グラビス・アーキテクツ(福岡事務所) ×フォルトナ スペシャルインタビュー

-glavisarchitects(Fukuoka Office)× Fortna Special Interview-

グラビスグループは、公共サービスの企画立案から、実行におけるマネジメント、実行者の一人として実サービスの開発や事業化、公共サービスを担う人材の確保や育成など、公共サービスの充実に向け全方位的な取り組みを展開しています。
なかでも、グラビス・アーキテクツ株式会社(以下、グラビス)は国、独立行政法人、地方公共団体等の公共公益機関に対して、組織内の生産性向上を促進し、社会問題の解決や行政サービスの向上に貢献するコンサルティングサービスを提供しているコンサルティングファームです。
テクノロジーの知見に加え、法令等各種制度や公的業務に精通したコンサルタントが多数在籍しており、公共領域における豊富なコンサルティングの実績をもっています。

また、東京、札幌、大阪、福岡に拠点があり、全国の公共公益機関の支援が可能であることも強みです。インタビューに登場いただく福岡事務所は、九州・四国・中国地方をカバーする拠点として2020年4月に開設されました。
今回は、福岡事務所の立ち上げを牽引された福岡事務所長/ディレクターの渡部 貴大様と、マネージャの小俣 絢理様、同じくマネージャの大塚 貴様にお話を伺います。

インタビュアーはフォルトナ清水が務めます。

渡部 貴大様 プロフィール
福岡事務所長/ディレクター。
外資系SIerにて中央省庁や金融機関向けのシステム開発・運用業務に従事後、大手監査法人にて、地方自治体を中心に、ICT関係の調査・計画策定、ICTガバナンスの強化、システムの調達支援等のICT関連コンサルティングやBPRを通じた業務改善業務等に従事。
2020年にグラビスに入社し、福岡事務所長として福岡事務所の立ち上げを牽引しながら、主に地方自治体向けのICT関連コンサルティング業務に従事。2023年から、地方統括として、全国の自治体案件を中心とする地方案件のリードを担当。

小俣 絢理様 プロフィール
マネージャ。
大手SIerにて、主に製造業向けのICTインフラ(ネットワーク、サーバ、共通基盤、グループウェア等)の企画・構築及び運用に従事。Microsoft365の導入・移行や業務用スマートフォンの導入にも携わる。
2020年にグラビスに入社し、政令市などのICTインフラ(庁内情報ネットワークシステム)の最適化に向けた課題分析や解決に向けた計画の策定、各種情報システムの調達支援のほか、電子契約や電子請求、行政手続きのオンライン化といった働き方のDXに係る幅広いICTコンサルティング業務に従事。

大塚 貴様 プロフィール
マネージャ。
大手SIerにて、特定顧客のアカウント営業や地方自治体向けのデジタルビジネス推進、産官学民連携・新規事業を中心とした事業企画に従事。
2021年にグラビスに入社し、地方自治体向けにテクノロジーを活用したまちづくりや行政経営の推進・業務生産性の向上に向けた調査検討、計画策定、実行支援などの業務に従事。

公共×ITのスペシャリスト集団

[清水]
まずは皆様のご経歴を教えていただけますか?

[渡部様]
私は外資系SIerで10年ほどSEとして経験を積んだ後、大手監査法人で地方自治体を中心に、ICT関係の調査・計画策定、ICTガバナンスの強化、システムの調達支援等のICT関連コンサルティングやBPRを通じた業務改善業務などに従事してきました。
グラビスには2020年に入社し、福岡事務所の立ち上げを牽引しながら、主に地方自治体向けのICT関連コンサルティング業務や全国の自治体案件を中心とする地方案件のリードを担当しています。
グラビスに入社した理由は福岡事務所の立ち上げ時に事務所長としてのオファーをいただいたことによります。私は前職でも地方自治体向けのコンサルティングを行っていました。「新事務所の設立×九州地方の自治体の新たな支援」という軸で組織を構築していくことにやりがいを見出しました。

[小俣様]
私もSIerでキャリアをスタートし、福岡配属を経てグラビスに参画しました。家族の影響でもともと公共の仕事に興味があり、今まで培ってきたITスキルを公共向けに提供する仕事を探していたなかで、グラビスに出会いました。
特に決め手になったのは、福岡事務所の設立当初における新規開拓などに面白みを感じたこと、お客様と伴走して品質の高いコンサルティングを提供していることに感銘を受けたためです。公共領域に対する想いが強いところも魅力的に感じました。

[大塚様]
私も前職はSIerで、主に大規模アカウントの法人営業や新規事業企画に携わりました。営業や企画の仕事は非常にやりがいがありましたが、東京から福岡に異動したことをきっかけに、特定の顧客に閉じず、地域や社会の課題解決にも貢献していきたいと思うようになりました。そういったタイミングでとある自治体への営業中にグラビスと接触する機会があり、また、福岡事務所やメンバーの雰囲気にも惹かれ、思い切ってグラビスに転職しました。

[清水]
ITバックグラウンドというのが共通点ですね。
当社がグラビスへインタビューを行うのは今回が初めてですので、グラビスの事業をご紹介いただけますか?

[大塚様]
私たちの主な事業は、テクノロジーを活用したコンサルティングを通じて、地方自治体や官公庁の生産性向上を支援することです。
特徴としては、行政に特化したコンサルティングを提供している点、そしてテクノロジーに強い人材が構想や計画策定にとどまらず、実装の支援までやりきる点にあります。

[清水]
現在、公共領域のコンサルティングにはどのようなニーズがありますか?

[渡部様]
近年、国がDX推進を強く打ち出していることもあり、各自治体もDXを活用した業務改善、業務効率化に注力しています。

[小俣様]
システム導入の点で言うと、従来はベンダーの提示する仕様書に沿ってシステムを調達するケースが多かったと思いますが、最近は自治体が必要とする機能を十分に反映したシステムを主体性をもって調達するという機運が高まっています。そのため、システムの調達に関する支援や、業務改善を含めたシステムの見直し・最適化に関する案件が増えています。

[大塚様]
私は現在、自治体職員の方の業務効率化や生産性向上におけるDX領域に携わっていますが、DXを効果的に推進するためのアドバイスや、計画策定、実行する際の伴走支援等に幅広く従事しています。

[清水]
公共領域に特化しているからこそ、自治体からの評価も高いとお伺いしています。グラビスらしい印象に残っている案件があれば、ご紹介いただけますか?

[渡部様]
某市のDX戦略策定案件をご紹介します。この案件は、市が大きな予算をかけて取り組まれており、大手コンサルティングファームを含む7社が参加するコンペとなりました。
私たちは、案件獲得のためにチームを作り、他社との連携体制を構築してそのナレッジも活用するなど、さまざまな工夫で提案内容を練り上げ、その結果、コンペを勝ち抜くことができました。
プロジェクトでは、市長も含めさまざまな関係者とコミュニケーションを取りながら進めました。市が本気で取り組むプロジェクトとして、市の方向性に影響のある取り組みが出来たことは、非常に印象深い経験となりました。

[大塚様]
私もそのプロジェクトは特に印象に残っています。クライアントからもらった「コンサルタントとしての提案が欲しい」という言葉は今でも忘れられません。関係者の意見を取りまとめ、情報を整理するだけで満足していないか、客観的な情報提供にとどまっていないか、課題や解決策が予定調和になっていないか、自問自答を繰り返しています。クライアントの期待を超える提案をするためには、情報を整理してPowerPointのスライドに表現するだけでは不十分です。何がそのプロジェクトの目的であり、それを達成するために何が最適な手段なのかを追求しています。

[小俣様]
私は、入社して最初に担当したとある自治体のITインフラ最適化の案件が印象に残っています。この業務では、端末やネットワークなど、インフラ環境に関わる幅広いテーマを取り扱ったことで、多くの知見を得ることができました。
課題分析においては、専門のネットワーク事業者にも協力を仰ぎ、お客様と密に連携を取りながら検証を進めました。お客様からご評価いただけたことにより、今年度も継続して関わらせていただいています。担当した当初はコロナ禍のためリモートワークが中心でしたが、今では月に2回以上は現地に足を運び、お客様と直接コミュニケーションを図っています。

[清水]
公共×ITに特化したプロフェッショナルとして、外部とも連携するなどさまざまな手段を駆使して伴走するからこそ、高い評価を得ているのですね。
先ほどコンペのお話がありましたが、大手ファームにも負けない貴社ならではの取り組みはありますか?

[渡部様]
私たちが最も重視しているのは、お客様のことを深く理解することです。弊社はさまざまな実績を有していますが、それだけで優位に立てるわけではありません。
提案においては、お客様が抱えている課題や訴求すべきポイントをお客様と丁寧にコミュニケーションを図りながら把握し、反映しています。
その結果が、リピートオーダーや新規のご紹介につながっていると思います。

[清水]
リピートや紹介が多いのは、セールスが求められるマネージャ以上のコンサルタントにとっても魅力的な環境ですね。個人の売上目標に対してはどのようにお考えなのでしょうか?

[渡部様]
組織としてのターゲットはもちろんありますが、個人単位での売上目標は設定していません。
グラビスは、まずは目の前のプロジェクトを確実に成功させ、そこからリピートオーダーを獲得すること、そのために丁寧な仕事をする文化を非常に大切にしています。結果として、売上目標を設定しなくとも全社でのターゲットに到達できています。

[清水]
弊社もエージェント個人に対してKPIを設けていませんが、リピートやご紹介で大きく成長できているという意味で、似ているなと感じました。
グラビスが他社と比べて違うなと感じる部分はありますか?

[渡部様]
グラビスのメンバーは周りのことを気遣える人が多いです。
コンサルティングファームでよくある例として、縦割り構造のため特定のマネージャが特定のメンバーを抱えてしまうことにより、協力すれば複数の案件をこなせるのに協力できないことがあります。しかし、グラビスでは横の連携が非常に柔軟に行われています。また、福岡の案件を進めるうえで何か知りたいことがあれば、他の事務所からもすぐに回答が返ってくるような協力体制があります。
売上目標も最終的には全体でカバーすれば良いという考え方なので、個人主義にならずに協力しやすい仕組みができています。

[小俣様]
公共に対する想いの強い各コンサルタントが、各プロジェクトにおいてお客様にとっての価値の最大化を常に考えています。その結果、顧客満足度の高さを実現できていると感じています。

[清水]
オーダーメイドかつ公共に特化しているからできることですね。

公共領域No.1を目指す!「スーパーコンサルタント」育成への道

[清水]
今後、貴社で注力していきたいことや皆様の目標はありますか?

[小俣様]
福岡事務所としては、既存のお客様からのリピートオーダーが多い一方で、新規のお客様へのアプローチは課題だと感じています。中国・四国・九州地方をターゲットに、より幅広くお客様とのつながりを作りたいと考えています。具体的には、マンツーマンでの自治体への業務提供を主体としつつ、今後は民間企業との協業なども視野に入れ、アプローチの幅を広げていきたいです。
私個人としては、お客様にとって、より価値の高い提案ができるようになりたいと思っています。現在は実現方法や手法などの具体的な提案が多いですが、今後はあるべき姿やビジョンといった、より本質的な部分を提案できるコンサルタントを目指しています。

[大塚様]
福岡事務所は、ビジネスも堅調に拡大しており、地方拠点のモデルケースとなる可能性を秘めていると感じています。小俣が言うように新規のお客様とのつながりを強化するという課題がある一方で、そこに対応できる人員が不足しているという課題も抱えています。実現したいことは多いのですが、プロジェクトをリードできる人材が限られているため、体制を組みにくいこともあります。今後は、顧客層の拡大とサービスの拡充、そのための人材獲得も積極的に進めていきたいと考えています。
個人の目標としては、課題解決のプロフェッショナルを目指しています。そのためには、ロジカルシンキングやコンサルティングスキルといった課題解決に必要な能力に加えて、最後までやり抜く熱意や情熱も重要だと考えています。将来的にコンサルタントとして課題解決を支援していく、事業会社で実践していく、社会課題の解決に直接取り組むなど、グラビスで実績を積むことによりさまざまなキャリアパスが広がりますが、まずは課題解決のプロフェッショナルとして成長していきたいです。

[渡部様]
付け加えると、新規事業や新しい取り組みを生み出すことも私たちの課題です。小俣の話にもあったように、ボトムアップでの課題解決だけでなく、より高度なコンサルティングやビジョンを示すためにも、私たちが公共向けのビジネスを通じて得た知見から課題を抽出し、それに対応するサービスを提案できるようになる必要があると考えています。
それを実現するような、「スーパーコンサルタント」を育成するのが私の目標の一つです。
また、グラビスグループには、行政・企業・住民向けのサービスを提供する「AmbiRise(アンビライズ)」や公共×組織人事に特化した「パブリックタレントモビリティ」というグループ企業があります。公共分野に対して、コンサルティングだけでなく多角的にサービスを提供していくというのがグループとしての目標なので、そのなかで自分にできることを追求していきたいと考えています。

[清水]
「スーパーコンサルタント」の育成、楽しみですね。育成に関してのお考えを詳しく教えていただけますか?

[渡部様]
メンバーはSIer出身、コンサルティングファーム出身、行政機関出身等、さまざまなバックグラウンドをもっているので、それぞれが得意分野を生かせるようにしたいと考えています。まずは得意分野で活躍し、お客様に感謝されるような成功体験を積めるよう育成します。弊社では、複数のプロジェクトを兼任することが多いですが、個々の成長に一貫性をもたせるために、それぞれの長所やスキルアップ目標に合わせて適切なプロジェクトやマネージャを割り当てるようにしています。
また、会社としてもさまざまな研修を設けており、積極的に参加するよう促しています。プロジェクトマネージャは、各メンバーが研修に参加しやすいように配慮し、成長の機会を最大限に活用できるようサポートしています。

[小俣様]
福岡事務所では、コンサルタント経験者は渡部のみで、他のメンバーは未経験からスタートしています。そのため、OJTを通じて幅広い案件に挑戦しながら、コンサルティングスキルやプロジェクトマネジメント能力、ドキュメント作成能力などを身に付けています。
メンバーをみても、さまざまな案件に挑戦し、努力を重ねている姿が印象的です。グラビスでは、MBO(目標管理)制度を通じて、数年後の自身のあり方を踏まえ個人が主体的に目標を設定し、メンターと相談しながら成長を目指しています。メンバーは、自分の得意なことや好きなことを発見しながら業務に取り組み、幅広い案件に挑戦することで、コンサルタントとしての基礎能力を確実に身に付けています。

[清水]
そのような環境のなかで、活躍されているメンバーの事例をご紹介いただけますか?

[渡部様]
メンバーそれぞれが活躍しています。
小俣は、初めて担当した案件で成果を上げ、その後も顧客から信頼を得て複数の案件を担当するようになりました。さらに、その知見を生かして新規開拓にも挑戦し、成功を収めています。
大塚は、営業出身であり苦労もあったと思いますが、最初の案件で力を付け、お客様に認めていただき、今では新規も含め多くの案件を獲得するなど、確実に次のステージに進んでいます。
このように、特定のプロジェクトで活躍するというよりは、一人ひとりが以前はできなかったことができるようになる、という成長を遂げているのが見ていて楽しいですね。

[清水]
小俣様と大塚様はコンサルタント未経験ですが、立ち上げ期からコンサルタントとしてどのようにご活躍されるようになったのでしょうか?

[小俣様]
OJTとして実際のプロジェクトに参加しながら、渡部から成果物を細かくレビューしていただけたので、修正を繰り返すなかで成長できました。

[大塚様]
OJTなどを通じて足りない部分を自身で把握し、自身がスキルアップに必要と考える研修については、費用面も含め会社が積極的に受講を支援しています。主体的にスキルやノウハウを習得したい人には最適な環境だと感じます。

[清水]
「コンサルティングは習うよりやったほうが早い」という話は、コンサルタント経験者からよく聞きます。
特に大塚様は営業からコンサルタントに転身したということで、よりキャッチアップが大変だったと思います。それを克服するために心がけたこと、取り組んだことがあれば教えてください。

[大塚様]
正直に言いますと、最初はアウトプットを出すのに時間がかかっていました。納期直前に作成すると社内でレビューする時間がなく、アウトプットの品質が低下します。ですので、個人としての完成度よりも早く提出することを優先し、周囲からフィードバックを得ることで品質を向上させていくことを心がけていました。

[渡部様]
大塚の長所は、謙虚に物事を学ぶ姿勢です。グラビスに入る前に営業という立場で多くの経験を積んでおり、自分なりのやり方を変えづらい場面もあったと思います。
それでも、大塚は謙虚な姿勢で、周囲から学びながらアウトプットを捻出してきました。そのような姿勢は本当に素晴らしいと思いますし、誰もが見習うべき点ですね。

次ページ:グラビスの協力体制。ワーケーション制度で拠点を超えたコミュニケーション

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