Jenerate Partners ×フォルトナ スペシャルインタビュー

-Jenerate Partners × Fortna Special Interview-

“Venture for Extraordinary”というスローガンに想いを込めて、特別な未来の実現に向けて、“0から1” に情熱を持った新規事業立ち上げのプロフェッショナルが集い、事業創造に果敢にチャレンジを続けながら「事業創造が活発な社会」の構築を目指すJenerate Group。なかでもJenerate Partnersは、大手企業を中心としたリーダー企業向けの新規事業、事業開発支援を行うコンサルティングファームです。

今回は、同社の創業者であり代表取締役の二ノ宮 尉様に登場いただき、フォルトナ石川・峯岸がインタビューを行いました。

二ノ宮様のこれまでのキャリアや創業前夜を紐解きつつ、Jenerate Partnersが社会に果たす役割やカルチャー、求める人物像等さまざまなお話をお伺いしました。

二ノ宮 尉様 プロフィール
Jenerate Group 代表取締役/Jenerate Partners 代表取締役。米国バブソン大学を卒業後、ベンチャー期のオープンアソシエイツ株式会社(現RPAホールディングス株式会社)に入社し、クロスボーダーコンサルティング事業責任者、人事責任者を兼任し成長に貢献。米国大手IT企業の日本向け新規事業立ち上げや国内大手情報通信企業、大手家電メーカーの新規事業戦略立案、また大手外食チェーンや大手飲料メーカーの海外進出等多数統括。
2015年1月、Jenerate Partnersを設立し同社代表取締役に就任。2019年4月にJIX CAPITAL(現中小革新基盤)を共同創業、2020年12月にBlackShipを共同創業。2021年4月よりJenerate Group株式会社の代表取締役に就任し、現職。

「事業創造の最適解」を追究した半生。Jenerate Partners創業の背景とは

[石川]
本日はよろしくお願いいたします。まずは、二ノ宮さんのご経歴とJenerate Partnersを立ち上げた経緯を伺えますでしょうか?

[二ノ宮様]
大まかな経歴は、米国のバブソン大学でアントレプレナーシップ(起業家精神)を専攻したのち、オープンアソシエイツ株式会社(現RPAホールディングス株式会社)にて新規事業創造のコンサルティングに従事し、2015年にJenerate Partnersを共同創業して今に至ります。
学生時代から現在まで、一貫して新規事業創造の分野に身を置いています。


[石川]
元々新規事業創造の分野に興味をもったきっかけは何だったのでしょうか?

[二ノ宮様]
小学生のときに遡ります(笑)。私は1980年生まれで、小学生のときにバブル景気の最後を経験しました。もちろん子供なので経済のことはまったく分かりませんが、「ジャパンアズナンバーワン」と言われ、日本が世界のイノベーションの中心として輝いているのを漠然と誇りに思っていました。それが突然崩れ去ったのが子どもながら衝撃的な経験でした。
そこから多感な中高生時代は、「失われた 10 年」と本格的に語られ始めた時期。日本全体に閉塞感があり、テレビをつければ「リストラ」「倒産」という言葉が毎日流れてきました。そんな悶々とした日々を過ごすなかで、「次代の担い手として、もう一度日本が上を向いて成長する世の中を実現したい!」と思ったのが原体験です。
そんななかで、松下電気(現Panasonic)の創業者 松下幸之助氏の書籍に出会い、今の日本の大企業を立ち上げた戦前・戦後の起業家に興味を持ちました。「偉大なるリーダーたちのおかげで今の僕たちは豊かに生きているんだ」と大きく感動し、彼らと同じように「事業やイノベーションを生み出すことで、日本を豊かにしたい」という想いでアントレプレナーシップ(起業家精神)に興味をもちました。

[石川]
そこから実際にアントレプレナーシップの名門校であるバブソン大学に留学する行動力が流石ですね。

[二ノ宮様]
高校は私立大学の付属高校だったのですが、当時進学先の学部にはアントレプレナーシップを学べる環境がありませんでした。そこで、どこで勉強できるか調べているうちに辿り着いたのが、その領域でNo.1の評価を得ているバブソン大学でした。

[石川]
大学卒業後はオープンアソシエイツ株式会社(現RPAホールディングス株式会社)にご入社されるわけですが、起業ではなくコンサルティング業界に興味を持ち、同社を選んだ理由は何だったのでしょうか?


[二ノ宮様]

そもそも、自分のキャリアビジョンのなかで起業の計画は一切ありませんでした。
コンサルティング業界に興味をもったきっかけは、恥ずかしい話になります(笑)。大学でアントレプレナーシップを学ぶなかで「企業に事業開発のノウハウを売ったら、ビジネスになるのではないか」とふと思い、そのことを大学の友人に話したら、「コンサルティングファームを知らないのか」と笑われて(笑)。そこで、コンサルティング業界の歴史を調べてみると、世の中の移り変わりに合わせて企業が抱える経営課題が変わり、それに合わせてコンサルティングファームが提供するプロフェッショナルサービスが変わっていることを知りました。
そこから、新規事業創造の分野に特化したプロフェッショナルサービスを提供できれば、自分の「事業やイノベーションを生み出すことで、日本を豊かにしたい」という想いを実現できるのではないかと思い、実際に新規事業コンサルティングを行っていたオープンアソシエイツ株式会社を選びました。

[石川]
そこでのキャリアから、当初計画していなかった起業に至った経緯はいかがでしょうか?

[二ノ宮様]
現在のRPAホールディングス株式会社はRPA等を中心としたテクノロジーソリューションカンパニーですが、当時は新規事業コンサルティングを行っていました。そこで、日本の大企業に対して新規事業の立ち上げを支援するということを7年ほど経験しました。かなり恵まれた環境で、本当にいろいろなことをやらせていただきましたね。
そんななかで、自分が理想とする「事業創造プロフェッショナル」の姿とのギャップが徐々に広がり、自分が思い描く「事業創造の最適解」を表現するためには自分でビジネスを立ち上げるしかないということでJenerate Partnersを創業しました。

目指すは事業創造が活発な日本社会。企画から実行まで一気通貫で0→1を実現

[峯岸]
ここからはJenerate Partnersについてお伺いできればと思います。まずは、Jenerate Group全体の概要をお話しいただけますでしょうか?

[二ノ宮様]
Jenerate Group は、BlackShip、Jenerate Partners、中小革新基盤の3社で構成されています。BlackShip は米国有力ベンチャーの日本参入支援を、Jenerate Partners はリーダー企業向けの新規事業創造支援を、中小革新基盤は中小企業への投資・M&A を駆使したイノベーション創出をそれぞれ提供しています。
グループ名の”J”は“Japan”を指しており、日本を創造することを志す意味です。創業時より“Venture for Extraordinary”をスローガンに掲げており、「事業創造が活発な社会」という特別な未来の実現に向けて本気で挑戦しています。
われわれは何か特定の事業をスケールさせることを目的にはしていません。日本の世の中に価値ある事業が活発に生まれる仕組みづくりをすることを弊社の基本前提に据えています。
2021年には現在のグループ体制に移行し、現在、第2創業期との位置づけで、中核3社が一体となり、相互にシナジーを生みながら、事業創造を活発化させるための最適解を模索しています。

[峯岸]
3社の役割の違いについて、もう少し詳しくお伺いできますか?

[二ノ宮様]
まずBlackShipについてですが、社内ではジャパンエントリー事業と呼んでおり、日本では生まれないような事業テーマを手掛けるスタートアップを米国から探し出し、日本参入させるというビジネスを実施しています。
ただライセンスをとってビジネスをするということではなく、われわれが資本的リスクをとって日本法人を立ち上げて、ハンズオンで経営のリーダーシップをとるという形態をとっています。
外から日本に参入してくる先端的なビジネスが日本企業と競業・協業することで、日本から新たな事業が創造される力を強化しようという狙いがあります。

次に中小革新基盤についてですが、日本の中小企業に対する投資を行う企業です。基本的に株式を100%取得することを前提としています。
日本の中小企業は層が厚く、素晴らしい会社が多いです。一見目立たない町工場が世界的な技術を持っていたり、実は創業300年で世代を超えて愛されるブランドを持っていたり、そんななか小企業がたくさんある国は世界的に見ても珍しく、誇るべきことです。一方で、「事業創造」「成長」「未来」といった文脈で語ると、残念ながら元気がありません。このまま衰退してしまえば、われわれが目指す事業創造の活発な社会を作る上では大きな損失です。
なので、われわれが投資を行い、ビジネストランスフォーメーションや新規事業立ち上げ等の成長に向けたバリューアップを仕掛けていくことで、素晴らしいポテンシャルを持った中小企業がこれからの10年、20年、30年先を自分たちの足で歩んでいく礎を築くというのが、中小革新基盤の社名の由来でありコンセプトです。

最後にJenerate Partnersについてですが、Jenerate Groupのなかでも同社はコア価値として位置づけています。Jenerate Groupのなかで最初に創業したJenerate Partnersは、創業以来多くのクライアントとさまざまな新規事業を立ち上げてきました。そのなかで培ってきた「事業創造力」があるからこそ、BlackShipも中小革新基盤もあるわけです。
Jenerate Partnersは一般的にはコンサルティング会社という表現になりますが、社内では事業創造プロフェッショナルと表現しています。クライアントの新規事業立ち上げの企画から実行までを一気通貫で伴走し、クライアントが未来を作ることに貢献するというのが役割です。

[峯岸]
各社とも、社名から想いが伝わる素晴らしいネーミングですよね。ここからはJenerate Partnersにフォーカスしてお伺いできればと思います。まず、コンサルティングの内容についてお話しいただけますか?

[二ノ宮様]
コンサルティングの内容を一言で表現すると、「企画から実行までを一気通貫で伴走する」ということになります。クライアントの事業を立ち上げることを目的に定め、価値のあるサービスを実装していくという考え方です。
まずは企画のフェーズについて。一般的に事業立ち上げのプロセスを描く場合、戦略から考えていくことになります。どの企業も中期経営計画のなかで必ず成長戦略を掲げていますよね。その成長戦略に沿って具体的な事業戦略を立案し、実行に移していくための事業計画を策定し、役員会議での承認を得ることがこのフェーズのゴールになります。ここまでは他のコンサルティングファームでもよく行われていることですが、われわれにとってこれはまだ序章です。
続いて実行のフェーズですが、ここがわれわれの主戦場です。立案した事業計画に沿って事業を立ち上げる0→1の段階で、泥臭くもあり新規事業立ち上げの醍醐味でもあります。販路開拓やチャネル構築等の顧客発見から事業実態を作ることもやれば、モックアップやプロトタイピング等、ハンズオンで伴走していきます。実際にクライアントの名刺を持つこともあります。

[峯岸]
実行というと、はてしなく伴走する機会が続いていくと感じますが、どのタイミングまで携わるのでしょうか?

[二ノ宮様]
われわれの役割は事業創造プロフェッショナルとして0→1を実現することです。なので、基本的にはスケールアップまでは伴走せず、最初の小さな再現性のある成功体験=再現性の高い顧客発見プロセスが確立される、ユニットエコノミクスが証明されるところまでやります。もちろん、プロジェクトによっては、それ以降に携わる場合もあります。

[峯岸]
クライアントの業界やテーマの特徴はいかがでしょうか?差し支えない範囲で、具体的なプロジェクトの概要もお伺いできればと思います。

[二ノ宮様]
業界はあらゆる業界のクライアントをご支援しており、事業テーマも多岐にわたります。例えば某商社の自動車関連ビジネスのプロジェクトでは、伝統的なサプライチェーンを形成するさまざまなプレイヤーを巻き込み、デジタル化と新規事業創出を行うといったことを手掛けました。このような、業界全体に関わる大きな構想を描くようなテーマはよくあります。

[峯岸]
それは壮大な案件ですね。そういった場合、どのくらいの人数・期間で携わるのでしょうか?

[二ノ宮様]
弊社は少数精鋭のコンサルティングファームなので、総合コンサルティングファームのような大規模チームを組成することはなく、弊社としては3名~5名の小規模チームで伴走します。
一方で、われわれのコンサルティングスタイルは、クライアントとワンチームを組んでディレクションを行いながらクライアント側のメンバーと一緒に実行することが基本です。場合によっては外部のエンジニアや業界の専門家、コンサルティングファームと協業することもあり、プロジェクト全体のメンバーという意味では数十名になることもあります。
期間については、企画フェーズで半年程度、実行フェーズで1~2年程度になることが多いです。

[峯岸]
まさに選手兼監督ですね。他ファームとの協業のお話が出ましたが、新規事業創造コンサルティングファームとして、他ファームと比較した強みはどうでしょうか?

[二ノ宮様]
われわれは「プリンシパル目線」という言葉を大切にしています。当事者意識という意味で、これがわれわれの強みです。
普通、コンサルティングファームは外部の専門家として客観的な提言を行うことが目的とされますが、われわれは正面から相反するスタンスで、クライアントと同じ立場で主観的に目的を果たすという考え方です。
これは決して精神論ではありません。われわれはクライアントと一緒にマーケットに出ていき、そこでしか分からない価値ある一次情報を取りにいきます。その情報を基に、リアリティのある戦略を立案し、事業計画を策定するからこそ、0→1で事業が立ち上がる訳です。昔、有名な戦略コンサルタントの方が、日本のロジスティクスを改善するのに大型トラックの長距離ドライバーと数ヶ月生活を共にしたという話をされていました。事業創造のプロフェッショナルとして、鮮度の高い一次情報を取れることは圧倒的な強みです。

[峯岸]
私たちも、貴社のコンサルティングは唯一無二の印象を持っています。そんななかで、Jenerate Partnersとして今後どのような展望を考えているのかお聞かせください。

[二ノ宮様]
来期から新しい中期経営計画となります。それを踏まえたうえで、事業と組織の観点でお話しします。
事業については、第一に実行フェーズのケイパビリティを強化していく方針です。例えば、マーケティングやHRといった領域ですね。第二にBlackShipや中小革新基盤とのコラボレーションを活発化させていきます。例えば、BlackShipが支援しているジャパンエントリー事業と、Jenerate Partnersが伴走しているクライアントの事業を協業させ、新たな付加価値を生み出すといったイメージです。
組織についても、Jenerate Partners単体で100名体制を目指します。先ほどのマーケティングやHRといった領域の即戦力人材も中長期的に採用していく方針ですし、新卒・第二新卒も引き続き積極的に採用していきます。

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