EYは、150以上の国と地域に拠点を持ち、さまざまな領域のプロフェッショナルが連携・伴走しながらクライアントを支援しています。「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」をパーパス(存在意義)として掲げ、長期的視点での価値創造を目指し、監査・税務・コンサルティング・アドバイザリーなど多岐にわたるサービスを展開しています。
その中でもコンサルティングビジネスを手掛けているのが、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)です。近年は、業務領域の拡大と人材基盤の強化の戦略を打ち立て、組織規模・認知度ともに拡大成長しているファームとしても注目を集めています。
中でも、Government & Infrastructure(以下、G&I)は、官民双方におけるクライアントに対し、社会課題の解決に向けたサービスを提供する公共・社会インフラユニットです。構想策定にとどまらず、実行段階までクライアントと協働する伴走型の支援を行っています。
G&Iを構成するサブチームのうち、Government Public Sector Social Service(以下、GPS SS)チームに所属するパートナーの福井 大輔様と、2名のシニアマネージャー・北 亮輔様、天野 亘様にインタビューを実施しました。今まさに変革期を迎える地方行政の現状や、改革に携わるやりがい、成長フェーズにあるチームのカルチャーなどについて伺います。
インタビュアーは、フォルトナ中島が務めます。
※法人名、組織名、役職、インタビュー内容、求人情報等は取材当時のものです。現在の内容と異なる場合があります。

福井 大輔(ふくい だいすけ)様 プロフィール
コンサルティング 公共・社会インフラセクター パートナー
大学卒業後、日系総合コンサルティングファームに新卒入社。その後、日系と外資系の大手総合ファームを経て、2019年からEYSCに参画。Government Public Sector/Social Serviceチームを立ち上げ、日本の地方自治体が直面する複雑かつ高度な課題に対し、DXや生成AI、業務改革(BPR)を軸とした変革をリードしている。

北 亮輔(きた りょうすけ)様 プロフィール
コンサルティング 公共・社会インフラセクター シニアマネージャー
独立系SIer、外資系総合コンサルティングファームを経て、2019年にEYSCに参画。福井様と共に同組織の立ち上げを行う。AIやデータ活用などの先進施策を用いて地方自治体の経営課題の解決・変革を推進するチームを率いる。

天野 亘(あまの わたる)様 プロフィール
コンサルティング 公共・社会インフラセクター シニアマネージャー
日系大手SIerにて、官公庁や地方自治体の事業企画や推進、DXなどを担当。2025年にEYSCに参画し、行政基盤のモダナイゼーションを推進するチームのリーダーを務める。
地方自治体の経営変革と基盤変革を担う、3人のリーダーの原点
[中島]
まずは、皆様のご経歴と現在の役割について教えてください。
[福井様]
私は新卒からコンサルティング業界でキャリアを積んできました。最初の約18年間は、金融や通信領域の民間企業を担当していました。その後、官公庁領域に携わったことを契機に、公共分野へキャリアチェンジしました。EYSCへの参画は、2019年です。G&Iユニットのパートナーとして、地方自治体の行政分野にフォーカスするGPS SSチームを率いています。
私たちが取り組むテーマは、主に2つです。1つは、地方自治体が直面する新たな経営課題と向き合い、改革を進める経営変革。もう1つは、長年使われてきた行政基盤を刷新し、今だけでなく将来まで見据えた新しい土台をつくる基盤変革です。
本日は、それぞれのテーマを担う2名のリーダー、天野さんと北さんにも同席してもらっています。

EYSC 福井様
[天野様]
前職は日系大手SIerに在籍し、長年にわたり官公庁や地方自治体のお客様を担当してきました。コンサルティング業界への転身を検討していた時期に福井さんから声をかけていただき、2025年にEYSCに参画しました。現在は、地方自治体に蓄積されているレガシーシステムの刷新と標準化を推進する基盤変革チームのリーダーを務めています。
[北様]
私も、新卒では独立系SIerでシステム関連の業務に携わっていました。その後、外資系総合コンサルティングファームを経て、福井さんと同じく2019年にEYSCへ入社しました。そこから福井さんとたった2人で組織の立ち上げに携わり、20名を超える体制まで組織づくりを進めてきました。現在はAIやデータ活用といった先進技術を通じて、地方自治体の経営変革を推進するチームを率いています。

EYSC 北様
[中島]
福井様は、なぜ公共領域にキャリアを転換されたのでしょうか?
[福井様]
初めて官公庁のお客様を訪問した際、金融機関や通信会社とは異なる業務の進め方や組織構造に触れたことがきっかけです。当初は、なぜ従来のやり方が残っているのか疑問に感じましたが、実態を知るにつれ、制度や組織構造に起因する背景があることも分かってきました。
同時に、人口減少をはじめとする社会課題への対応が、本当に「待ったなし」の状況であることも実感しました。民間企業の先進的なテーマに携わる仕事にもやりがいはありましたが、地方行政の基盤を変革する仕事に社会的な意義と面白さを感じ、公共領域へキャリアを転換しました。
[中島]
天野様が、事業会社からコンサルティング業界へ挑戦しようと思ったのはなぜですか?
[天野様]
お客様と共に「未来をつくる」仕事がしたいと思ったからです。前職で長く自治体のお客様を担当する中で、地方行政や自治体職員の皆様が直面する課題を、実務を通じて認識していました。そのため、自治体に関わる仕事は続けたいと考えていました。
業会社では、お客様からの要望を形にする役割が中心になります。しかしコンサルティングファームであれば、構想の策定からお客様と一緒に考えられると思いました。前職で一定の経験を積んだことを1つの区切りと捉え、より上流の段階から自治体を支援するため、福井さんのチームに参画しました。

EYSC 天野様
[中島]
北様が、EYSCの現在の組織に参画した理由は何だったのでしょうか?
[北様]
会社自体も拡大期にある中、新組織の立ち上げというダイナミックな局面に身を置くことで、自身も一緒に成長していきたいと感じたことが理由です。
前職までは公共領域の経験は限られていましたが、参画後、自治体のお客様への支援を重ねる中で、制度や組織上の制約を踏まえて改革を前に進める仕事への思いが強くなりました。私たちの支援によって、職員の負担が少しでも軽くなり、市民へのサービスも充実し、皆が元気になる──そのような仕事をしていきたいですね。
地方自治体DXは、業務効率化から行政経営の「構造改革」へ
[中島]
地方自治体DXを取り巻く市場や自治体側の課題は、ここ数年でどのように変化していますか?

フォルトナ 中島
[福井様]
数年前までは、紙の情報や手続きのデジタル化が中心でした。近年では大きな自治体を中心に先進的な取り組みが進み、AIの活用についても議論されるようになってきました。同じDXでも取り組むフェーズが変化し、単なる業務効率化から、職員の人員減少や意識改革、人材育成など、自治体そのものの経営課題に向き合う段階に変わってきたと感じています。人口が増えていた高度経済成長期につくられた地方行政の仕組みは、今、大規模な構造改革を迫られている状況です。従来の仕組みのままでは、持続可能な行政運営が難しくなりつつあります。
しかし今、AIをはじめとした技術革新の後押しによって、これまで必要性を認識しながらも着手できなかった課題に取り組める時代になりました。自治体ごとの独自性を尊重しながら、「共通化」による規模の経済を生かすことで、変革を進められる可能性があります。
[中島]
地方行政が大きな転換点を迎える中で、SSチームではどのようなミッションを担っているのでしょうか?
[福井様]
私たちの現在のミッションは「持続可能な地方行政への構造改革を実現すること」です。特に小規模な自治体では財源も人材も不足し、今後のあり方を考える余力さえ持ちにくくなっています。一方で少子高齢化が進み、住民の抱える課題も複雑化・重層化しており、行政に求められる支援は高度化しています。こうした状況を踏まえて、私たちはDXにとどまらず、行政の経営変革を通じて、人口減少下でも持続できる自治体運営の実現を目指しているのです。

EYSC 福井様
[中島]
北様率いる経営変革を推進するチームと、天野様率いる行政システムの基盤変革を担うチームがありますが、それぞれのプロジェクトに取り組む中で感じる面白さや難しさなどはありますか?
[天野様]
最近は人口減少を背景に、国主導で自治体のシステムや業務を効率化・標準化する動きが進んでいます。その一方でお客様が悩まれているのは、効率化・標準化によって生まれた人員や時間を何に振り分けるか、ということです。効率化による人員や時間の削減だけでなく、生み出した余力を別の施策や地域価値の向上に再配分したいというニーズもあります。近年は、こうした経営資源の再配分に関する相談も新たに増えてきています。
[北様]
地方行政改革に取り組む上で難しくも面白いのは、先端技術を用いた先進施策と、基幹システムや既存業務の改善を同時に進めなければならないことです。AI活用により人手不足を解消したいという期待がある一方で、自治体内部の業務やシステム改革も必要不可欠です。市民や社会からはより高度で便利なサービスが求められるため、基盤を全て整えてからAI活用へ進む、という順番では進められない現状があります。
この両方を1つの自治体だけで対応するのは人員面でも知見の面でも困難であり、だからこそ私たちのようなプロフェッショナル集団の力が求められているのだと思います。
[福井様]
そして今、天野さんと北さんの両チームがつながる段階にきていると感じています。今後は、天野さんのチームが担う基盤変革を、住民サービスの改善や自治体内の組織・人材の変革へと接続していくことが重要になります。両領域を並行して支援できる点に、私たちのチームとしての価値があります。
IT・コンサルティング・行政の知見を束ね、裁量と対話で人を育てるチーム
[中島]
こうした地方自治体の変革を支えるSSチームには、現在、どのようなバックグラウンドのメンバーがいるのでしょうか?
[福井様]
メンバーのバックグラウンドは、大きく次の3つに分かれます。それぞれの経験と専門性を生かし、プロジェクトに取り組んでいます。
①ITベンダー出身者:システムやインフラの設計・構築、技術的な実現可能性に関する知見
②コンサルティングファーム出身者:お客様の課題を構造化し、変革のアプローチを設計する力
③自治体・官公庁出身者:政策や制度、行政組織や文化への理解
中途入社者の出身の割合は、
ITベンダー:コンサルティングファーム:自治体・官公庁 = 4:2:4
くらいのイメージです。
[中島]
ITベンダーや自治体・官公庁から入社される方も多いのですね。北様率いる経営変革を推進するチームと、天野様率いる行政システムの基盤変革を担うチームがありますが、各チームにはどのようなメンバーが在籍していますか?
[天野様]
私のチームには自治体やSIerの出身者が多く在籍し、マネージャーとして活躍している方もいます。コンサルティング業界の経験が長い方よりも、行政職員やSIerなど、別の立場での経験を携えて転職してきたメンバーが多いのは特徴的かもしれません。それぞれの得意分野や経歴に応じて、安心して役割を任せられています。
[北様]
私の方は、天野さんのチームとは対照的に、新卒時から当社で活躍している若手のコンサルタントやマネージャーも多いです。彼らも同じ課題感を持って当チームを志望・参画してくれています。配属時からITシステムや自治体に関する十分な知識を持つメンバーばかりではありませんが、実務を通じて知識を身に付け、支援の品質を高めています。こうした成長が顧客からの評価や継続的な支援機会につながっています。

EYSC 北様
[中島]
福井様が北様と共にSSチームを立ち上げられた当時から、一貫して大切にしてきたことはありますか?
[福井様]
お客様が抱える本質的な課題と、その背景にある要因を丁寧に捉えることを大切にしています。これは、ITベンダーでもコンサルティングファームでも共通することであり、金融・通信から公共に領域が移っても、変わらない本質です。AIをはじめ、利用できる技術やツールは変化しましたが、それらはあくまで手段の1つなのです。
立ち上げ当初は自治体のお客様との接点も限られていましたが、対話を重ねて本質的な課題を捉えることで、少しずつ提案や支援の機会を広げてきました。同じ姿勢でお客様に向き合う仲間が加わり続けたことが、現在までの組織の拡大と文化の形成につながっていると感じています。
[中島]
現在のSSチームの特徴や魅力は、何だとお考えですか?
[福井様]
裁量が大きく、成長機会が多いことだと思います。北さんと2人で組織を立ち上げた頃から、若手にも積極的に機会を与え、少しストレッチが必要な役割を任せようという方針を共有してきました。上位者が負荷の加減を調整しながら支援することで、若手が一定の裁量を持って挑戦できる環境を整えています。失敗も成長の機会として捉え、次の挑戦につなげています。また、マネージャー以上のメンバーからも、自主的な提案が積極的に上がってきています。成果の見通しが立っていない提案であっても、目的やリスクを検討した上で試行を認める風土があります。
[北様]
スタッフクラスのメンバーであっても、お客様と直接コミュニケーションできる機会が多くあります。お客様からの感謝も、改善を求められる声も、直接受け取れる環境です。裁量があるからこそ早い段階から豊富な実践経験を積めるのは、私たちの組織の魅力だと思います。
[中島]
チームの価値観や方向性を共有するために、どのようなことを意識していますか?
[福井様]
一人ひとりの性格や考え方は異なりますが、個々のメンバーとの対話を通じて、仕事に対する姿勢や根本的な価値観を共有できているかを確認しています。表面的には意見が異なっても、土台となる価値観を共有できていれば、同じ方向に進めるはずだからです。
また、半年ごとを目安に、チーム全体に自分の意見を伝える機会も設けています。特に若手は日々の業務で忙しく、中長期的な視点を持ちにくい場合もありますが、こうした話を定期的に聞くことで、自分の考えと向き合うきっかけにしてほしいと思っています。
[天野様]
制度面での取り組みもありますが、そもそも日常的なコミュニケーションが十分に取れているチームだと感じています。役職を問わず、メンバー同士が自発的にコミュニケーションを取る文化があります。

EYSC 天野様
[北様]
リモート勤務もある中で、チームメンバーはもちろんお客様とも、対面のコミュニケーションを取る時間を意識的に設けています。
また、現在の組織規模では、リーダー陣が各メンバーの担当案件や働き方、チーム内の関係性を把握しやすい状況にあります。そのため、家庭の事情などを踏まえてアサインを調整し、関係者と認識を共有した上で、柔軟な勤務体制を整えることもあります。
目指す変革から逆算し、多様な専門性を結集する──EYの「総合力」と「協働文化」
[中島]
複雑化・高度化する地方自治体の課題に対して、EYならではの強みは何だと思われますか?
[福井様]
かつては、実力のあるコンサルタントが10〜20人ほど集まれば相応の支援ができると考えていました。しかし、課題の複雑化・高度化により自チームのノウハウだけでは対応しきれない場面が増えたことから、多様なプロフェッショナルがEYに在籍し、組織を超えて連携できる意義を実感しています。
ある自治体の下水道事業では、設備の老朽化や異常気象への対応、財源・人材不足など、複数の課題が顕在化していました。そこで、AI、経営、データ基盤、業務改革、海外事例などの知見を持つプロフェッショナルを集め、社内に4つのチームを組成して支援しています。グローバルファームの高い総合力を再認識した事例です。
[北様]
横のつながりや協力する文化の強さは、私も実感しています。難しい案件や課題に直面した際、たとえ異なる組織のメンバーであっても、相談した際には前向きに協力してもらえる環境があります。
[中島]
他の大手ファームと比較した際、組織やプロジェクトの進め方には、どのような特徴がありますか?
[福井様]
大規模な組織や案件では、多様なプロフェッショナルが関わる一方、担当する役割が細分化される場合もあります。当チームの特徴は、個々の専門性に閉じるのではなく、自治体が目指す変革から逆算して社内外のプロフェッショナルを束ね、支援全体をコーディネートできる柔軟性にあります。
また、グローバルファームとしてのガバナンスを保ちながらも、現場ではパーパスに沿った取り組みを柔軟に提案・実行できる裁量がある点も、当社の魅力です。

EYSC 福井様
[北様]
提供するサービスやセクターと専門機能を掛け合わせた組織のあり方は、各社で似通った部分も多く、明確な差を説明するのは難しいでしょう。
当社では、社会課題の解決というパーパスが、組織を超えた連携の共通基盤になっていると感じます。また、相手の意見を尊重するメンバーが多いことも、他の組織のプロフェッショナルと協業したり、若手が挑戦したりしやすい文化を支えています。
[天野様]
私たちのチームは、福井さんや北さんが築いてきた文化によって、主体的かつ前向きに仕事に取り組みやすい風土が特に強いと思います。
また、私も入社前は、コンサルティングファームに対して個人主義的な組織という印象を持っていました。しかし実際には、異なる経験を持つメンバー同士が、役職や専門領域を超えて率直に相談しています。意見を違えても相手をリスペクトし合いながら冷静に対話ができるため、中途入社者もチームに入りやすい環境だと感じています。
持続可能な地方自治への変革に求められる「プロデュース型人材」とは
[中島]
地方自治体の変革を推進するにあたり、今、貴社で求められるのはどのような人材でしょうか?
[福井様]
前提として、先述の通りITベンダーやSIer、コンサルティングファーム、自治体や官公庁といったいずれかの軸で積み上げてきた経験が必要です。その上で私たちが求めているのは、必要なプロフェッショナルを集めてプロジェクトを設計・コーディネート・翻訳できる「プロデュース型人材」です。
お客様が抱える複雑な課題に応じて、IT・デジタル、組織・文化、政策、財政など、多岐にわたるテーマを横断的に捉えなければなりません。そのため、単一の専門性を発揮するだけでは不十分です。
まず「持続可能な地方自治」のような上位の目的を定め、課題を分解した上で、必要な施策と専門性を見極めます。それらを踏まえて各領域のプロフェッショナルを束ね、プロフェッショナル同士やお客様との間で認識を調整しながら、プロジェクト全体を目的の実現へ導きます。これが、セクターを担う私たちに求められる役割です。
そのためにも、特にマネージャー以上には「何のためのプロジェクトなのか」という本質的な目的や価値を見失わないことが求められます。自分の専門性を発揮することに固執せず、お客様が実現したい目的から逆算して周囲の力も借りながら支援を設計し、関係者と協働できる方が当チームに合うと考えています。
[天野様]
加えて、過去の成功体験に固執せずに試行錯誤しながら、その時代に合ったやり方を模索できる姿勢も大切です。お客様やメンバーとの向き合い方も、時代や社会情勢、多様性への考え方によって変わります。管理職に求められる役割や、目標を実現するための方法も同様です。活躍している中途入社の方には、変化に対する柔軟性が高い方が多いと思います。

EYSC 天野様
[中島]
天野様は事業会社からコンサルティング未経験で入社されましたが、苦労されたことなどはありましたか?
[天野様]
SIerでもコンサルティングファームでも、お客様の課題を捉え、その解決を支援するというクライアントワークの本質は変わりません。上流・下流といったフェーズや求められる資料・成果物の性質は変わりますが、根本的な部分は共通しています。
一方で提案については、SIerとは異なる力が必要だと感じています。SIerの時は、既に定められた構想や要件の中で、より良いものを実現するための提案が中心でした。しかしコンサルティングでは、構想や要件をゼロベースで設計することが求められます。そのための課題設定や提案の選択肢を増やすことには苦労しました。
[中島]
一方で、他の業界や専門領域を担当しているコンサルタントが、公共領域へ移る魅力は何だとお考えですか?
[北様]
支援した取り組みが報道されたり、住民向けサービスとして実装されたりするため、成果を具体的に確認できるのはこの仕事の醍醐味です。「何のために、誰のために働くのか」を重視する方にとって、支援の成果を実感しやすいことは、大きなやりがいになると思います。

EYSC 北様
[福井様]
また、公共領域では向き合う社会課題が明確であり、お客様も社会課題の解決を起点に考えられるため、私たちと目指す方向を同じくしてプロジェクトに取り組みやすいという利点もあります。民間企業の案件でも社会課題に向き合う仕事はありますが、営利や間接的な価値提供など、どうしてもさまざまな要素が関わります。
[中島]
コンサルティング未経験や他領域の専門から挑戦する方へ向けた支援や、フォロー体制などがあれば教えてください。
[福井様]
基礎的なスキルは研修で補いながら、実務では、自身の経験を踏まえた考えをまず言葉にしてもらうことを促しています。入社直後は、自分なりの考えがあっても、遠慮して発言を控える方がいます。しかし、前職やこれまでの専門領域で培った視点が、お客様の課題解決に有効な場合もあります。
また、案件が生まれる背景やお客様との関係構築の経緯についても積極的に共有し、特にマネージャー以上がビジネス全体を理解できるよう支援しています。
[天野様]
当チームに中途入社者が多いという背景もあるかもしれませんが、新たな環境に飛び込んできた方に対して入社直後から完璧を求めるのではなく、上位者がメンバーの経験や課題を把握し、成長計画を親身に考えています。
[北様]
未経験から成長したメンバーが、現在はシニアコンサルタントやマネージャーを務めています。自分たちも支援を受けてきた経験があるからこそ、教え合う姿勢が文化として根付いています。
自治体経営やIT基盤の変革に挑む仲間と、100年後の地方行政の礎を築く
[中島]
今後の3〜5年で、SSチームをどのような組織にしたいと考えていますか?

フォルトナ 中島
[福井様]
これまでは、皆で積極的な挑戦を重ねながら成長してきました。そうした中で、若手メンバーも育ってきたと感じています。メンバーの成長を踏まえ、今後の数年は組織の成熟度を高める期間と位置付けています。取り組むべき案件を見極め、人材の成長をさらに促しながら、地方自治・行政領域において、複雑な変革案件を任せていただける組織としての評価を確立したいと考えています。
中長期的には、地方行政の持続可能性に直接関わる、より構造的な課題への支援を増やしていく方針です。今後の数年は、その準備期間と捉えています。こうした案件や組織づくりに加わっていただける方、特にマネージャー候補やシニアコンサルタントの方の力が、今の私たちの組織には必要なのです。

EYSC 福井様
[中島]
EYSCのG&I GPS SSチームへの参画を検討している候補者の方へ、メッセージをお願いします。
[天野様]
当チームが担う行政の経営変革・基盤変革といったテーマは、SIerや事業会社で培った経験や専門性を生かせる領域だと思います。現在のキャリアを見直している方や、これまでの経験を生かして地方行政の変革に挑戦したい方と、対話する機会を持てれば幸いです。
[北様]
成長途上の組織だからこそ、これまでの経験を生かし、チームや支援領域の形成など新たな役割を担う余地があります。お客様に真摯に向き合い、複数の専門性をつなぎながら自治体の変革を支援したいという思いを共有できる方に、ぜひ参画いただきたいです。
[福井様]
目の前の業務を遂行するだけでなく、将来振り返った時に「今の判断が正しかった」と評価される判断を積み重ねる──。地方行政の変革を担う上では、未来への影響を見据える姿勢が欠かせません。
地方行政は現在、人口減少や技術革新を背景とする構造的な転換期にあります。この時期に行う一つひとつの判断や小さな取り組みが、100年後の未来の行政運営を支える礎になります。その変革に携わり、次の世代につながる仕組みを残すことに意義を感じる方と共に取り組み、この達成感を分かち合えたら嬉しいです。

左から、EYSC 北様、福井様、天野様、フォルトナ 中島