出しているようです。こういった形で自然とチーム内のコミュニケーションの場が生まれており、雰囲気が良くなっていると感じます。
また、パートナー同士も仲が非常に良いです。プライベートでも一緒に飲んだり、ゴルフに行くなど、とても風通しの良い環境です。
パートナー同士があまり話さない環境では、チームの方針が正しく伝わらなかったり、若手が無駄に気を使ったり、チーム全体の雰囲気が悪くなったりすることがあると思いますが、常にコミュニケーションを取っている環境だと、部下も自然と打ち解け合い、活気のある雰囲気になります。その結果、チーム全体のまとまりが強くなり、実際離職率が低いなど、組織にも良い影響が出ているのだと思います。

PwCコンサルティング 屋敷様
[加藤]
パートナー同士の良好な関係がチームの活気やまとまりにつながり、離職率の低さに結びついている点が印象的ですね。
続いてアサインの質問をさせていただきたいと思います。プロジェクトメンバーはどのように決めているのでしょうか?
[屋敷様]
基本的な考えとして、やらされる仕事より自分がやりたい仕事をすることでパフォーマンスを最大化できると思っているので、それぞれのキャリアの志向性をしっかりとコーチ(上司)と話し合い、どの方向でキャリアを築いていきたいかを明確にしたうえで、それに合ったアサインを行うことを目指しています。
例えば、現在は下流の仕事をしているけれど、もっと上流の仕事にシフトしたいという希望があれば、下流の仕事のなかで徐々に上流にシフトできるようなプロジェクトを選んでいきます。
また例えば、サステナビリティに興味があれば、それにフォーカスする形でアサインすることもあります。「どこに所属しているからこの分野しか担当できない」という制約もなく、部門をまたいだクロスアサインも積極的に行っています。こうした希望は毎週のアサイン会議で反映させており、メンバーがチャレンジできる機会の幅を広げることにつながっています。
「生活者の新たな体験価値を共創する」ことをミッションに、社会全体にインパクトを与える
[加藤]
コンサル出身の方はどのようなファームでの経験がある方を採用されようとしているのでしょうか。
[屋敷様]
BIG4や総合コンサルティングファーム出身の方は、ファームの体制やカルチャーも含めて熟知している方が多いので、即戦力になると感じます。また、より上流部分を強化して、戦略から実行を一気通貫できるケイパビリティを高めていくために、戦略コンサルティングファームでのご経験がある方の採用もしていきたいです。
[加藤]
反対に、コンサル未経験者ではどのような経験を積まれている方を求められていますか?
[屋敷様]
スキル面では、事業会社でプロジェクトベースの経験を積んでいる方が望ましいです。特に社内改革や戦略立案に携わった方についてはニーズがあります。例えば、小売や消費財の領域であれば、店舗の中期経営計画作成や、組織横断的なトランスフォーメーションを担当したタスクフォースやチームでの経験がある方などは、フィットする可能性があります。
また、マインドセットとしては内発的な動機に基づき、WILLをもってプロアクティブに行動できる人材を求めています。仮に経験がなくても、興味があれば素養を考慮して幅広く採用を検討したいと考えています。チームとしてやりたいという意欲をもつ方には、成長の機会を提供し、チャレンジできる環境づくりを目指しています。

PwCコンサルティング 屋敷様
[加藤]
コンサル未経験でご入社される方はキャッチアップが大変だと思いますが、フォロー体制はどういったものがあるのでしょうか?
[屋敷様]
ベーシックなコンサルティングスキルを習得するための「CCSA(Core Consulting Skills Academy)」という教育プログラムがあります。期間は1ヶ月で、基礎からしっかりと学ぶことができる。コンサルティング未経験で不安な方も、まずこの研修を受けていただき、ロジカルシンキングや議事録作成といった基本スキルを身につけます。また、ケース演習では、クライアント役を担当する人に対して提案やデリバリーを行う経験を積むことで、実践力を養います。
私たちは、業界の知見とコンサルティング経験が組み合わさることで初めて価値を最大化できると考えています。そのため、業界知識はあるがコンサル経験がない方にはコンサルティングのプログラムを、逆にコンサル経験はあるが業界知識が不足している方には業界側の研修を提供しています。これらを組み合わせることで、バリューアップを図る研修体制を整えています。
[加藤]
業界知識とコンサルティングスキルを組み合わせて、参加者の成長をサポートする体制がしっかりと構築されているのですね。今後CWチームが目指すビジョンはどのようなものでしょうか?
[屋敷様]
「生活者の新たな体験価値を共創する」ことをミッションに掲げ、生活者がより豊かで便利な生活を送ることができる社会を、クライアントやさまざまなステークホルダーと共に創り上げていきたいと思います。従来の「消費者」という概念を超えて、生活をしているすべての人々=「生活者」を対象とし、健康な方だけでなく、病気の方も含まれるという考えのもとで、私たちは、これらの方々がよりウェルビーイングに暮らせる社会を実現するため、クライアントと共に新しい取り組みを推進していきます。一社だけで成し遂げることを超え、業界全体や社会全体にインパクトを与える存在を目指しています。
[加藤]
最後に候補者の方に向けてメッセージをお願いいたします。
[屋敷様]
非常に自由な社風で、どんどんチャレンジできる環境が整っています。業界の専門家として自身を成長させたい方、またビジョンに共感いただける方は、ぜひご応募ください。
アフタートーク
インタビュー終了後は、屋敷様と加藤で、過去出向されていたオーストラリアに関する話題で盛り上がりました。
[加藤]
ご出向されていたオーストラリアでは、どちらの地域にいらっしゃったのですか?
[屋敷様]
メルボルンです。オーストラリアでの生活を振り返ると、自然の良さがその豊かさの根幹だと感じます。移民も多く、経済も安定していて、移民政策を柔軟に調整しながら人口をコントロールできるのも強みだと思いました。資源も豊富で、「日本とはまったく違う国だな」と実感しましたね。
[加藤]
確かに豊かな国だという印象が強いです。
[屋敷様]
日々の生活自体がとても気持ち良いんですよね。朝、駅まで歩く途中でコーヒーを買い、一息つきながら出勤するだけで、なんだか幸せな気分になるんです。天気が良くて、電車も混んでいない。こうした日常の豊かさは、行ってみないと分からないと思います。
さらに、オーストラリアには「人助けをすることが自然にできる」という文化が根付いているなと感じました。例えば、ご年配の方がバスに乗ってきたら当然のように席を譲るし、ベビーカーを持っている人がいたら周りが自然と手伝います。むしろ、誰も手伝わないと「どうして助けないの?」と言われるくらい、助け合いの精神が当たり前でした。こういう雰囲気は、昔の良き日本を思い出させるような優しさがあり、とても素敵だなと思いました。