経営共創基盤(IGPI) ×フォルトナ スペシャルインタビュー

-IGPI× Fortna Special Interview-

経営共創基盤(IGPI)グループは、企業や経済活動のあらゆる局面で生じる課題解決のため、「経営」の最前線に当事者として飛び込み、真のトランスフォーメーションの実現を粘り強く『共創』しつづける基盤(プラットフォーム)です。

今回は、共同経営者(パートナー)・マネージングディレクターの玉木 彰様に登場いただき、フォルトナ佐津川・岩崎がインタビューを行いました。

玉木様のこれまでのキャリアを紐解きつつ、IGPIが果たす役割やカルチャー、求める人物像等さまざまなお話をお伺いしました。

玉木 彰様 プロフィール
共同経営者(パートナー)・マネージングディレクター。
防衛省にて政策立案や法令改正、省昇格業務に従事した後、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現PwCコンサルティング ストラテジーコンサルティング(Strategy&))において官公庁、金融業、製造業、製薬業、不動産業等に対するコンサルティングを経験。主に成長戦略・事業戦略、業務改善、コスト削減等に従事。その後、IT系企業の戦略コンサルティング部門を経て、IGPIに参画。IGPI参画後は、多様な規模・ステージの企業に対し、企業再生・事業構造改革から成長加速まで、ハンズオンでの実行支援も含めて強力に推進。

防衛省から戦略コンサルタントという異色の経歴。最終的に辿り着いた、事業再生のフィールドとは

[岩崎]
本日はよろしくお願いいたします。まずは、玉木様ご自身のご経歴をご紹介いただけますでしょうか?

[玉木様]
私は国家公務員として防衛省でキャリアをスタートしました。日本の屋台骨を支えたいという思いが強く、国が国として存立し続けるために必要不可欠なテーマである安全保障を選びました。3年ほど勤務するなかで、安全保障の重要性は変わらず感じていたのですが、日本の屋台骨を支えていくうえではより幅広いアプローチで挑戦していきたいという思いが強くなりました。
そこで、さまざまな経験ができる戦略コンサルティングファームでのキャリアを選び、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現PwCコンサルティング ストラテジーコンサルティング(Strategy&)。以下、ブーズ)に入社しました。ブーズでは、企業の経営課題に対して、マクロ視点・ミクロ視点で深く考え、解決策を提示するということを4年以上経験しました。
そうしたなかで、今度はよりリアルな世界に携わりたい、戦略の立案から実行までを一貫して支援したいという想いが出てきました。クライアント企業に伴走し、より成果にコミットしていきたい、自身の芸の幅も更に広げたいと考え、それが実現できる経営共創基盤(以下、IGPI)に来たというのが私の簡単な経歴です。

[岩崎]
実際にリアルな経営に携わっていきたいと考えた際に、IGPI以外にもさまざまな選択肢があったと思います。そのなかでIGPIを選んだ理由について教えていただけますか?

[玉木様]
経営に携わるという意味ではもちろん、当事者である事業会社に行くという選択肢もありました。一方で、1つのことにコミットし続けることよりも、多種多様な企業やテーマにぶつかっていくほうが、自分が出せる付加価値の幅が広がり、私の性分にも合っていると考えました。よって、同じコンサルティング業界で転職することを決めました。
では、そのなかでもなぜIGPIなのかというと、私の想いと、IGPIが強みとする事業再生領域がフィットしたからです。当時は事業再生領域に携われるコンサルティングファームはそう多くはなかったと思います。IGPIは産業再生機構の系譜を汲み、複雑性の高い事業再生案件を手掛け、弊社代表(現在はIGPIグループ会長)の冨山をはじめとしたメンバーの「覚悟の違い」と「かっこよさ」に惹かれたのが決め手でした。

[岩崎]
冨山様とはどのようなお話しをされたのでしょうか?

[玉木様]
まず感想として、すごく人間味のある人だなと思いました(笑)。世間的には多少の誤解があるのかもしれませんが(笑)、一対一で会話をすると、私のことを見て、私のことを考えて話してくれます。そんな冨山に言われたのは、「その人が経験したことでないと、自信をもって語ることはできない。背伸びはできない。地道に積み上げて症例を重ねていくしかない。医者と一緒なんだ。」ということです。その言葉は今も心に残っていますね。

[岩崎]
実際にIGPIに入社されて、どのような領域・案件に携わられてきましたか?

[玉木様]
入社当初は、前職での経験も生きる新規事業開発や業績改善のような案件に取り組みました。まったく畑違いのところから入るのは立ち上がりに苦労するので、まずは経験してきた領域に近い案件から入ったわけです。
ただし、前職時代と異なるのは、提案した先での真の実行に携わる部分です。たとえば、この事業を立ち上げるには組織の誰を巻き込み、どのようなステップを経て、いつ・いくらお金引っ張ってきて、いつまでに継続判断をするか、というようなことを細かく検討し、伴走していきます。実際、数兆円規模の事業会社の経営企画に入り込んで、社員と同じように出社して退社するというようなこともやっていました。この点は、前職ではできなかった経験です。
事業再生をやりたいという思いを腹に抱えつつ、確実にクライアントにとっての成果を出したうえで、将来的にゴールに辿り着けばいいという考えでやっていましたね。すべての道はローマに通じる、という考え方です(笑)。
それ以降は、一貫して事業再生案件に携わるようになりました。

[岩崎]
念願の事業再生案件に携わられて、その先のゴールは見つかりましたか?

[玉木様]
まだ明確には見えていません(笑)。この先のどこかで見えてくるものだと思っています。
もともとは、生まれ育った町を豊かにしたいということを思っていました。では、本当にそれが目指すべきゴールなのかというと、明確にはなっていません。新たなローマはもう少し先にあります(笑)。

[岩崎]
自分が将来やりたい領域について悩む若手メンバーも多いと思いますが、玉木さんでもまだまだ悩まれていることを知ることができるだけでも、焦らなくてよいのだと安心につながると思います。

[玉木様]
領域を定めていくにあたっては、自分の「意思」と相手からの「求め」が合致することが大切だと思います。たとえば、自分が総理大臣をやりたいと言っても、周囲から求められなければなることはできません。なので、どれだけ求められる存在に辿り着けるかということが重要ですし、その過程で自然に自分がやりたいこともクリアになってくると思います。

未来を見据えた戦略の実現が、IGPI流戦略コンサルティング

[岩崎]
ここからはIGPIの概要についてお伺いできればと思います。まずはIGPIグループの全体像を教えていただけますか?

[玉木様]
IGPIグループのサービスラインはコンサルティング、インキュベーション、マジョリティ投資・事業経営の3つに大別されます。
コンサルティングについては、われわれIGPIを本体として、製造業のクライアントを中心にサービスを提供する「ものづくり戦略カンパニー(MSC)」とデジタルインテリジェンスの専門集団である「IGPI Digital Intelligence (DI)」の3組織でプロフェッショナルサービスを展開しています。
インキュベーションについては、「先端技術共創機構(ATAC)」による先端技術の研究と事業化の推進、国際協力銀行(JBIC)との合弁会社である「JBIC IG Partners」による海外向け投資ファンドへの助言、「NordicNinja VC」による北部ヨーロッパ地域のスタートアップ向け投資、先端研究を紹介するメディア「Top Researchers」の運営など、さまざまな活動を通して国内外の先端技術やイノベーションスパイラルの創出を目指しています。
マジョリティ投資・事業経営については、「日本共創プラットフォーム(JPiX)」が恒久的保有を前提とした投資事業を担うほか、「みちのりホールディングス」が東北・関東エリアの公共交通事業を、「南紀白浜エアポート」が南紀白浜空港の運営事業をそれぞれ経営しています。

[岩崎]
そのなかで、IGPIに対しては直近どのようなテーマの相談が多いでしょうか?

[玉木様]
最近は、どの会社も対症療法から予防療法にテーマが変化している印象があります。営業改革やコスト削減といった個別テーマよりも、5年先・10年先を見据えて会社の組織力そのものをどう上げていくか、いかにVUCAの時代に合わせて会社を変えていけるか、ということです。もちろん、従来の事業再生案件や全社改革案件も引き続きご相談をいただいています。

[岩崎]
未来を見据えて会社の組織力を上げるというクライアントのテーマに挑戦していく際に、コンサルタントとして求められる能力は何でしょうか?

[玉木様]
まず、思考の限界を決めない、今の常識を疑うということを大事にしています。「なぜそういう常識なのか」「なぜそういう制約なのか」「なぜそれが課題なのか」というように、「そもそも」の部分に目を向け、ボーダレスに考えることが、IGPIのコンサルタントには必要だと思います。一方で、絵に描いた餅では意味がないので、徹底的に目に見える成果にこだわり抜くことも大切です。このバランスこそがIGPIで求められる能力ですね。
また、弊社では「合理」と「情理」という言葉をよく使います。合理とは、ファクトとロジックのことです。特に若いうちは、ファクトとロジックをもって課題に挑戦することが非常に大切です。ただし、その次のステージに立とうと思うと、クライアントの内面を深く理解しながら導くということが必要になってきます。これが情理です。この合理と情理のバランスも重要な能力だと思います。

[岩崎]
事業会社などでご活躍されてきた方にとって、玉木様がおっしゃられたような思考にいきなり転換することは、相当難しいと思います。そのようななかで、IGPIとして工夫されている取り組みなどはありますか?

[玉木様]
入社時に研修があり、まずインプットとして、コンサルタントにとって必要な知識や共通言語を学習していただきます。
そのうえで、疑似ケースを独力でアウトプットし切る機会も設けています。どのようなバックグラウンドかに関わらず、分析から資料作成、プレゼンテーションまでを自力で行い、実際のプロジェクトワークを体感していただきます。ちなみに、私は人材開発担当なので、プレゼンテーションは私に対して行うことになります(笑)。
ケースのテーマは、たとえば外食チェーンのデリバリー参入など、現実的なテーマを選んでいます。オペレーションやコストなど、リアルな部分まで考えることになるので、バーチャルではありますが、思考の深さや広さを体感することができます。
インプット・アウトプットの集中研修は入社後2週間程度で、そのあとはプロジェクト経験を積み上げることになります。研修には限界があり、実戦に勝る経験はないと思います。もちろん、年間通じて定例的に実施している研修メニューも充実しています。

[岩崎]
直近、私が転職のご支援をしてIGPIに入社された方と食事に行った際に、その研修のお話をされていました。前職もコンサルティングファームの方でしたが、求められる思考の深さや広さがこれまでとは圧倒的に違うというお話をまさにされていましたね。
ベースとなるスキルセットを身につけた後は、クライアントが意思決定をできるよう、いかにクライアントの心を動かしていくかという困難にも直面すると思います。玉木様ご自身は、コンサルタントとしてそのような点をどう乗り越えてきましたか?

[玉木様]
私が担当する案件は基本的に困難が多いのですが(笑)、そのなかでも工夫しながら乗り越えて来ました。
最近の例でいうと、コロナ禍で債務超過に陥った企業への支援ですね。自力再生は不可能な状態で、事業再生ADR(中立的な専門家が金融機関等の債務者と債権者間の調整を行い、企業の早期事業再生を支援する制度)という制度を使う必要がありました。詳細は割愛しますが、その企業のオーナー様としては、今まで築き上げてきた財産と会社を手放さなければならないわけで、納得いただくのに総力を結集してぶつかっていきました。
ポイントは、当たり前のことではあるのですが、事実を詳らかにして徹底的に対話することでした。オーナー様に腹を決めてもらうために、「人の手に渡ったとしても、つくりあげたものを世の中に残しより良い形で継続させること、以って次なる飛躍に向けた土壌を再形成することこそが使命ではないか」ということを伝え、多数の金融機関様にご協力もいただき、さまざまな難題を越えていくわけです。
このような場面を共に乗り越えた現在では、そのオーナー様も新たなチャレンジをされていますし、再生した企業も新たな経営体制のもとで着実に利益を出しています。

[岩崎]
社内にもさまざまな領域のプロフェッショナルがいて、その総合力を結集させつつ、「合理」と「情理」のバランスのもとにご納得いただけたということですね。
先ほどの総合力に関連して、同じコンサルティングサービスを担う「ものづくり戦略カンパニー(MSC)」や「IGPI Digital Intelligence (DI)」とのコラボレーションについてはどのように行われているのでしょうか?

[玉木様]
ベストなチームを作るために、コラボは多数行っています。たとえば、製造業のクライアントに対するコーポレートトランスフォーメーションのような、現場改革からビッグデータを用いた需要予測まで一つのパッケージとしてコンサルティングを行う場合、IGPI・MSC・DIがワンチームとなってサービスを提供します。
われわれはプロジェクトの入り口から出口まで、一貫して同じプロジェクトチームですべてをやり切ります。事業計画の策定から、スポンサーをみつけるためのファイナンシャルアドバイザリー、法律事務所とのコラボレーションに至るまで何でもやるわけです。個人でそれらをすべてやるのは難しいですが、チームとしてできるというところが圧倒的な総合力だと思います。

[岩崎]
入り口から出口までというお話がありましたが、IGPIといえば一気通貫のハンズオンというイメージがあります。昨今、戦略コンサルティングファームも戦略から実行まで一気通貫でやるケースが増えている一方、フェーズごとにチームが区切られていたり、一部外部に委託していたりということもあると伺っております。その点、一つのチームで入り口から出口まで対応できるのが、IGPIの強みですね。

[玉木様]
われわれとしては、この類型の案件はハンズオンで、というように明確な決めをしているわけではありません。クライアントに対してリアルな成果を出そうとした結果、物理的にも精神的にもクライアントに近いところで伴走しているといった具合です。
もちろん、10年後を見据えたときにどうすべきかといったザ・戦略案件を担うこともありますが、むしろその戦略をどう実現するかを考えることが肝要だと思っています。

[岩崎]
ハンズオンと聞くと、馴染みのない方にとっては「ただ常駐しているだけ」というイメージになることもありますが、IGPIの場合は成果にコミットすることにこだわるが故に、ハンズオンスタイルをとることが多いということですね。

[玉木様]
成果を出すためには、立てた戦略を戦術レベルに落とし込む必要があります。たとえば、何かの指標と結びつけたり、個人目標とリンクさせたりというように、一つの大きな戦略をどれだけ組織の隅々にまで浸透させ、タイムリーにサポートできるかで、その戦略を実現できるか否かが決まってきます。
ここが最も骨が折れる部分ですが、成果を出す要でもあります。

[岩崎]
今後のIGPIグループのビジョンとしてはどのようにお考えでしょうか?

[玉木様]
真の経営人材を社会に輩出することがわれわれの使命だということは今後も変わりません。経営者になる人や、「代打、俺!」と言えるような人材を増やしたいと本気で思っています。
また、 われわれは単なるコンサルティングファームではなく、経営プラットフォームです。コンサルティングサービスに留まらず、インキュベーションやマジョリティ投資・事業経営機能も強化しますし、どんどん新たな機能も拡大していくのが今後の方向性です。それらの機能との相乗効果で、コンサルティングサービスの質も更に磨きあげ、変化する時代の要請に常に応えられる状態であり続けたいと思っています。
そして、クライアントに対しては、目に見える成果にこだわるということに尽きますね。そのためにも、あらゆる経営課題の最前線に立ち続けていきます。

次ページ:オフィスも制度もリニューアル。生まれ変わったIGPIが求める人物像

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